妹属性を中心に声優の世界で幅広く活躍する秋野花さんにロングインタビュー!!
今をときめく美少女ゲーム声優に、お仕事を中心に語ってもらう「BugBug声STATION」。BugBug5月号では、『同級生2リメイク』で鳴沢唯役を担当することが発表された秋野花さんに7ページに渡ってインタビュー!! 重積にプレッシャーを感じながらも奮闘する彼女から語られる、これまでの軌跡とプライベートなお話。ここではその一部を紹介しよう。
▲様々な役で高い評価を得ているが、なかでも可愛いくて元気な声の妹・後輩タイプのキャラクターは特にファンが多い
上京した養成所時代に待っていた
予想外の展開
──養成所には何年くらい通われていたんですか?
秋野:2年くらいかな? その養成所は毎年進級試験があるんですが、1年目が終わっての進級審査で上がれなかったんですよ。というのも、上京する時に親から出された条件が「大学進学」で、大学に通いながら週3日養成所に通うことになったんです。それでせっかく大学に進むなら勉強をしたい学部に…と思ったら、1年目の授業が大学と養成所で重なってしまって(笑)。しかも大学の場所が養成所から離れた場所にあって、養成所のレッスンにほぼ毎回1時間くらい遅刻していたんです。
──こういうことをお伺いするのは失礼なのですが、受験の際に調べたりはされたんですよね。
秋野:そこまでちゃんと調べなかったんですよ。私、勢いで行動しがちなところもあって(笑)。それで2年目に進級できなかったんですが、それが悔しくてもう何でもやってやろうと思っていたところで見つけた美少女ゲームの声優オーディションを受けたのが、今に繋がっている感じですね。
──美少女ゲームのオーディションということはエッチな演技も求められますよね。そこへの抵抗などはなかったのですか?
秋野:なかったです。というのも、可愛い女の子キャラが好きなのと同じくらいBLが好きで、BLゲームはプレイしたことがありました。その時に同じくBL好きなお友達がいたんですけど、彼女のお兄さんが美少女ゲーム好きで、彼女を通してオススメ美少女ゲームをいくつか紹介してもらっていたんです。だから18禁作品にも抵抗はなかったんですよね。18禁とそれ以外のお仕事に、あまり違いを感じていなかったということもありましたし。
──美少女ゲームもすんなり受け入れられたというあたりに、趣味の幅広さを感じますね(笑)。
秋野:少年漫画的な作品も好きだったんですよ。「ちょっとエッチな主人公が可愛い女の子に囲まれている」みたいな(笑)。あかほりさとるさんの作品とか好きでしたね。
▲比較的自由なサブキャラと違った“メインヒロインに求められるもの”を知る経験になったという、『とらぶる@すぱいらる!』(Aries)
無口系ヒロインが増えた『死神のテスタメント』
群像劇の楽しさ難しさを知るサブキャラも
──秋野さんの転機になった作品をいくつかご紹介いただければと思います。まずは2010年から2013年の間でお願いします。
秋野:このお話をいただいて改めて振り返ってみたんですが、どの作品も思い出が濃いんですよね(笑)。自分目線で選ぶと『死神のテスタメント ~menuet of epistula~』(3rd Eye)ですね。確かオーディションでいただいたお仕事だったと思うんですが、この時期では珍しいバトルもの作品で、向ヶ丘夏奈ちゃんという魅力あるキャラを演じさせていただいて嬉しかったこともありますし、SNSでも沢山感想をいただいた記憶があります。
──夏奈は無口系のヒロインだったと思いますが、演じるのに難しさなどはあるのでしょうか?
秋野:セリフが少ないので、一言一言に重みがあるというのはあるかもしれなせんね。気持ちを伝えるのが難しいところもあるのですが、その難しさが演じていての楽しさになるというか。自分としても「無口で感情の起伏がない女の子が思わず声を荒らげてしまうのって、どんな時なんだろう」と考えることができたり、お芝居の幅を広げることができたお仕事でもありましたね。実は無口系メインヒロインは夏奈ちゃんがほぼほぼ最初だったと思うんですが、その後、こういうタイプのヒロインをご依頼いただくきっかけになってくれたキャラだったとも思います。
──この時期もう1本選んでいただくとしたら、どの作品になりますか?
秋野:ご縁が重なりいただいたお仕事という意味で印象に残っているのが、『ChuSinGura46+1 -忠臣蔵46+1-』(インレ)ですね。矢頭小夜ちゃんの役をいただいたのですが、メーカーさんが小夜ちゃんに合う声の声優さんを探していて、ボイスサンプルの中から偶然見つけていただいたそうなんです。小夜ちゃんはサブキャラなんですが、沢山キャラが登場する群像劇で一人一人に人生があるって感じさせてもらえる作品でしたね。それと『ChuSinGura46+1』で初めてキャラソンのお仕事をいただいたんです。その意味でも印象に残っていますね。
▲かっこいいキャラから可愛いキャラまで、様々な役を演じながら、そのキャラが作品の中でどういう立ち位置にいるどういう存在なのか、の大切さを認識していったとのこと
印象的な作品に多数出演の2014-2016
妹&後輩の二大属性が増えるきっかけも
──続いて2014年から2016年までの3年間。この時期は本当に沢山の美少女ゲームに出演されていますよね。
秋野:改めて振り返ってみて、濃いですよね(笑)。2013年までは初めましてのメーカーさんが多かったんですが、この2014年から2016年の時期は、二度目三度目のメーカーさんが増えてきて、その後に繋がる時期だったなあと思います。
──この中からは大変そうですが、あえて選んでいただけますでしょうか。
秋野:やっぱりこの時期ですと『アマカノ』(あざらしそふと)ですね。ヒロインが3人と少なめだったこと、そして私以外の二人が大先輩だったこと。そして主人公とのやり取りがとても濃密だったこと。とても強く印象に残る作品ですね。しかもその後10年も『アマカノ』シリーズで出演することになるとは、最初は思っていませんでしたから。
──確かに2023年に発売された『アマカノ2+』にも、こはるは登場していますよね。
秋野:そうなんです。パッケージ作品って1本で終わることが多くて、こんな風に長く続くシリーズに同じキャラで出し続けていただけるのって珍しいんですよ。しかも最初はメインヒロインで、それ以降はサブキャラとして新しいヒロインたちを見守る役として登場するのも楽しいんです。こはるが作品の中の時間を生きているのを演じながら、自分も一緒に成長しているって感じですね。そういう作品に今でも引き続き出演させていただけるのを幸せだなって感じています。
──こはる役を担当されて、お仕事への影響などはありましたか?
秋野:これ以降、後輩役や妹キャラのお仕事をいただく機会がドンと増えたんです。後輩のきっかけが『アマカノ』、妹が『サキガケ⇒ジェネレーション!』(Clochette)だったかなあと思います。
──両作品とも2014年発売なんですよね。
秋野:この時期は本当に印象深い作品が多いんですよ。『キミのとなりで恋してる!』(ALcotハニカム)とか『フローラル・フローラブ』(SAGA PLANETS)とか。『フローラル・フローラブ』ではラジオもやらせていただきました。
──「フローラル・フローラブ 聖ガブリエレ学園放送部」ですね。
秋野:もともと喋るのがあまり得意ではないのと、アニラジをあまり聴かずにきてしまったので、色々勉強しながらラジオをやらせていただいたんですが難しかったですね。でも一緒にラジオをやらせていただいたくすはらゆいちゃんが神だったので助けられました。
▲くすはらゆいさんと二人でラジオパーソナリティにも挑戦!! その内容はCDにもなっているぞ
自分と近いキャラと遠いキャラの両方を担当
伝説的作品のレジェンド級妹キャラも決定!!
──2020年以降ではいかがでしょう。
秋野:まずは『ハミダシクリエイティブ』(まどそふと)。最近はご指名でお仕事をいただくことが多いのですが、この作品はオーディションだったんです。華乃ちゃんはオタク気質なところやクリエイター目線のところに親近感を感じたので、ぜひ演じたいと思ってオーディションに臨みました。その結果ご縁があって、本当に嬉しかったです。実はまどそふとさんにご縁がなくて、『ハミダシクリエイティブ』が初めての出演だったんです。それだけに決まった時は本当に嬉しかったですね。
──他の作品などはいかがでしょう。
秋野:他となると『終ノ空 remake』(ケロQ)ですかね。シナリオがもの凄く面白くて、勉強になりました。
──『終ノ空』は人気のある作品ですよね。そのリメイクに参加する大変さなどはあるのでしょうか?
秋野:もちろんあります。ファンも沢山いらっしゃいますから。ただ、『終ノ空 remake』で私の演じたやす子ちゃんは、元作品からかなり立ち位置やビジュアルも変化したキャラだったので、元作品を意識するより、リメイクならではの役目を担っているのかな、と考えました。なのでとても充実した収録ができたと思います。
──リメイクと言えば先日『同級生2リメイク』(FG REMAKE)が発表になりました。
秋野:はい。なんと鳴沢唯役を担当することになりました。いやあ、もう伝説のソフトのメインヒロインということで、ちょっと言葉にできないほどの衝撃でした。こんな大役に抜擢していただいたことを光栄に思います。PCゲームはもちろん、様々なメディア展開がされている作品で、それぞれの媒体によっていろんな声優さんが声を担当されているじゃないですか。つまりこれまで『同級生2』を楽しんできたユーザーさんも、どのメディアを楽しんだかによって思い入れも違ってくると思いますし、存在感の大きな作品になっていると思うんです。それだけにプレッシャーも大きいです。皆さんの思い出の中の唯ちゃんに、少しでも近づけたら…。やっぱり自分の思い入れのあるキャラの声が変わるっていうのは、複雑な思いがあると思うんです。どうしてもそのことは考えてしまいますね。
▲『同級生2』の鳴沢唯──彼女こそ青春だった人も多いだろう。多くの人々の美しい思い出の中に今も生きる彼女の役を担当するプレッシャーは察するに余りある
データ台本に移行するも、
台本の重さは「幸せの重さ」
──いろんなキャラを演じられていますが、やりやすいキャラや難しいキャラのタイプはありますか?
秋野:やっぱりオタク気質なキャラ―『ハミダシクリエイティブ』の華乃みたいなキャラはやっていて楽しいですね。限界化するところなんかは自分でも覚えがあるのでやりやすいです(笑)。逆に難しいのは乱暴な言葉をぶつけるタイプやネガティブなセリフが多いキャラ。苦戦した記憶が多いですね。「死ね!!」とか暴言をぶつけちゃうキャラとかが難しくて、上手くいかずに現場でご指導いただいたこともありました。
──なるほど、やはりご本人の性格にないタイプは難しいということでしょうか。
秋野:そうですね。普段あまり強い言葉を誰かにぶつけることをしないので…あとは普段からふにゃふにゃしているので、かっちりしたしゃべり方や立ち居振る舞いのキャラも苦手かもしれません(笑)。
──スタジオに持ち込む台本は紙ですか? それともデータ?
秋野:以前は紙派だったのですが、最近データに代えました。というのも、スタジオのエンジニアさんなどがもうデータで見ていることが多いんですよね。なので仕事をスムーズに進めるためには、同じフォーマットで台本を見ていた方がやりやすいと思いますので、デジタルに代えました。
──良し悪しはありそうですが、何より持ち運ぶ重量が変わりますもんね。
秋野:肩の負担は減りました(笑)。ただ、台本の重さっていうのは「幸せの重さ」だったんですけどね。「今回も新しいキャラに出会える」って。
▲数多くのタイトルで出会うたくさんのキャラと、たくさんの物語。膨大な紙束に書かれたシナリオの重量は、彼女にとって「幸せの重さ」だった
経験全てが繋がっていく声優という仕事
声を通してたくさんの人と繋げたい「縁」
──普段は色々なお仕事でお忙しいと思いますが、オフの日などは何をされているのでしょうか。
秋野:完全にオフにしたい日は何もしません。引きこもって一日中ゲームをやっていますね。「何もしない」をすることが一番リセットになります。
──最近ハマっているゲームはありますか?
秋野:最近…『スプラトゥーン』とか、一人でじっくり遊ぶゲームが多いですね。
──『スプラトゥーン』は対戦もできますよね。声優さん同士で遊んだりはされないんですか?
秋野:しますします。それこそ一時期お仕事が一緒になることが多かった、くすはらゆいちゃんとか橘まおちゃんとか藤咲ウサちゃんとかはゲームでもゲームじゃなくても仲良くしてもらえてありがたいメンバーです。あと、最近は風花ましろちゃんが遊んでくれますね。めちゃめちゃいい子です(笑)。それとこちらも共演きっかけなんですが、小倉結衣さんにも仲良くしていただいています。お酒のこととかも教えていただきました(笑)。
──先輩後輩問わず、たくさんお名前が出て来ましたね。
秋野:かまっていただいて、ありがたいです(笑)。
──これまで14年間にわたって声優を続けてきた秋野さんが今考える、声優というお仕事の楽しさを教えてください。
秋野:楽しさ…全部ですね(笑)。大変なことも楽しいというか、生きていること全てが表現に繋がってくるお仕事なのかなと思います。普段の生活で見聞きしたことも「あのキャラならこう思うのかな」「このキャラはこうするのかな」と思ったりするんですが、そういうことも楽しいですし、自分が体感することの全てがキャラクターの表現に繋がったりするので、本当に楽しいお仕事だなって思います。
──自分の人生経験がすべて繋がるお仕事って、なかなかないですよね。
秋野:そうなんですよ。だから辛いことに出会った時も、「この経験もきっと今後の仕事に生かせるな」ってポジティブに捉えられるんです。
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人との出会い、ご縁を大切にしてきた秋野花さんをもっと詳しく知りたい人は「BugBug声優STATION」を!!
秋野さんのインタビューでは、何度も「ご縁」という言葉が出てきた。人との出会い、作品との出会い、その絆を大切にしてキャリアを重ね、そして伝説の作品のリメイクにてメインヒロイン役を任されるに至った秋野花さん。彼女のデビューに至るさらに詳しい経緯や、他にも様々な作品・メーカーとのご縁を語ってくれているBugBug5月号の「BugBug声優STATION」、ぜひ読んでみてね!!
▲秋野さんのお仕事の中でも、これから発売される注目作といえばやはり『同級生2リメイク』。6月28日発売予定なので忘れずにチェック★
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