ensembleの最新作は愛と復讐がテーマのシリアスなダークファンタジーAVG
ensemble作品というと個人的には女装主人公モノや、学園青春モノってイメージが強いです。ところが最新作はシリアスなダークファンタジーAVGで、テーマは「愛と復讐」だとか…何だかちょっと意外な感じがしますね。
かなりシナリオに力を入れている作品のようで、既に製品版が発売済みですがシナリオを評価する意見が多く見受けられます。今までの同ブランド作品と毛色が異なるので、どんな内容か楽しみです!!
ということで、いつものように体験版から内容をチェックしてみたのですが…ボリュームがとんでもなかった!! 普段の体験版レビューは多くてもCGが40~50枚ですが、何と今回は75枚オーバー!! 未使用分も含めると90枚以上は画面をキャプチャしています。
単純に体験版部分が長いというのもありますが、シナリオも面白くて削れる部分がないんですよね。正直、前編・後編に分けようかと思ったほどですが…そんなワケでえらく長くなってしまいましたが、最後までお付き合いいただけますと幸いであります。
▲聖教会の守護者である「妖精の花嫁」の一人・リア。真面目で正義感が強いが、少し浮世離れしたところも?
▲宗教国家ミディールの王女・アルフィーネ。大人びていて気品があるが、王族ながら気さくで悪戯っぽい性格
▲魔術学院では最年少の学生・クロエ。臆病で人見知りが激しく、主であるフィーネにベッタリくっついている
悲惨な過去を持つ主人公と謎多き存在である妖精の花嫁・リアの出会い
いきなり謎の美少女が主人公の家族を惨殺している衝撃的なシーンからゲームは始まります。復讐劇ですから当然と言えますが、凄惨な事件現場がバーンと出てくるとビックリしますね…。
冒頭の事件は主人公の過去に起きた出来事のようで物語は現在に移ります。舞台となるのはミディールという宗教国家で、妖精や魔術といったファンタジーな要素で栄えている国のようです。
そこにある魔術学院で「妖精の花嫁」と呼ばれる存在との契約者を決める儀式を行っているのですが、遅れてやって来た主人公・スレンがちょっと待ったコール!! そして元々契約する予定だった少女・アンリエッタと決闘して見事に勝利!!
こうして契約者の座を横からかっさらったスレンは、妖精の花嫁・リアを呼び出すのですが…彼女の見た目が冒頭の回想シーンで主人公の家族を惨殺した謎の少女そっくりなんですけど!?
冒頭の謎の美少女がリア本人なのか…というのもありますが、一番の謎は主人公のスレンでしょう。凄惨な過去があるはずなのに、やたら軽薄なキャラなんですよね。リアの姿を見ても特に動揺した様子もないですし…そんな感じでプロローグ部分なのに気になることが山盛りです。
▲返り血に染まる謎の美少女…というショッキングなシーンからゲームは開始。主人公の過去に起きた出来事?
▲大切な家族を殺され「許さない」と復讐を誓う。色が反転し文字がブレる演出に主人公の怒りが感じられる
▲画像が壊れているワケではなく、画面にノイズが走って回想が終了。こういう不穏な演出がたまらない!!
▲ここは宗教国家ミディールにある魔術学院。学長のミラと教師のルシエラが何かの儀式を行っている様子
▲どうやら「妖精の花嫁」と呼ばれる存在との契約者が、この少女・アンリエッタに決まったようだが…
▲そこに「ちょっと待った」と乱入する主人公・スレン。ドラマの結婚式でありそうなシチュだよね
▲諸事情により「妖精の花嫁」の契約者を決める戦いに参加できなかった彼が不服を申し出て再戦をすることに
▲ファンタジーな世界観なので魔術や妖精が登場。こういう設定ってワクワクさせられて良いよね♪
▲アンリエッタの放った炎の魔術を慌てて回避!! 戦闘シーンは派手なエフェクトで見栄えが良いぞ
▲隙をついて接近したスレンがアンリエッタの首筋にナイフを押し当て試合終了。主人公というより悪者っぽい?
▲決闘で実力を示して「妖精の花嫁」の契約者を勝ち取ったが、周囲の反応はあまりよろしくないみたい
▲そんな微妙な空気を気にせず決意表明をするスレン。とても悲惨な過去があるように思えない印象だが…
▲契約するのが「妖精の花嫁」なので指輪に宿っているとか、結婚式を意識した演出が多いのにも注目だ
▲そして現れた妖精の花嫁・リアだが…何故かスレンを見て一筋の涙を流すのだった。何を意味するのか?
▲左手の薬指に指輪をはめてリアの手を取るスレン。というか彼女は冒頭に出てきた謎の美少女では!?
波乱に満ちた魔術学院での生活。何やら主人公にも秘密が隠されているようで…?
いよいよ魔術学院での生活が始まるのですが、すっかり悪目立ちしてしまったスレンは腫れ物のような扱いに。しかし逆に興味を持って近づいてくる者もおり、王女のフィーネとその付き人であるクロエが話しかけてきます。彼女たちはリアと同じく本作のヒロインなので、今後の関係にも注目ですね!!
注目と言えばちょくちょく回想が挟まり、そこで主人公の過去が描かれるのですが…名前が「スレン」じゃなく「■■■」と伏字になっているんですよね。別人なのか同一人物なのか…ホント謎の多い主人公です。
さらに途中でスレンの様子がおかしくなり、回想じゃないのに名前の部分が「■■■」になって怪しい行動を取るシーンもあったり。肉体は同じっぽいので何らかの理由で人格が入れ替わってる感じでしょうか?
また妖精の花嫁の一人であるラヴィに不審者として目を付けられて襲われたりも…何とも波乱の魔術学院生活で見ていて飽きません。こういう部分もシナリオの見せ方が上手いんでしょうね。
▲学院では腫れ物みたいな扱いのスレンに声をかけてくる美少女が…
▲彼女の友人も紹介される。悪目立ちしてしまったけど、興味を持った人間もいるみたい
▲リアと一緒に生活することになったが部屋には一つのベッドに枕が二つ…妖精の「花嫁」だけに初夜ってこと!?
▲森の中の孤児院で大切な家族と過ごした頃の夢を見るスレン。わざわざ名前が伏字になっているのが気になる…
▲昔を思い出し穏やかな気持ちで目覚めると、傍には笑顔のリアが…何だか気恥ずかしいかも
▲リアに対しては挨拶してくるが、スレンは無視するアンリエッタ。だいぶ恨まれているみたい
▲担任教師は聖教会の幹部で英雄と呼ばれたクライヴ。隣にいるのは妖精の花嫁の一人であるメル
▲夜に一人で出歩いていると鈴のような音が聞こえ、それと共にスレンの意識が遠くなり…
▲修道女と何やら怪しいやり取りをする主人公。喋り方も軽薄さが消え冷徹な感じに…本当に同一人物なのか?
▲異様な気配を感じてその方向を見ると、3人目の花嫁であるラヴィが冷たい目で主人公を見下ろしていた
▲怪しい行動を取っていたとはいえ、問答無用で攻撃してきた上に虫呼ばわりとか見た目に反しキツい性格?
▲巨大な戦槌による猛攻を受け大ピンチ!! こんなの食らったらケガじゃ済まない…死の予感!?
▲何か目的があって学院に潜入した主人公、大人しくやられるワケには行かないので反撃開始!!
▲リアと契約したことで使えるようになった光の魔術で、どうにか難を乗り切ることに成功
▲その後、我に返ると何も覚えていない様子…この主人公には色々と秘密が隠されていそう
遠征実習で多数の邪精に襲われ大ピンチ!? リアとの信頼関係を深めて真の力を解放せよ!!
謎の多い存在である妖精の花嫁。普通の妖精は蝶の形ですが、彼女たちは人間の姿を取っています。そして契約者が変わるたびに記憶を失うとのこと。しかし何故かリアは「自分が子供のころ」の記憶を夢で見ます。しかも主人公らしき少年も出て来るという…これはいったいどういうことなんでしょうか?
色々と考察したくなるところですが、個人サイトの考察ページではなく体験版レビューの記事なので話を進めるとしましょう。魔術学院の授業で遠征実習に行くことになったスレンたち。ところが行き先は邪精という恐ろしい存在がいる大森林だったりします。学院長の意向のようですが、教え子を危険な場所に向かわせるのは何故なのか…って、ついつい考察しちゃいそうになって困ります(笑)。
危険な森とはいえ英雄と呼ばれた担任教師のクライヴと、そのパートナーである妖精の花嫁・メルがついていますし、森の奥までは行かないので大丈夫…なんてことがこの作品であるワケもなく。クライヴとスレンが別行動をしている間にフィーネやクロエ、その他のクラスメイトたちがいる休憩地点に狼のような邪精が群れで襲ってきて絶体絶命の大ピンチに陥ります。
そこでリアが真の力を解放し邪精を一網打尽に。大きな力を使ったせいで契約者のスレンは魔力を根こそぎ持って行かれてしまうのですが、この一件でリアとの信頼関係が深まったように見えます。だがしかし、本作は復讐の物語。そんな「力を合わせて危機を乗り切って恋仲に♪」みたいな展開にはならないのでありました…。
▲誰かの見ている夢のようだが、この女性は誰なのか…何だか見覚えがあるような気も?
▲新しく孤児院に来た自分を「家族」として迎え入れてくれた少年。これって主人公では…
▲嬉しくて思わず泣いてしまう少女と、それを見て困った様子の少年。在りし日の温かい記憶
▲どうやらリアの見ていた夢だったらしい。しかし彼女には記憶がないはずだが…妖精の花嫁とは何なのか
▲学長の意向で遠征実習に行くことに。時期的にだいぶ早いみたいだけど、どうにも不穏な気配が感じられる?
▲しかも向かう先は邪精という危険な存在がいる恐ろしい場所とのこと。やはり嫌な予感しかしない!!
▲出発前の平穏な時間。眠るクロエを見て家族のことを思い出すスレン…抱く気持ちは恋愛じゃなく家族愛?
▲フィーネは治癒魔術のエキスパートなので礼拝堂で祈る姿が良く似合ってるね♪
▲礼拝堂の奥には妖精の世界「妖精郷」とこの世界を繋ぐ門が…重要機密っぽいけど教えて大丈夫なのか
▲いよいよ遠征実習に出発!! さて何が待ち構えているのやら?
▲遠征中にスレンだけを呼び出したクライヴ。極秘任務でもあるのだろうか…
▲…と思ったらメルとリアの水浴びを覗き見!? 何しているんだこの不良教師!!
▲一方そのころ、休憩地点にいたアンリエッタたちは邪精の襲撃を受け必死に戦っていた
▲狼のような姿の邪精を魔術で一閃!! 単体ならば何とかなる相手のようだが…
▲どうやら群れに囲まれている様子。よりによって最高戦力である妖精の花嫁たちがいない時に!!
▲もうダメだ…と絶望する学生たちを叱咤するフィーネ。さすが王族だけあっていざって時は強い
▲どうにか持ちこたえているところに妖精の花嫁たちが合流。これで助かりそう!?
▲「旭光の花嫁」という二つ名を持つリアの本気モード。剣が光を発し…
▲空に巨大な魔法陣が展開され、地上の邪精に向けて無数の光が降り注ぐ!!
▲大量にいた邪精を一網打尽にしたリアの恐るべき力。ただし反動も大きく…
▲契約者であるスレンの魔力を根こそぎ持って行かれ、意識を失ってしまうのだった
いよいよ主人公の復讐がスタート!! そして最後に明らかになる衝撃の事実とは?
これまでは所々に不穏な気配はあったものの、軽薄だけど人の好いスレンがヒロインやサブキャラと交流する様子が描かれている感じでした。しかし、いよいよ冷徹な主人公による復讐が始まります。
薄々感じていた通り主人公には「スレン」とは別に「■■■」の人格があるようです。というか、こちらが主人格であり軽薄な性格は復讐相手に気付かれないようにするためのカモフラージュだった様子。
リアの信頼を得るという目的を達成したので、名前こそスレンのままですが人格は■■■の方が表に出てきて行動を開始します。最初のターゲットは先の遠征実習で一緒だった教師のクライヴで、邪精との戦いでケガをしたので今がチャンスとばかりに戦いを挑みます。
そうは言っても相手は英雄と呼ばれた強敵であり、おまけにパートナーのメルも妖精の花嫁なので普通に戦ったのでは主人公に勝ち目はありません。そこでリアの力を利用しようと考えたワケです。つまり魔術学院に入りリアの契約者となり、無害なスレンという偽りの人格で信頼を得る…全ては復讐のための下準備に過ぎなかったと。
いざ戦いが始まるとリアに命令してメルの足止めをしつつ、自分は剣や魔術に加えて拳銃や毒なども使います。この手段を選ばず相手を確実に殺そうとする姿勢が、まさに復讐の鬼という感じで良いですね!! 主人公だけど余裕なんて全然なく、一歩間違うと敗北しそうな戦闘バランスの加減も見事です。
そしてクライヴを倒した後に、残る復讐相手の名を挙げるのですが…その中にはリアも含まれていた!? やはり冒頭に出てきた謎の少女はリアだったワケですね。プレイヤー視点だと彼女の方にも事情があったのがわかりますが、主人公はそのあたりわからないので仕方ないのかも?
こうして最初の復讐をはたし「リアも復讐の対象である」という衝撃の事実が明らかになったところで体験版は終了です。主人公の復讐の先に待っているのは、はたしてどのような結末なのか…非常に気になります!!
▲何度目かのスレンの夢だが、今回は何者かの意志が介入している様子。過去の惨劇を再び夢で見せて…
▲夢から覚めたスレン。しかし普段の軽薄さはなく名前が「■■■」となっていた時のような冷徹な雰囲気に?
▲以前にフィーネから教えて貰った「妖精郷」への入り口にリアを連れて来るが、いったい何をするつもりなのか
▲洞窟を抜けて出た先は荒涼とした大地。ここが「妖精郷」らしいが…そこにはクライヴが
▲「アラドという男を覚えているか」と問うスレン。その名を聞いてクライヴは動揺を見せる
▲ここで過去に孤児院で起きた事件について語られる。何者かの目論見によって家族が皆殺しに…?
▲孤児たちの中で唯一の生き残った者として、事件に関わっていたクライヴに復讐をするつもりらしい
▲止めに入るメルを抑えるためリアに命令するスレン。彼女と契約したのは、復讐の道具とするためだった!?
▲自らの意志に反して「契約者の命令」により強制的にメルと戦うリア。メルの悲痛な叫びが心に刺さる
▲目覚めてから日の浅いリアと比べ、さすがに戦い慣れているメルの方が優勢なようだが…
▲そこにスレンが銃と魔術の合わせ技を放つ。剣と魔法のファンタジーだと思ったら銃もある世界だったとは!!
▲メルの胸を必中の弾丸が貫く!! 妖精の花嫁はこのくらいで死ぬことはないが、しばらく戦闘不能の状態に…
▲その隙にクライヴを倒し復讐をはたす。ただ彼は過去を悔いていたようで最期に励ましの言葉を残すのだった
▲契約者であるクライヴが死んだことでメルの身体は光と共に消滅。何とも後味の悪い勝利に…
▲だが復讐はこれで終わったワケではなく、むしろ始まったばかり。まだ仇は4人も残っているのだから
▲学院の教師であり「大魔術師」の称号を持つ聖教会の幹部・オンベルト
▲妖精の花嫁であるラヴィの契約者で聖教会が擁する魔術師団の団長・ルシエラ
▲学院長であり聖教会の最高指導者である大司教・ミラ
▲主に魔術学院というか聖教会の関係者が復讐の対象だが、最後の一人とは…
▲何とスレンのパートナーであるリアも復讐すべき相手!? やはり冒頭の惨劇を行ったのは彼女だったのだ
▲衝撃的な展開で終わる体験版。スレンの復讐は完遂されるのか、そしてリアとの関係は…気になる!!
とにかくシナリオが良いので復讐劇やダークファンタジーが好きな人にオススメ!!
謎多き主人公の復讐を描いた本作は、シナリオが評判なだけあって体験版の範囲内でも非常に読み応えのある内容でした。復讐劇やダークファンタジーが好きな人には、是非ともプレイして欲しい作品です。
序盤から伏線…というか謎の部分に関するヒントが散りばめられており、プレイヤーが考察しやすくなっているのも良かったです。自分の予想が合っているのか、ついつい先へ読み進めたくなりますから!!
また戦闘シーンが結構多いのですがエフェクトやカットインが多用され見栄えが良いのに加え、一進一退の白熱した攻防が展開されるのも好感触。やはり余裕の勝利よりギリギリの勝負の方が見ていて面白いですよね。
美少女ゲームなので恋愛要素にも注目なんですが、ヒロインのリアが主人公の復讐の対象でもあるので、どんな結末になるのか違う意味でドキドキしてしまいます。個人的にはハッピーエンドが好きなんですが、何しろテーマが「愛と復讐」ですからね…。
ちなみに本作はNintendo Switchでも全年齢版が発売されているのですが、内容はリアのルートのみとなっているようです。なのでフィーネとクロエのルートも収録されており、なおかつHシーンも見ることができるPC版の方が圧倒的にオススメですよ!!
▲ROYAL EDITIONにはゲーム本編に加えてサントラCDやアクリルクロックといった豪華特典が付いているぞ♪
『旭光のマリアージュ』OPムービー
旭光のマリアージュ
ensemble
2024年8月30日発売
AVG、DVD、18禁、Win10/11
通常版:10,780円(税込)
ROYAL EDITION(豪華版):14,080円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:なのたろ、佑真、柊林檎
サブ原画:湊みなも、タハラ白樹
企画・シナリオ:浅黄アキ
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