ヒット作の多さの割に表に出ることが少なかった長野ヒロユキ氏がbootUP!と作品作りへのこだわりを語り尽くす
bootUP!最新作は、『みつあね』以来3年ぶりのLOVEエロ作品にして、ブランド初となるファンタジー作品『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』。人気絵師・東雲一彦氏が描くブランド初となる銀髪ヒロインも登場し、高貴な母娘とのイチャエロ展開が満載なのだ。絶賛発売中のBugBug6月号では、『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』の特集記事に合わせて、数々の人気作を手掛けるシナリオ・長野ヒロユキ氏にロングインタビューを敢行。新作の見所はもちろん、bootUP!ブランドについてなども振り返ってもらったぞ。今回はそのインタビュー内容をダイジェストで大紹介だ!!
▲今回インタビューしたのはbootUP!で数々のヒット作のシナリオを手掛けている長野ヒロユキ氏。デビューは2003年の『パティシエなにゃんこ』(ぷちぱじゃま)だ
デビュー作なのに『2』が付いてる!? bootUP!ブランド立ち上げの経緯
──確かbootUP!というブランドも、最初はぱじゃまソフトのブランドでしたが、長野さんが入社したことで立ち上げられたんですか?
長野:いえ、最初はかんなぎれい氏原画の『パティシエなにゃんこ』にシナリオスタッフとして参加しました。これは紆余曲折ある中で、最終的に社内スタッフだけで作ることになって、それで僕にもチャンスが巡ってきたんです。そして次に、大野哲也さん原画の『Please teach! My Angel』で単独シナリオ担当となります。
──これはぷちぱじゃま作品ですね。当時、低価格作品は珍しかったので、その点でも話題になりました。
長野:チャレンジだったと思います。ぷちぱじゃまではもう1本『プリいも~Please teach! My Sister~』を書いたのですが、この2本の実績で「企画から任せても大丈夫だろう」ということになって、『あねいも ~アイとHのステップアップ~』を制作することになるんです。
──このぷちぱじゃまというレーベルは、3980円という価格の割に、かなり作りこんでいた印象があります。
長野:確かにそうですね(笑)。でも、当時は若かったので、「エロゲー作るならこれくらいはないと!!」みたいな意識はありました。秋葉原にも通って、他社作品の研究もしていましたしね。まあ、社内スタッフでの制作だったので無茶ができたっていうこともありましたけど(笑)。
──色々な要素が相まって、ということですね(笑)。続く『あねいも2 ~Second Stage~』はフルプライス、そしてbootUP!というレーベルからのリリースでした。
長野:実は『あねいも ~アイとHのステップアップ~』、『ね~つま ~ハッピーライフ&Hレッスン~』、『PURE MAID ~着せかえしてね~』と、3ヵ月連続でぷちぱじゃま作品が発売になっているんですが、その中で『あねいも ~アイとHのステップアップ~』が一番売れたんです。それで自分と原画の東雲一彦のコンビでラインを任せてもらえることになりました。ちょうどその時、かんなぎ氏が新レーベルを持つことになったので、こちらも新レーベルとしてbootUP!を立ち上げることになったんです。
──ラインとして独立した感じなんですね。
長野:そうですね。なのでbootUP!のデビュー作なのに「2」がついているという不思議なことになっているんです(笑)。
▲BugBug6月号では『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』をカラー6ページで大特集。長野ヒロユキ氏へのインタビューは後半4ページに渡ってたっぷり掲載しているぞ
“LOVEエロ”と“年上ヒロイン”へのこだわり
──当時は年上ヒロインにスポットを当てたゲームは、あまり多くなかったように思えます。bootUP!作品は早くから姉や母親など、年上ヒロインにスポットを当てるだけではなく、さらに「家族」をテーマにした作品が多いような印象があるのですが、これは長野さんのこだわりなのでしょうか?
長野:家族設定については「LOVEエロ」というコンセプトにつながるのですが、いわゆるラッキースケベというのは、家族以外のヒロインだとかなりシチュエーションが限定されるんですよ。もちろん現実では家族でもラッキースケベなんてそうそうありえませんけど(笑)、家族として一つ屋根の下で生活しているから、脱衣場でばったりとか、着替えているところでドアを開けたりとかがあるわけです。
──言われてみれば確かにそうですね。とはいえ、2004年に「あねいも」という年上ヒロインを前面に押し出してくるというのは、なかなか挑戦的だったと思います。
長野:確かに当時は妹ヒロインが大人気でしたが、やはり妹は「甘えてくる存在」ですよね。僕としては主人公を甘やかしてくれるヒロインを書きたかったんですよ。それも包容力があって母性を感じさせるヒロイン。そうなるとやはり年上だなあ、と。『あねいも~アイとHのステップアップ~』は、いい意味で姉妹が対の存在として受け入れられたと思っています。
──母親ヒロインに向かったのは、どういう経緯だったのですか?
長野:これも「あねいも」シリーズがきっかけなんですが、人気投票をしたら姉ヒロインがワンツーだったんですね。bootUP!のお客さんがそれを求めているのなら、ということで作ったのが『FUTA・ANE ~ふたあね~bitter&sweet』なんですが、ヒロインが姉だけだとバリエーションが厳しいので、未亡人ヒロインのあやめを出したんです。そうしたら、あやめが大人気になって(笑)。
──そこですか!?
長野:そうなんです。ただ、人妻を出すには葛藤もあったんですよ。というのも、人妻である以上、非処女は確定じゃないですか。『FUTA・ANE ~ふたあね~bitter&sweet』を発売した2010年頃はまだ「処女じゃないといやだ」という層が幅を利かせていまして、不利に働くのではないか? と。ただ、人妻だからこその甘やかしプレイや、非処女ならではの女性リードのエッチという魅力が勝ったということですね。まあ、「こういうエッチもいいよね」という感じ。単に人妻ではなく未亡人というのは、せめてものエクスキューズですね(笑)。
──確かに旦那がいると寝取り感が出てしまいますよね。ただ、寝取りは当時はまだそこまでメジャーなジャンルではなく、黒パッケージ系という印象もありました。
長野:そうそう。それで色々配慮しつつ書いた未亡人あやめなんですが、これが一気に人気になったんです。その後『ふたあね・Hs ~若葉とあやめのLOVEエロ物語~』というファンディスクを出すのですが、この作品ではあやめがメインの一人になっていますから。
▲インタビュー中にはカコミでbootUP!の過去代表作も紹介。こちらの『あねいもNeo Second Sisters』は2012年に発売されたブランド独立後の第1作だ
最新作『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』について詳しく聞いてみた!!
──それでは『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』自体のコンセプトはいかがでしょう?
長野:一つは「LOVEエロへの回帰」です。『まましす ~お母さんとわたし、どっちがいいの?~』、『ぼくおね ~End of Summer Days After~』とあまエロを続けてきたので、LOVEエロは『みつあね』以来になります。3年ぶりのLOVEエロをファンタジー世界で描く。これがコンセプトですね。
──なるほど、ファンタジーがメインコンセプトではないんですね。
長野:それはないです。ファンタジーなのでヒロイン母娘は銀髪ですし、エルフヒロインも出てきます。でも、それはあくまで味付けで、基本はLOVEエロ。だからタイトルも『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』と、これまでのbootUP!路線なんです。
──あらすじの最初を見た感じだと、エロイット風味なのかな?と思ってしまいました。
長野:そうですね。まあ、ハッピーなスタートではないです。でも、プレイしてもらえればすぐに「なるほど、LOVEエロだ」って言ってもらえる作品ですよ。
──公式サイトのキャラ紹介文などからも設定をきっちりつくられているなあと感じますが、やはり大変でしたか?
長野:そうですね。世界の理屈やルールを作るのは大変でした。実際に制作に入ってからも、背景を発注するときに「この世界の文明レベルはどれくらいですか?」と聞かれるわけです。「火薬は使っているのか」「明かりは何を使っているのか」「魔法はどれくらい存在するのか」などをお話ししなければいけない。もちろん自分がシナリオを書く上でも、現代日本では考えなくてもいいところを考えなくちゃいけない。家に風呂はあるのか? 何を食べているのか? まあ、歴史作品ではなくファンタジーなので、嘘の部分は嘘で割り切ることも大事だと思っています。
──確かにそうですね。衣装デザインなども大変でしょうし。
長野:そうなんです。実際に中世ヨーロッパの衣服をそのまま導入すると、つまらなくなっちゃうことが多いじゃないですか。
──例えばパンツとか(笑)。
長野:そうそう、現代風のパンツなんてあるわけないけど、それじゃエッチシーンの風情までなくなっちゃうじゃないですか。だから、そこは嘘をつこう、と。僕、『ゴブリンスレイヤー』が好きで読んでいるんですが、あの世界はゴムがないんですね。なのでパンツは紐パンなんです。なるほど、上手な嘘のつき方だなあって思いました(笑)。パンツは誰かが発明したんだろうなって。
▲bootUP!作品でキーとなるコンセプトが「LOVEエロ」。公式HPの「セールスポイント」ではそんな「LOVEエロ」の魅力をヒロインたちが掛け合いしつつ楽しく解説してくれているのでチェックしよう
「母乳プレイ」などHシーンにもこだわり満載♥
──そんなヒロインたちがLOVEを経てのエロですが、今回のエッチシーンでのこだわりなどがあればお聞かせください。
長野:そうですねえ…これまでのLOVEエロと違うとすれば、やはり主人公の立ち位置があるので、アルミナとのエッチも、単純に甘やかしばかりではないということでしょうか。とはいえ、これまでの路線を大きく外すようなことはしていません。LOVEエロで許される範囲で実用性の高いエロを目指しています。
──今回のエロシーンで特別に盛り込んだものなどはありますか?
長野:ファンタジーだからこれを入れた、というのはないですね。実はbootUP!には、ユーザーさんの声を反映した「入れるべきエロシーン」のリストがあるんです。それを過不足なく盛り込みました。例えば「母乳プレイ」なんかでは、「普段から母乳が出る体質」と「孕んだから母乳が出る」の二つがあって、今回は後者になっているんですが、それについての問い合わせもあるんですよ。
──それはメールとかで?
長野:先日はツイッターのリプライで「ヒロイン3人全員に母乳プレイはありますか?」と問い合わせがありました。うちはいいけど、みんなが見られる場所で性癖を晒して大丈夫?って思いましたよ(笑)。
──その他のこだわりはありますか?
長野:そうですねえ……あ、道具系はないですね。バイブとか。あと、ドレスなど衣装を着てのエッチは多いと思います。オリエはほぼエッチシーンがメイド服ですから。
──着衣エッチにこだわりのあるユーザーさんも多いですから。
長野:そうなんですよね。うちも以前、体操着を着てのエッチシーンでブルマを脱がしてしまったんですが、「ブルマを脱がしたら意味ないでしょ」って1行だけのメールをいただいたりもしました。とても納得のいくご指摘だったので、以後は気を付けています。
──公式サイトに掲載されているエッチシーンを見るだけでも、楽しみが増しますね。そういえばエッチシーン画像にテキストも併せて掲載していますよね。あれはどういう狙いなのでしょう?
長野:うちとしては、エッチシーンを総合的に見てほしいんです。なので公式サイトでのエッチシーンの公開でも、CGだけでなくテキストを掲載して、セリフや雰囲気なども感じてもらいたいと思っています。まあ、気にしない人は気にしない部分だと思いますけど(笑)。
▲最新作の舞台はbootUP!初となるファンタジー世界。今回使用されたのは一地方のみで、今後同じ世界観を舞台にファンタジー作品を制作する計画も…!?
bootUP!の今後について直撃してみた
──改めて今後についてもお聞きしたいと思います。年上ヒロインに関しては、今後もこだわっていかれる予定ですか?
長野:そうですね。bootUP!としてフルプライス作品を作り続ける以上は、年上ヒロイン、人妻ヒロインを送り出していければと思います。もちろんヒロインの味付けには、これまで以上にこだわっていきたいですね。「またおんなじキャラか」と思われるのは残念ですから。
──もちろん新しさも大事だと思います。とはいえ、ここは外せないというところもあるでしょう。bootUP!的に外せない部分をお聞かせください。
長野:あんまり変則的な年上ヒロインと言うのは作る気はないですね。例えば「母性を感じさせない年上」とか。作り手というのは新しいものを求めるあまり、ともすれば突飛なものを作りたくなるんですよ。でもユーザーからすれば、ちゃんと押さえるところを押さえたキャラが欲しいと思うんです。bootUP!は現在1年に1本ペースでゲームを出していて、メーカーとしては順調なペースだと思います。でも、ユーザーからすれば1年は長いですよね。それだけ待って、求めてもいない変化球を見せられても困るじゃないですか。「お前のところに求めているのは、これじゃねえよ!!」みたいなね。それを反省して次の作品を作るのに1年かかれば、ユーザーさんを2年待たせることになるわけです。それはやはり避けたいですよね。
──それにしても昨今は年上ヒロイン、人妻や母ヒロインの人気が高まっているように思います。そのあたりはどうお感じですか?
長野:確かに人気は高まっていると思います。やっぱり甘やかしてくれるのがいいのかな。みんな疲れているんだと思いますよ(笑)。その一方で、処女か非処女かっていうのは、あまり関係なくなった印象もあります。
▲エロイットは2013年に立ち上げられたbootUP!の姉妹ブランド。NTRやオーク凌辱など、実用度の高さが半端無いのだ
誌面では『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』とbootUP!についてまだまだ直撃!!
BugBug6月号に掲載した長野ヒロユキ氏へのインタビューでは、『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』ヒロイン一人一人の魅力について、デビュー15周年の感想や、ファンへのメッセージ…等々、今回掲載した以外にも超ボリュームで紹介。bootUP!ファンはもちろん、イチャエロ・あまエロファンは絶賛発売中のBugBug6月号を是非GETして、“LOVEエロ”の魅力を堪能してほしい。
▲『ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~』は先週末5月27日に発売済み。インタビューを読んで中身が気になったら是非実際にプレイしてみよう!!
OPデモムービー
▲OP主題歌「Get Over Sorrow」を歌うのはsolfa feat.紫咲ほたるさん♪
ははむす ~落ちぶれ貴族の母と娘~
bootUP!
2022年5月27日発売予定
AVG、DVD/DL、18禁、Win8.1/10
パッケージ・DL版:9,680円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:東雲一彦
シナリオ:長野ヒロユキ
▲BugBug6月号は紙版も電子書籍版も絶賛発売中。今回紹介した以外にもスクープ特集やインタビュー企画が満載なので、こちらの記事で確認しよう!!
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