【ネクストン・まついさんの万屋月報】統括プロデューサー“まついさん”氏による連載コラム!!　今月はパッケージゲームについて語ろうと思います【第11回】

皆さんはパッケージゲームを予約する際にどのくらいのタイミングで予約をしますか？

　みなさん、ごきげんよう！　ネクストンのまついさんです。

　今月はパッケージゲームについて語ろうかなと思います。

　少し前にある大手通販サイトでフィギュアを予約したもののキャンセル扱いになってしまった…という話題があったと思います。この話題については弊社の会員サイトである「ネクストンパスポート」のブログにて触れたことがあるのですが、理由として考えられるのは、「受注期間〆後にも予約をとりすぎて、メーカー(流通)から納品される分が足りなくなったから」であろうと思います。
　これはフィギュアに限らず、どの業界の物でも起こり得ること、勿論我らがエロゲ業界でも起き得ることというか、まれによくあることでもあります。

　皆さんはパッケージゲームを予約する際はどのくらいのタイミングで予約をしますか？
　予約開始された直後？　あるいは、その前月の発売日に店舗に行ってついでのタイミングでしょうか。もしくは発売月に思い出して慌てて予約しちゃいますか？

　パッケージゲームで一番予約が伸びるのは「マスターアップ宣言後」と言われています。
　この宣言がでるまで本当に発売日に出るのかが怪しいのがエロゲ業界です(笑)。
　安心して予約できるタイミングとして、そのように考えてしまう人がいるのも納得です。
　ユーザーさんにそのような悪いイメージを植え付けた過去のメーカーには思うところもありますが、もうそういったところの多くは消えていますね。
　そのため、この「マスターアップ宣言」は皆さんが一番お店に来るタイミングには出しておきたい情報となります。
　そう、発売の１ヶ月前に皆さんがお店に来るタイミング…「最終金曜日」エロゲの発売日です。
　※本当はできていないのに、このタイミングを逃したくないからといってする宣言を「エアマスター宣言」と言いますがその話題はちょっと割愛しましょう。

　パッケージゲームですが、DL販売とは異なり、予め「製造」という工程が必要です。
　何も特典のない通常版は発売月の最初の週ぐらいに製造数を決定します。豪華版などグッズがたくさん付くものについては、グッズの製造に時間がかかる事が多く、発売の前月下旬ぐらいには製造数を決定して制作を依頼しないといけません。
　ということは前月最終金曜日のマスターアップ宣言より前に、豪華版の数量決定をしなくてはいけない…ということもあります。
　ましてや、海外で製造することが多いフィギュアなんてもっと前の時点で数量決定をしなくてはいけないでしょうね。
　勿論、受注〆日というものは店舗さんには開示されておりますが、ユーザーの皆さんにはメーカーからの告知はありません。
　店舗さんが自分のところでの予約受付終了日を伝えることはあります。
　店舗さんは、メーカーからの受注締め日で製造数を伝える際に、
「自分のお店にきた予約数＋発売日までに追加でくる予約数＋発売日に店舗で商品棚に並べる数」
を計算します。それが「実際に発注する数」となります。
　なので、発売日近くに「予約できたわ、ラッキー！」ということは発売日に並ぶものを一つ消費してしまっているということにもなりますし、発注数が増えてほしい、メーカーの立場としても、前もって予約してほしいな♪ということを心に留めておいていただけると大変、助かります(笑)。

　ここで冒頭の話題に戻ります。
　もし、メーカーの示した受注期間を超えて、お店の発注分を超えて予約を受け付けてしまった場合どうなるか…おわかりですよね？
　お店に商品が届きません。
　某通販サイトのシステムであれば、発売後１カ月は準備中となるのかな、その後、商品入荷がなければ強制的にキャンセル扱いとなり返金になるそうです。
　ユーザーの方からすれば、メーカーの製造が間に合わなかった無計画だ！　とか不誠実だ！　と思われるかもしれません。うん、メーカーのせいかな？　僕は違うと思います。
　メーカーも少しは余分に作っていると思います。
　それでもせいぜいキリのいい数字とか、製造費があまり変わらない数量での話です。
　注文が来ていないのに大量作ると費用もかかりますし、在庫は資産と評価されますので、倉庫のこやしになっているだけなのに課税されてしまいます。
　フィギュアの返金問題はおそらくこのような事情じゃないかなと僕は思いますが、皆さんはいかがでしょうか。

　あ、ここからは余談となりますが…
　今はDL販売がありますので、ゲーム自体が入手困難となることはあまりなくなりましたが、昔はプレミア価格になるパッケージゲームが多くありました。
　なぜ値上がりするのか、それは勿論「需要と供給」のバランスが合っていないからです。
　ただ、そのようなタイトルも、きちんとリリース案内を出して予約受付をして発売日を迎えています。発売してから人気になるきっかけがあったのでしょうね。
　よくある例だと、アニメ化して人気になった、中に入っているトレカが強くてゲームより高額、プレイした人の評価がすごく高い、初回版で歌のCDがついている、某アワードで受賞した…などでしょうか。
　中古が値上がりしているのだから、メーカーは増産すべきだ！
　と思う方もいるでしょう。
　ま、たまに普及版とか廉価版とかで出すこともありますが、あまりありません。
　どれくらい作ればいいのかわからないからです。
　また再生産の少量の制作はかなりのコスト増加となります。
　箱や説明書などの印刷物は大量に製作するから現実的な価格となります。
　最初のように通販や店舗でガッツリと予約をとってまとまった数量でない限り、店頭で並べる数本をいくつかの店舗から要望を出されても作れない…というのが現実です。
　もちろん、全国の店舗からそういった要望があれば、流通会社さんがその声をまとめて、メーカーに依頼すれば作ろうか…ということになるかもしれませんが、全国の店舗さんが横でつながっているわけではないので、その声が揃うことはあまりありません。
　なので、パッケージで買いたいという方は、事前に早い段階で予約をして頂くことをお勧めしますし、メーカーとしてもお願いしたいところです。

　ね、再生産することなんてほとんどないのに、某タイトルを受賞したからこのマークをパッケージに入れてもいいですよってきても、いらねぇよ！　って、なりますよね、何のことかは言いませんよ(笑)。

　ではみなさん、次回の記事でまたお会いしましょう！

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