【NYAONの徒然なるにゃんにゃん】人気シナリオライター・NYAON氏による連載コラム・第8弾!!　「Ｓですか？　Mですか？」【第8回】

連載コラムのおかげで自分でも誤解をしていた性癖を見つけ出してしまった!?

　このコラム記事ももう8回目ですが、連載を始めてから内容が内容なだけに己の性癖と深く向き合う機会が増えたように思います。といっても座禅を組んで神妙に瞑想とかしているわけではなく、人をダメにするソファーに寝転びながらボーッとしているだけですが。
　ともあれ深遠なる思索に耽り己と向き合い続けた結果、NYAONは自分のことだけど自分でも誤解をしていたのではないか？　という性癖を一つ見つけ出してしまったのです。まあ、癖というほど強く意識していたジャンルではないので、深く考えていなかっただけなんですがね。

　その性癖というのは、SMについてです。
　といっても、ムチで打ったり打たれたり、ロウソク垂らしたり垂らされたりみたいなのじゃないです。個人的にはですが、そういう肉体的にいたぶったりいたぶられたりする系はあんまり刺さらないので、もっとこう精神的に追い詰めたり追い詰められたりするのが背筋がゾクゾクして気持ちいいですね。ホラー映画とかでいうとスプラッタよりもサイコ系です。ホラー映画も最近あんまり観てないけど。
　いや、言いたかったのはSMプレイがどうこうって話ですらなくてですね。それでお前はＳなのМなの？　ってお話ですよ。そこを誤解していたような気がするのです。

　その昔、NYAONがかつて所属していた会社では、宣伝用にとあるインターネットラジオ番組のスポンサーをやっていました。ほめられてのびるらじおっていうんですが、まだみんな覚えてますかね？　自分は深く関わっていたわけではないのですが、何度かミニドラマの脚本とか書いた覚えが……っておじさんの思い出は置いておいて。
　あの番組はゲストの出演者に「アナタＳですかMですか」みたいな質問をするのが定番になっていたところがありまして、それを聞きながらNYAONはぼんやりと思っていたわけです。「俺はMかなー」って。
　だって当時は世間の平均年収と比べてしまったら哀しくなってくるようなお賃金で、毎日毎日長時間会社に籠もってあれこれやっていましたから。言うほどクソ真面目に働いていたわけでもないので恨み節とかではないんですが、まあまあの社畜だしドMでもなきゃこんなの続けられないだろって、そんな風に思っていたわけです。

　でもこの連載を始めて真摯に己の性癖を見つめ直した結果、全然違いましたね！
　特に最近は年齢的にやや性欲が衰えてきた部分もありまして、深く刺さるモノにしか下半身が反応しにくくなってきたもので、余計に自分の癖が研ぎ澄まされてきたような感覚があるんですよね。そして無駄を省かれた己の性癖を素直に俯瞰してみれば、普通に思いっきりドＳ寄りでした。
　ラブラブちゅっちゅで幸せそうなエロよりも、いたいけな子が酷い目に遭ってる方がすっげー抜けるんですよね。イチャラブでも全然イケてたのは、なんでもイケちゃうだけの旺盛な若い性欲があってこそでした。
　そしてドMじゃなかったので、女性上位的なのも実はいまいち興味が薄いんですよね。ロリコンのくせしてメスガキはそこまででも……みたいな。あれ、なんか余計にヤバい奴度が増したような気がしますね。

　と、ともかく、そんな自分の絶対的な性癖を何故今まで意識していなかったのか。そこはたぶん、M気質のキャラクターやお話も全然余裕で書けちゃってたからだと思います。
　そもそも論ですが、ドM系のキャラクターを創作するのは果たしてマゾ的な行為なのかサド的な行為なのか、という部分からして見誤っておりました。ドMのキャラを虐めて喜んでいる作者はそりゃドＳに決まっていたわけです。でもそのキャラを描写している時は、ドMな気持ちに感情移入しながら文字を紡いでいるわけで……その辺でちょっと、自分の中で混乱が生じていたのかもしれません。
　しかし既に迷いは晴れました。NYAONはドＳです。ここを理解した今の自分は、この歳になって遂に新しいステージに到達したかの如く清々しい気分です。今ならばあんまり刺さってなかったメスガキも自信を持って書ける気がします。そう、簡単なことだったのです。メスガキ視点になってザコち○ぽを虐めれば良かっただけなのですから。

　ところでこんな風に赤裸々な自分語りを書き連ねているNYAONですが、実際のところ己のサディステックを昇華させてくれるような黒っぽい企画には、特に最近はあんまり関わっていないです。現在進行中のやつに可愛い子が酷い目に遭う話って入れてもいいかなぁ……でも萌えゲーって言われてるし、イチャラブ以外のエロはどこまで許される？　なんてことを考える毎日がひたすら続いていくのが現実です。
　どっかのメーカーさん。たまには辱ゲーのお仕事とかも、どうですかって言ってくれてもいいんですよ？

▲『オトメ世界の歩き方』でもアカリがユイを襲う系のＨシーンが多いのは、実はNYAON氏が襲いかかるアカリ視点で襲われるユイの姿を楽しんでいたから!?

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