アクションやAVGを得意とする戯画にSLGを得意とする新ブランド『戯画チーム++』が誕生、そのメインスタッフは…元ソフトハウスキャラの方々!?
戯画の新ブランド『戯画チーム++』より、現実世界とゲームの世界の2つの世界を行き来するシミュレーションアドベンチャー『ガルフラ』こと『ガールズフランティッククラン』が登場!! 現実世界とゲーム世界のギャップを楽しみながら自らに課せられた呪いを解いていく本作をBugBug11月号では6ページを使って特集、最新ビジュアルに加え、チームリーダー・JORI氏とシナリオ担当・藤山ちかい氏へのロングインタビューも掲載。そこで明かさされたブランド誕生経緯や本作の推しどころなどの一部をダイジェストで紹介しよう★
▲戯画ブランドに加わった新しい風、“遊べる美少女ゲーム”を作り続けたベテランであるお二人にお話を伺ったぞ
ソフトハウスキャラチーム++メインスタッフが集結して再起動!!
──今回は戯画チーム++の最新作『ガールズフランティッククラン』が発表されたことを受けてのインタビューなのですが、JORIさんはチームリーダーなんですね。
JORI:そうですね。今回はチームリーダーと、あとプログラムを担当しています。
──そしてシナリオとして藤山ちかいさんがクレジットされていますが、初めてお名前を聞くという読者も多いと思います。
藤山:そうですね。『ガールズフランティッククラン』が発表された時も、原画が有名な八重樫南さんなのに、シナリオの藤山ちかいって誰や? みたいな反応がありましたから(笑)。
──元々はJORIさんと一緒のソフトハウスキャラにいらっしゃったんですよね。
藤山:そうです。チーム++で企画やシステム構想、ディレクター、SLGパートのマップ作製などを担当していました。チーム++の前はグラフィッカーとして3DCGを担当したり、広報をやっていたりしました。BugBugさんにはずっと攻略資料をお出ししていましたね。
──ありがとうございます。
藤山:いえいえ、BugBugさんにはこだわった攻略記事を作っていただけたので、本当にありがたかったです。
──そう言っていただけるとこちらも嬉しいですね。それで今回はシナリオということですが、ソフトハウスキャラではシナリオは書かれていなかったんですね。
藤山:元々企画をやりたくてソフトハウスキャラに入ったんです。それで内藤騎之介さんの下で修業をして、チーム++では企画やプロットを担当しました。なのでずっと物語づくりには参加していたんですが、システム構築やマップ制作の仕事が忙しくて、自分でシナリオまで書くことができなかったんです。
JORI:チーム++は、それまでのソフトハウスキャラが内藤騎之介さんと佐々木珠流さんという二枚看板で制作してきたのに対して、「チーム全員でゲームを作る」というのを目標にしていました。だから企画も藤山の名前は出していなかったんですが、チームの主要メンバーではありました。それまでの仕事ぶりを見てきて、立ち上げ最初の3人の一人として声をかけましたから。
──なるほど、そういう経緯だったんですね。
▲遊びごたえのあるSLGで高い評価を受けていたが惜しくも解散してしまったたソフトハウスキャラ。しかしそのDNAは「戯画チーム++」として蘇る
コメディーSLGにGOサイン!! なろう系のメタ要素満載の1本
──『ガールズフランティッククラン』の企画自体は早くから動いていたんですか?
JORI:チーム++として動くことは決まっていました。ただ、すでに『巣作りカリンちゃん -星詠みの神託-』が決まっていたので、それが終わってからの始動ということになりました。
藤山:僕も『巣作りカリンちゃん -星詠みの神託-』には参加しているんですよ。ゲーム中の日常シーンの細かなシナリオを担当しました。なので『巣作りカリンちゃん -星詠みの神託-』にはシナリオ補助でクレジットされているんですよ。
──そんな流れで『ガールズフランティッククラン』の発表に至るわけですね。ところで今作も戯画チーム++になっています。敢えて「チーム++」をつけた理由を教えてください。
JORI:当初は戯画だけだったんですが、せっかくチーム++のメンバーが集まって作るんだったら名前を入れよう、ということで。それと戯画でゲーム性メインと言えば『BALDR』シリーズじゃないですか。そこと差別化をしたいと思ってチーム++をつけたというのもあります。
──戯画さんからはすんなりOKが出たんですか?
JORI:そうですね。「チーム++をつけたいんですけど」ってお伺いを立てたら「上に確認しまーす」って言われて、しばらくして「OKでーす」って、けっこう軽かったですよ(笑)。
──先ほど言われましたように、戯画といえば『BALDR』シリーズがある中で、ゲーム性で勝負する作品を作るわけじゃないですか。プレッシャーなどはありませんでしたか?
JORI:プレッシャーはハンパないですよ(笑)。『ガールズフランティッククラン』はプログラムを僕一人でやっているんで、むちゃむちゃ大変なんですよ。ただまあ、『BALDR』シリーズはアクションでこっちはSLGと、方向性は違いますからね。あまり意識しすぎず、むしろ両方で盛り上げていければと思っています。ゲーム性で勝負するエロゲーを作るメーカーさん自体が少ないですからね。
──藤山さんは戯画から出すことはいかがですか?
藤山:いやあ、プレッシャーはありますよ(笑)。ただ、最初の打ち合わせで、「僕が書く以上、重厚な話ではなくコメディになりますよ」とお伝えしたんです。やはりソフトハウスキャラでキャリアを積んできたので、作風にも影響は受けていますから。その時に戯画さんから「むしろそういうのが欲しいんです」と言っていただけたんです。「むしろエロを濃くしてほしい」と。ただ、そうなると『BALDR』シリーズとは明確に方向性が違ってくるじゃないですか。それもあってチーム++をつけることを快諾していただけたんだと思います。
──そんな『ガールズフランティッククラン』の企画ですが、これを考えられたのは藤山さんですか?
藤山:そうです。コミカルかつエロ濃いめというのは、最初から考えていました。もちろんSLGパートがあるのは大前提で、となれば合間合間に戦闘パートを入れやすいのはファンタジーやろうなあ。でも、それだけだと新し味がないから、ファンタジー世界と現実世界を行き来できるようにしたら面白いやろうなあ、と。それでゲーム世界に落ちてしまうんだけど、死んだら現実世界に戻ってこられる主人公というのを考えたんです。チート能力なし、ステータス画面も見れない。全く無力な主人公がゲーム世界ではヒロインに守ってもらうわけです。
──異世界転生ものでありながら、異世界転生のお約束をことごとく持ち込まないわけですね。
藤山:そうですそうです。ゲーム中の会話にはなろう系のメタネタをたくさん盛り込んでいます。
▲異世界転生という擦りまくったテンプレをあえて逆手に取ったスタイルか。現実では社会的信頼のある教師なのにゲーム世界ではまるで雑魚…
八重樫さんの絵はとにかく女の子が柔らかそうなんです
──JORIさんは、この企画を見ていかがでしたか?
JORI:異世界転生という今人気のジャンルでありながら、この作品にしかない新しい要素も盛り込んでいるわけですよね。さすが藤山だなあって思いました。この設定やシナリオに合うゲームシステムをどうするかというのを、私とTOMの二人で色々考えました。
──そして原画を担当されるのが八重樫南さんです。これまでの経歴を見ると、ソフトハウスキャラとの接点は無いように思われるのですが…。
JORI:はい。今回が初対面でした。
──そんな八重樫南さんの起用は、どのように決まったのですか?
藤山:これは戯画さん側からの希望でした。何人か候補をあげていただいたんですが、今思えば、明らかに向こう側のド本命だったんでしょうねえ(笑)。「八重樫さん、お願いできるんですか?」って言ったら、「確認します」と言われて、あとはトントン拍子でした(笑)。
JORI:八重樫さんはこれまでも戯画さんの作品でゲストイラストなどを描かれていて接点があったようなんですね。それで話が早かったんだと思います。
──実際に八重樫さんの絵はいかがでしたか?
JORI:とにかく女の子が柔らかそうなんですよ。思わず触りたくなる感じ。こんな絵を描く方は、あまりいないですよね。それと手が早い。ツイッターにも毎日のようになにかしらの絵をアップされているので、すごいなあと思っていたんですが、実際にお仕事をお願いしてからも、どんどん絵が上がってくるんですよ。しかもいい絵ばっかりなんです。こうなってくると塗りも頑張らないといけないですよね。『ガールズフランティッククラン』では八重樫南さんの描く女の子の柔らかさを意識した塗りになっていますので、楽しみにしていてください。
──八重樫さんのようにチーム++初という方が参加される一方で、もともとチーム++だった方も多数参加されているんですか?
JORI:ゲームシステムやドット絵を担当するTOMと、背景を担当する秋山うたはソフトハウスキャラチーム++からのスタッフです。
──主要スタッフ4人と考えると、ここからソフトハウスキャラチーム++が再起動するのか!? と思ってしまいますね。
JORI:うーん、でも、当時8~9人いた中での4人ですからね。確かにチーム++としてのスタートではありますが、「ソフトハウスキャラチーム++」ではないです。
藤山:ただ、これまで一緒にゲーム制作をやっていたメンバーですから、やりやすさはありますよ。「一言えば十伝わる」という感じはありますよね。
▲元ソフトハウスキャラのスタッフと八重樫南氏のタッグが戯画チーム++によって実現!! 新しいチームによる化学変化に大いに期待★
主人公は現実では先生で異世界ではHP1、主人公だけが死なないと現世に戻れない
──では、ストーリーのほうも教えていただきましょう。
藤山:主人公はとある学園の臨時講師なのですが、その学園で運営するオンラインゲームの世界に、生身で落ちてしまうんです。特殊能力はなく、HPは1だから転んだだけでも死んでしまう。そんな「呪い」を解く旅をするというのが序盤のお話です。ところが旅先で、仲間のせいで様々な騒動に巻き込まれるわけです。ところが主人公はメンタルだけは強いので、前向きに事件に取り組んで、そして死んで現世に戻るわけですね。それを繰り返しながら、やがて世界の謎に迫っていく……という物語です。
──なかなかに厳しい主人公ですが、他のキャラは異世界に落ちてきたわけじゃないんですよね。
藤山:はい。みんな普通にゲームにログインしてきて、普通にログアウトできます。主人公だけが死なないと現世に戻れない(笑)。実はタイトルを決めるときいくつかアイデアを出したんですが、その中に「俺だけ生身」ってのを入れたんですが、みんなそれが気に入ってしまって(笑)。今でも開発ネームみたいに使われていますよ。
──わかりやすいですけど、売りにくいタイトルですよね(笑)。
藤山:そうですね(笑)。で、そんなオンラインゲームの世界とは別に、現実の学園での物語もあります。そこでは主人公は先生で、パーティーの仲間はもちろん、魔王も現実では個々の学園生なんですよ。先ほど言ったように学園が運営しているオンラインゲームなので(笑)。だからゲーム内と現実世界ではキャラの立ち位置も違いますし、主人公との関係性も変わってくる。そのギャップを楽しんでほしいですね。
JORI:この二つの世界設定を聞いて、さすがだなあって思いました。SLGなら現代ものよりファンタジーの方が作りやすい。でも売ることを考えるなら学園ものの要素もほしい。それを上手にブレンドしてくれました。
──確かにそうですね。異世界転生ものは「ないものがない」っていう状況ですが、これは新しいなあと思います。しかも学園が運営するオンラインゲーム…なんでです?
藤山:教育カリキュラムの一環として、別の人生を追体験していくのが目的です。それを学園生も楽しんでいる感じですね。まあ、学園生を使っての実証実験でもあるんですが、実は……。
──実は?
藤山:それは秘密です。確かに「学園がオンラインゲームを運営する理由」を聞いても「?」ってなると思いますが、ゲームを最後までプレイしていただければ、色々見えてきます。
▲なんで学園が学園生全員を使ってオンラインゲームを運営してるの?という疑問はもっとも。そのあたりのストーリー展開も楽しみだ
「エロゲー的なデザインを意識せず、八重樫さんがかわいいと思う衣装にしてください」
JORI:キャラデザインで言えば、今回はファンタジー世界の衣装と学園の制服の両方を楽しめるのもいいですよね。
藤山:学園の制服に関しては、ファンタジー世界の衣装が派手なので、敢えて地味目の、実際にありそうな制服にしました。いわゆるギャルゲー的な派手なデザインにすると、ちょっとくどいかなあと。もちろんそこのギャップも意識しておねがいしました。
JORI:全キャラを並べてみて、やっぱりかわいいですよね。さすが八重樫さんのキャラデザインだなあと思いました。
──ファンタジー世界と現実のギャップももちろん感じますが、ファンタジーの衣装も、昨今のエロゲーと比較すると大人しめというか、露出度が低いですよね。
藤山:そこはまあ、あとでエロシーンを出すからいいかな、と(笑)。実際に八重樫さんには「エロゲー的なデザインを意識せず、八重樫さんがかわいいと思う衣装にしてください」とお願いしました。とはいえ細かく見ると、エーコのミニスカートは横にスリットが入っていますし、スイカは横乳が見えていたりするので、程よく意識していただけたと思います。
──今回のキャラデザインの基本は「可愛い」なんですね。
藤山:そうですね。そこは大事にしました。
──サブキャラも学園生からゲーム内のNPCまでたくさんいますが、ゲーム的に協力したりはされるのでしょうか?
藤山:ストーリーパートでは協力してくれることもありますが、SLGパートでユニットが増えたりはないですよね。
JORI:そうですね。1つ考えたのは、「仲間になる男キャラはいらない」ということですね。男を育てるよりも、パーティーの女の子たちを強くしていく方が楽しいじゃないですか(笑)。なので今回は、SLGで動かせるのはメインヒロインの5人だけに絞りました。
藤山:サブキャラに関しては、当初マップのボスキャラとして想定していました。JORIから「10人くらいはほしい」と言われたので、まずはボスとしてのサブキャラを設定して、その後に物語的に必要なサブキャラを考えた感じですね。
──なるほど、ボスキャラとしてのキャラデザインだったんですね。
藤山:なので、マップボスのサブキャラには全員主人公たちと戦う理由があります。そして戦った後は仲良くなる(笑)。そのあとはちょいちょいシナリオに出てきますよ。女の子のサブキャラにはイチャイチャできるルートも用意してあるので、そこを楽しんでください。
▲たくさんのサブキャラクターたちも本作の魅力。女の子のサブキャラクターにはHシーンも用意されているとのことでそちらにも期待しちゃうね♥
エッチは二人の関係が深まってから…純愛系に見せてエロシーンは濃厚
──それは嬉しい情報ですね。人気出そうなサブキャラも多いですから。せっかくイチャイチャってワードも出てきたので、ぜひエッチシーンについてもお聞かせいただけますか。
藤山:『ガールズフランティッククラン』のエッチシーンは、ゲームの後半に出てきます。SLGパートごとにというような形ではありません。というのも主人公とヒロインたちは、最初は現実世界では教師と学園生、ファンタジー世界でもパーティー仲間として始まります。それが物語の中で距離を近づけていって、最後に恋愛関係になる。必然エッチシーンは物語の後半に出てくることになります。
──その辺りは恋愛ゲームとしての王道ですね。エッチシーンはファンタジー世界と現実世界の両方あるのでしょうか?
藤山:僕の中で主人公は常識人という設定なんです。なので学園生に手を出すわけにはいかないんです。じゃあ、どうするか。アバターならOKということで、ゲーム世界の中でエッチすることになります。
──ということは、学園の制服でのエッチはなし?
藤山:いえ、物語が進む中で、「エクスアール」の世界に学園の制服が実装されます(笑)。
──安心しました(笑)。
JORI:いや、でも、最初に「今回は現実世界でのエッチはなし」って言われた時、それはどうかなあと思いましたよ。まあ、ゲーム世界で制服が実装されるならいいか、と。
──チームリーダーとしては当然ですよね(笑)。そういえば最初に戯画さんから「濃いエッチを」と言われたと伺いましたが。
JORI:今回は濃厚ですよ。音声収録には私が立ち会っているんですが、これまでソフトハウスキャラで作ったどの作品よりも濃いです。これはぜひプレイして楽しんでほしいなあと思います。今回は声優さんも豪華なメンバーで揃えていただいているので、併せて楽しんでほしいですね。
▲これまでの作品よりも「濃いH」にこだわったという藤山氏。どのへんがどう濃いかという話については、ここに掲載できなかった本誌インタビューに一例が書かれていたり…
BugBug11月号では『ガルフラ」についてまだまだ詳しいお話を掲載!! ぜひ本誌で確認しよう★
BugBug11月号に掲載されている『ガルフラ』のロングインタビューは4ページをまるまる使っているだけあって、とてもここには載せきれないボリュームを誇る。ここに載せられなかったストーリーの詳しい内容、SLGパートのバランス、各ヒロインの注目ポイント解説や声優さんのお話など、お見せできないのが残念なほどだ。興味のある方はぜひBugBug11月号を手にとって確認してね!!
▲カラー6ページの特集、冒頭の2ページはキャラクター紹介や様々なHシーンのCGが掲載、その後の4ページはロングインタビューがギュッと詰め込まれているぞ
ガルフラ
-ガールズフランティッククラン-
戯画チーム++
2022年12月23日発売予定
AVG、DVD/DL、18禁、Win8.1/10/11
公式通販特典付き:22,880円
パッケージ豪華版:17,380円
パッケージ初回版:10,780円
DL豪華版:13,200円
DL版:8,800円
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:八重樫南
シナリオ:藤山ちかい