
前作の反省点を汲み新基軸を加えて新たなヒロインと紡ぐ『DeepOne -領界侵犯-』の見どころを直撃インタビュー!!
骨太な本格伝奇ビジュアルノベルといしてNamelessより登場した『DeepOne -ディープワン-』。
その発売から7年、第2弾の『DeepOne -領界侵犯-』が発表!!
前作の構想、今作で新たに目指したもの──『DeepOne』の世界観を広げる最新作について、BugBug6月号ではディレクターの堀ノ内遊女氏にインタビュー。ここではその一部を紹介しよう。
▲本作のディレクターでありNameless制作総指揮でもある堀ノ内遊女氏にお話を伺ったぞ
ヒロイン・カスミがメインの第2弾作品登場!!
──7年ぶりの新作『DeepOne -領界侵犯-』ですが、『DeepOne -ディープワン-』とはどのような関係性の作品になるのでしょう。
堀ノ内:元々『DeepOne』シリーズは、ヒロインごとに物語を用意するという構想がありました。そのヒロインというのが尚哉の妹とカスミと沙耶の3人で、『DeepOne -領界侵犯-』は美少女ゲームでいえば「カスミ攻略ルート」という立ち位置になります。そして物語としては、『DeepOne』という作品世界をカスミの視点から描いた作品ということになります。
──なるほど。『DeepOne -ディープワン-』は妹の九花ルートということだったわけですね。
堀ノ内:そういうことです。ゲーム1本でヒロイン1ルートという構成だったのですが、そこのアナウンスが不十分で『DeepOne -ディープワン-』では「カスミや沙耶が中途半端」と指摘されてしまったんです。
──フルプライス作品ということもその評価になってしまったことはありそうですね。
堀ノ内:1本目は九花をヒロインに、魔導書と斎野家に伝わる宿命から作品の基本を紹介する。1本目ではカスミをメインに、魔導書との関わりから物語世界をより広げていくことを考えていました。そしてソーシャルゲームの『DeepOne 虚無と夢幻のフラグメント』でさらに深掘りするというように、段階を踏んで作品世界を広げていく構成を考えていたのですが、分割商法だと、一部のユーザーさんから指摘を受ける結果となってしまいました。
▲美しくかっこいいビジュアルで描かれるバトルビジュアルノベル。『DeepOne』シリーズはここから始まった
重厚な作品世界にカジュアルさを加えたドラマ
──そこで『DeepOne -領界侵犯-』ですが、お話を伺う限り『DeepOne』シリーズを立ち上げる時から作品の構想はあったということでしょうか。
堀ノ内:ありました。なので当初は『DeepOne -ディープワン-』発売後、すぐに制作に入る予定でした。しかし『DeepOne -ディープワン-』での反省点を振り返りながら作品作りを見直すことにしたことから、思った以上に時間がかかってしまいました。
──クリエイターとして見直さざるを得なかった?
堀ノ内:そうですね。やはり作るからにはユーザーさんに楽しんでもらえる作品にしたい。そのためには見直さなければいけない部分が多かった。さらに前作で好評だった演出やグラフィックなどについても、さらにクオリティーを高めたい。そういった諸々から時間がかかってしまいました。
──そんな中で『DeepOne -領界侵犯-』でもっとも意識されたのはどういった部分でしょう。
堀ノ内:昨今のゲームのニーズですね。2000年代のノベルゲームは大ボリュームで長時間じっくり遊べることが求められていました。弊社で言えば『恋姫』シリーズなどが代表例ですよね。でも今ではタイパ重視で、分かりやすいゲームが求められています。なので『DeepOne -領界侵犯-』ではボリュームやクオリティを落とすことなく、読みやすく理解しやすい作品作りを意識しました。重厚な世界観を描きながらも読みやすいテキストということで、ビジュアルノベルとしての進化を考えました。
──なるほど。
堀ノ内:そのきっかけになったのが『DeepOne 虚無と夢幻のフラグメント』なんです。シナリオ監修をさせていただいているのですが、キャラを魅力的に見せて長く遊んでもらえるような作品作りということを非常に考えられている。でも決して内容が薄いわけではないんですね。これには衝撃を受けました。『DeepOne -領界侵犯-』では、読みやすさについてのクオリティアップに努めPCゲームならではの演出強化、アニメーション演出などコンテンツリッチを強化しました。
▲『DeepOne』の外伝的作品としてオンラインソーシャルゲーム『DeepOne 虚無と夢幻のフラグメント』。一般向け版と18禁版があるぞ
バトルものならではの主人公とヒロインの王道関係
尚哉に寄り添うカスミのキャラ造形や描写に注目
──それは楽しみです。そんな『DeepOne -領界侵犯-』は、どのようなストーリーになるのでしょう。
堀ノ内:尚哉とカスミとの出会いから、カスミが尚哉や斎野家にどのような想いを持っているかを掘り下げていきます。前作では描かれなかったカスミの想いを楽しんでもらえるストーリーですね。キーワードは「その想いは、愛か呪いか」。尚哉とカスミの恋愛の行方がこの物語の是非を問うような展開になる。壮大な世界系のストーリーになります。
──確かに『DeepOne -ディープワン-』に比べて、さらに大きな物語になっていますね。
堀ノ内:『DeepOne -ディープワン-』は斎野家のお家騒動を描いていました。今作は尚哉たちと対立する存在として防疫修道会が登場します。その結果、斎野家の能力やカスミの秘密に対して世界が反応してくる。なので前作に比べて派手な展開になっています。そこをぜひ楽しんでほしいですね。
──それでは各キャラについてもお聞かせいただければと思います。
堀ノ内:まずはキャラデザイン全体についてなのですが、ソーシャルゲームを意識しました。『DeepOne -ディープワン-』ではシリアスさを意識したことから、全体的に大人しめのキャラデザインになっていました。『DeepOne -領界侵犯-』ではキャラデザインのカッコよさと本作ならではの世界観の融合を意識して、原画の夏彦さんと打ち合わせを繰り返しました。なぜこの衣装なのか、武器なのかというのも、カッコよさに加えて物語や設定の中に落とし込んであります。
──そんな中で主人公の尚哉は、今作ではどのようなキャラになっているのでしょう。
堀ノ内:基本的に『DeepOne -ディープワン-』と一緒ですが、前作では巻き込まれ系の主人公だったんです。しかも常識のベクトルが現代的なんですね。敵はこちらを殺す気満々で来るのに、尚哉は物語の中盤過ぎまで一般人的な倫理観に囚われているわけです。そこがユーザーさんとしてはもどかしさを感じたようで。
▲『DeepOne -ディープワン-』から続く斎野家だが、最新作ではビジュアルやメンバーがアップデートされている
──バトルものの主人公であれば、「もっと吹っ切れたカッコいいキャラであってほしい」ということでしょうか。
堀ノ内:そうですね。バトルもの主人公として戦いに向き合うまでの時間が長すぎた。なので今作では性格は変わっていないのですが、物語の最初から覚悟を持って戦いに臨むキャラになっています。『DeepOne -領界侵犯-』の尚哉は一番矢面に立つキャラで、戦うたびにどんどん損耗していくんです。そんな尚哉にカスミや沙耶、そして新ヒロインの一花がどんな風に想いを寄せていくのかを描いています。
──まさにバトルものの主人公とヒロインとの、王道な関係性のようですね。
堀ノ内:ユーザーさんに気持ちよく物語を見てもらうというのは、エンタメとして一番大事だと思っています。ストーリーを読んでもらうこと以上に、主人公に感情移入して楽しんでもらうことを考えて制作しました。間違いなく前作よりカッコいい尚哉になっています。
──続いて本作のメインであるカスミです。
堀ノ内:「尚哉と一緒に戦うヒロイン」ですね。常に尚哉の横にいて、主人公の一番の理解者。強くてカッコいい女の子ということで、尚哉と一緒に物語の真相に向かっていきます。
──キャラデザインを見ると、『DeepOne -ディープワン-』に比べてお嬢様感が減少した印象です。
堀ノ内:前作は気位の高いお嬢様感がありましたが、それは設定もあったと思います。由緒正しき英国の魔術士で、気位が高く尚哉の尻を叩く存在でしたから。本作では共に戦える女の子ということを意識したので、キャラデザインも変わったと思います。カッコよさと女性らしさ、エロゲーならではのエッチさを兼ね備えたキャラデザインになったと思います。
▲ヒロインごとに物語を用意するという構想で始まった『DeepOne』。第2弾となる『DeepOne -領界侵犯-』ではカスミがメインの物語が紡がれる
東雲テキストの魅力満載の新ヒロイン・一花
──続きまして一花です。こちらは新キャラですが、九花と似たポジションなのですね。
堀ノ内:まず九花が今回登場しないのは、一つとして『DeepOne -ディープワン-』でクリアしたヒロインという考え方からです。なので『DeepOne -領界侵犯-』では別キャラを攻略するよね、と。それと『DeepOne』というシリーズが平行世界として描かれていることを強調したかったんです。似た世界設定だけど、ちょっと違う。妹キャラなんだけど、九花ではなく一花ということなのです。
──そんな一花は、まさに美少女ゲームの王道的な妹キャラというか、人気が出そうですよね(笑)。
堀ノ内:シナリオ的には東雲さんが本当に頑張ってくれていますし、夏彦さんのキャラデザインも素晴らしいですよね。『DeepOne -ディープワン-』では、登場キャラが全員宿命に対して真面目でした。でも真面目すぎて、そこでも重くなりすぎた。なので本作では明るいムードメーカー的なヒロインを登場させることにしました。その意味では美少女ゲーム的な可愛い妹キャラです。もちろんバトルシーンでは頑張ってくれるんですけど。
──キャラデザイン的なポイントはいかがでしょう。
堀ノ内:やはり可愛がってもらえるヒロインということで小動物感を意識しています。それとエッチシーンを楽しんでもらうために、一番胸を大きくしたり、衣装もミニスカワンピースで太ももを見えるようにしたりと、セクシャルな可愛さも考えました。日常の象徴で、エッチで可愛い妹キャラですね。
──今作のヒロインの中で、唯一のボブカットですね。
堀ノ内:このあたりは夏彦さんの上手さなのですが、シルエットで個性を出せるキャラを作ってくれています。その上で後ろ髪で長い部分を盛り込んだり、編み込みを入れたりと、美少女ゲーム的な可愛さも外さない。あと、お気楽妹系でエッチ担当ならピンク髪だよね、とか(笑)。
▲今作ではシナリオに東雲和也氏が参加、日常シーンや恋愛描写などカジュアルな部分を楽しく盛り上げている
人気の沙耶はキャラデザインで新たな魅力も
──さすがですね(笑)。そして沙耶ですが、前作から引き続き登場です。
堀ノ内:沙耶は前作でも一番人気だったので、基本のキャラデザインは変えないようにしています。和装の雰囲気を崩さないように大正ロマンを意識した衣装デザイン。沙耶はカスミや一花とは違って体のラインや肌を出さないことが魅力になると思っていますので、バトルジャケットも他のキャラよりシンプルなものになりました。ポイントは帽子ですね。そしてトレードマークの刀は外せません。色々盛り込んではあるので、沙耶のSSRバージョンって感じもありますね(笑)。
──キャラ設定は前作からあまり変わっていませんか?
堀ノ内:そうですね。沙耶はまだメインヒロインではないので、基本『DeepOne -ディープワン-』と同じ立ち位置になります。尚哉と共に戦うのですが、カスミとの違いとしては沙耶は尚哉に仕えて戦うという点ですね。例えば尚哉の判断に対して、カスミは自分の想いをきちんと伝えてきます。でも沙耶は尚哉の意思に必ず従う。あくまで主と臣下という関係を崩しません。そこが沙耶の品のある奥ゆかしさ、だからこそのもどかしさとのギャップでユーザーさんの人気が高いのだと思います。
──そんな沙耶というキャラをより掘り下げるには…。
堀ノ内:もう1本ゲームが必要になるんですよね(汗)。もちろんそのためには『DeepOne -領界侵犯-』が無事に売れなければいけませんが。
▲前作から人気キャラである沙耶もHシーンあり。シリーズ3作目が出れば彼女がメインヒロインになる!?
バトルシーン演出や主題歌に高まる期待
──前作でも好評だったバトルシーンのアニメーション演出。こちらは今回いかがでしょう。
堀ノ内:『DeepOne -ディープワン-』は疑似的なアニメーションシーンだったのですが、『DeepOne -領界侵犯-』でもAfter Effectsを採用することで、より細かなアニメーション表現を実現することができました。バトルの迫力、キャラクターのエモーショナルな表現など、ノベルゲームの枠を越えて、アニメや映画を観ているような体験を楽しんでいただけると思います。
──それは楽しみですね。
堀ノ内:そうした演出面の強化だけでなく、そもそもバトルシーンが前作よりも増えています。その上で動いているので、演出面ではより楽しんでいただけると思います。とにかく前作で評価された尖った部分は、さらに尖らせて行っていますよ。
──その尖った部分という意味で今回注目しているのが主題歌です。nilfinityというロックバンドが担当していますが、美少女ゲームでは聞かない名前ですよね。
堀ノ内:まずは美少女ゲーム主題歌にこだわるより、『DeepOne -領界侵犯-』という作品イメージに合う主題歌にしたかったというのがあります。それで楽曲を探していた時、今回音響制作をお願いした会社が主題歌コンペを提案してくれたんです。その中にnilfinityさんの曲があって、一発で気に入ったんですね。それでお話しさせていただいたところ、全面的に協力してくれるということになりまして。歌モノは文化祭のイベント曲含んで5曲。nilfinityさん以外にもピューパ!!さんというバンドも参加しています。
▲バトルビジュアルノベルを銘打っているだけに戦闘は熱く激しい演出で盛り上げる!!
大作制作が難しい市場状況であることを受け入れ
トレンドとこだわりを融合させるゲーム作りを
──期待の高まる『DeepOne -領界侵犯-』ですが、それとは別にこうした重厚なゲームというのは美少女ゲーム市場でも少なくなってきている印象です。このあたり、堀ノ内さんからはどのようにお感じになりますか?
堀ノ内:私もそういうゲームが好きで制作していますが、少なくなっているというのは時代の流れとして仕方ないのかなと思います。例えば私自身を振り返っても、今20~30時間かかるゲームや400ページを超える小説、3時間級の映画を楽しめるかというと難しいと思います。そんな中でゲームでいえば、カジュアルな作品が主流になっていき差別化を図る中で、どのようにアクションシーンを入れていくか、魅力的なキャラをどのように盛り込んでいくかを考えていかなくてはならない。そこは市場の変化に常に対応していかなければいけないと思います。「昔はよかった」とか「今のユーザーさんは重厚なゲームを遊んでくれない」というのは、時流に遅れた言い訳でしかありません。今の時流にあわせて、ユーザーさんに楽しんでもらえるものを提供する。それがクリエイターの仕事だと思っています。
──その意味では、『DeepOne -領界侵犯-』という、ある意味で重厚さが魅力の作品を出すことは、一つの挑戦でもありますね。
堀ノ内:こういう作品がユーザーさんに評価いただけるかどうか。「もっとカジュアルな作品を」という声が大きくなるのであればそこは考えますし、パッケージにこだわる必要がないのかもしれない。ユーザーさんのニーズを見据えながら、より喜んでもらえる作品創りを柔軟に取り組んでいこうと思います。
──それでは改めて『DeepOne -領界侵犯-』のセールスポイントをお聞かせください。
堀ノ内:フルプライスという規模の作品をお届けする中で、自分たちができる範囲の、ふんだんなアニメーション演出や重厚なストーリー展開、熱いバトル──そういう作品は少なくなっているかもしれません。でも、そういう作品が好きだという人には楽しんでいただける作品になっていると思います。こういったゲームに価値を見出してくれる皆様に、ぜひぜひ遊んでいただければと思います。
Nameless最新作『DeepOne 領界侵犯 』オープニングムービー
▲重厚な曲調で人気のロックバンド・nilfinityによる「invisible」を本作の主題歌として起用!! 他のバンドの曲も含め、歌は5曲収録されているとのことだ
今では貴重なシリアスでかっこいいバトルに燃えるノベル!! インタビューから伝わる気概を受け止めろ!!
一時代を築いたものの、今では数が少なく貴重なジャンルとなった重厚な伝奇バトルビジュアルノベル。だが、熱烈で根強いファンがいるジャンルでもある。こう言った作品が好きな人は、続編を応援するためにもぜひチェックしておこう。
BugBug6月号本誌のロングインタビューではシナリオやゲームシステム、プロモーションについても堀ノ内氏が語ってくれているぞ。そちらもぜひ全文を読んでみてね!!
▲シリアスパートは堀ノ内氏、日常パートは東雲氏と分担することで、熱さもユルさも楽しめるようになったシリーズ第2弾。発売は7月25日予定なので今からプレイの準備をしておこう
DeepOne-領界侵犯-
Nameless
2025年7月25日発売予定
AVG、DVD/DL、18禁、Win10/11
パッケージ・特別限定版:16,500円(税込)
DL版:9,900円(税込)
ボイス:あり、アニメ:あり
原画:夏彦
シナリオ:堀ノ内遊女、東雲和也
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