ファン待望の百合ミスティックホラーAVG新作についてキーマン二人に直撃!!
Liar-softの最新作は、『フェアリーテイル』シリーズで好評を博したシナリオ・海原望氏&原画・大石竜子氏のタッグによる、耽美で幻想的なミスティックホラーAVG。海原氏が構築する謎めいた設定が満載の耽美的な学園を舞台に、幻想的なタッチによる大石氏のグラフィックで描かれ、独特の雰囲気と世界観に期待度MAXなのだ。絶賛発売中のBugBug2月号では、本作の特集記事に合わせて、キーマンの両名にインタビューを直撃。今回はその内容をダイジェストでお届けするぞ!!
▲今回インタビューに答えていただいたのはシナリオの海原望氏と原画の大石竜子氏。Liar-softの名作『フェアリーテイル』シリーズで好評を博したタッグだ
待望の『禁欲的な閉鎖学園における百合もの』新作
──本日はよろしくお願い致します。初めに、本作の制作に至った経緯を教えて下さい。
海原:以前から『禁欲的な閉鎖学園における百合もの』を作りたい、と思っておりました。大石さんにも何度か構想をお話しした記憶があります。ただ様々な事情からなかなか企画が通らず…。やっとGOサインが出たのは『徒花異譚』開発中のことです。対談で大石さんとお会いした際、企画書をお渡しして正式にオファーをしました。耽美で華やか、見ているだけで呑まれるような画が欲しかったので、大石さんに受けていただいて本当に良かったです! むしろ大石さんを起用できなければ、他の企画を進めていた可能性すらあります。
大石:海原先生に『フェアリーテイルレクイエム』の頃から百合の学園ものをやりたいとちょこちょこ窺っていました。私はLiar-softさんの百合ゲー『サフィズムの舷窓』がきっかけで百合モノが好きになった事もあり、Liar-softさん新作の絵を担当出来たらいいなとか海原先生と百合ゲーを作れたらいいなと思っていました。本格的にお話を伺ったのはやはり『徒花異譚』の打ち合わせでしょうか。他の仕事をしつつもどこかにこの作品のことが頭にあってどんな絵にしたら雰囲気が出るか等考えていました。
▲BugBug2月号では『エヴァーメイデン 〜堕落の園の乙女たち〜』をカラー6ページで巻中大特集。インタビューは最後の2ページだ
表にあるテーマは「禁じられた恋の発芽」
──本作のテーマやコンセプト、どういった作品になるのか、改めて紹介をお願いします。
海原:「表のテーマは『禁じられた恋の発芽』です。このプエラリウムでは、様々な事情から特別な好意を抱きあうことが禁じられており、それを破った際の熾烈な罰も存在します。そんな環境だからこそ芽吹いてしまう罪そのものの「恋」を、最後まで見届けていただければ幸いです。
大石:最初の頃、百合学園ものでミステリーでホラー、雰囲気で言うとサスペリアっぽいとお聞きしたので、「え!それ全部好きなやつ!」という感じでした。自分では耽美さエモさ神聖さそして恐怖をコンセプトにしていましたがそれが少しでも画面に出ていればいいなと思います。
──前回お二方のコンビで制作された『フェアリーテイル・レクイエム』も閉鎖的な舞台での物語でしたが、意識した部分はありますか?
海原:どちらも閉鎖的ですが、『フェアリーテイル・レクイエム』は飼育、『エヴァーメイデン』は管理という感じです。世界設定からして前作とは全く別物のお話ですので、あまり意識しないようにはしています…が、外から見たらどうしても類似点が目につきますよね。事情がありまして、システム的にもマップ移動式を採択しました。
大石:フェアリーテイルレクイエムは毒々しいおもちゃ箱で飼われている感じ、エヴァ―メイデンは暗くて冷たい鉄の檻に拘束されているようなイメージで描いています。逆にフェアリーテイルレクイエムを意識しないように描きました。
▲インタビューをお願いした両名のタッグが楽しめる『フェアリーテイル・レクイエム』。DL版もあるので、インタビューで興味を持ったらこちらも是非プレイを!!
謎めいた舞台設定に期待が高まる!!
──本作の簡単なあらすじの紹介、公式サイトなどの情報の補足などありましたらお願いします。
海原:どこまで情報を出すべきかが難しい作品ということもあり、補足はほとんどありません。『閉鎖的な学園に迷い込んだ記憶喪失のアルエットは、適性検査に合格することで入学が許可され、造化術という特殊な技術を学ぶことになる。しかし、ひょんなことから学園の秘密を巡る事件に巻き込まれ……』といった感じです。
大石:あらすじを伺った時、これは絵に説得力と耽美力が無いといけないなと思いました。一番大事なのは作品そのものだと思うので私の絵を作品に持ってくるのではなく、その作品に合わせて絵を変えるべきだと思っているので事前にその辺のスキルアップを頑張りました。勢いあまって資料の他に石膏像とかお洋服とかも買ってしまいました…。
──謎めいた学園が舞台で、学園の正体も重要な部分になってくるとは思うのですが、プエラリウムの舞台設定についてできる範囲でお聞かせください。
海原:先ほどの話と被ってしまうのですが、プエラリウムは、『造化術』という特殊な技術を学ばせるための学園です。造化術は、エテルという元素を物質として具現化する魔法めいた技術で、資質あるものにしか扱えません。この造化術を使いこなして人々の生活を支える職業が『メイデン』であり、生徒たちは皆これを目指すために入学しました。卒業時の主席は、『エヴァーメイデン』という称号を得ることになります。適性検査時の数値により、特進クラスと一般クラスに分かれており、特進クラスは何かと優遇されています。
大石:学園や人物共にデザインが計算されて物語に組み込まれている感じです。ゲームを遊びながらそういう部分にも注目して頂ければと思います。
▲独特の用語や世界観が耽美でミステリアスな雰囲気と世界観を盛り上げるぞ
エッチング画っぽい筆線にしたので細かくて大変!?
──物語はアルエットの視点で進んでいくのでしょうか。
海原:概ねその通りです。学園の謎に関わる展開は、ほとんとアルエット視点で見ていくことになります。ただ、本作には群像劇としての一面もありますので、他のキャラクターの視点で進む場面もあります。
大石:序盤のテキストのみ拝見していますが、少なくとも最初は読者が無垢なアルエットと共にプエラリウムに迷い込んで行く感じだと思います。全体のあらすじ的にはこれはアルエットちゃん絶対主人公だなと思っています。
──また今回の画作りについて、大石先生が意識した部分をお聞かせ頂けますか?
大石:耽美でゴシック的なデザインが作品に合うと思ったので睫毛をフサフサ増量し金細工のような髪にし、等身を伸ばして描いています。衣装は派手に出来ないので立ち絵にした時寂しく見えないようにキャラクター自体が豪華に見えるようにしました。キャラクターが鳥の名前なのでご発注書の内容と由来の鳥をモデルにしています。原型が出来たら海原先生とごはんを食べつつ話し合って、その場でiPadで形と色を調整していく感じです。今回は宗教画によく使われるエッチング画っぽい筆線にしたので細かくて大変でした。でもタイムマシンで過去の自分にこの手法大変だからやめなよって言ってもいやこの描き方が合ってるからやるって同じ運命になる気もします(笑)。線の数が多くて時短出来ない描き方なので、時間が掛かってしまったのが申し訳なかったです。
▲公式HPでは耽美で百合で幻想的なイベントCGが沢山紹介されているぞ。サイト自体もゴシックなノリで雰囲気満点なので是非チェックしてみよう
メインキャラクターについてデザインのポイントを直撃!!
──続いてメインキャラクターについて、内面やデザインについてお話を頂ければと思います。最初に、主人公のアルエットについてお願いします。
海原:最もデザインに時間をかけていただいたキャラクターです。春のように明るくあたたかみのあるキャラクターではあるものの、甘い印象はなく、素朴で軽やか。他のキャラクターに比して『普通の子』なのが、却って難しいポイントだった印象です。最終的に、野の花のような可憐さが出てとても良かったと思います。
大石:軽やかなボブカットが難しくて海原先生とあーでもないこーでもないと模索しました。束ごとに長さが違うボブカット、片耳だけ出してちょっとおくれ毛があります。特別感を出すために彼女にだけ光が当たっていて服の色が明るめだったり、彼女の回りだけ風が吹いている感じに描いています。
──ルクは如何でしょう?
海原:初手から凄まじい完成度でいただいたキャラクターです。私が発注時に一番こだわったのは瞳でした。白い肌と黒い髪の強烈なコントラストの中、氷のように澄んだ繊細な色合いが欲しかったのです。
大石:凍った湖のような瞳、前髪で隠れて表情が乏しい所等々最も描くのに苦労したキャラクターです。髪型はなんとなく姫カットにしたのですが海原先生もそう思っていたそうで電波をキャッチ出来て良かったです。美しくて硬質、強くて脆い、相反する要素を内包した乙女と言う感じにしたいと思って描きました。
▲強烈な存在感を放つアドラー先生。最初に『北斗の拳のお前のようなババアがいるかのババア』をイメージして2メートル位の大婆に描いてしまったという大石氏のデザインの裏話は面白くて必読
誌面では『エヴァーメイデン 〜堕落の園の乙女たち〜』の魅力について二人にまだまだ直撃!!
2月号に掲載したシナリオ・海原望氏と原画・大石竜子氏へのインタビューでは、本作『エヴァーメイデン 〜堕落の園の乙女たち〜』について、ヒロイン一人一人のデザインのポイント、ファンへのメッセージなど、今回紹介した以外にも深掘りインタビューを掲載しているぞ。Liar-softファンはもちろん、百合ファンやミステリーファンも絶賛発売中のBugBug2月号をぜひ手に取って読み込んで、本作の魅力に耽溺してほしい!!
エヴァーメイデンOP
▲OPテーマソング「Nevermore」もYouTube公式チャンネルで公開中。歌うのはRitaさんだ
エヴァーメイデン ~堕落の園の乙女たち~
Liar-soft
2022年2月25日発売予定
Win8.1/10、AVG、DVD/DL、18禁
パッケージ版:8580円(税込)、DL版:7945円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:大石竜子
シナリオ:海原望
▲BugBug2月号は紙版も電子書籍版も絶賛発売中。これ以外にもスクープ特集やインタビュー企画が満載なので、こちらの記事で確認してね