※本記事はBugBug2024年12月号に掲載したレビュー記事の再掲載です。
STORY
宗教国家ミディールには妖精が棲んでおり、人々は魔術を行使することができる。特に絶大な力を持つ「妖精の花嫁」は英雄として崇められていた。魔術士を養成する学院にやって来た主人公は、見事に「妖精の花嫁」の伴侶となるが…彼には自分も気付かぬ秘めた目的が!?
読み応えのあるシナリオに引き込まれる秀逸な復讐劇
個人的にensemble作品といえば女装主人公が女学園に潜入する『乙女』シリーズの印象が強いのですが、本作『旭光のマリアージュ』は今までの作品とは毛色が異なるファンタジーな世界観の復讐劇です。発表時から楽しみで体験版もプレイ済み。体験版部分での読み応えのあるシナリオに引き込まれ、製品版の発売を心待ちにしていた作品だったり。ということで気合を入れてレビューしてみたいと思います!!
まずは世界観の説明と導入部のストーリーから。近代化する大陸の中において、宗教国家ミディールは妖精が棲み人々が魔術を使う異端の国。中でも10年前に降臨した「妖精の花嫁」と呼ばれる存在は、強大な力で他国からの侵攻を防ぎ英雄として崇められています。主人公・スレンは魔術師を育成する学院に入学し、力を示して「妖精の花嫁」の一人・リアと契約するのですが…それは彼の復讐の始まりだった!! といった感じの物語となっています。
▲常人離れした美しさのリア。「妖精の花嫁」であれ彼女の伴侶はうらやましい…
▲フィーネは治癒魔法が得意。そんな彼女の祈りの姿は実に似合っていて見惚れるぞ♪
影のある主人公のスレンですが、前向きかつ軽めな言動で「復讐者」って感じがしないんですよね。プロローグ部分では彼の家族が何者かに惨殺されるシーンがあるのですが、学院に来た時には「俺は大魔術士になる男!!(キリッ)」みたいな感じで…どうしてこうなった!?
なんて戸惑いつつゲームを進めて行くと、どうやら復讐する相手に正体を悟られないため、暗示みたいなもので別人格を形成している様子。何せスレン本人も自分が復讐者である自覚がなく、普通に学院でヒロインたちと交流しているくらいですから。
そして平穏な学生生活を送る中で時折、過去の惨殺事件がフラッシュバック。あるいは眠りについたと思ったら主人公の性格が変貌し、名前の表記やセリフの一部が「■■■」なんて伏字の状態になったりと、不穏な描写を入れることでプレイヤーに「この主人公には隠された秘密がある」ということを伝えてくるワケです。
また先述したフラッシュバックで見られる過去の出来事に関しても、孤児院の貧しくも穏やかな生活の様子。信じていた人たちの裏切り。最初から仕組まれていた恐るべき計画。妖精の花嫁とは何なのか…そうした情報が断片的に出てきて、徐々に謎が明かされる形になっています。こういうシナリオの見せ方はズルイですよね、筆者も先が気になって夢中で読んでしまいました(笑)。
主人公のキャラも前半の軽薄な学生・スレンから、後半は冷徹な復讐者・■■■として話が進むのも興味深かったです。復讐劇だと主人公の魅力も大切ですからね、二面性があるってのはミステリアスな印象があって非常に良いと思います!!
▲膝枕でぐっすり眠るクロエ。彼女の様子が面倒を見ていた幼子を思い出させる
▲主な舞台は剣と魔法がメインのミディールだけど、他の国は結構近代化されているので拳銃も登場する。これで一発逆転!?
ヒロインたちの背景設定やバトル描写などにも注目!!
さて、ここからはヒロインについて触れるとしましょう。まずは妖精の花嫁・リア。人間離れした美しさで外見だけ見ると少し冷たい印象もありますが、真っすぐな性格をした良い子です。主人公にとっては相棒であり、そして…。
続いてミディール国の王女・フィーネ。王族ながら気さくな性格で、悪い意味で注目を集めていた主人公にも気安く接してきます。
最後にフィーネの付き人・クロエ。とても臆病で人見知りも激しく、主であるフィーネにべったり。小動物的な可愛さのあるタイプですね。他にも複数の美女・美少女が出てくるのですが、攻略可能なのはこの3人となっています。
個人的には本作の中心人物であるリアがお気に入りですね。彼女は主人公の過去に大きく関わっており…というか主人公の家族を惨殺した実行犯だったりします。ちょっとだけネタバレさせていただくと、これは彼女の意志ではなく命令により無理矢理やらされたという…。つまり加害者ではあるものの被害者でもあるワケです。契約者が変わると記憶が失われるので、新たに契約した際に過去の出来事は忘れていたのですが…主人公と接するうちに心の奥底に眠ってた記憶が蘇るという胸アツな展開。この後の彼女の宣言やその後の主人公へのお願いは涙なくして見られません!!
復讐者である主人公と、復讐の対象であるリア。二人が紡いでいく感動のシーンの連続、是非プレイしてみて欲しいです。ちなみに他二人のヒロインも思わぬ形で主人公の過去に関わっており、リアとは違う方向性の復讐劇となっているのが面白かったです。
▲仲間であるはずの妖精の花嫁同士が殺し合う。復讐のために主人公がリアを戦わせて…
▲妖精の花嫁だけど肉体的には人間の女の子と違いはない!? 森の中でのHはお互いに大興奮♥
そして復讐がテーマの本作はバトル描写にも注目です。主人公本人の戦闘力もそれなりに高いのですが、どちらかというと搦め手を得意とするタイプ。なので復讐する相手とは基本的に一進一退の攻防で、どの戦いも見ていてハラハラさせられます。そして主人公の苦手とする部分を補うのがリアで、妖精の花嫁だけあって一発で戦局を変える力を持っています。そんな相性の良い二人が互いを支え合って戦う姿が、何ともカッコよく尊さを感じるほど。また敵の方も過去の行いを悔いながらも信念のため戦う者、悪だと自覚しながらも己の大切な人のために戦う者、単純にゲス野郎など、それぞれ個性があって良かったですね。
ファンタジーな世界観ならではの剣と魔法の白熱した戦いと、シリアスな復讐劇を巧みに描いた本作。Nintendo Switchでもリアルートのみを収録した一般版が発売されていますが、フィーネとクロエのルートも楽しめHシーンも見ることができるPC版が断然オススメです!!
▲ヒロインの中で一番巨乳なフィーネのパイズリ。高貴な彼女を汚している感じにすごく昂るぞ♪
▲外見的にも精神的にも幼いイメージのクロエだけに、彼女とのHシーンはイケナイことをしている感があるけど…それが良い!!
【ライターのイチオシ】サブキャラの活躍も印象に残る!!
サブキャラにも美女・美少女が多く登場する本作。特に敵として刃を交える魔術士団の団長・ルシエラと、彼女に従う妖精の花嫁の一人・ラヴィが印象に残っています。敵なので主人公たちに倒される運命ではありますが、その最期は「死が二人を分かつまで」という感じで、胸を打つ名シーンなので必見です!!
▲最期はパートナーとして二人で一緒に逝く…敵だけど何とも切ない
ライター:黒い白馬
正統派のファンタジーは好きですが、復讐の物語みたいなダークファンタジーも面白いですよね。むしろ個人的には清廉潔白な主人公より影のある主人公にカッコ良さを感じる?
『旭光のマリアージュ』OPムービー
旭光のマリアージュ
ensemble
2024年8月30日発売
AVG、DVD/DL、18禁、Win10/11
パッケージ・通常版:10,780円(税込)
パッケージ・ROYAL EDITION(豪華版):14,080円(税込)
DL版:10,780円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:なのたろ、佑真、柊林檎
サブ原画:湊みなも、タハラ白樹
企画・シナリオ:浅黄アキ
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