「忘年会の参加は強制ですか?」
みなさん、ごきげんよう!
㈱ネクストンのまついさんです。
早いもので年末に突入しました。学生の皆さんも働いている皆さんも忘年会などがあるシーズンではないでしょうか。
この手の話題になるとネット記事などで必ず出てくるのがが「参加は強制ですか?」という新入社員さんのお悩み投稿です。
会社の行事としてのものは「業務の一環」なので基本的には参加しないといけないということになりますが、日頃のお酒を伴うご飯のお誘いなどは個人単位のことなので自由であると思います。
ただ、法律的な解釈でいいますとそうなのですが、現実的な話として自身のお仕事については結構重要なことかもしれませんので、今回はコミュニケーションの大切さのお話をしたいと思います。
ネクストンは原則としてリモート勤務は認められておりません。ご家族の関係で一時的に…というのはありますが、例外を除き、出社して仕事をすることになっています。
ゲーム制作というものは個人の仕事の集合体であることは間違いありません。原画が絵を描き、CGが彩色し、ライターがシナリオを書く、そしてスクリプトが組み立てます。
しかし、それぞれの工程でディレクターなり他のセクションとのやりとりは発生しますし、企画そのものの相談や展開についての相談、そこから新しい企画が生まれるかもしれませんので、実際に顔を合わせての相談や雑談などのコミュニケーションが非常に重要な役割を果たします。
日々のやり取りの中で、技量だけではなく、仕事のやりやすさ・考え方・性格・イメージの伝えやすさ・人柄という様々なものを少しずつ、相互に理解していきます。
どういう効果があるのか、例にしてみますと…
ディレクターが、ある作品のCG管理をするチーフを選ぼうとする場合、AさんとBさんがいて技量や管理にさほど差がない場合、どちらを採用するかの差につながるのは「仕事のしやすさ」です。
普段、雑談をしたり、ご飯を食べに行ったりで話のしやすさがある方を採用するでしょう。こちらをAさんとします。
選ばれなかったBさんは「贔屓だ!」と言うことがあります。ひょっとするとBさんの方が彩色能力・管理能力が少し高い場合でもAさんが採用されることがあります。
これは差別でしょうか?正当な評価ではないのでしょうか?答えはNOと僕は思います。
ディレクター視点でいいますと、これから長丁場での制作が始まるというところで、多少の能力が劣っていようと、相手のことがわかっているAさんと組んだ方が仕事をしやすいでしょう。たとえ、Bさんがどれだけ意気込みがあっても、一緒にやっていきたいと思っていてくれていてもそれが伝わることはない、伝える努力、伝える機会を作っていないのです。
ディレクターサイドの場合でもこの問題は起こります。社内で自分の企画に起用したい原画家、ライター、CGがいたとしても自分と組んでくれるのか、スケジュールを優先して考えてくれるのかなどは企画の内容だけでなく、一緒にやってもいいよと思ってくれる関係作りが必要です。
会社内にゲーム制作チームが一つか二つしかない場合はこういった問題はなかなか起こりません。選ぶ余地はなく、スタッフがほぼ固定だからです。
ネクストンの場合は、社員は原則自分の仕事は自分で作る・見つける、です。
ディレクターは自分の企画を作り、スタッフを社内・外から自分で集めなければいけません。同様に、ディレクター以外も自分の手が空かないように自分が入る企画を見つけなければなりません。
社内独自のツールとして全員が見ることができる日報はありますので、今なにをやっているのかなどは知ることはできますが、そこで全ての情報が共有されることはなく、自分で積極的に動いていかなくてはなりません。
このコミュニケーションは、自分の仕事を作るというだけでなく、自身の仕事のステップアップにも関係します。その例を社内の事例を基にご紹介します。
例えば、彩色を担当するCGさんは、実は原画志望ということが多々あります。
SD原画をやりたい、リアル頭身の原画をやりたい、自分がメインの原画をやりたい、という相談もよくあります。
そういった不満は、自分に対して会社が仕事を用意してくれない、ディレクターが誰も自分を起用してくれないといった愚痴に繋がることがあります。
果たしてそうなのかな?と僕は答えるようにしています。
自分がこんな絵が描けるようになった、これぐらいの速度で描けるようになった。そういったアピールを貴方は直接自分を起用してほしいと思うディレクターにしているのかい?と。
ディレクターの仕事は自分で企画を作り、赤字を出さないようにきちんと売上をつくることです。そこには「社内のスタッフのみでやらなければならない」という縛りはありません。
また、社内にもライバルはたくさんいるわけですから、自分のステップアップとして新しい舞台を目指す場合は、少なくとも社内のライバルにも負けないところを見せないといけません。
コツコツと無心に頑張っていれば天は必ず見ている…と言われるかもしれませんが、それは、期待する側の行動ができないことの言い訳だと僕は思います。
少なくともディレクターは見ていません。
やる気があることは伝わっていたとしても、実際に何か描いた絵を見せる、リテイクなどのやり取りもスムーズに言い合える相手だぜということをアピールしないといけません。
社外のやり取りでも同じことがあります。「お酒の席での話」と言うのは関係性作りでもやはりいい機会であることは間違いありません。
人付き合いは面倒なことが多いです。自分がもてなす側の場合は特に面倒でしょう。
ただ、参加しなくてもいい、自分の時間は大事にしたい、勿論それはその通りですが、そのために失われていくチャンスがあるというのもまた事実です。
少なくとも、自分を評価してくれる相手や、自分がステップアップするチャンスを持っている相手、一緒に仕事をしたい人がいるのであれば、気乗りはしないかもしれませんが、コミュニケーション作りの場として頑張った方がいいのではと僕は思います。
と言う前向きな気持ちをもって、この忘年会シーズンを乗り越えてくださいね!!
あ、ちなみに僕個人的には、誰か社内の人とランチや夕食に行く際は、仕事の駆け引きや抜擢の意図は持っていません。昼は誰でもいいので誘える人、夜はできればお酒が飲める人に声をかけています。全く飲めない人を居酒屋に誘うのは気がひけるし、食べる速度なども違いますしね。
皆さんも、社内外で仕事のチャンスを増やすという意味では、少しくらいはお酒飲める方がいいですよ、というのは個人的なアドバイスとして書き置いておきますね(笑)。
▲12月20日発売予定の『夢幻のティル・ナ・ノーグ』(あざらしそふと+1)はすでにマスターアップ告知済み。『催眠性指導 -Secret Lesson-』(だーくワン!)とともに今年の年末商戦はネクストン系の大作2タイトルが牽引していて注目なのだ
まついさん
BaseSon、あざらしそふと、Liquid、エムズトイボックス…等々、数多くの人気ブランドを抱える美少女ゲームメーカー・ネクストンの統括プロデューサー。精力的にリリースを続けるネクストンの中で事業のほとんどに関わっており、さらに広報やイベントの売り子など萬屋的な仕事もこなすなど、多忙を極めている。11月は『年上彼女』(あざらしそふと)が発売。12月は『夢幻のティル・ナ・ノーグ』(あざらしそふと+1)と『催眠性指導 -Secret Lesson-』(だーくワン!)と『異世界縁交After』(だーくニャー!)、1月は『戦姫ヒロイン敗北アンソロジー』(Lusterise)、6月は『聖奴隷学園3』(Liquid)が発売予定だ。ネクストンは年末の12月29日(日)~30日(月)に東京ビッグサイトにて開催されるコミックマーケット105にも企業ブースで参加。詳細はネクストンの公式HPのイベント情報、もしくは公式通販サイト・ねくねっとのXで確認しよう!!
▲ネクストンの公式通販サイト・ねくねっとのXはこちら。コミケに参加したら是非企業ブースにも足を運んでみよう!!
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