GLOVETY最新作は美少女ゲーム業界を描く青春モノ!! BugBug9月号でロングインタビューを掲載
GLOVETYの最新作はゲーム業界をテーマに、主人公たちが美少女ゲームを作っていく物語。そして本作はなんと一般作品!! SF作品であった前作『アインシュタインより愛を込めて』とは大きく方向性の異なる『FORTUNE×WORLD』の魅力について、BugBug9月号では企画・シナリオを担当した新島夕氏にロングインタビューを敢行!! 本作が生まれた経緯や製作中のエピソードを多数聞くことができたので、その一部をピックアップして紹介するぞ。
▲GLOVETY代表でありシナリオライターでもある新島氏にロングインタビュー!!
ゲーム業界ものは美少女ゲームの一ジャンルとして
確立していると感じていました
──GLOVETYさんが新作『FORTUNE×WORLD ~僕らがゲームを作る理由~』を発表されましたが、完全新作としては2作目なんですよね。
新島:そうですね。デビュー作の『アインシュタインより愛を込めて』以来となり、あれが2020年発売ですから6年ぶりの完全新作ということになります。
──『アインシュタインより愛を込めて』は本格SF青春作品でしたが、『FORTUNE×WORLD』はSF色が一切ありません。なぜこういう企画になったのですか?
新島:実は『アインシュタインより愛を込めて』に続くGLOVETYの2作目は志水マサトシさん企画の『魔法つかいのはじめかた』という作品になる予定でした。この作品はSF系で僕もシナリオで参加しているんですが、その制作と並行して自分の企画も2本進めていたんです。その1本が『FORTUNE×WORLD』なんですが、『恋×シンアイ彼女』(Us:track)を書いて以降ずっとSF要素、ファンタジー要素のない作品を作りたいと思っていたんですよ。
──そこで出てきたのが『FORTUNE×WORLD』ということですか。
新島:なぜゲーム業界ものに突っ込んだかというと、志水さんが参加された『創作彼女の恋愛公式』(Aino+Links)などを見て、ゲーム業界ものは美少女ゲームの一ジャンルとして確立していると感じていました。ただ、そういう作品を見ると学園ものが人気であって、純粋にゲーム制作業界ものというのは、名作と呼ばれる作品はあっても数は多くないな。ならば自分がもう1本作ってもニーズがあるんじゃないかと考えました。
──なるほど。
新島:それと、SF系、ファンタジー系じゃない作品と言っても、王道の学園青春ものって僕は書けないんですよ、照れちゃって(笑)。それもあって業界ものなら行けるんじゃないか。ニーズは学園ものより少ないけど挑戦し甲斐があるな、と思ったのもあります。
▲高い評価を受けて続編を作られたブランド処女作『アインシュタインより愛を込めて』。新島氏にはこちら発売の際もBugBugのインタビューに応じていただいた
ゲーム制作追体験プロジェクトのつもりが
キャラが自ら動いて青春要素はマシマシに
──とはいえ資料には「ゲーム制作に青春を捧げるアドベンチャー」とありますよね(笑)。
新島:これは順番が逆というか。当初は業界追体験ものというか、「美少女ゲームってこんな風に作っているんだな」というのを楽しんでもらおうという企画で始まりました。それを親しみやすくするために女の子を出して主人公と絡めたりもしていったんですが、そうしたら思った以上に青春ものになってしまった。それで販売会社から「販促資料を作って下さい」と言われた時に、ジャンルに“青春”と入れちゃったんですね。
──若い登場人物たちが力を合わせて何かを成し遂げようとすると、どうしても青春っぽさが強く出てくるということでしょうか。
新島:この作品に関しては、ちょっと恥ずかしい言い方になるんですけど「キャラが勝手に青春してくれた」っていう感じですね。だからゲーム制作追体験ものとしてシナリオを執筆していったら、結果的に青春ものに昇華されていったというところでしょうか。
──実際に新島さんがゲーム制作の現場で体験されたことも盛り込まれているんですか?
新島:経験を入れざるを得ないというか、実体験を活かして作るための作品ではあるんですが、現実は綺麗ごとばかりじゃないですよね。だからそのまま書くわけにはいかないことも沢山ありました(笑)。
──では改めて作品のコンセプトというのは?
新島:ゲーム作りを追体験してもらう。ゲーム作りって大変なことが8で楽しいことが2くらいなんですが、その2を6くらいに膨らませて楽しんでもらえたらいいなと考えていたら、ユーザーさんが感情移入出来る青春ものになったという感じですかね。
▲SF、ファンタジー以外の作品もやってみたい…ということでまだ少ない「ゲーム業界もの」に挑戦!!
メタ表現を成立させるための一般作制作
──そんな『FORTUNE×WORLD』ですが、主人公たちが美少女ゲームを制作するお話なのに、ゲームは一般作として制作されています。これはなぜなのでしょう。
新島:『FORTUNE×WORLD』は企画を考えた時から一般作を想定していました。というのも、美少女ゲーム業界や美少女ゲーム制作をメタ的に扱う作品世界が18禁だと、美少女ゲームあるあるがメタにならないと考えたんです。「ムフフシーンで結構しゃべる」とかをネタ的に扱っているに、ゲーム中でキャラたちが同じことをやってしまう。そういう美少女ゲーム的な文法をメタ的に扱うのであれば、作品世界は18禁ゲームではない方がいいと考えました。
──逆に主人公たちが一般ゲームを作るというのは考えなかったのですか?
新島:もちろんその選択肢もありましたが、そこはあくまで美少女ゲームを作るということにこだわりました。だからすばるはエッチな絵を描きますし、詠はエッチなシナリオを書きます。エッチなシナリオを書きながら、「俺は童貞なのにこんなシナリオ書いていいのか?」って言わせる楽しさというのがありますよね(笑)。それを描くためには一般ゲームの文法で美少女ゲーム作りをするというのが必要だったんです。
──でも、一般作にすることで表現の難しさって出てきますよね。例えばエッチな原画を描いているシーンで、その絵を表示させられないでしょうし。
新島:そうなんです。オーディション用の資料に「この作品は美少女ゲーム制作を扱っています」「このレベルのエッチなセリフは出てきます」というラインを明示して参加していただきました。販売会社さんとも一般作として売れるラインについて何度も相談しましたね。
──そんな『FORTUNE×WORLD』は、どういった物語になるのでしょう?
新島:物語は主人公の影山詠が高校3年の時、すでに大学の推薦入学が決まったあたりの時期から始まります。詠はオタク趣味もあるんですが、高校時代はバスケ部で活躍し、好きな女の子もいるなど青春していたんですが、色々あってゲーム制作に引きずり込まれていく──というのが高校生編になります。そして大学生編で様々な美少女ゲーム業界の人と出会いながらゲームを制作していくというお話ですね。
▲王道の学園青春もの以外のものをという企画で始まった作品だったが、命を吹き込まれたキャラクターたちが動くことで自然と青春ものになっていった
対照的な魅力溢れるダブルヒロイン
──それでは『FORTUNE×WORLD』のキャラについて、解説をお願いします。まずは主人公の影山詠です。
新島:最初は新島夕要素を排除するところから始めました。業界ものを作る時に、自分語りにしたくなかったんです。なのでバスケ部で可愛らしい顔つきで、誰とでも仲良く出来る人物になりました。ゲーム制作ではシナリオを書くんですが、めちゃくちゃ才能のあるライターというわけではありません。でもその分フットワークが軽くて、頼まれたら頑張る性格の良い主人公です。ムービーでちらっと流れていますが女装しているSDイラストがあります。なんで女装しているかはぜひプレイして確認してください。
──続いては氷室すばるについて教えてください。
新島:すばるはイラストレーター。見た目は清楚で大人しい女の子なんですが、絵に対しては行き過ぎるくらいストイックで、時にはそれはズレた方向に出たりもするんですけどね。そんな彼女がゲーム制作を通じて、どんなふうに変わっていくかを楽しんでほしいです。
──キャラ設定などにモデルなどはいらっしゃるんですか?
新島:特定のモデルはいません。ただ、自分が関わってきた原画家さんはみんな絵に対して本当に真剣に向き合っています。すばるの絵に対するストイックさは、そうした原画家さんを見てきたからこそ生まれた設定です。
──キャラデザインのポイントはいかがでしょう。
新島:もう一人のヒロインである伊吹と対になるデザインです。すばるは引きこもりがちなので、おしゃれではあるんだけど無頓着感もあるというところを館川さんが上手く表現してくれています。でもゲームを遊んでもらうとキャラのイメージも変わると思いますよ。
▲メインヒロインは対照的な2人となっている。すばるの絵に対するストイックさはこれまで出会ってきたイラストレーターの方々の姿から生まれた
主人公をゲーム制作に引きずり込む謎の男
──それは楽しみです。そんなすばると対になる春風伊吹です。
新島:ゲーム的にはダブルヒロイン。キャラデザインは短髪で暖色系になっており、すばると対になっています。詠と一緒にバスケットボール部で活躍していて、明るく元気で、周囲の男子からは「可愛いんだけどちょっと残念」と評価されている女の子です。まぁ、そういうところが詠には魅力のようで、彼の片想いの女の子でもあります。
──一緒にバスケをしていた詠がゲーム作りにハマっていくのを、伊吹はどのように思っているんでしょう?
新島:伊吹も彼がオタクだということは知っているので、特に何も考えていないですね。結局伊吹もゲーム制作に関わっていきますから。
──3人目が東出太陽です。
新島:詠の同級生なんですが、運動部で活躍する詠と、怪しげな連中とつるんでいる太陽にはそもそも接点がなかったんです。詠が明るい良い子なら、太陽は明らかに闇属性。そんな太陽が、どのように詠を美少女ゲーム制作に引きずり込んでいくのかはプレイしてほしいのですが、基本的に太陽が主導でゲーム制作が進み、その関係は大学に入ってからも続いて、太陽がブランドを立ち上げたりしていきます。そんな詠と太陽の関係を友情と呼ぶのであれば、すばるや伊吹とはまた異なる二人の友情関係も本作の見どころになります。
──キャラデザインのポイントはありますか?
新島:僕からはちょっと悪役っぽい顔つきにしてくれとお願いしました。眼鏡と三白眼はそこからでしょう。それと私服についても同じお願いをしたら、なかなか面白い衣装を描いてきてくれたんです。僕は大好きな服装だったので、ぜひ楽しみにしてほしいです。
▲ヒロイン以外のキャラクターたちもみんな個性的で物語に深みを与えている。主人公をゲーム製作に引きずり込むという太陽にも注目したい
主人公たちが作るゲームを表現するために
個別に作ったタイトルロゴとショートボーカル
──演出面では、今回ショートボーカルが3曲用意されているそうですね。これはどのように使われるのですか?
新島:この3曲というのは、作中で主人公が作るゲームが3作品あって、それぞれの主題歌ということです。『FORTUNE×WORLD』では作中で制作されるゲームをどう表現するかで悩みました。もちろん絵で表現するのもあるんですが、すばるがどういう絵を描くか、テキストで表現されているんですね。「王道とは少し違う」とか「すばるらしい繊細な」とか。それに合う絵を用意して「イメージを固定するのが良いのか?」という疑問があったんです。でもせっかく詠たちが作ったゲームなんだから、何とか出してあげたい。そこでタイトルロゴとボーカル曲で表現することにしました。そういう理由で作ったショートボーカル曲なので、かなり思い切った作り方ができました。いつかフルサイズの曲に仕上げて発表したいですね。
──ゲームの舞台は大阪ですね。
新島:これは自分が大阪でゲームを作っているということもありますが、実際大阪ってゲームメーカーさんが多いですよね。そういう文化がある町なんだろうなということと、『アインシュタインより愛を込めて』の舞台が東京だったというのもあります。ただ、大阪と言ってもこてこての大阪の風景──道頓堀とか通天閣とか、都市としての大阪を意識しました。
──主人公たちの学校は天満橋近くにあるんですよね。
新島:そうです。天満橋はどちらかというとビジネス街であり、高校も近くにありますから。
──天満橋の街や駅、さらにはなんばの電気街などの背景CGもあります。ロケハンに行かれたのですか?
新島:志水さんが写真を撮りに行ってくれました。僕はそういう場所ではなく、高校への通学路やたまり場にしているファミレスなんかは見に行きました。
▲作中で製作するゲームの画面イメージはプレイヤー各々が想像できる余地を残し、その上でタイトルロゴとボーカル曲を作品ごとに用意
発売前だけでなく、発売後の盛り上げ施策も計画
今後は18禁作品の新作企画も鋭意制作進行中
──『FORTUNE×WORLD』以降、一般作メインに移行するのでしょうか?
新島:いえ、現段階で一般作の予定はありません。現在動かしている企画も18禁で、今後も基本的には18禁の美少女ゲームを制作していこうと思っています。絶対に一般作を作らないとは言い切れませんけど、現段階では『FORTUNE×WORLD』を手掛けたことで、一般作への興味は満たされたかな、と思います。
──本作は一般作ということで、海外展開も意識されているのかとも思いました。そちらはいかがでしょうか。
新島:うーん、そっちも今後は考えていかなければならないんだろうなぁとは思っています。作り手側としては「海外展開できるレベルで作っています」とは思っていますし、Xを見ていても海外からのフォロワーさんも多いですし。
──『アインシュタインより愛を込めて』は海外展開されていますか?
新島:まだやってはいませんが、お話は来ているようです。あとは販売会社さんの判断ですが、いずれは出るのかなぁと思っています。期待してお待ちいただければ!!
──最後にBugBug読者へメッセージをお願いします。
新島:BugBugの読者さんには「『FORTUNE×WORLD』のページにHCGないじゃないか!!」って思われるかもしれませんが、プレイしていただくと美少女ゲーム制作についての解像度が上がって、他の作品をプレイする時に新たな発見があるかもしれません。初めての一般作ということで手探りのところもあるのですが、良いゲームになっていますので、ぜひ『FORTUNE×WORLD』をよろしくお願いします。
▲主人公の詠から新島氏の匂いがしないようにまったく異なるタイプにした結果、美形のスポーツ少年に。女装してもスゴいんです
ゲーム業界に興味がある人は『FORTUNE×WORLD』もBugBug9月号のインタビューも両方チェック!!
BugBug9月号にてカラー4ページにみっちり詰め込まれた濃厚なインタビュー。その一部をここで紹介したが、気になる内容が盛り沢山で、早くプレイしたいと思っている人も多いのでは? 主人公たちが大学生になった“大学生編”で登場するキャラクターの紹介や、声優オーディションには一般作品ということもあってかとても多数の応募があり、その中から選ばれた声優さんに対する思いなど、誌面ではもっと踏み込んだエピソードも多数掲載している。10月30日発売予定の『FORTUNE×WORLD』をより楽しむためにも、ぜひ読んでプレイ前のテンションを盛り上げてほしい!!
▲まずは同人即売会でアピールから!! これも新島氏の業界経験からくる話なのだろうか
FORTUNE×WORLD ~僕らがゲームを作る理由~
GLOVETY
2026年10月30日発売予定
AVG、DVD/DL、全年齢、Win11
パッケージ豪華限定版:15480円、パッケージ通常版:7980円(税込)
DL特典同梱版:7980円、DL通常版:5980円
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:館川まこ
シナリオ:新島夕
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