深みのあるビターなシナリオで人気のMELLOW、その最新作はどのような作品になるのかスペシャルインタビュー!!
第1弾作品『ペトリコール』そして第2弾作品『アサガオは夜を識らない。』と立て続けに意味深なタイトルとミステリアスな雰囲気、心の機微を丁寧に描くビターな作風ながらHシーンはとてもエロいと多くのファンを惹きつけたMELLOW。その第3弾作品『2045、月より。』は、近未来を舞台にしたSFヒューマンドラマだ。BugBug7月号ではこの作品の気になる部分について、ディレクターの東条サダヲ氏とシナリオの垂花氏、原画のまうめん氏・さかむけ氏にスペシャルインタビューを敢行!! ここでその内容の一部をお見せしよう!!
▲BugBug7月号の126ページから全6ページにわたって『2045、月より。』のスクープ記事を掲載!! インタビューは後半2ページをまるまる使ってみっちり詰め込まれているぞ
MELLOW作品の入門用としてもオススメ
──本作のテーマやコンセプト、どういった作品になるのか、改めて紹介をお願いします。
東条:今作はフルプライス規模ということで、尖りまくっていた前作「アサガオは夜を識らない。」に比べると王道よりの内容になっております。しかしそれは前作をお楽しみいただいたプレイヤーには合わないということではなく。盛り上がる演出や伏線・謎の回収、CGの質感…もちろんHCGも、前作をお楽しみいただいた方がより楽しめる内容になっております。主要スタッフが同一なこともありますので内容が変わっても、根本的な雰囲気のようなものには共通性があります。そういった意味でも前作をプレイされた方にはおすすめしたいです。一方で前作をプレイされていない方には体験版をぜひプレイしていただきたいですね。
──体験版はいつ頃の予定でしょうか?
東条:現在7月下旬を目処に公開予定です。SFものというととっつきにくさがあるかもしれませんが、難しい用語は連発しませんし、何よりヒロイン、サブキャラ(男キャラも)含め馴染みやすく描いておりますので、むしろMELLOWブランドの入り口としておすすめです。
▲7月下旬には体験版も公開予定!! 公式サイトの更新をチェックしておこう
アンドロイドが感情を持った時、人間を人間として定義するものは
東条:作品を通して大事にしたテーマはいくつかありまして、そのうちの1つに「人間とは?」というものがあります。センターヒロインの「エル」は人間ではなくアンドロイドなのですが、彼女とキャラ全員が触れ合い、主人公は恋をして、そしてどんな結論に至るのか…、そこは注目して読んでいただくのも楽しみ方として良いかなと思います。哲学っぽいですが説教臭くならないように、キャラ同士の絡みや、伏線を回収していく楽しさ、エッチシーンのエロさなど道中に楽しみを散りばめています。単純にエンタメとしても楽しめる仕上がりになっていますので、とりあえずは頭の片隅において読み進めてほしいと思っています。近未来SFものの定番である2045年(シンギュラリティ)をMELLOWらしさで描きあげますのでどうぞ期待してください。
──垂花さんの方からは如何でしょうか?
垂花:今回の『2045、月より。』はタイトルの通り2045年の日本の地方都市を舞台にしたSF作品となっております。AI産業が発達した近未来、医療福祉や飲食販売など人々の生活の多くを補助しているが、未だ生物と呼べるような思考回路は持ち合わせていないアンドロイドたち。物語は、警察への捜査協力という名目で街を訪れた主人公が、在るはずのない感情を持った1体のアンドロイド『エル』と出会うことで始まります。エルは街の片隅に小さなレストランを構え、アンドロイドであることを隠しながら生活していました。どうしてアンドロイドが人間社会に紛れて生活しているのかを探り始める主人公。やがてその疑問は、自分が街へ来た理由と絡み合い始め…というあらすじになっています。
▲2045年だが、物語の舞台は地方都市ということもあってか見た感じは現在変わらない。だがその違和感のない光景にアンドロイドも普通に生活しているというギャップが見どころかも
アンドロイドをテーマに、キーワードは「永遠の愛」
──このような物語にしようと思ったきっかけ等はありますか?
垂花:前作との直接的な舞台関係はないのですが、同じように『愛を描く』ことを意識しようというのは、東条さんと話しておりました。多様性や多愛性に富んだ現代で、ただ1つの事象に向けた『純粋な愛』を表現するのは非常に難しい側面がありますが、前作ではある種振り切った内容で描かせていただきました。では今回は次の『愛』の種類をという構想中に出てきたのが『永遠の愛』というキーワード。悠久の時を掛けて誰かを愛せるとすれば、それは不滅の存在ではないかと様々話し合った結果、「アンドロイド」をテーマにしようという話になりました。そして本作の根幹になっているもう一つの点は、タイトルであり、舞台となった2045年です。
──こちらにはどのような意図が込められているのでしょう。
垂花:ご存知の方も多いでしょうが、技術的特異点『シンギュラリティ・ポイント』と言われ、数多くのSF作品や科学哲学分野での指標に使われる年でもあります。初期案では『シンギュラリティ・ポイント』の前日譚的な話にしようと構想していたのですが、近年のAI業界の発展によって彼の年に予見された出来事が具体性を伴い始めていることを鑑みて、テクノロジーの転換期2045年を舞台にするに至りました。書き上げられた作品を見返しても、やはり『永遠』を冠するアンドロイドが最も輝く舞台はこの年以外にないだろうと考えています。
──なるほど。まうめんさんはこの企画を聞いて、最初の印象は如何でしたか?
まうめん:前作『アサガオは夜を織らない。』がちょっとダーク寄りな印象でしたので、SFでアンドロイド物だとお話を頂きまして、『アサ夜』とは正反対の作品になるのかな?と思いました。
▲悲観的な雰囲気の『アサガオは夜を織らない。』でMELLOWにダークなブランドという印象を持った人もいるかもしれないが、今回はまた違ったテイストになりそうだぞ。ちなみに『アサガオは夜を織らない。』もBugBug本誌でインタビュー付き大特集を行なっている
メインヒロインであるエルのデザイン等には一番苦戦しました
──各キャラクターのデザインや内面ついて伺いたいのですが、まず主人公のビジュアルも公開されていますね。
まうめん:ぱっと見地味ですが、只者ではない雰囲気を出すようにしました。前髪がお気に入りです。
垂花:操は物語を追うにつれて成長していく主人公でありながら、前提として警察に捕まるというアウトローな側面を持ったキャラクターです。主人公ということで、早い段階でデザイン案を見せていただいていたのですが、見た瞬間に彼の人格が固まったと思えるような一枚だと感じました。
──なるほど。続いて、エルについてお願いします。
まうめん:デザイン等、一番苦戦しました!傘、クラシカルな服装に白髪と、アンドロイドらしく浮世離れしたビジュアルになっているかと思います。アピールポイントは上品さでしょうか…、CGも綺麗なシーンが多いです。
垂花:エルはアンドロイドであるため、清楚で優しい性格でありながらどこか人間離れした雰囲気を持つキャラクターでもあります。それだけでデザインに起こすのが難しいキャラクターだと思うのですが、上げていただいたラフを見た瞬間に「これで間違いない」と思えたのが印象的でした。
▲メインヒロインとなる3人。これだけ見るとSFとは関係ない普通の恋愛AVGのようだが…!?
主人公にとって頼れる存在であるサブキャラクターたちも
──公安刑事の二人はさかむけさんが原画を担当されていますね。
さかむけ:はい、サブキャラクターの原画を担当したさかむけです。久礼野ゆうひは公安なのに元ギャルという設定なので、地味めな服装にピアスがたくさんつけていたりとチャラさが抜け切れていない見た目にしました。けだるげな目元とラフにスタイリングしたヘアスタイルが気に入っています。
垂花:ゆうひは刑事なので、主人公やヒロインたちにとっての姉御肌になる、非常に頼りがいのある女性……と思わせて、いつも仕事に無気力で食事のことを考えるユーモラスなキャラクターです。公式サイトには載っていませんが、元々はギャルだったという設定があり、デザインする際は堅苦しい刑事像にならないよう気を付けていただきました。いただいたデザインからはその独特な空気感がしっかりと出ていたので、キャラクターとして画面上で動くのが楽しみだと思いました。
──その相棒の阿仁堂については。
さかむけ:美意識の高いキャラクターなので、オーダーメイドのスーツを着ていて小物にもこだわっている印象にしました。初めて描くタイプのキャラクターだったのですが、楽しくデザインできました。
垂花:デザインからも伝わると思うのですが、いわゆるオネエ口調の男性刑事です。年齢についてはあまり話せないのですが、人生の先輩としてもベテランのキャラクター。この設定をどう表現したらいいのかと試行錯誤。服装一つ取っても気取り過ぎずラフ過ぎず。最も細かく提案を繰り返したキャラクターだったと思います。その甲斐あって、完成したデザインをいただいた時は非常に嬉しかったのを覚えています。女性刑事のゆうひと二人で行動することが多いので、先輩後輩の釣り合いをしっかり取りつつ、主人公やヒロインたちの保護者に当たる父性も持ち合わせたいいキャラクターだと思います。
▲サブキャラクターも魅力的な本作。みんな一癖も二癖もありそうな人たちだ…
主題歌『トロイメライ』はぜひフルで聴いて欲しい
──MELLOW作品といえば、音楽も評判がいいですよね。
東条:今作も作中のサウンドは私のほうで一式制作予定です。主題歌「トロイメライ」はMELLOWの1作目から続投で「夢乃ゆき」さんにお願いしています。OPムービーではショートで公開されることになりますが、この曲はぜひフルで聴いてほしいです。毎回言っていますが(笑)。作曲家的マニアック話になってしまうので、ここでは省略しますが、色々と新たな試みをしております。よろしくお願いします。
──主題歌の他にボーカル曲はありますか?
東条:他のボーカル曲も制作しています。「アサ夜」では3曲、ボーカル曲がありましたがそれ以上は収録予定です。また告知しますのでチェックしてくださいませ。BGMですが今回は単純に曲数が多いです。シナリオを読んで必要になったら作っていくスタイルで作業しているので、一箇所で使用するためだけのBGMがあったりとコスパが悪いことになっています。日常の街を舞台としているので都会的な質感と近未来的な質感の曲を、イベントシーンでは前作で好評だったテイストのピアノ曲を…、といった感じにバリエーションも豊かですので楽しみにしてください。
▲オリジナルサウンドトラックもすでに予約受付中!! 忘れずに予約してゲットしよう♪
近未来の世界で生きる多くのキャラクターたちの関する秘話など、まだまだ貴重なコメントも!!
本誌掲載の『2045、月より。』のスクープ記事では、今回の抜粋した部分の他にも多くスタッフコメントやのキャラクターたちについての情報が掲載されている。もちろんたくさんのHシーンも掲載されているぞ♥ MELLOWのファン、そしてSF世界で永遠の愛をテーマに描く物語が気になるそこのキミも、絶賛発売中のBugBug7月号でジックリ読み込んで期待に胸を昂らせよう!!
2045、月より。 OPムービー「トロイメライ」
2045、月より。
MELLOW
2022年9月30日発売予定
AVG、DVD、18禁、Win8.1/10/11
パッケージ版:9,680円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:まうめん、さかむけ
シナリオ:垂花、由比燈汰
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