「いいゲーム」についてのお話
皆さんごきげんよう! ネクストンの万事屋、まついさんです!!
さて、今回は「いいゲームとは?」について語りたいと思います。
この回答については立場が違ったら答えも変わってきます。
①メーカーサイド(クリエイターではなく法人として)
いいゲームは「売れたタイトル」です。会社の売上高を出してくれる商品です。
②クリエイターサイド
「自分が制作に満足したタイトル」と言われることがあります。
勿論社員であれば、たくさん売れたらボーナス支給がされるところが多いと思いますが、フリーランスの方の場合は、出来高給がついていなければ原稿料のみなので、いかに自分が楽しくできるかに重きを置く方がいても当然かもしれません。
③ユーザーの皆さん
これは「自分がプレイして満足したタイトル」になるかと思います。
満足するポイントは皆さんバラバラであると思います。
エロかった、泣けた、楽しかった、特定のキャラが大好きになった、この声優さんがでているだけで満足…。
勿論、全てを網羅するのは難しいのでそれは作品のジャンル分けでユーザーさんの満足ポイントを絞った作品作りをしていると思います。
この3つの立場を全てクリアした作品の制作はまぁ、難しいとは思います。
私自身、他社さんの作品は多くプレイしてみますので、売れている作品だけど特にグラフィックがいいとかシナリオが…とかがいいとは思わないという作品もありますし、プレイしてみるととても丁寧で、いい絵とシナリオをしているのだけど、聞いた販売本数自体はそこまでではない…。
ということが多々あります。勿論、ネクストン作品でも評価はいいのにあまり売れていない作品というのは結構あります。
では①、②、③のシナジーをみていきましょう。
①×②の場合
メーカーにとって幸せな展開かもしれません。気持ちよく仕事をしてもらって且つ売れるのですから(笑)。
ただ取り回しは難しくなります。大抵の場合、②は「完成までのこだわり」が原因で遅延が発生しますし、特定の誰かの作業を待つことになる他の人からの不満でチーム不和が起きやすいです。そこをケアしていくのも管理者の役割になるかもしれませんね。
①×③の場合(②と③の場合を含む)
これは結構、販売計画が必要となります。上記で述べた「名作と評価されているけど本数が伸びない作品」は②×③の側面の一つになるのですが、販売計画としての販促やジャンル選びも原因となります。
例えばエロゲのアクティブ購入層が20万人いたとします(数字は適当です)。
そのうち特定のジャンルが好きな人、ケモノ、熟女、百合、ロリ、TSなどの割合は各1割の場合、大半の層がスルーしてしまうことがあります。
勿論、そのジャンルが好きな人がみんな買ってくれたら①になる可能性もあります。
が、分母が多い層に販促として商品情報を伝えること以上に、特定の層のユーザーに商品情報を伝えることは困難です。
私たちメーカーが一番やってはいけないことは①×③が成立しないことだと思います。
前評判はとてもいいけど、いざ発売してみたら色々不備があったなどです。
ある程度絵柄やシナリオに関しては事前情報や体験版などはあるとは思いますし、好みとは違ったとか、こういった展開になってほしかったというものはあると思います。
100%理想ですが、及第点にはなっていてほしいなと思っています。
システム的な不具合や、不義理なことは最低でも起こしてはいけないと注意しています。
ニッチなジャンルでも①を目指す一つの可能性として、分母を増やす=ユーザー人数を増やすということになりますので、その布石が海外翻訳版であるのかなと思います。
楽しくつくって、皆さんが楽しくプレイして、会社も売り上げがあがればいいですね!
というのを目指します!!
▲良い作品を世に送り出すため、ネクストン&まついさん氏は年末に向けて大忙し!! ネクストン30周年記念タイトル『ONE.』(novamicus)もいよいよ発売まで1ヶ月を切り、カウントダウンムービーを公開中。皆も「いいゲーム」で幸せな年末年始を過ごしましょう♪
まついさん
BaseSon、あざらしそふと、Liquid、エムズトイボックス…等々、数多くの人気ブランドを抱える美少女ゲームメーカー・ネクストンの統括プロデューサー。精力的にリリースを続けるネクストンの中で事業のほとんどに関わっており、さらに広報やイベントの売り子など萬屋的な仕事もこなすなど、多忙を極めている。年末の12月22日には『ONE.』(novamicus)、『アマナツ ~Perfect Edition~』(あざらしそふと)、『真・恋姫†英雄譚外伝 白月の灯火』(BaseSon)と、驚異の3タイトル同時リリース。さらに12月30~31日開催の冬コミにも参加予定で大忙し。ネクストンの冬コミの詳しい情報はまだこれからなので、公式HPの「イベント情報」をチェックしておこう!!
▲ネクストンはさらに来年に向けて注目作を続々アナウンス。3月発売予定の新ブランド・Archiveのデビュー作『アンラベル・トリガー』は、名作『創作彼女の恋愛公式』(Aino+Links)のスタッフが中心となった超注目作。他にも2月には『戦国†恋姫 10th Anniversary BOX』(BaseSon)と『ガルドマ -女子寮の管理人- After-』(あざらしそふと+1)が同時リリース予定など、2024年も美少女ゲーム業界を熱く盛り上げてくれそうだ!!
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