美少女ゲーム業界に衝撃が走ったソフトハウスキャラ解散の裏側をプログラマー兼広報・JORI氏に直撃!!
今年3月に突如発表され美少女ゲームファンを驚かせた、ソフトハウスキャラ解散の一報。現在発売中のBugBug7月号ではその真相について、ソフトハウスキャラでプログラマー兼広報として活躍していたJORI氏に直撃ロングインタビューを掲載しているぞ。昨今の状況を鑑みてリモートでのインタビューとなり、流行りの「リモート飲み会」のノリも取り入れたいと、リモート座談会形式で行うことになったのだ。今回はその内容をダイジェストで紹介するぞ!!
▲モノクロ5ページの特集記事で掲載。ビデオ通話アプリはJORI氏のオススメで「Discord」を使用して行われたのだ
ソフトハウスキャラは「倒産」じゃなくて「解散」なのでネットの噂は間違いです!!
マス:そもそもBugBug読者はソフトハウスキャラが今どうなったのかをよく知らないと思うんですが、会社自体は存在しているんですか?
JORI:法人的には残っています。スタッフは全員退社しているんですけどね。
今:僕も「解散です」って聞いていましたよ。
JORI:そうです。倒産じゃないんですよ。一切借金もないですし、スタッフにも退職金がちゃんと出ましたから。
今:だってソフトハウスキャラって、自己資金の運用で21年間ゲーム制作をしてきたんですよね。だからキャラの解散が発表されたときに、ネットでは「キャラが倒産した」「売れてなくて赤字すごかったんじゃない?」とか言われたりもしましたけど、「そんなこたあねーよ」って思っていましたよ。
マス:その辺、一般のユーザーは知らないですし、こういう結果だけを見て「もうエロゲーは終わりじゃん」とかネットに書かれるわけですよ。でも、そういうことじゃないと。
▲こんな感じで「リモート飲み会」ノリを演出しつつ座談会形式でインタビューは進行。べ、べつに皆で飲みたかっただけじゃないんだからねっ!!
解散の原因は「音楽の方向性の違い」ならぬ「ゲーム性の方向性の違い」!?
今:でもまあ、解散は解散で寂しいことですからね。その経緯とか僕も聞きたいです。
JORI:発端から言うと、10年位前なんです。自分たちが作りたいものと、今作れるものにひずみが出てきたんですよね。「次はこういうゲームを作りたい」「いや、売るためにはこういうのを作らないとダメだ」のような葛藤とか。それが最初と言えば最初で、そういう状態が3~4年続いて、「もう好きに作らせてくれよ」って僕が立ち上げたのがチーム++なんです。
今:2015年発売の『その古城に勇者砲あり!』ですよね。
JORI:そうです。18禁要素とかストーリー要素とかは抑えめにして、ゲーム性を重視しようというのがチーム++だったんです。それともう一つ、せっかくユーザーさんが評価してくれたゲームシステムがあるのなら、それを続けて進化させていくのも大事だと僕は思っていたんですね。でもキャラの主要ラインは「毎回、新しいゲームシステムで出すのがキャラだ」みたいな考え方があった。それでチーム++を立ち上げたけれど、結局そのズレが埋められなくて解散したというのが真相なんです。
マス:つまりゲーム性の違いってやつですか。
今:ロックバンドみたいですね。「音楽の方向性の違いで解散します」みたいな(笑)。
▲ヤリ込み系美少女ゲームの中でも名作として名高い『巣作りドラゴン』。ヤリ込み系好きなら是非プレイしておきたい作品だ
『巣作りドラゴン』の大ヒットが常に重荷になっていた!?
マス:もう一つ。これも先ほど言われていたすれ違いの要因なんですけど、毎回ゲームシステムを変えていこうというのは、どういう理由からだったんですか?
JORI:最初は「売れるゲームシステムってどんなものだろう?」って探すところから始まったんです。もともと僕はコンシューマ系の会社でプログラマーをやっていたので、ある程度の種類のゲームシステムを組むことができたんです。それもあって、ソフトハウスキャラ立ち上げから数作品は、あれこれゲームシステムを模索する意味もあって、毎回違うシステムのゲームを作っていました。その中で『巣作りドラゴン』がありがたいことにヒットするんですが、これが「タイトルを重ねる中で徐々に売り上げを伸ばして『巣作りドラゴン』が大ヒット!」というのであれば状況は違ったんでしょうけど、それまでほとんど売れていない中で突然売れちゃったんですよね。それでビビっちゃって、「もうこのシステムを使うのは怖い」ってなっちゃったんです(笑)。
今:どういうことです?
JORI:当時のディレクターが「同じシステムを使って『巣作りドラゴン』より売れるゲームを作れる自信がない」って言いだしたんです。だったら思いっきり別方向でゲームを作ろうってことで『南国ドミニオン』になったんです。確かに『巣作りドラゴン2』みたいなゲームを作った方が売り上げはよかったのかもですが、当時のキャラは「楽しんでゲームを作りたい」って考え方だったんですよ。
今:むしろ『巣作りドラゴン』のヒットはプレッシャーだった?
JORI:常に重荷になっていました。ちなみに販売本数でいえば、一番売れたのは『王賊』なんです。だから売上本数のプレッシャーというより、その人気ですよね。
マス:『王賊』の方が売れていたというのは驚きですね。
JORI:DL販売の本数を入れて、ようやく『巣作りドラゴン』が追いつくかなって感じですからね。
チェン:当時の『巣作りドラゴン』人気はすごくて、一時は中古価格が2万円とかになっていましたよね。
JORI:今はDL販売があることが認知されて下がったみたいですけど、当時は会社にある在庫を売りに行こうかと思いましたよ(笑)。
▲インタビュー中にはネクストンとのコラボで話題だった『巣作りカリンちゃん』についても聞いているぞ。『巣作りドラゴン』同梱パックがけっこう売れたらしい!?
ゲーム制作は続けたいと考えているJORIさんの現状は「社長募集中」
今:JORIさんもだけど、チーム++がもったいなく思えちゃうんですよね。
JORI:一応、今後ゲームを作るとすれば、チーム++の方向性を継続したいとは思っています。そのための仕込みもしてあるんですが、制作となると、まだ何もお話しできないんですよ。完全に準備期間ですね。ただ、ゲーム制作はやりたいと思っています。
マス:スタッフはどうなんですか?
JORI:シナリオ企画とドッター、背景のスタッフとは話を続けています。だから環境が整えば……という感じですね。
今:その時はJORIさんが社長に?
JORI:僕が起業することはないです。社長業ってめっちゃ大変で、それと並行してゲーム作りはできないと思うんですよ。実際にほかの会社さんのお話を伺っても、社長業と制作を並行するのはキツいって聞きますから。
マス:JORIさんとしては、まだまだ現場にいたいってことですか。
JORI:そうですね。僕の場合、プログラマーに加えて広報もやりたいですから、この上社長業を兼ねると失敗するのが目に見えている。だからまあ「社長募集中」ですね(笑)。
マス:その辺を含めて準備期間中ってわけですね。
JORI:そうなんですけど、そのタイミングで、このコロナ騒動ですよ。人と会えない(笑)!!
今:そういうことか(笑)。
▲ソフトハウスキャラ単独での最終作となった『悪魔聖女 ~デーモンガール・ステップ~』。2018年11月発売だ
誌面ではまだまだ面白い裏話を山盛り語ってもらっていて超必読!!
今回抜粋した以外にも、『プララジ』について、雑誌『PC Angel』の攻略情報について、Wikipediaを更新していた衝撃事実…等々、マジで面白い話が続々飛び出してきて超必読。絶賛発売中のBugBug7月号を購入して是非たっぷり読み込んで欲しい(電子書籍版も近日発売予定)。なおソフトハウスキャラの作品はFANZA GAMES(旧DMM GAMES.R18)から購入できるぞ。JORI氏たちスタッフの復活を期待しつつ、この機会に遊んでヤリ込んじゃおう!!
▲FANZA GAMESでソフトハウスキャラの名作群がDL版で購入できるぞ。今回のインタビューで興味を持ったら是非プレイしてみよう!!