【本誌復活レビュー】Purple software『クリミナルボーダー life sentence』徹底レビュー!!　ついに結末を迎える4話完結の大人気クライムAVG

※本記事はBugBug2024年9月号に掲載したレビュー記事の再掲載です。

結末を早く見たいのにキャラとの別れが惜しい完結編

2022年10月に第1弾となる『1st offence』が発売されてから約1年半。ここまで起・承・転……と紡がれてきた『クリミナルボーダー』という物語が、ついに本作で完結です!!　こちら4部作となっていますので、必ず前3作品をプレイしておきましょう。

さて、前作の『3rd』ではメリルがヒロインとなって可愛いずくめで終わるのかと思いきや、ひなが殺されてしまうという衝撃的なラストが待っていました。彼女の死を乗り越え、復讐を果たす―これ以上なく明確な目的を携えて完結編は幕を開けます。

▲凜、琴子、メリルは三者三様ながら樹や辰也を死なせないように手を組むことに

開始直後から樹が死んだはずのひなと会話をするシーンがちょくちょく出てきまして、最初のうちは「思ったより…凜ちゃん、メンタルやられちゃってるね～」のように、“生前のひな”と脳内で話しているのかと思っていたのですが、先に進むにつれて不穏になり、ついには「復讐できるね」というセリフがひなから出てきた時には戦慄しましたね。ひなはこんなこと絶対に言わないだろうと。案の定、幻想のひなは樹の精神状態で歪められた存在、すなわち樹が“壊れかけている”証だったわけです。

そんな彼を救い出そうと奔走するのが、本作でヒロインとなる春夏冬凜。クールで一歩引いた立ち位置にいた彼女がどんな思いでひなや樹を見ていたのかが赤裸々に描かれ、全ての元凶は自分であると考える凜が、安易な復讐（＝死）に突っ走ろうとする樹を繋ぎ止めようと奮闘する、そんな哀しい物語。「私が、あの子を殺してしまった。私が、樹を壊してしまった。私は、罰されなくてはいけない。それなのに、どうして。──私はまだ、綺麗なままでいるんだろう」。樹のように“壊れて”しまえばラクなのに、彼を護るためのストッパーとならなければいけない彼女の苦悩が全編からにじみ出て、胸が痛くなるほど。そんな彼女が、そして樹や他のメンバーが報われて欲しい。そんな願いでマウスをクリックしていきましたが、終盤にまたもやショッキングな出来事もあったりして、最後の最後まで目が離せない展開でした。『life sentence』というタイトルも納得です。

▲本作最大のキーマンとなるのが“組織”のボス・ルカ。その思惑はいったいどこに…

最初は陰キャで冴えない主人公だった樹をはじめ、ひな、凜、琴子、メリル、辰也…それぞれが成長を遂げ、それぞれが存分に個性と魅力を発揮したという点では、『クリミナルボーダー』は本当に最高の作品でした。完全に一本道だっただけに、ちょっとでも介入の余地があって違う世界線が覗けたりしたらさらに嬉しかったなーとか、派生作品に思いを馳せながら終わりたいと思います。

まだ未プレイの方は、全作がセットになった「complete box」もあるのでネタバレなど一切見ないで最初からプレイしてくださいね!!

▲凜とのエッチは愛情からというものではなく、壊れゆく樹を引き戻そうとする彼女なりの贖罪のようなもので…

▲これまで誰よりもクールに振る舞ってきた知的な凜が「もうどうしたらいいかわからない」と嘆く…

Look back at the CRIMINALBORDER〈クリミナルボーダー振り返りムービー〉

『クリミナルボーダーlife sentence』OPムービー

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