ユーザーと主催者が近い距離で交流できるコンテンツの祭典『電気外祭り』が久々の開催!! そこに至るまでのお話や今後の展望を聞いてみたぞ!!
2009年夏、美少女ゲームメーカーとユーザーとの交流のために始められたという『電気外祭り』。しかし2019年冬の開催を最後にコロナ禍の影響で中断を余儀なくされていた。それがいよいよこの冬、4年ぶりに再開!! 久々の開催となる電気外祭りを、主催者側はどのように考え盛り上げていこうとしているのか、BugBug12月号にて編集部が直撃取材!! ここではその一部をお見せしよう。
▲元々はminori代表のnbkz氏が始めたイベントだったが、2019年の夏に代表氏と高橋氏が運営を引き継いだ。しかしその翌年にコロナが…
主催を引き継ぎ1年後にコロナ禍
4年ぶりの開催は復活祭として成功を
──いよいよ電気外祭りが再開します。中々美少女ゲーム市場も厳しい中、再開する想いをお聞かせください。
代表:元々私共で電気外祭りの運営を担うようになったのが2019年の夏。それまで仕切られていたminoriのnbkzさんとテックジャイアンさんから引き継いだんです。というのも、やはり我々もずっと美少女ゲームはユーザーとして楽しませていただいてきました。それが2019年の頃には「市場が厳しい」と言われるようになっていて、その中で自分たちが出来ることで美少女ゲームを盛り上げられないか、という想いがあったからなんです。言い換えれば、イベント開催なら我々もお手伝いできる。なので「是非やらせてください」ということで、引き継がせていただきました。
──2019年夏ということは、コロナまで2回の開催だったんですね。
高橋:そうです。なのでこの2回は、これまでの流れを踏襲する形で開催することができました。ただそこでコロナ禍になってしまい、会場を借りてのイベントが難しくなってしまったわけです。
──ファンもメーカーも残念な中止決定でした。
高橋:そうですね。そんな中でもなんとか開催できないかと模索はしていたんです。オンラインイベントでの開催もアイデアとしては上がったのですが、電気外祭りは「リアルなイベントありき」の企画であり、そうでなければ開催する意味がないと考えて、実現しませんでした。
──あくまで会場に集まってのイベントとして続けたいということですか。
高橋:せっかくのお祭りなので、メーカーさんもユーザーさんも顔を合わせて盛り上がりたいんですよ。
▲コミケのために遠方から来た人も参加しやすいように、コミケ会場からあまり遠くない場所で開催される
久々の開催は多彩なブランドの参加を発表
出展のハードルを下げたことも追い風に
──ますます期待が高まってきます。既にいくつかのメーカーが参加を表明していますが、開催に向けてのメーカーの反応はいかがでしたか?
高橋:参加を決めていただいたメーカーさんは総じて好意的でしたし、それ以外でも「開催を待っていた」というようなことを言ってもらえたりはあります。その一方で、やっぱりネガティブな意見もありましたね。「今更会場型イベントはないでしょう」みたいな。
──ああ、なるほど。それは紙の雑誌でも言われちゃいますね(笑)。そんな中、メーカーへの開催告知はどうされたのでしょうか?
高橋:これまで参加していただいたメーカーさんをはじめ、まずはメールなどで連絡をさせてもらい、お話を聞いていただけるところにはできるだけ足を運ぶようにしました。昨年冬が開催発表後に中止となってしまったので「本当にやるの?」と言われたりもしたので、そこは直接説明に伺わせていただきました。
──現在(取材日は10月11日)、6ブランドが参加を表明されていますね。
高橋:当初はまず10社を目標にしていたんです。それくらい集まってもらえたらイベントという形になるかな、と。結局13ブランドが参加することになっていまして、11月前半には全出展ブランドを発表する予定になっています。
──出展ブランドを見ると、ケロQさんのような老舗メーカーから、ここ数年にデビューしたブランド、作風でも純愛あり凌辱ありと、バラエティー豊かなラインナップになっていますね。
高橋:ケロQさんは開催を発表した直後から出展について前向きに考えてもらっていたようで、お話させていただいた時もとても意欲的でした。我々としてもケロQさんのような人気ブランドが前向きに考えてもらっていたことに、本当に勇気をいただきました。大手メーカーの出展が最初に発表されると、他のメーカーさんもお客様もやはり安心していただけますから。
▲協賛メーカーがいないと成立しないイベントなので、大手が率先して出展してくれるのはとてもありがたいことだ
──新規ブランドとしてはOrthrosさんが参加されますね。
高橋:こちらも非常に前向きに参加を検討していただけました。直接お伺いしたのですが、「新ブランドなので、是非告知の機会を」と言っていただきました。
──そしてルネソフトさんも参加されるということに驚きました。これまでルネソフトさんは会場型イベントに参加されることはなかったと思うのですが。
高橋:これは関係者の横の繋がりの中で、「ルネソフトさんも参加を考えているようだ」という情報が流れてきたんです。確かにこれまでイベント参加はなかったんですが、「今後は新しい告知方法も考える必要があるのではないか」ということでした。イベント出展経験のある会社からスタッフが移ってきたというのも、後押しになったみたいです。
──凌辱系メーカーの参加は大きな一歩のように思えます。
高橋:これから美少女ゲームを盛り上げていく中で、ルネソフトさんのようなメーカーさんが参加していただけるのは、すそ野を広げる意味でもとても大きいと思います。もちろん基本はキャラ系メーカーがメインになると思いますが、いろんなジャンルのブランドさんに参加していただけるようにして行きたいですね。
──ルネソフトさんときゃべつそふとさんが並んでいる絵柄とか、中々興味深いですね(笑)。
高橋:もちろん出展の配置などはいろいろ考えていますけどね(笑)。今回、参加メーカーのジャンルが幅広くなった要因の一つに、出展条件の変更もあったと思うんです。これまでは参加するメーカーさんには描き下ろしのイラストを1点いただいて、それを出展料の代わりにしていたんです。でも今回は復活祭ということで、出展料に該当するものは一切いただきません。
──それではイベントにかかる費用などはどうするのですか?
高橋:これまでの開催でお出しいただいたイラストの再利用を各メーカーさんにお願いして、許諾をいただいたイラストで画集を作って販売する予定です。電気外祭りや出展者の歴史をユーザーさんに改めてアピールするのと、メーカーさんの宣伝効果を兼ねて制作します。
──なるほど。若いユーザーさんにとっては貴重なアイテムになりそうですね。
高橋:それこそ電気外祭りが始まった頃のゲームソフトは、DL販売があるとはいえ中々探しにくい状況だと思うんです。そこで改めてのPRになるといいなと思っています。
▲純愛系だけでなく凌辱系ブランドのルネも参加!! これまでにはなかった流れだ
同人ゲームサークルも参加が続々決定
グッズ系企業にVTuberの参加も検討中
──出展で言うと、これまでメーカーだけでなくグッズ関連企業などの出展もありました。そういったところはいかがでしょう。
高橋:もちろんグッズメーカーさんからも、何社かから参加の希望が届いています。それ以外だとVTuberさんからも問い合わせをいただいているんですよ。VTuberさんはインフルエンサーとしても影響力がありますから、是非参加していただければと思います。美少女ゲームファン以外の方も会場に来ていただけるでしょうから、より広い層へ美少女ゲームをアピールするチャンスにもなりますし。
──中々楽しみの広がるお話ですね。
高橋:さらに今回は同人ゲームのサークルさんにもお声がけをしているんです。現状結構反響をいただいているので、こちらも盛り上がってもらえるのではないでしょうか。いまや同人ゲームの人気も大きいですから。
──それも中々の情報ですよ(笑)。
高橋:美少女ゲームメーカーのイベントという軸はブレないまま、そこに関連する様々な所から参加を求めていきたいと考えています。
──電気外祭りのもう一つの楽しみとして、ステージイベントもありました。こちらは今回、どのような形式になるのでしょう。
高橋:もちろんステージイベントについても前向きに考えています。ステージ企画を希望されるメーカーさんがあるなら、もちろん対応していきますよ。ただ、今回の会場はステージのエリアと出展エリアがパーテーションで仕切るくらいしかできないので、その辺りをどうするかも考えないといけませんね。
──ステージ企画があると、イベントとしても盛り上がりが更に高まりますよね。
高橋:そうですよね。せっかく開催する以上は、物販だけのイベントにはしたくないんです。午前中は人が来ていたけど、買い物をしたら皆帰ってしまったというのでは寂しいじゃないですか。グッズを購入した後も会場内で楽しめるような仕掛けなども考えていきたいですね。
▲各ブランドが祭りの出店のようにグッズ販売やイベントを行う。この距離感が『電気外祭り』の魅力だ
コンベンション型イベントの魅力満載
参加者が新たな楽しみを見つけられる場に
──こうして様々なことを考えながら今回再スタートを切る電気外祭りですが、今後の展望として将来的にはどのようなイベントにしていきたいとお考えでしょう。
高橋:まず考えていかなければいけないのは、「コミケ0日目」というコンセプトを続けるのであれば、やはりコミケとの差別化でしょう。電気外祭りはコミケ以上にメーカーさんと参加者の距離感が近いイベントです。その距離感の近さが、イベント全体の熱量を上げてくれるのは間違いなくあります。そしてこれは以前のDreamPartyに近いのだと思いますが、物販以外でもお客様に楽しんでもらえるイベントを目指して行くということですね。そういう中でも、「美少女ゲームのイベントである」という軸がぶれることのないイベントであり続ける必要はあると考えています。
──たしかにDreamPartyやコロナ前の電気外祭りは、距離感が近いがゆえの盛り上がりはありましたね。
高橋:もちろんそういう理念だけでなく、純粋に出来るだけ多くのお客様を動員することも重要です。たくさんの来場者があるからこそ、メーカーさんも安心して出展出来るわけですから。午前中は物販で、午後は各ブースでそれぞれのイベントをやっていただいて、ファンとメーカーに交流していただく。こういう場所はオンラインでは出来ない、リアルイベントならではの醍醐味です。だからこそ、我々は電気外祭りというリアルイベントをなくしたくないと考えています。その為にどうしたらいいかこれから試行錯誤を繰り返しながら、出来るだけ良いイベントに成長させていくのが我々の仕事だと思っています。
──最近は秋葉原でも美少女ゲームの発売日にリアルイベントが開催されたりもしていますが、やはりコンベンション型イベントには違う魅力があると思います。コロナ禍も一段落したことで、是非そういう楽しみを多くの美少女ゲームファンに味わってほしいと思って今回は取材をさせていただきました。
高橋:我々は美少女ゲームメーカーではないので、関連企業として業界各社とお付き合いすることになるのですが、それだけに横に広い繋がりが出来ているんです。その繋がりの中で今回のようなイベントが開催でき、メーカーさんも同人サークルさんからも総定数を超える出展希望をいただいています。もちろんグッズなどの関連企業の出展もあるので、関わる人が多いイベントでもあるんですね。その結果、メーカーや関連企業に新たな繋がりが生まれることも少なくないんです。そういう相乗効果で新しいものが生まれるきっかけになるイベントになるといいな、と思っています。それがコンベンション型イベントの良さではないでしょうか。だからこそ参加してくれる皆さんには感謝の想いでいっぱいなんです。
──なるほど。わかるような気がします。
▲色々とやりたいことはあるが、まずは4年ぶりの電気外祭りを多くの人に知ってもらい成功させることが大切だ
美少女ゲームを盛り上げるためには
メーカーとユーザーの両方がいてこそ
代表:本来は「大きなお世話」なんですよ。我々がイベントを開催するなんていうのは(笑)。元々はコミケに落ちたメーカーさんが集まってコミケ前日に開催するイベントだったわけで、コミケと関係のない我々が主催を代わって開催しますなんていうのは、大きなお世話と言われてしまえばそれまでなんです。ただ、我々はお祭りが好きなんです。何かが好きな人たちが集まって盛り上がろう!! っていうのが好きなんですよ。それが電気外祭りという場には存在した。だからなくしたくない。きっかけはそこなんです。
──たしかに斜に構えている人もいますが、自分と同じものが好きな人たちが集まって盛り上がれる場って、やっぱり嬉しくなりますよね。
代表:そうなんです。だから来てくれた人には是非楽しんで帰ってほしいですし、「なんだよ」って言われるような場所にはしたくない。「次回も是非やってよ」って言ってもらえたら嬉しい。それだけなんです。勿論それを実現するためには大手さんの協力も必要になってくるし、会場の都合だったりお金だったりという大人の事情も必要になってくるんですけどね(笑)。本来ならそういうものをなしにして、皆で盛り上がれる場所を作りたいっていうだけなんです。
──我々ファンも、やっぱりイベントがあれば嬉しいですし、なくなればガッカリしてしまいます。是非これからも盛り上がる場所を作り続けて欲しいですね。
高橋:そうですね。そして今回の記事を読まれて興味を持たれたメーカーさん、是非参加をご検討ください。なにせ3年お休みしていたイベントなので、メーカーさん全てを把握しているか、ちょっと心もとないんですよ(笑)。
──是非ご連絡をお願いします(笑)。
▲BugBug12月号にこのインタビューが掲載されたあとも次々と出展メーカーは増えている。今どうなっているのかは公式サイトで確認しよう!!
メーカーとユーザーが一緒に盛り上がる唯一無二のお祭り──その熱量はプライスレス!!
コロナ禍の前、そして今ほど何でもかんでもオンラインではなかった頃、美少女ゲームメーカーのスタッフとファンが気軽に接することの出来るお祭りとして多くの人を楽しませた『電気外祭り』。今はその頃と大きく状況は変わっているが、直接人と人が接することによるライブ感ある楽しさは変わらない。BugBug12月号にてカラー6ページ掲載されたこのインタビューには、掲載時に参加表明していた6つのブランドからのコメントも掲載!! BugBug本誌で全てチェックして、コミケ前日に開催されるイベントへGO!!
▲ここでは2つのブランドを掲載。各メーカーのコメントからもこのお祭りを成功させようとする熱意が見て取れる。キミも飛び込んで一緒に盛り上がろう♫