ANIPLEX.EXEタイトルのDMM GAMES版はブラウザ対応!! スマホやタブレットでどこでも楽しもう
先月リリースされた、ANIPLEX.EXEの第一弾タイトル、『ATRI -My Dear Moments-』と『徒花異譚』。ANIPLEXがノベルゲームに参入したことや、制作をフロントウイング×枕、Liar-softという実績のある人気ブランドが担当することでも話題になったこれら2作品はどちらもDLによる販売となっており、Steamの他DMM GAMESでも配信している。そしてDMM GAMES版ではなんとブラウザ版に対応しているため、スマホでもプレイすることができるのだ!! 全年齢タイトルなら外でプレイしても安心…ということで、ブラウザ版を中心に話題の2作のプレイをレポートするぞ。なおブラウザ版については、こちらの記事も参照されたし。
-
iPhoneでエロゲがどこでも遊べちゃう!? FANZA 美少女ゲームブラウザ版(β)レポート&導入ガイド
FANZA GAMESが美少女PCゲームブラウザ版(β)をリリース開始!! その概要をiPhoneで実践レポートしてみた 美少女ゲームをプレイしようにも、PCの前に座って電源をつけて…が面倒臭い。そう ...
▲今回も筆者のiPhone XRを使って検証していきます
『ATRI』『徒花異譚』のブラウザ版でのプレイフィールを検証!!
今回の2タイトルを実際にiPhoneでプレイしてみた。まずはブラウザ版の起動方法をおさらいするぞ。
●ブラウザ対応のゲームを購入する
まずはDMM GAMESでブラウザ対応のタイトルを購入。ダウンロード版に付随するサービスなので、ダウンロード版を購入することでブラウザ版でも遊べるようになる。購入したタイトルはもちろん普通にPCへダウンロードして遊ぶこともできるぞ。
▲コンテンツ的にはPCゲームだが、モバイル版サイトでもメニューの「全てを見る」からPCゲームのページに行くことができる
●購入履歴から購入したタイトルのダウンロードページへ
DMM GAMESトップの右上にある「購入した商品一覧」から、そのタイトルのダウンロードページヘ。ブラウザ版に対応したタイトルの場合、「今すぐプレイ」というブラウザ版の起動リンクがあるのでクリックしよう。「今すぐプレイ」をクリックした瞬間、ゲームが立ち上がるのであとはプレイするだけ!!
▲スマホ版サイトでは上のような画面から起動することになる
実際に起動してみたところ、やはりPC版と遜色ない挙動で起動してくれた。途中で流れるOPムービー等も特に読み込みが入ったりすることもなく、スムーズに移行。本体の設定に関わらず起動時には一旦ミュートになっているなど、屋外で起動することへの配慮もなされていて嬉しい限り。
▲美麗なムービーや演出も問題なく動いてくれる
一方でゲーム的に始めからスマホでのプレイに最適化して作られているわけではないので、メニュー画面のボタン等が若干小さくて押しにくいところも。筆者のiPhone XRではそこまででもないが、小さい画面のスマホ等では少し気になるかもしれない。それでも外でプレイできるのいうのは色々と便利なので、是非活用してみて欲しい。なおブラウザ版はアプリケーション版とセーブデータのリンクはできないので、スマホで遊ぶ予定のある人はPCでもブラウザ版で遊ぶのが良いかもしれない。以下では両ゲームを実際にプレイしてのレビューを行っているので、購入する際の参考になれば幸い。
▲ゲームによっては指のサイズに比べてメニューのサイズがちょっと小さめだったり
▲コンフィグ等もしっかりと反映してくれる。両作はSteamでの販売もあるので外国語テキストも用意されているぞ
ノスタルジックでハートフルなAVG『ATRI -My Dear Moments-』
『ATRI -My Dear Moments-』は、フロントウイング×枕制作による海洋ディストピアAVG。海面上昇で地表のほとんどが海に沈んだ世界のとある田舎町を舞台に、片足を失った主人公・斑鳩夏生とロボットの少女・アトリが過ごす夏休みを描いていく作品だ。海辺の田舎町を中心としたビジュアルは美しく、スマホの画面でもそのクオリティは十分に堪能できるだろう。
▲ブラウザ版のタイトル画面。このビジュアルの通り海と廃墟が印象的な舞台となっている
本作のあらすじは、義足の少年・斑鳩夏生が、遺産を探すため潜水艇で水没した祖母の研究室跡へ行き、そこで不思議なロボットの少女・アトリと出会うところから始まる。そしてアトリは自分を売れば高性能な義足を買うことができるのだが、なくしてしまったメモリーを探すため45日間は売らずに待って欲しいという。こうして夏生とアトリが共に過ごす45日間が始まるのだ。
▲海底でカプセルのような装置に入っていたアトリ。自分が海底に沈んでいると知らずに装置を開けてしまいいきなりピンチに!?
夏生は人懐っこくてまるで人間そのものなアトリを売ることに抵抗を覚えるが、アトリはあっけらかんと45日のカウントダウンを始めたりする。最初から別れの日が決められていることが、廃墟だらけの舞台と相まってどこか切ない雰囲気を醸していて、その世界観にグっと惹き込まれる。かといって登場人物たちに悲壮感があるわけではなく、明るく日常を過ごしているのがエモいギャップになっている。
▲誰より人間らしいアトリだが、ロボットとしての性能を誇ったりと自分がロボットであるということを強調するような言動が多い
そんな退廃的な空気やヒトとロボットの関係といったSF的な要素も本作の魅力だが、プレイした感想は…何と言っても「アトリかわいい」!! 高性能を謳っている割に料理が壊滅的だったりと、夏生のためとあらば何でもする勢いの従順さにほっこり。「私が夏生さんの足になりますね!」と甲斐甲斐しく懐いてくるアトリに、夏生でなくとも情が移ってしまうというもの。夏生のためとあらば、アシモフのロボット三原則にもある「人間に危害を加えてはならない」に反して「どーん!」とやっちゃう場面もある彼女だが、あくまでマスターは夏生の祖母であるとするスタンスも夏生君の男心をやきもきさせてて良い感じ。他の登場人物も基本いいヤツばかりだし、トラウマ持ちでやや斜に構えた夏生自身が徐々に前向きになっていくところも注目だ。厳しい環境に置かれている登場人物たちが、それを感じさせない明るさで日々を送っている姿に楽しくもホロっとさせる、シナリオ重視の作品になっているので、ラノベ代わりにスマホで持ち歩くのもオススメだ。
▲従順な仔犬系のかわいさで癒してくれるアトリ。時にはバブみを与えてくれる場面も…
▲超がつくほど真面目な幼なじみの水菜萌(画面右)。夏生に気があるようだが、彼の鈍感ぶりと周囲の破天荒さに振り回されるタイプ。頑張れ!!
▲仲間たちで協力して何かを成し遂げていく青春パートも大きな魅力
文学的で幻想的な和風AVG『徒花異譚』
『徒花異譚』は、Liar-softが制作を担当した和風AVG。記憶喪失の少女・白姫とその相棒となる少年・黒筆が、花さかじいさんや浦島太郎といったお伽噺の世界に起こった異変を解決していく物語だ。大石竜子氏原画による独特な色彩のグラフィックも目を惹く作品。没入感のあるテキストが素晴らしく、移動中等の時間つぶしにも最適なのでそういった意味でもスマホ向けといえる。
▲デザインやBGM等、全体的に和テイストになっておりまさにお伽噺の世界という雰囲気
本作の物語は、記憶喪失の少女が見知らぬ森で目を覚ますところから始まる。そこで異形に襲われ、黒筆という少年に助けられた彼女は、彼から白姫という自身の名前と、彼と共にお伽噺を渡り歩き、話の筋に歪みがあれば修復するのが二人の使命だと聞かされる。記憶喪失の白姫の視点で物語が語られていくため、この世界がどういうものかをプレイヤーも教わったり、自身がどのような存在だったかを少しずつ明かされていくという構成になっている。
▲白姫視点ということもあり、どんな時も「大丈夫だ」と解決してくれる、めちゃくちゃ頼りになる黒筆に惚れそう
二人が最初に向かうお伽噺は、「花さかじいさん」の世界。ここでは物語を食う紙魚の存在や、どのように修復するかなど世界観のチュートリアル的な部分と共に、狂気に走ってしまう花さかじいさんの筋書きを修復していく。誰もが知っている物語だけにどのように歪んでいるのかもわかりやすく、すんなりとシナリオに入り込むことができる。
▲物語の途中で御伽草子が挿入され、現在のお伽噺の進行状況を確認していく
花さかじいさんの話を解決すると、次は「浦島太郎」の世界へ。このように章立てになっていて定期的に区切りが訪れるので、スマホ等でのちょっとしたプレイにも向いているだろう。1話完結のミステリー要素に加えてちょっとしたバトル要素もあったりして、常に退屈することなく物語を楽しめる。幕間に白姫と黒筆の過去や世界全体の成り立ちについて語られたりもするため、気になってついつい読み進めてしまいたくなるだろう。『ATRI』がラノベならばこちらは文学といった雰囲気で、失礼かもしれませんが個人的には文庫本がわりにトイレに置いておきたいかも…。
▲演出も凝っており、大きなイベントCGだけでなくカットイン等も多用される
選択肢によってどのように解決するかも分岐し、完全に修復することができれば御伽草子が登録され、タイトルメニューから閲覧できるようになる。途中でバッドエンドになることもないため、様々なルートが楽しめるが、基本的にはこの修復を目指すことになるだろう。選択の内容も登場人物の望みを叶えるか、プレイヤーの記憶にある元の話の通りにするか、倫理観に従うかなど考えさせられるものになっていて色々と選びたくなってしまうはず。
▲定期的に事件の解決が訪れるので常にワクワクしながら読み進められる
▲白姫が記憶を失う前の二人の関係も気になるところ
▲「うりこ姫とあまのじゃく」など、元々悲劇に近い物語をどう修復していくかなども見どころ
話題の最新作も場所を選ばずすぐ遊べる!! DMM GAMESブラウザ版(β)で充実した美少女ゲームライフを♪
両作とも低価格作品ということもあり、非常に遊びやすく設計されている。電車の中やベッドに寝転びながら、ラノベ感覚でサクっとプレイするのに向いている作品といえるだろう。個人的にはどちらも美しいビジュアルにノスタルジーを感じる作品だったので、行楽のお供に自然の中でプレイしてみたいですね。
▲ATRIの自然豊かな舞台の綺麗なビジュアルは自然の中が非常に似合います
▲待ち合わせの時間つぶしにも最適。もうちょっと遅れてもいいぞ!!
▲ドライブのお供にも。ドライバーはやっちゃダメですよ!!
■今回プレイしたゲーム