『SLEEPLESS Nocturne』の発売にあわせて原画家であり企画・シナリオも兼任する伝説のマルチ・クリエイター聖少女へのロングインタビュー!!
日本だけでなく世界中に数多くのファンがいる美少女ゲーム界における伝説級クリエイターのひとり、聖少女氏。原画家でありながら時には企画・シナリオまでも兼任するマルチクリエイターである氏へのロングインタビューを、最新作『SLEEPLESS Nocturne』の発売にあわせてBugBug8月号にて掲載! 聖少女氏は90年代初頭、美少女ゲームが今のように多くに周知される前からActiveブランドにて多くの作品に関わっており、その軌跡は業界の歴史に等しい。何十年も語られることのなかった真実がいま明らかに…!? という貴重な発言もたくさんだ。今回はその内容をダイジェストでお届けするぞ!!
▲オンリーワンな絵柄で多くのファンを持つ原画家でありながら、さらに企画からシナリオまでやるマルチクリエイターなのだ
グラフィックのアルバイトが出発点 原画デビュー作でシナリオも担当
──マスターアップ告知も出ましたね。おめでとうございます。
聖少女:ありがとうございます。まあ、この時期(インタビューは6月中旬)マスターアップしていないと、色々問題ですからね(笑)。
──今日はそんな最新作についてもですが、何より聖少女さんご自身についてお伺いしていきたいと思っています。なにせ長く活躍されていますから。
聖少女:そうですね。DOS時代からゲーム制作に関わっていますからね。
──手元の資料だと、デビュー作は『麻雀幻想曲』となっているんですが。
聖少女:そうそう。シリーズ1作目がデビュー作ですね。
──発売は1992年なので、今年で30周年ということになるのですが、どのような経緯で美少女ゲーム業界で働くようになったのでしょうか。
聖少女:当時はパソコン通信時代ですよね。趣味で描いていた絵を、PC-VANやニフティサーブの草の根サーバーに、結構な頻度でアップしていたんです。それがActiveの方の目に留まって、最初はアルバイトとしてかかわるようになったんです。それで1年くらいして原画家としてデビューしたんです。
──そこからはしばらく原画家としてキャリアを積まれていくわけですよね。
聖少女:『麻雀幻想曲』でもシナリオを書いていましたよ。社内にシナリオライターがいなかったので、「書けるんならやってみないか」と言われて。DOSの時代はゲームの規模も今よりかなり小さかったので、結構シナリオと原画を両方やる人がいたんですよ。
──そうでしたね。とはいえ『HEARTWORK』や『Bible Black』はずいぶんボリュームもあった作品ですよね。この頃に原作やシナリオを担当する原画家は珍しくなっていたと記憶しています。
聖少女:確かにだんだん大変にはなってきて…『HEARTWORK』の辺りからエロゲーがシナリオ重視になってきたんですよ。両方をやるのはかなり厳しくなっていきましたね。
──『HEARTWORK』の発売が1997年ですから、確かに“読ませるエロゲー”が主流になりだした時期ですね。
▲『麻雀幻想曲』の頃の美少女ゲームのプラットフォームといえばPC-98、16色しか使えないCGの時代。その頃から現在まで美少女ゲーム業界の第一線でトップを走り続ける聖少女氏はまさに業界のレジェンドだ
他の方のシナリオに納得がいかなくて自分でシナリオを担当するように
──原画とシナリオの両方を担当するのは本当にすごいと思うのですが、そのスタイルにこだわった理由を教えてください。
聖少女:『麻雀幻想曲』の後、『GUN☆BLAZE』や『Angel Halo』では他の方がシナリオを書いて、自分は原画を担当したんですが、納得がいかなかったんですよ。それで自分でシナリオを担当するようになったんですね。それが『HEARTWORK』からなんですが、正直言うとシナリオはやりたくなかったんですよ。自分よりいいシナリオライターさんが入ってくれれば任せたかったんですけど、残念ながら自分の企画に合うシナリオライターさんに出会えなかったんですよねえ。
──確かに『Bible Black』が発売された2000年頃、ああいう作品は結構珍しくなっていました。
聖少女:そうなんですよ。1990年代末くらいから泣きゲーや萌えのブームがやってきましたからね。自分の作風は全く違っていましたから、自分でやるしかなかったんです。
──そんな時期でありながら『Bible Black』は人気を博して、OVAなどもヒットしました。作られているときから手ごたえなどはあったのですか?
聖少女:そんなことはなかったですね。やっぱり発売してから…いや、発売した後も評価はいただいていましたけど、盛り上がりを感じたのはアニメが発売されてからですね。
──そうだったんですね。『Bible Black』はエロゲーとしてはもちろんですが、オカルト作品としても非常によくできていた印象があります。
聖少女:ありがとうございます。当時はオカルト関係の設定なども苦労して作ったんですよ。でも評価されたのはエロ方面がメインでしたね。それで、あまり余計な設定を盛り込まずに、エロ重視でゲームを作ったほうがユーザーさんには届きやすいんだろうな、ということで『DISCIPLINE 〜The record of a Crusade〜』につながっていくんですよ。
──ああ、そうなんですね。
聖少女:なので『DISCIPLINE』に関しては、自分の作りたいものというより、ユーザーさんのニーズに寄せていってできた作品という感じですね。なのでEmpressになってからのゲームはエロばっかりなんです(笑)。女性上位で変態的なエロ作品という方向性になったのは『DISCIPLINE 』がウケたからなんです。
▲大ヒットした『Bible Black』だが聖少女氏はユーザーのニーズを敏感に受け止め、同じ方向性ではなくエロ重視に舵を切ってゆく
胸へのこだわりを学んだ『CLEAVAGE』『STARLESS』後は原画専念の時期も
──『DISCIPLINE』をリリースした後にActiveを離れて、Empressに移ることになります。
聖少女:Empressは当初『CLEAVAGE』を制作するためのブランドとして立ち上がったんですが、その時はその後も続けてゲームを作るという話ではなかったんですよ。その当時はSKUNKWORKSというブランドに所属していて、『CLEAVAGE』には原画として参加したんですね。ところが『CLEAVAGE』発売後にSKUNKWORKSが解散してしまって、それならEmpressでゲームを作ろうという話になり僕もEmpressの所属になって、『STARLESS』を出すことになったんです。
──そういう流れだったんですね。『CLEAVAGE』は巨乳作家として人気の鏡裕之さんとのコンビということで話題になった記憶があります。
聖少女:鏡さんはシナリオが終わってからも原画チェックで制作に関わっていらっしゃいましたね。その時の会話から、胸に対するこだわりの強さを本当に感じました。むしろ自分があまり胸にこだわってこなかったんだなって勉強になりました。実際、『CLEAVAGE』でいろいろ学んだことで、その後の作品で胸を使ったエロシチュエーションにバリエーションができたと思います。
──その後のEmpressのラインナップを見ると、やはり聖少女さんのブランドなのかな、という印象があります。
聖少女:でも、実はEmpress作品で自分がシナリオを担当したのは『STARLESS』と『SLEEPLESS』しかないんですよ。もちろん『STARLESS』はかなりこだわった作品だったんですが、それ以降はディレクターさんにお任せしていたんです。むしろ自分は原画家に徹していたんです。
──そうだったんですね。Empressの作品ラインナップは、学園ものあり、SFありで、Active時代以上にバリエーションが豊かで、ちょっと驚いていたんですが、企画には…。
聖少女:関わっていません(笑)。企画会議にも参加していなくて、できた企画を元に打ち合わせる感じですね。だからシナリオライターさんと会うこともなかったです。ただ、その分グラフィックに強くこだわって作っていました。
──それは存じ上げませんでした。
聖少女:なのでこの時期は、キャラクターデザインやグラフィックでかなり前進したと思います。絵柄についてもかなり改良しましたね。
──具体的に意識した部分について教えていただけますか?
聖少女:具体的にどこをってことではないんですよ。毎回世界観が違う作品だったので、その世界観に合わせることが大変だったんです。SFなんかは描いたこともなかったですから。それを試行錯誤することで進化していった感じですね。正直、自分では作らないような作品ばかりでしたから、そこで勉強できたのは大きかったと思います。
▲企画やシナリオを他の人に任せることでさらに絵の表現の幅に磨きをかける。これほどのベテランでありながら今も進化し続けているのだ
elfとのコラボ『GREAT DECEIVER』がシナリオ復帰のきっかけの1本に
──となると『SLEEPLESS 〜A Midsummer Night's Dream〜』は久々に聖少女さん企画の作品ということなんですね。
聖少女:企画はそうですね。シナリオは2019年発売の『GREAT DECEIVER』で担当しました。これは他の方の企画だったのですが、シナリオの原型のようなものを僕が手直しして作った感じの作品なんです。なので10年ぶり位にシナリオと原画を担当しました。
──『GREAT DECEIVER』では『STARLESS』の間宮麻理恵が登場しますね。
聖少女:これはシナリオを担当することになって、それならば麻理恵を主人公にしよう、と。これで久しぶりに麻理恵を書く機会ができて、それから1年後に『SLEEPLESS』でも麻理恵の物語を書くことになりましたねえ。
──聖少女さんにとって、間宮麻理恵は特別な存在なのでしょうか。
聖少女:うーん、僕自身はあまりこだわりはないんですが、なぜか「麻理恵を描いてくれ」って言われるんですよ。そう言われたらねえ、新しくキャラを作るよりは楽ですから(笑)。僕自身も『STARLESS』関連作品と言われればシナリオを書く気にもなるので。
──麻理恵というより『STARLESS』にこだわりがあるんですね。
聖少女:引きずってますねえ(笑)。
──では『SLEEPLESS』の企画も『STARLESS』の続きを、という感じで始まったんですか?
聖少女:『SLEEPLESS 〜A Midsummer Night's Dream〜』に関しては、その前に『SLEEPLESS』という麻理恵の抱き枕カバー企画があって、それにシチュエーションボイスCDをつけることになって、僕がシナリオを書いたんです。それを聴いたEmpressのスタッフに「こういうゲームを作らないか」と言われてゲームの企画が始まったんです。
──Empress15周年記念グッズですよね。
聖少女:そうですそうです。僕の中では、そのグッズの中の音声CDで終わっていたんですけど、それがきっかけになったんですよ。ただ、その音声CDをゲーム化するというのだと僕自身不満があったので、ならば一から作ります、ということになったんです。
▲まさか「抱き枕カバーの特典CD」から現在の『SLEEPLESS』シリーズが生まれることになるとは、何がどう繋がるか本当にわからないものだ…
前作の反省を受けて変態性を増した『SLEEPLESS Nocturne』
──今年6月には『SLEEPLESS Nocturne』がリリースされます。これは当初から連作で出す企画だったのでしょうか。
聖少女:当初は『SLEEPLESS』だけの企画でした。発売後に「評判がいいので、DLコンテンツで『SLEEPLESS』の続編のようなゲームを作ってくれないか」って言われたんです。「CGは2〜3枚でいいから」って。そう言われたら、まあ「作るか」ってなるじゃないですか。でもCG2〜3枚でゲームなんかできるわけがないでしょ(笑)。それで結局ロープライスのパッケージゲームという企画になって、ようやく先日マスターアップしたって話なんです(笑)。
──ラインナップだけを見て、聖少女さんは麻理恵や館ものにこだわりがあって『SLEEPLESS』シリーズが生まれたのかと思っていたのですが、ちょっと違っていたんですね。
聖少女:15周年記念の抱き枕カバーがあったから生まれた企画ですね。とはいえ麻理恵の抱き枕カバーも『GREAT DECEIVER』があったから生まれた企画でもあるので、本来シナリオをやる予定じゃなかった『GREAT DECEIVER』から始まっているんです。実際、『GREAT DECEIVER』でシナリオを書いてみて、まだ感覚が衰えていないなと感じたから『SLEEPLESS』でもシナリオを書こうと思えたわけですから。
──『SLEEPLESS Nocturne』は変態度を増したように思えるのですが、この辺りはいかがでしょう。
聖少女:『SLEEPLESS』は確かにライト層に受け入れられたんですが、その一方でこれまでのEmpressファンからは「物足りなかった」「『STARLESS』に比べるとぬるい」という感想も結構いただいたんです。それで今回は変態的なエッチも強く盛り込もうと考えました。
──『SLEEPLESS Nocturne』のセールスポイントはどういった部分になるのでしょう。
聖少女:今回のコンセプトは「寝取られシチュエーションを重視しよう」です。価格帯を考えても多くの要素を盛り込むのが難しいので、どこかに集中する必要があった。ならば今人気のある寝取られというジャンルでシナリオを作りました。麻理恵の館に紛れ込んだ主人公カップル。主人公の友樹は麻理恵たちに寝取られ、ヒロインである雪乃は竿役でもある瑠衣らに寝取られます。寝取られ系の定番要素は盛り込まれています。
▲ユーザーからの要望を受けて、最新作では変態的Hを多く盛り込みつつ寝取られ要素にも挑戦!!
ここには掲載しきれなかった開発秘話や聖少女氏の今後の考えなどまだまだインタビューは続く!!
BugBug8月号にて掲載している聖少女氏へのロングインタビューは4ページにわたってびっしりと詰め込まれている。人気作が生まれた経緯や氏のこだわりポイント、そして今後の展望など気になる情報ばかりでとても読み応えがあるぞ。ある意味において歴史的文献とも言えるこのインタビューの全容は、絶賛発売中のBugBug8月号き116ページからジックリ読んで欲しい!!
▲漠然と「きっとこうなんだろうな」と思っていた先入観がちょくちょく覆される裏事情もたっぷりなインタビュー内容。BugBug8月号にて全文をチェック♪
SLEEPLESS Nocturne
Empress
2022年6月24日発売
AVG、DVD、18禁、Win7/8/8.1/10
パッケージ・単品版:3,300円(税込)
パッケージ・SLEEPLESS Nocturne & SLEEPLESS -A Midsummer Night’s Dream-:7,150円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画・シナリオ:聖少女
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