【渡辺僚一のが長い気がする】人気シナリオライター・渡辺僚一氏の連載コラム第5弾!!　 みなさん──幽霊、見てますか？【第5回】

幽霊を見ることとシナリオを書くことには関係性が!?

　やー、みんな元気かな？　今日は渡辺さんがみんなにわくわくな質問をしたいんだって！

　──幽霊、見てますか？

　えっ？

　──幽霊、見てますか？　僕は２～３年に一度のペースで見てます。

　あっ、はい！　わかっちゃった！　渡辺さんのことだからきっとエッチな幽霊だね！　きゃー！　美少女幽霊がエッチなことしてきたりとか！　そういうのだぁ！

　──幽霊を見て楽しい気持ちになったことはありません。基本的に恐怖を伴います。

　あっ……。こういうことかな？　何のとりえもないクラスの女子が霊感があるって嘘をついてクラスでの立場を確保するみたいな！　渡辺さんもそういう個性で目立とうとしてるんだね！

　──違います。あと、そういう女子をバカにするのやめろや、なー！　あー？　バカにできそうな人を探してバカにして！　ギニャーッ！　怒ったぞ！　というわけで、幽霊を見ている渡辺です！

　僕はマジで幽霊を見るんですが、それは脳のイタズラというかバグというか、そういうのであってオカルト現象だとは微塵も思ってません。
　だから、幽霊を見るのが恐いというより、統合失調症の発症が恐いです！　嫌な意味でリアルな話で大変に申し訳ないですが、マジ恐いです。

　統合失調症とは思考がまとまらなくなる精神疾患で、症状は人によって大きく違うけど、妄想や幻覚に苦しめられたりすることがよくあります。詳しく知りたい人は検索してください。

　で、幽霊（幻覚）を見るたびに、統合失調症を発症したらどうしよう……と暗澹たる気持ちを抱えて生きてきたんですが、最近ではこれはどうしようもねーな！　と開き直っています。
　どうしてそうなったのかをこれから話すぜ！

　統合失調症がどうして発症するのかは今もよくわかっていないらしいのだけど、こういう考えがあるみたいだ。
　脳は常に凄い量の情報を処理しているのだけど、もしそれを全部伝えられたら意識は大混乱してしまうのだ。
　どういうことかというと──

　ドジっ娘メイドに「三日はいたパンツで顔面騎乗位して、俺の鼻にクリトリスを擦り付けながら、両手で俺の乳首を摘まんで刺激して、全盛期前のキズナアイの声で三島由紀夫のモノマネしながら絶頂に達してね。できればもりもり脱糞も追加で」とお願いした状態を想像してもらえばOK。
　聞こえるでしょう、はわわっ、はわわっ、の声が。意識もそうなる！　はわわっ、はわわっ。

　だから、脳は自分の行動や生存には関係ない情報にフィルターをかけて、意識に伝えないようにしているのだ。よかったね、メイドさん！　御主人様の異常性欲はフィルターでカットです。
　で、このフィルターの働きが弱いと、処理しきれない情報が幻覚や妄想という形になって出てきちゃうことがあるのだ。つまり、それが統合失調症ではないか？　という考えがあるんです。

　で、です！　このフィルターの働きが弱い時に、アイディアが浮かぶことって多いらしいんですよ。というか、創造的な仕事についている人の多くはフィルターの働きが普通の人に比べて弱いらしいのだ。
　フィルターでカットされずに意識に上がってきてしまった情報が、創造的な仕事では役に立っているんじゃないか、と。
　んじゃ、創造的な仕事をする人は統合失調症なのかというとそういうわけじゃない。

　フィルターがよわよわでも、たまたま持ち合わせた生物学的素質のおかげで幻覚や妄想に耐久性があり、精神病にならない人もいる。
　そういう人が堅気じゃない仕事をすることになったり、ヤバいおじさんになったりするわけだ。
　しかもこれって遺伝するっぽいのである。
　僕の祖先は故郷を捨てて北海道にやってきた開拓者なので、どんな家系なのかをたどることはほぼ不可能なんですが、ざっと身の回りの親戚を見ると……。

　彫刻家、自然保護活動家、山奥で自給自足おじさん、映像作家、プロ野球選手、財閥のお嬢様と駆け落ちして行方不明マン…………。

　だっ、ダメだこれはッ！
　最後の２つは関係ないかもしれないけど、とにかく堅気のやることじゃないという意味では同じ。あきらめがつきました！
　というかだ！　幻覚を見る代償としてシナリオライターできてるって考えることもできる！
　っていうか冷静に考えたらこれって相当にヤバいもんな！

　トランス状態になって大宇宙とつながり美少女を憑依させるって……。
　これって脳のフィルター機能がよわよわだからできることであって、正常に作用している人にはできないのかもしれん。

　あっ、大切なことを書き忘れていました。
　フィルターが弱いからといって素晴らしい創作ができるわけじゃないらしいです。その情報をどう扱うかの方が重要なので、IQとワーキングメモリーの高さが重要になるみたい。
　結局そこかよ！
　僕、頭の悪さには自信があるんだよなぁ……。

　とにかく、よわよわだから書けるシナリオをこれからも皆さんにお届けしたいと思っています！
　発症すんのが先か！　シナリオを書き終えるのが先か！
　そういうとこも楽しみに待っていてください。
　…………なんてひどいオチだ！

▲渡辺僚一氏が企画・シナリオを担当する、しるき～ずこねくと最新作『先輩が私の妄想にドージンする？！～ボディータッチにご用心～』は9月27日発売。脳のフィルター機能の働きに気を付けつつ、マスターアップまで頑張って下さい!!

←前回　　次回→
シリーズ記事はこちら

関連記事