年上ヒロインを中心に様々なタイプのキャラで活躍する榛名れんさんに直撃インタビュー!!
美少女ゲームに登場する魅力的なヒロインたちに命を吹き込む声優さんをピックアップしてこれまでのキャリアや仕事へのアプローチを掘り下げていくBugBug本誌の人気コーナー「BugBug声優STATION」。
BugBug12月号では、今年でデビュー15周年を迎えた榛名れんさんが登場!! 全7ページに渡って語っていただいた濃密な内容、その一部をここでダイジェスト的に紹介しよう。
▲お姉さん系がハマる爽やかな声の榛名れんさんにインタビュー!!
アニメ好きが高じて声優志望に
──榛名れんさんは2009年のデビューですから、今年で15周年になるんですね。
榛名:実は今回のインタビューのオファーを受けるまでそのことに気付いていませんでした。あっという間ですね。
──美少女ゲームに音声が入り始めたのが1990年代後半ですから、ベテラン声優さんの一人ですね。
榛名:いえいえ、私はデビュー前から美少女ゲームを知っていましたけど、ベテラン声優というのはその頃から活躍されている方ですよ。だからそんな風に言われると申し訳ない気持ちがしてしまいます。とはいえどんどん若い声優さんがデビューされているので、いつまでも「右も左も分からない新人です」みたいなことも言っていられないと思いますけど(笑)。
──そんな榛名さんが声優という仕事を意識されたのはいつくらいだったのですか?
榛名:小さい頃からアニメが大好きで、特に女の子向け作品をよく見ていました。そんな時に声優を扱った特番を見て、「こんな仕事があるんだ。やってみたい!!」って思ったのが最初ですね。
──では小学生くらいから声優になりたかったわけですか?
榛名:そうですね。その後成長する中で「漫画家もいいなあ」とか他の職業にに浮気したりもしましたけど(笑)、基本的にはずっと声優という仕事に憧れていました。
▲ここに紹介したのはメインヒロインとして登場した作品だが、サブキャラでもさらに数多くの作品に出演しているのだ
真面目なだけでは声優になれず挫折も経験
──養成所には何年通ったのですか?
榛名:基礎訓練から教わる本科が2年で、そのあと専門のクラスに分かれていく流れでした。私はただただ声優になりたいという想いしかなかったので、レッスンの意味など考えずがむしゃらにやっていましたね。
──それでカリキュラムを修了すると事務所に所属、となるのですか?
榛名:すんなりいけばそうですけど、全員がそういうわけにはいきませんよね。私は「声優になりたい」という熱意だけでレッスンを受けていたんですが、自分がこういう声優になりたいというビジョンや、そのためには何を勉強すべきか、今やっていることをどう活かすべきかということを考えていませんでした。講師の方からは真面目さは評価されていたんですが、声優として光るものを持っているとは思ってもらえなくて、講師の方との面談でも「真面目に頑張っているけど、一歩足りないからもう少し見てみたい」と言われて、なかなか所属になれなかったんです。そういうことが何度か繰り返されていく中でついに私の心が折れてしまって…。「声優になりたい」という思いだけで全力で走っていたけど、どこまでやり続ければいいかわからなくなってしまって、体も心も疲れ切ってしまったんです。
──それでどうされたのですか?
榛名:声優の道を離れて就職することにしました。とはいえ資格も学歴・職歴もないので派遣として事務の仕事を始めました。
▲やる気だけでは声優になれないと一度は諦めた榛名さんだが、様々な人の縁もあって同じブランドから繰り返し仕事の依頼が来るほどになった
『殻ノ少女』オーディションで再挑戦
──なるほど。でも今こうしてお話しているということは…。
榛名:はい。声優の世界に戻ってきたわけです(笑)。派遣された会社はいいところでしたし、収入も安定していました。でもやっぱり「ここじゃない」って気持ちが強くなっていく。ちょうどその頃、インターネットを介して知り合ったオタク仲間の中に声優志望の子がいて、設立したばかりの養成所に入ることが決まったんです。で、素質は認めてもらえているのにだんだんレッスンに行かなくなってしまって、結局除籍になってしまうんです。私はその子を応援していただけにそのことでモヤモヤが募っていって、そこから「私ならもっと頑張れるはず」という気持ちが生まれて、声優に再挑戦することにしたんです。
──再挑戦のきっかけとなったんですね。
榛名:その時は「声の仕事ができるならなんでもやる」って気持ちでした。その時に挑戦したのが『殻ノ少女』(Innocent Grey)のオーディションだったんです。
──当時美少女ゲーム業界でも話題になったオーディションですね。結果はどうだったんですか?
榛名:オーディションには落ちたんですが最終審査まで残って、その最終審査はライブハウスで行われたんです。そこにロックンバナナの社長さんが立ち合われていて、「オーディションはダメだったけど、うちから仕事を紹介します」と言われて、ご縁ができたんです。
▲ロックンバナナから紹介してもらった『満淫痴女電車3 ~痴女FOREVER~』(EROTICA PEACH)のお仕事でついにメインヒロインデビュー!!
繋がった縁で掴んだ美少女ゲーム声優
スタッフに恵まれて成長した若手時代
──2009年にデビューされていますが、このお仕事はその流れでなのですか?
榛名:はい。ロックンバナナさんからお話をいただいたものです。私はロックンバナナさんには所属していなかったので、フリーとしてのお仕事でした。同じ時期にデビューした新人さんの中では年齢が上だったので、とにかく必死で頑張りましたね。
──そんな榛名さんですがデビュー2年目くらいまではサブキャラ、モブキャラでの出演も多いです。これはご本人にとっていかがでしたか?
榛名:この時期にサブキャラやモブのお仕事で経験を積めたのは大きかったと思います。同じ時期にデビューした声優さんで最初からメインヒロインをどんどん担当した人もいて正直当時は羨ましかったし、私も人気ヒロインを担当して名前も知られるようになりたいと思っていました。でも今振り返ってみると、私らしいお仕事の仕方をさせていただいたかなと思います。
──この時期にサブやモブで出演していたアリスソフト、Waffle、Liar-softといったところは後に出演が続いているブランドでもあるんですよね。
榛名:そうなんですよ。ご縁が繋がって今でもお仕事をいただけているというのは本当に嬉しいですし、声優を続けてきてよかったです。低空飛行かもしれないけれど、続けてきたことで繋がっているご縁だと思います。
▲メインヒロイン役を受けるより前に『ばにしゅ! ~おっぱいの消えた王国~』(アリスソフト)のモブキャラなどで経験を積めたことは、大いに役立ったという
長く仕事の縁が続くメーカーとの出会い
──ここからは榛名さんにとって転機になった作品をいくつかピックアップしていただければと思います。
榛名:はい。まずはデビューした頃ですと、Vanadisさんの『碧眼の双騎士フェリルとリリカ』です。この作品はやりたいと思ったキャラをオーディションでいただけたということで印象に残っています。
──オーディションはなかなか通らないといろんな声優さんから伺っています。
榛名:そうですね。ただこの作品は自分に一番しっくりくるキャラを選んでオーディションテープを作りました。ロゼという褐色の暗殺者なんですが、セリフも凛々しく落ち着いた感じで「やりやすいな」って思いました。この作品ではもう一人、悪役キャラを振ってもらったんですよ。サブキャラなんですけど物語に関わってくる結構セリフの多いキャラで、こちらも面白かったですね。Vanadisさんには後に『もんむす』シリーズでもお世話になるんですけど、本当にこういうブランドさんが多いんですよね。一方で「出たい!!」と思っていてもなかなか声のかからないブランドさんもありますし。ご縁って面白いなあって思いますね。
▲ブランドとの相性が良かったのか、榛名さんはこの後もVanadis作品である『もんむす』シリーズでも長く出演する縁となる
最初の転機は人気の百合系作品への出演
──他の作品ですといかがでしょう。
榛名:Liar-softさんは音声に求めるものも他のメーカーさんと違うので、収録も独特で刺激になりました。そんな中でも一つ選ぶとすれば『屋上の百合霊さん』でしょうか。
──2012年の作品で2018年にはフルボイス化された『屋上の百合霊さん~フルコーラス~』が発売されました。
榛名:転機と言えばまずはこの作品でしょう。絡みのシーンよりも心の動きを中心に描いた作品であることの新鮮さ、そしてやはり百合作品であるということ。カップル固定で二人の人間関係を主人公の結奈ちゃん視点で見せていくという他にあまりない作品だったので、楽しい収録でした。それと出演声優が錚々たる方ばかりで、その中で私一人ぺーぺーの新人なんです。そこに自分がいることが信じられなくて、収録現場でご一緒することはないんですけどなぜか緊張していました(笑)。
──2018年のフルボイス版では追加の収録もあったんですか?
榛名:ありました!! 2012年版はパートボイスだったので、私の担当する桐ちゃんの告白シーンに声が入っていなかったんですよ。そこにようやく声をつけることができて嬉しかったですね。うーん、いろんな意味で他にはないゲームなので自分の中で別格になっているんです。実は今でもXのヘッダーは『屋上の百合霊さん』なんです(笑)。
▲エロ主体ではない、心の機微を丁寧に描く魅力的な作品。Liar-softならではの独特な作品で、榛名さんも大のお気に入り
アトリエかぐやでは知名度を広げる作品に
──その他の作品となるといかがでしょう。
榛名:その後だと、これは私の声優キャリア全体の転機になった作品と言えると思うんですが、2014年に発売されたアトリエかぐや BARE&BUNNYさんの『ばくあね ~弟しぼっちゃうぞ!~』です。ここまでも様々な作品に出演させていただいたんですが、ユーザーさんからの「このキャラが好き」という反応を感じられた作品なんです。
──それはSNSでですか?
榛名:はい。この時期にはTwitterを始めていましたが、そこでの反響がこれまでにないくらい良くて、アトリエかぐやさんの人気を実感しました。与えていただいた役も良かったんだと思っていて、choco chip先生のキャラデザインとクール系お姉さんというキャラ性が相まって、「私の声を活かしていただいたな」って思いました。今でも私を応援してくれるユーザーさんがアトリエかぐやさんからきているなって分かるんです。本当に声優としての転機になった作品とキャラクターですね。分かりやすく言えば知名度を上げていただいた作品だと思います。業界的にも「代表作は?」と聞かれたら名前を上げられる作品ですし、これ以降クール系お姉さんという役柄も増えたと思います。
▲『ばくあね』の早崎実桜は見事にハマり役となり、声優としての榛名さんの人気と知名度は一気に広まった
どこまで仕事ができるか、時間が足りない!!
──まだまだお忙しそうですが、オフの日などはどのように過ごされているのですか?
榛名:うーん…NetflixとYouTubeを見ていますね。Netflixでは映画館に行けなかった映画を見ることが多いです。
──外出などはされないんですか?
榛名:近所を散歩するのは好きです。ただ、あまり遠出するのは好きじゃなくて。
──仲のいい声優さんなどはどなたですか?
榛名:仲良くしていただいているのは秋野花ちゃんとか雪村とあちゃん、上田朱音ちゃんとかですかね。
──そういう方たちと外出したりは?
榛名:ご飯を食べに行くくらいで旅行とかはないなあ。皆さん忙しいのでやっぱり近場ですね(笑)。
──さて、声優として15年活動されてきた榛名さん。今後声優以外のお仕事でやってみたいことなどはありますか?
榛名:うーん…声優以外の仕事というのはないかもしれない。声優になるまで時間がかかったので、時間が足りなく感じているんです。私はあとどれだけ声優の仕事をできるのかって気持ちでいるので、声優以外の仕事は考えられませんね。
▲声優として様々な作品に精力的に出演する榛名さん。デビューが他の人より遅めだったこともそのモチベーションになっているのかもしれない
声優だから繋がる人との絆が一番の楽しさ
──なるほど。ぜひ声優に付随するお仕事でも活躍を期待したいところです。そんな榛名さんが考える声優という仕事の楽しさをお聞かせください。
榛名:私が声優という仕事を知った時に感じた面白さは、誰かになり切れること、世界に入り込めること、自分じゃない誰かになれることでした。でも15年のキャリアを経て感じる楽しさは、声優という仕事を通して沢山の人と出会えることです。自分が声優であるからこそ制作スタッフさんや関係者さんと繋がることができて、いろんな話ができる。先方も私が声優だから話してくれることがある。お互いを尊重して繋がれるということに楽しさを感じています。
──それでは最後にBugBug読者にメッセージをお願いします。
榛名:気がつけば15年ということでここまでで来たことに自分でも驚いているのと、まだまだだなって思いの両方があります。ステキな先輩たちが沢山いて、キラキラした若手たちも沢山いる世界で私も頑張っていければと思います。皆さんがプレイするゲームに私の名前があった時、「そういえばこの人のインタビューを読んだな」って思ってもらえるよう頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。
▲催眠にかかった状態でのラブラブHという特殊シチュエーションは本作ならではの魅力。榛名さんによると収録も楽しかったとのこと
声で繋がる人の縁を大切にして声優に全力投球!! 榛名さんのインタビュー全文はBugBug12月号で★
15年のキャリアがありながら気を緩めることなく声優という仕事に打ち込む榛名れんさん。7ページに渡る本誌インタビューでは彼女のこれまでの出演作品についてさらにたくさん熱く語っていただいているので、ファンは見逃せないぞ。
また、紙版BugBug12月号の付録DVDでは榛名さんの出演作品厳選10タイトルから見どころをピックアップ!! こちらも要チェックだ🎵
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