病院を舞台に殺人事件の謎を追う──傑作ミステリー『野々村病院の人々』が令和に復活!!
今ではプレイしたくても難しいDOS時代の名作の数々を現代に蘇らせるFG REMAKE。『夜勤病棟リメイク』『同級生リメイク』『同級生2リメイク』と次々とヒット作を飛ばした名作リメイクの第4弾は『野々村病院の人々』!! 本作がリメイク対象に選ばれた経緯やリメイク版の見どころなどをBugBug9月号ではディレクター・ヤス氏にインタビュー。ここではその一部をお見せしよう。
▲これまでもFG REMAKEの名作リメイクに際してBugBugのインタビューに応えてくれたヤス氏が今回も登場。本作の目指したものや魅力を語ってもらったぞ
店舗やユーザーの声から『野々村病院の人々』に
決め手は「蛭田作品史上最高の主人公」の存在?
──FG REMAKEの第4弾作品として、現在『野々村病院の人々リメイク』の制作が進んでおりますが、発表された時少々ざわついたのではないかと思うんです。
ヤス:そうですね(笑)。ユーザーさんからは「『下級生じゃないのか』」を始め、様々なご意見をいただきました。
──やっぱりそうですよね。『同級生リメイク』のあと1本挟んで『同級生2リメイク』ときたら、「次はいよいよ『下級生』か!?」と思うファンは多いでしょう。
ヤス:第4弾が『下級生リメイク』じゃない理由を、今はお話しできません(笑)。でも、そう遠くないタイミングで何らかの発表ができると思います。
──承知しました。では改めて、今回『野々村病院の人々』をリメイクした理由をお聞かせください。
ヤス:我々の中にもリメイク候補作は沢山あるのですが、今回『野々村病院の人々』をリメイクするとなったのには、二つの大きな理由があります。一つはミステリー作品ということもあって、ストーリーやキャラクターが他の候補作品と比較しても面白いということ。特に僕は主人公の海原琢磨呂が大好きなんです。蛭田作品の主人公の中でも屈指のキャラだと思っています。
──確かにミステリー系作品は古くから美少女ゲームのジャンルの一つとして確立していますが、多くの作品で個性的なキャラや物語が人気の要因ですよね。
ヤス:特に『野々村病院の人々』はその部分が当時のユーザーから高く評価されていました。そして二つ目の理由として、作品の知名度の高さがあります。実際にショップさんやユーザーさんとお話をすると、次の候補として『下級生』と同じくらい名前が上がる作品なんです。それだけ待ち望まれている作品なんだということで、「今回リメイクしよう!!」ということになりました。
▲蛭田昌人氏による軽妙な主人公と本格ミステリーの融合は、今もファンが多い
体験版序盤の選択肢は今のユーザーにも好評
──すでに体験版も公開されていています。私もプレイさせていただきましたが、序盤からあの選択肢ラッシュはまさに当時のエロゲーといった感じですよね。ただ、昨今のユーザーからすれば「この選択肢、いる?」って感じる人もいるでしょうね(笑)。
ヤス:体験版の反響はXやメールでいただいています。選択肢に関しては当時のユーザーさんから「懐かしい」という反響をいただくのですが、当時を知らないユーザーさんからは「面白い」って声もいただいていますね。実は僕もこういう選択肢が令和の美少女ゲームユーザーにどう受け止められるのか分からなかったんです。なので体験版は早く出そうと思っていたんですが、予想以上に好評のようでホッとしています。
──体験版部分でも選択肢によってはバッドエンドになりますし、2000年代から続く「選択肢減少」「バッドエンド廃止」の流れと真っ向勝負だなあ、と思いました。
ヤス:僕もFG REMAKEに来る前にはオリジナルゲームを作っていたのでその流れは把握していますが、どちらかというと純愛系、恋愛系作品でその傾向が顕著なのではないかと思います。選択肢を増やしてバッドエンドルートを作るくらいなら、もっとハッピーエンドを充実させる方にリソースを使ってくれよってことだと思うんです(笑)。でも、ミステリー系作品はバッドエンドにも意味がある。それは『野々村病院の人々』も同じなんです。
▲「噂には聞くし興味あるけど、どんな作品なんだろう」という人は体験版が出ているのでそちらをぜひプレイしてみよう
原画家は男性キャラを描ける人が条件の一つ
──なるほど。さて、今回の『野々村病院の人々リメイク』ですが、リメイクに当たってヤスさんが意識されたポイントを教えてください。
ヤス:これは今回に限ったことではなくFG REMAKEの姿勢なのですが、なるべく当時のゲームをそのままリメイクするということです。今回もシナリオは現在のソフ倫の審査規定に抵触するところ以外は手を加えていません。CGに関しても、当時の良さを活かして構図はそのままで、フルHD用に新たに描き直しています。
──ということは、今回も蛭田氏リスペクトで?
ヤス:そうです。ぜひ今の美少女ゲームファンに、蛭田さんのシナリオを読んでほしいという気持ちです。
──絵の部分で言えば原画家は籠目氏を起用されています。これはどういった人選だったのでしょう。
ヤス:これは単純に可愛い女の子とおっさんの両方を描ける方ということでお願いしました。籠目さんは僕もチーフグラフィッカーも存じ上げていて、迷わずお願いしようということになりましたね。可愛い女の子については皆さんご存知の通り。男キャラも描いてもらったら素晴らしい絵が上がってきたので、間違いなかったなって思っています。
──確かに今作でも元キャラのイメージを残しながら、今風のデザインに仕上がっていますね。男キャラのインパクトも薄れていない(笑)。
ヤス:これはelf作品のリメイクについて回るテーマなんです。なにせインパクトある男キャラが出てこない作品はないですから。男性キャラだけサブ原画家に頼むということもできますが、作品の統一感を考えると一人の原画家さんにお願いしたいと思いました。
──キャラは新たに描き直しているわけですが、なにかテーマのようなものはあったんですか?
ヤス:まずはキャラの印象を変えないようにしようということがありました。その上で、今の美少女ゲームのキャラデザインとして考えると、ちょっとそぐわない部分は今のデザインに寄せていこう、と。やはり30年以上前のキャラデザインですから、そのままだと今のユーザーさんが違和感を持ってしまうところもあります。そこは上手に調整していこう、ということですね。
▲今風のすっきりした画面になっていて古くささは感じない。その上で本作の重要な要素である「男キャラの濃さ」は漂白されていないのがポイントだ
若手からベテランまで揃うヒロイン担当声優陣
実は難航したのは男性キャラの声優決定過程
──人気声優さんがキャスティングされていますが、中でも美保役をかわしまりのさんというのは、長く美少女ゲームをプレイしているファンには嬉しいですね。
ヤス:美保はちょっと複雑なキャラで演じるのが難しいんです。なので候補に挙がった方の中から、もっとも演技力に信頼を置ける方を選ぼうと。それでかわしまりのさんになったんですね。亜希子役の海原エレナさんも同様です。これまでの作品でも、複雑な背景を持つ演じるのが難しいキャラは、実力派の方にお願いしてきました。これはFG REMAKEのキャスティングの指針の様なものとも言えます。
──男性キャラのCVはいかがでしたか?
ヤス:むしろ男性キャラのキャスティングの方が難航しましたね。個性的なせいか、人によってイメージが違うんです。元院長なんかは一致したんですが、ヤンキーくん──譲治のCVは色々意見が出ました。最終的には僕のイメージで決めたんですが、若手スタッフに聞くと、ああいうヤンキーキャラって今はもっと高い声のイメージらしいんですよね。その辺りの認識のズレがあって難しいなって思いました。女性キャラではそういうことがほとんどなかったんですけどね。
──世代によって違ってくるんですかね?
ヤス:というより、通って来たコンテンツの違いなんだと思います。なので男性キャラのCVに関しては、迷った時には僕の感覚に合わせるようにしました。実際に演じていただいたらキャラにピッタリの声と演技になったので、これはこれで正解だったなと思います。
▲事件にかかわる登場人物の多くは、腹に何かを隠しながら口先では心にもないことを平気で言う。この文字に出来ない空気間を演じられるのが実力派の声優さんたちだ
原作の良さを活かしたCGリメイクに期待大
主題歌のジャズは「当時でもそうだったはず」
──エッチシーンに関しては、今回はいかがですか? 以前のインタビューで『同級生リメイク』ではエッチシーンが少ないという声があったと言われていました。
ヤス:多分『同級生2』のインタビューですよね。あの時もお話ししましたが、ブランドの方向性として、おまけのエッチシーンを1キャラに何シーンか追加することにしています。
──追加のエッチシーンはどういったものでしょうか?
ヤス:今回は物語が大団円を迎えた後なので、基本的にはイチャラブ要素が多めのエッチシーンになります。まあ、凌辱系作品であればifルートのエッチシーンになったりもすると思いますし、『夜勤病棟リメイク』ではエッチシーンが十分なのと、あれ以上加えることは出来ないという判断で、追加のエッチシーンは入れずアニメーションを増やしました。
──グラフィック面では新たな試みなどはありましたか?
ヤス:元作品のグラフィックが十分素晴らしいので、その素晴らしさを今の技術で再現することを意識しました。そして今回はミステリー作品なので、謎に絡むシーンはその雰囲気を十分感じられるように、というのは考えましたね。
──その他、演出面での追加などはいかがでしょう。
ヤス:これもリメイクならではなのですが、表情差分を作っています。DOS版では、表情差分なんかないですから。なのでグラフィック的には、新作を1本作るのと同じ手数がかかっているんです。それもこれも、「あの頃の名作を現在の技術でブラッシュアップして再現する」というのをテーマにしているからです。
──その「現在」という部分で追加されるのが主題歌とOPムービーですが、『野々村病院の人々リメイク』の主題歌「Doubt to FUTURE」はビッグバンド風のジャズですね。
ヤス:やっぱり探偵ものといえばジャズでしょう(笑)。1994年当時に主題歌が作られたとしても、きっとジャズになったと思います。曲自体も凄くカッコいいんですよ。
野々村病院の人々リメイク オープニングムービー
▲こちらが凄くカッコいいと話題にあがったオープニングムービー。軽薄で女好きだが決める時は決める探偵・海原琢磨呂にはジャズがよく似合う
──歌われているSennzaiさんは、ゲームソングではあまりお名前を聞かない方ですよね。
ヤス:アニメソングなどを歌われている方ですね。音楽をお願いしたElements Gardenさんに「主題歌はジャズがいいです」とお願いしたところ、「この方ではいかがでしょう」と紹介されました。もちろん主題歌だけでなくBGMもいいんですよ。『野々村病院の人々』をプレイした人にはぜひ聴いてほしいんです。今回のリメイクで、Elements GardenさんはまさにあのBGMをブラッシュアップしてくれました。素晴らしい仕事ぶりです。
──そして今回もDOS版『野々村病院の人々』が同梱されるんですよね。
ヤス:はい。こちらは完全に当時と同じデータでプレイすることができます。やはりリメイクを考えるほどの作品なので、当時のファンの中では「変えないでくれ」という方もいらっしゃいます。そういう方にはこちらをプレイしてほしいですし、最近のユーザーさんには当時どんなゲームだったのかを見てほしいというのもあります。もちろん解像度もそのままなので、フルスクリーンで表示するとかなり厳しい画面になってしまいますが(笑)。なのでプレイする際は、程よいサイズに拡大して遊んでいただければと思います。
──『同級生リメイク』や『同級生2リメイク』でもDOS版を同梱されていましたが、反響はいかがでしたか?
ヤス:DOS版付きの豪華版と、付いていない通常版を販売したのですが、多くのお客様に豪華版を購入していただけました。反響も良く、昔のゲームを今のOSで遊べるようにすることにニーズはあるんだなと感じましたね。アーカイヴス的にも受け止めてもらえたのではないでしょうか。せっかくリメイク版を作るのであれば、当時のソフトを現行のOSで動くものと同梱するのは必要だなと思いました。高価な豪華版の方が動いたということを、非常にポジティブに受け止めています。
▲発売も迫っている本作。予約特典をゲットするためにも早めに予約しよう。特典イラストで決めるのも良いかもね♪
各メーカーのリメイク展開には大いに期待
何度でも蘇る名作だからこそ自信があります!!
──そうなんですね。ぜひ海外でも人気になることを期待します。さて、『同級生リメイク』でのインタビューの際に「リメイクブーム到来」みたいな形でもお話を伺いましたが、あれから4年たって、まだまだリメイクブームは続いています。この状況を、ヤスさんはどのように捉えていますか?
ヤス:これは本当に良いことだと思っています。いろんなメーカーさんにリメイクをやってほしいですよね。映画やアニメでもリメイクって増えていますが、ゲームの場合はプラットフォームやOSなどが変わると遊べなくなってしまいますよね。そういう「名作」を現在の環境で遊べるようにしていくのも我々の仕事だと思っています。名作は何度でも蘇りますし、何度でも蘇る力があるから名作と呼ばれているんですよ。
──リメイクにしても、例えば『顔のない月 -待宵の双椿-』(ROOT)は原作ライターの宙形安久里氏が参加しているのでシナリオを大幅加筆をしているそうです。様々なリメイクの形が出てきていますよね。
ヤス:素晴らしいですよね。FG REMAKEは当時の制作スタッフが参加していないので、シナリオには手を加えないけどグラフィックは新しくするというスタイルをとっています。もちろん当時のスタッフがいなくても、様々に手を加える方法があってもいいと思っています。リメイクの仕方は、それぞれの制作体制によって色々あってよくて、それをジャッジするのはユーザーさんなんです。
──なるほど。
ヤス:美少女ゲーム業界の現状を見れば、盛り上げるアプローチにはどんどん挑戦していくべきでしょう。過去の名作をリメイクすることで「あのゲームが令和に!?」と話題になって興味を引けるのであれば、それは大事ですよね。
▲CGを最新技術で描き直すリメイクだが、昔のまま遊びたい人向けに現在のOS環境で動作する「DOS版」を同梱した豪華パッケージも登場。比較しつつ両方味わってみよう
インタビュー全文はBugBug9月号でチェック!!
ヤス氏には他にも各ヒロインの紹介や90年代の美少女ゲームならではの文化「顔見せ」のお話、海外展開の展望など興味深い話を語っていただいたぞ。さらに原画を担当することになった籠目氏へのフラッシュインタビューも…ぜひBugBug9月号で全文をチェックしてみてね!!
▲原画を担当した籠目氏へのフラッシュインタビューも掲載!! 人気作のリメイクとなるとプレッシャーも凄いと思うが…!?
野々村病院の人々リメイク
FG REMAKE
2025年9月26日発売予定
AVG、DVD/DL、18禁、Win10/11
パッケージ版:12,980円(税込)
DL・通常版:11,880円(税込)、DL・豪華版:14,080円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:籠目
原作:elf
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