【本誌復活レビュー】アリスソフト『夜が来る！ -Square of the MOON- Remastered』2001年発売の名作学園伝奇RPGがリマスター版に

※本記事はBugBug2024年8月号に掲載したレビュー記事の再掲載です。

なんといっても個性と魅力にあふれた登場人物たち

2001年に発売されたアリスソフトの名作RPGが、リマスター版となって令和の世に帰ってまいりました!!　CGの高解像度化＆音声の新規収録の他、どこでもセーブ、リマスターオプション、ゲームモードの追加などが盛り込まれていて非常に遊びやすくなった印象です。

さて、原作を知らない人のために簡単に紹介しますと、ほぼ一本道のメイストーリーとヒロインごとのサブストーリーで構成されていて、その間に「育成」や「迷宮探索」といったRPG要素が挿入される学園伝奇モノ。

▲シリアスだけでなく日常イベントも。さすがモデルな鏡花のプロポーションに注目!!

原作だとこの迷宮探索がクセ強めでして、少し歩いては「調べる」を繰り返さないと問答無用でトラップにかかったり、不意打ちを受けたりという感じでした。今回のリマスター版では「リマスターオプション」の「配置物強制表示」で隠れている敵や罠を全て表示できるので、周回プレイ前提の作品としてはほんっとうに助かりました!!　どこでもセーブできるようになったのも、地味にナイスですね。原作をプレイした人なら共感してくれると思います!!　もちろん設定をいじらずに原作のままを楽しむことも可能ですよ。

システム面の変更とは逆に、ストーリー面は原作に忠実です。世界を脅かす存在である“光狩（ひかり）”を討つため、能力者“火者（かしゃ）”になった主人公・羽村亮とその仲間たちが集う「天文部」を描く物語は中二病要素満載でスタイリッシュ。ただ、なんといっても登場人物たちの個性・魅力・活躍こそが本作最大の推しポイントでしょう!!

▲視界狭めな迷宮を探索します。交差点などは必ず「調べる」をしないと…

部長の火倉いずみは普段の天然っぽさと戦闘時の凜々しさのギャップが萌え燃えですし、全然デレない傍若無人な七荻鏡花がほんの僅かに見せる「デレ」も素晴らしく、ヒーローに憧れるオタクな後輩・三輪坂真言美は感情豊かで奔放な発言が可愛らしい!!

ただ、個人的には4人目のヒロインである祁答院マコトに惹かれました。クールで無口な強者といった印象でしかなかった彼女が、関係を深めるうちに「お前を喜ばせたかったのさ。本当は」とか「お前が傷つくことが、いなくなってしまうことが…死ぬほど怖かった…」みたいに、心境の変化を吐露していく様子がたまらなく愛おしいんです。特訓の時に「風下に立つな…、今の私は汗臭い…」なんて言われたら、可愛いなオイ!!　としか言えないですよ!!　実にいいヒロインです。その他、男性陣も皆いいキャラしていまして、その活躍や日常シーンがたっぷりと堪能できるのも本作…というかアリスソフトならではでした。

20年以上も前に発売され、いまだに口の端にのぼることもある名作。ぜひぜひプレイしてみてくださいね!!

▲天文部部長で火者の里出身の、傷を癒す力を持ついずみさん。当時としても珍しい短髪＆眼鏡という属性ながら、立派なメインヒロインでした

▲火者の里出身で格闘術に優れたマコト。火者でありながら能力者ではないために、つらく哀しい過去を持っています

現代伝奇RPG『夜が来る！-Square of the MOON- Remastered』紹介ムービー

現代伝奇RPG『夜が来る！-Square of the MOON- Remastered』OP

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