BugBug6月号の「BugBug声優STATION」では鶴屋春人さんが登場!!
美少女ゲームで活躍する人気声優に、お仕事のあれこれをインタビューする「BugBug声優STATION」。
BugBug6月号にてインタビューを行ったのは、2024年も人気作に多数出演する鶴屋春人さん。
全7ページに渡るロングインタビューを行った、その一部をここで特別にお見せしよう。
▲今回お話を伺ったのは、鶴屋晴人(つるやはると)さん。幅広い演技力で様々な役を演じる実力派声優なのだ
自分を表現する楽しさから演技に目覚めて
──まず最初に鶴屋さんが声優というお仕事に興味を覚えた経緯をお聞かせください。
鶴屋:あれは小学校の高学年くらいでした。それまでアニメを観ていて「好きだなあ」と思っているキャラクターが何人かいたんですね。特に共通点がなくて、カッコいい男の子だったりお姉さんだったり、可愛いお姫様だったり。それが全員同じ声優さんが声をあてられていることを知ったんです。それで衝撃を受けて。もしかしてこのキャラたちを好きだったのは、声優が同じだったからなのかな、声優ってすごい!!ってなったんです。
──ちなみにその声優さんはどなたですか?
鶴屋:緒方恵美さんです。
──おお、なるほど(笑)。それが原体験だったんですね。
鶴屋。はい。幼心に衝撃でした。それで声優という仕事を意識するようになったんです。
──そこから声優を目指して、ということですか?
鶴屋:それがちょっと違うんです。当時私は凄く内向的な性格で、自分のことをしゃべったりすることが苦手で、息苦しく感じていたんです。でも国語の授業で教科書を朗読したり、音楽の時間に歌ったりする時だけものすごく元気で(笑)。教科書や楽譜があることで、すごく息がしやすかったんです。周りから見ると変な子だったと思いますよ。普段何もしゃべらないのに、朗読や歌の時だけ大きな声を出す。でもそれが終わるとまた何もしゃべらないんですから。でも私にとっては、そこで自分を表現できることがとても楽しくて、それでお芝居や歌などの表現に興味を持つようになったんです。
▲ボーイッシュなヒロインから可愛い妹系まで、どんな役もこなせる鶴屋さんには多くのメーカーからの再オフォーも多い
オーディションから美少女ゲームデビュー
──そんな中で、美少女ゲーム声優のお仕事に出会うわけですよね。きっかけなどはあったのですか?
鶴屋:事務所がオーディションを持ってきてくれるんですが、洋画ばかりじゃなく、中にはアニメやゲームのお仕事も入っていたんです。そこでたまたまオーディションに受かって、美少女ゲームデビューが決まりした。それが『ふりフリ ~ふつうのまいにちにわりこんできた、フシギなリンジンたちのおはなしおはなし~』(130cm)なんです。
──そうだったんですね。
鶴屋:当時、事務所のマネージャーさんが何人かの声優をスタジオに呼んで、オーディション用のサンプルボイスを収録して、まとめてメーカーさんに送っていたんです。普通は呼ばれてサンプルを録音したらすぐに帰るんですが、私は先輩方のお芝居を聞くのも好きだったので、内部で録音する時はお願いして見学させてもらっていたんです。『ふりフリ』は初めての美少女ゲームのオーディションだったこともあって、マネージャーさんも気を遣ってエッチシーンのない役を振ってくれていたんですね。で、その日も見学していたら「他のキャラもやってみる?」って声をかけられて、それでやってみた役で受かってしまったんです。
──受かったのはメインヒロインで、エッチシーンもありますよね。抵抗などはなかったんですか?
鶴屋:全くなかったですね。お芝居の一つだって割り切っていました。むしろマネージャーさんの方が驚いちゃったみたいで、「R-18だけど大丈夫?」って確認されました(笑)。
▲メインヒロインに抜擢されたことで、「何よりこんなにセリフをしゃべったことが初めてだったので、感動してしまいました」という鶴屋さん
バトル、萌え、凌辱と出演作も多彩に
──2012年くらいからメインヒロインでの出演が増えてきます。なにかきっかけがあったのでしょうか。
鶴屋:特に何があったわけではないと思うんですけど、2013年と2014年は多かったですね。この時期で印象に残っているのはアリスソフトさんの『どらぺこ! ~おねだりドラゴンとおっぱい勇者~』で、ここまでで一番セリフの多い作品で、段ボールで台本が届きました(笑)。しかも主題歌も歌わせていただいて、これが初めての歌のお仕事でした。
──そうだったんですね。
鶴屋:『どらぺこ』のトオルさんはボーイッシュな冒険者なんですけど、声質もお芝居もやりやすいキャラでしたね。するする~っと収録が進んでいって、本当に楽しい時間でした。アリスソフトさんにはこの後もちょこちょこ呼んでいただけまして、『どらぺこ』と世界観が繋がっている『イブニクル』に出演させていただいたのも嬉しかったですね。
──そういう繋がりのある出演はファンも嬉しいんですよ(笑)。他にこの時期に印象に残っている作品はありますか?
鶴屋:ルネさんの『恥辱の女騎士「オークの出来そこないである貴様なんかに、この私が……!!」』…「声に出して読みたい美少女ゲームタイトル」ですね(笑)。この作品のセリフ量は『どらぺこ』より多くて、しかも今でもこの役よりセリフの多いゲームには出会っていないんですよ。
──そんなセリフ量の多いゲームですが、メインヒロインとしては初めての凌辱タイトルですよね。
鶴屋:そうなんです。初めて「喉をキープしなきゃ」って思いました(笑)。収録の時もすごく気を遣っていただいたんです。でもキャラの演技などはこちらに任せていただけました。
▲段ボールで台本が届いて驚いた『どらぺこ! ~おねだりドラゴンとおっぱい勇者~』(アリスソフト)を上回るほどセリフが多かったという『恥辱の女騎士「オークの出来そこないである貴様なんかに、この私が……!!」』(ルネ)
キャラの感情とシンクロした不思議感覚
鶴屋:この時期はいろんなジャンルのゲームに出演させていただいたので、自分の中でも印象に残っている作品が多いんです。
──例えばどのあたりでしょう。
鶴屋:同じ2014年にCYCLETさんの『駄作』では灰樹由貴くんという主人公をやらせていただきました。これが本当に楽しく演じることができたんですが、ちょっと不思議な経験をしたんですよ。普段私は収録前に台本を読んで、キャラの気持ちの流れを掴んで収録に向かうんです。もちろんスタジオで調整することもありますが、基本的には準備してきた感情のままで収録できるんです。『駄作』の時も同じように準備しました。そしてとある悲しい、思わず涙ぐみそうになるようなシーンの収録に臨んだんです。その時急に晴れやかな気分になって、自分でも理解できないままその感情で声を入れたんです。
──そういうことがあるんですね。
鶴屋:私も初めての経験で「こんな感情、知らない!!」って感じでした。でも収録後に改めて考えたんですが、台本を読んで「悲しい」と感じていたのは私自身であって、由貴くんの感情はそうじゃなかったんだなって思ったんです。そのキャラの感情が、セリフを読んでいる時にポンって出てきたことにすごく驚いて…本番でそういう経験ができたことは本当によかったと思うんですが、ものすごく戸惑ってしまいました。
──その後も収録でそういった経験はあったんですか?
鶴屋:いえ、『駄作』の収録の時だけでした。キャラクターに感情移入しすぎて、由貴くんに「悲しんでもらうのはありがた迷惑だ」って言われたような気がして。「ごめんよ。でも出てきてくれて、ありがとう」って思いました。なので特別な作品で特別なキャラクターです。
▲鶴屋さんがこれまでの声優人生で一度だけしか体験したことがない、キャラクターが自分に入ってきたような経験をしたという『駄作』
2024年も注目作に多数出演中!!
──そして今年、2024年もたくさんの人気作品に出演されています。特に『夜勤病棟リメイク』『同級生2リメイク』は注目度も高かったですよね。
鶴屋:どちらも以前声をあてた声優さんがいる作品なので、プレッシャーはありました。私は不器用なので、前の声優さんの演技に寄せようと思っても上手くいかないんです。なのでいつも通り、そのシーンでのヒロインの気持ちを作ることを大事にしていこうと思いました。幸いFG REMAKEさんからは「寄せなくていい」と言っていただけたので、いつも通りに収録に臨めました。
──『同級生2リメイク』は今収録中とのことですね。
鶴屋:はい。篠原いずみというボーイッシュな女の子なんです。実は『同級生2』と聞いて腰が引けたんですが、キャラの資料を見て「これなら大丈夫かな」って(笑)。気負わずに収録を楽しめています。
──そして今年上半期注目の1本、『旭光のマリアージュ』(ensemble)ではリア役で出演されます。
鶴屋:こちらはご指名いただいたお仕事でした。実はリアさんは自分が考えていったキャラ像からはだいぶ変わったヒロインで、現場でスタッフさんと丁寧に話し合いながらキャラクターを作り上げていきました。結果的に自分が考えていたものより演じやすくなりましたね。
──実際に声をあてた鶴屋さんが感じる『旭光のマリアージュ』の魅力を教えてください。
鶴屋:全ての要素が丁寧に作られているんですが、とにかくシナリオがいいんですよ。ボロボロ泣きながら台本を読みました。登場するキャラ全員が愛しくて仕方ない物語なんですが、詳しくお話ししようとすると全部ネタばれになってしまうので、ぜひぜひ皆さんにプレイしてほしいゲームです。
▲多くのファンに注目される、FG REMAKEの『夜勤病棟リメイク』『同級生2リメイク』どちらにも鶴屋さんは出演
大切にし続けるキャラの感情の動き
──これまで沢山の作品に出演されてきた鶴屋さんですが、声優というお仕事で一番大事にされていることを教えてください。
鶴屋:ゲームのお仕事だと、キャラクターの感情の動きと、ゲーム的な演出面―作品的に立たせたいセリフだったり、場面転換のタイミングだったりとのすり合わせを意識しています。これは台本を読むときに注意しているところですね。例えば泣きのお芝居で、台本には「とあるセリフきっかけで泣き始める」とかト書きに書いてあるんです。なのでそこまでの台本の流れで、キャラの感情がどう動いていくと泣き出すタイミングに気持ちの動きがぴったり合うかというのを常に意識して台本を読むようにしているんです。実際に収録する際にこれがぴったり合うと気持ちよく演じることができますし、次のお芝居にもいい流れで移っていくことができるんです。
──お話を伺っていると、キャラの気持ち、感情に寄り添ったキャラ作りをされているんだなあと思います。
鶴屋:実際に収録を始めてしまうと、感情以外が全部飛んでしまうんですよ。だから笑ったり泣いたりするタイミングも、感情の動きの中にしみこませてから収録に入らないとダメなんです。準備不足での不安や戸惑いがあると、それがキャラの演技に乗ってしまうけど、それは私の感情であってキャラの感情ではないですよね。そうなってはいけないと思っています。
▲鶴屋さんが「登場するキャラ全員が愛しくて仕方ない物語」と言う『旭光のマリアージュ』は6月28日発売予定。体験版も公開されているぞ
自分の演じたキャラに応援される毎日
──プライベートについても少しお聞かせください。オフの日などは何をして過ごされていますか?
鶴屋:観劇が好きなんです。特に劇団四季が好きで、ちょくちょく通っています。お芝居自体も好きなんですが、なにより劇場の空気が好きなんですよね。
──一緒に行かれる方は決まっているんですか?
鶴屋:家族や友人とも行きますが、当日急にチケットが取れたりすると一人でも行きますよ。
──色々お伺いしてきましたが、改めて鶴屋さんの思う声優というお仕事の楽しさをお聞かせください。
鶴屋:自分が学生時代から変わっていないことなんですが、キャラクターを通して自分がため込んできた感情や拾ってきた想いを外に出せているんだなって思うことが多いんです。プライベートで元気がなくても、元気なキャラを演じることで自分の気持ちを上げていくこともできるし。だから声優の楽しさというより、私は声優という仕事に生かされているんだなって思います。自分が演じているキャラに背中を押されているような感じですね。
──自分が演じたキャラたちが応援団になってくれているんですね。
鶴屋:そうですね。こちらから一方的に依存しています(笑)。なのでこれからどんなキャラに会えるかは常に楽しみです。
▲ボーイッシュなヒロインだけでなく男の子を演じることもある鶴屋さんだが、まさかヒロインに劣らぬ人気になって「つばめくんフェア」まで行われることになるとは…かなりレアな体験では!?
鶴屋さんがメインヒロインを務める『旭光のマリアージュ』巻頭特集と併せてBugBug6月号をチェック!!
これまで様々なジャンル、様々なキャラを演じてきた鶴屋さんだけに、想い出の作品は多岐に渡って数多い。
BugBug6月号に掲載されたインタビューではそれら様々な作品についても語ってもらっているぞ。
6月号は鶴屋さん出演の最新作『旭光のマリアージュ』も巻頭特集で大プッシュ!!
抽選で1名様に直筆サイン色紙もプレゼントもあるので、ぜひ本誌で全文とあわせて読んでね♫
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