【BugBug】6月号では超期待作『同級生2リメイク』の魅力と今後の展開についてFG REMAKEプロデューサー・ヤス氏に直撃インタビュー!!

前作の反応を受けて制作決定!!　6月28日発売の超期待作『同級生2リメイク』の目指したものとは!?

発表した時から大きな話題となった『同級生2リメイク』。
シリーズ前作にあたる『同級生リメイク』が大ヒットしたので当然の流れ…のように見えて、プレイヤーからの声を受けての課題もあったようだ。

BugBug6月号では本作についてFG REMAKEのプロデューサーであるヤス氏にお話を伺った。
ここではその一部をお見せしよう。

▲『同級生リメイク』の際にヤス氏は「セールス的に成功したら『同級生２』もリメイクさせてください」と会社に伝えてあったという。今回の発売決定は前作を多くの人が購入してくれたからこそだ

『同級生２』に最大のリスペクトを払いつつ
今のユーザーに向けての追加要素も用意

──まずは『同級生リメイク』のお話を伺いたいと思います。2021年2月に発売されたのですが、反響はいかがでしたか？
ヤス：やはりかつての『同級生』を知っている人と知らない人で、反応はかなり違いました。『同級生』をプレイした世代は「かつて楽しんでいたあの名作がリメイクされた」ということで、おおむね肯定的に捉えていただけました。一方で、その当時を知らない方、新規ユーザーさんからは、手放しの高評価ではなかったことも事実です。それもほとんどが今の美少女ゲームと比較してのもので、特に「エッチシーンが薄い」「実用的じゃない」という声をいただきました。
──『同級生』の発売が1992年であることを考えると、やはり今のユーザーにはエッチシーンのボリューム的に少なく感じてしまうのかもしれませんね。
ヤス：美少女ゲームを取り巻く時代性の違いなどもありますしね。ただ、ご指摘はもっともだと考えております。なので『同級生２リメイク』ではエッチシーンの部分に力を入れることにしました。
──『同級生リメイク』のインタビューをBugBugでさせていただいた時に、「今の美少女ゲームはこういうクオリティーですよというのを、離れてしまったベテランユーザーに経験してもらいたい」と言われていました。そちらはいかがでしたか？
ヤス：DOS版をプレイされた方には、絵もキレイになってCVも付いてというところを楽しんでいただけたようですね。『同級生リメイク』がきっかけで美少女ゲームに戻って来てくれる方が増えたら嬉しいと思います。

▲原作の魅力をできるだけいじらず、その上でＨシーンやプレイ感をパワーアップ!!

男キャラとのやり取りの楽しさは
さすが蛭田シナリオという感じ

──『同級生２』ですが、改めてセールスポイントをお聞かせいただけますか？
ヤス：まずは同時攻略の楽しさ。実はとある行動をすることで攻略できるヒロイングループがあるんです。これを何の情報もなく攻略する楽しさは、間違いなく当時の『同級生２』のセールスポイントでした。
──まさにあの当時の美少女ゲームですね（笑）。
ヤス：キャラクターの可愛らしさやシナリオの良さは言うに及ばずですが、これが令和の美少女ゲームファンにどう映るのかは『同級生２』でも興味深い所ではあります。シナリオに関しては、確かに今のゲームと比較すればコンパクトです。ですがその分、ボーイ・ミーツ・ガールの楽しいところが濃縮されていると僕は思っています。そこを味わっていただければ嬉しいですね。そうそう、シナリオと言えば男性キャラとのやり取りの楽しさやテンポ感はさすが蛭田シナリオという感じで、今のゲームにも勝るとも劣らないモノだと思います。特に芳樹とのやりとりは美少女ゲーム史上でも最高の部類に入ると思いますよ。すめらぎ琥珀さんの描く芳樹も味わい深いですよね（笑）。
──すめらぎ琥珀さんにオファーを出す際に、何か要望などをされたりはしたのでしょうか。
ヤス：いえいえ。『同級生リメイク』同様、特に注文することはなく「お願いします」って感じでした。元作品の絵の良さを生かしつつ、すめらぎ琥珀さんならではの絵の魅力を加えていっていただくというのは、『同級生リメイク』はもちろん、上田メタヲさんにお願いした『夜勤病棟リメイク』の時とも同じアプローチでした。元の絵のクオリティーが非常に高いところに、実力のある原画家さんにお仕事をお願いさせていただけたので、相乗効果もあって『同級生２リメイク』でもレベルの高いグラフィックを揃えることができました。

▲限られた時間でどこをどう回るかという攻略の試行錯誤も『同級生2』の魅力ではあるが、サクサク進めたい人のためのモードも用意。どちらのプレイスタイルも楽しめる

CV選びはキャラのイメージ最優先

──ヒロインたちの魅力の一つにCVがあります。『同級生２リメイク』のキャスティングは、どのように決められたのでしょう。
ヤス：やはり一番意識したのは、「キャラのイメージに合っているか」でした。さらに『同級生２リメイク』ではお話し的にかなり複雑な感情表現が出てくるセリフが多いので、その上でお上手な方にお願いしたいとは思っていました。
──実は先月のBugBugで秋野花さんのインタビューを掲載しているのですが、妹系ヒロインのお仕事が多い声優さんです。そんな秋野さんが唯役を担当されていて、なるほどと思われているユーザーも多いのではないでしょうか。
ヤス：そうなんですね。でも実は今回のキャスティングにおいて、「過去にどんなキャラを担当していたのか」はあまり考慮に入れていません。実際にサンプルボイスを聴いて、イメージが合う方を選ばせていただきました。これは他の声優さんも同じです。
──『同級生２』は様々なメディアで発表される中で、各キャラを複数の声優さんが声を当てられましたよね。
ヤス：それも意識して演じてもらうこともなかったです。それぞれの『同級生２』が制作されたその時々で、ヒロインにマッチする声優さんというのは変わっていくものだと思っていますから、誰かを意識してもらうこともなかったですし、今回の声優さんらしくヒロインを演じていただきました。もちろん収録に入る前に打ち合わせはさせていただきましたけど、そこでこちら側から特別にお願いしたということはありませんでした。その結果上がってきた音声は満足のいくものでしたね。皆さんに聴いていただくのが楽しみです。

▲キャラクターごとのストーリーも『同級生2』の魅力。声優さんの演技にも期待が高まる

『同級生リメイク』の声を受けてアフターエピソード追加
エッチシーンも2種類のスタイルで

──期待しています。エッチシーンについてもお伺いします。今回はエッチシーンに追加があるんですよね。
ヤス：これは先程もお話ししたように、「エッチシーンが物足りない」というご意見をいただいたことに対する対応ですね。具体的にお話しすると、新規のCGを各ヒロイン２枚ずつ用意して、エンディング後のアフターエピソード的なエッチシーンを追加いたしました。さらにもう一つ、こちらは本編のエッチシーンなのですが、『同級生リメイク』では元作品通り「ポイント・トゥ・クリック」を採用していました。ですがこれに対してはご批判が多かったんですね。確かに今のデジタルノベルでは馴染みの薄いシステムで、面倒くさく感じる方も多かったのでしょう。そうしたご意見を受けて、「ポイント・トゥ・クリック」ではなく、通常のノベル形式のエッチシーンも併せて採用しました。でも、単に変更しただけではシナリオが読みにくくなってしまうので、読みやすいようにシナリオに追加分を差し込みました。こちらはそこまで大きな追加要素ではないんですけどね。
──今後リメイク作品を作っていく中で、追加というのは考えていかなければならない要素になりそうですか？
ヤス：そこは作品によりますね。『夜勤病棟リメイク』ではエッチシーンを追加しようという話はまったく出ませんでした。ただ、『同級生リメイク』でエッチシーンに対するご意見が多かったのも確かなので、リメイク企画を考える際にそういう部分まで見ていく必要はあると、改めて認識しました。

▲『同級生2』のＨシーンは身体の上にカーソルを動かしてクリックしながら感じさせていくスタイルだったが、こちらも現代に合わせてノベル的なモードを追加

タイトルによっても最適なリメイクは違うでしょうし
ユーザーが何を求めるかにもよりますよね

──話は変わりますが、現在の美少女ゲーム市場にはリメイクブームのようなものが来ていると思います。『同級生２リメイク』の発表と前後してアリスソフトさんが『夜がくる！』のリマスターを発表し、先日は『顔のない月』（Root）もリメイクされると発表されました。
ヤス：そうですね。僕としては、『顔のない月』のリメイクは本当に嬉しかったです。Rootさんがメーカーとしての動きを止められていただけに驚きました。
──その他にもリメイクやリブート、さらにはリマスターなど、様々な形で過去作品が市場に再登場しています。この流れをどのようにご覧になられていますか？
ヤス：生々しい話をすると、リメイクを求める人たちが社会の決定権を持つようになってきていること、さらに40～50代の層というのが人口としても多く、大きな市場になっているということもあると思います。
──そんな中でもリメイクされるタイトルを見ると、当時を知らないユーザー層にも刺さるようなタイトルばかりのように感じます。
ヤス：それはそうだと思います。そしてリメイクの方法にも制作側の思想が見えています。僕は天才の仕事に余計な手を加えても作品を壊すだけだと考えているので、できる限り追加要素を盛り込まないリメイクを意図しています。その一方で、「昔のままで世に出すのであればリメイクの意味がない」という考え方もあります。もちろんタイトルによっても最適なリメイク方法は違うでしょうし、ユーザーが何を求めるかにもよりますよね。さらに言えば予算や開発期間にも左右されます。そんな中で最適解を探しながらリメイクしていくことが大切だと考えています。これはすごく難しい作業になりますよ。

▲本編とは別エピソードとなる『卒業生』もリメイク!!　さすが、当時のファンが喜ぶツボを良くわかっている

次のリメイク作品も作業はすでに進行中
国内・海外問わず名作美少女ゲーム拡散を

──そんな中で、今後はどんなタイトルをリメイクされていくのでしょう？
ヤス：あくまで個人的な気持ちで言えば、elf作品はどんどんリメイクしていきたいと考えています。年に1本くらいのペースで進められれば一番だと思いますね。
──最近は海外展開も美少女ゲーム業界の一つのテーマになっていますが、FG REMAKEではいかがでしょう？
ヤス：『同級生リメイク』はSteam配信もしたのですが、かなりのご好評をいただきました。
──主にどのあたりででしょうか？
ヤス：中国、台湾、韓国など、主に東アジア圏で動いていたようです。欧米はやはり学園ものは難しいようで、アジアがメインになっていました。
──では『同級生２リメイク』も海外展開を？
ヤス：はい、すでに決定しています。『夜勤病棟リメイク』も海外展開する予定です。実は『夜勤病棟』のOVAが海外でかなり売れていて、中国ではネットミームになっているセリフもあるらしいんですよ。教えてくれた中国の方に「そのセリフはアニメオリジナルだと思います」って言ったら、肩を落とされていましたけど（笑）。
──となると『夜勤病棟リメイク』も期待できそうですね。
ヤス：国内、海外を問わず、日本の美少女ゲームの名作を届けていきたいですね。

▲『同級生リメイク』は全年齢のCS版も発売された。これからさらに、『同級生２人メイク』のCS版や他のelf作品リメイクも期待できそうだぞ!!

理想のリメイクを目指して、FG REMAKEは今後も様々な名作に挑戦してゆく

ヤス氏の言葉にあるように、リメイクには“天才の仕事に余計な手は加えない”という考えも“昔のままではリメイクの意味がない”という考えもある中で、どのようなリメイクを目指すかはケースバイケースとなる難しい問題だ。

そんな中で、elf作品に最大のリスペクトを持つヤス氏が導き出したのはどのような答えなのか。

ここには掲載できなかったBugBug6月号のロングインタビュー、そして6月28日に発売される『同級生2リメイク』で、ぜひ確認してみよう!!

同級生2リメイク　プレムービー

同級生2リメイク オープニングムービー

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