ブランド15周年記念作品の気になるトコロをプロデューサー兼Whirlpool代表に色々直撃!!
デビュー15周年を迎えたWhirlpoolの最新作『アンレス・テルミナリア』は、異能力を持った少年少女が集う学園を舞台にしたAVG。大好評だった『pieces』シリーズのスタッフにが手掛けるという事で、ファンの期待も大きいのだ。絶賛発売中のBugBug2月号では、本作の特集記事に合わせて、プロデューサーにしてWhirlpoolの代表も務めるアラガー氏にロングインタビューを敢行!! 本作の見所などはもちろん、15年でのブランドの変化なども振り返ってもらったぞ。今回はそのインタビュー部分をダイジェストで大紹介!!
▲今回インタビューに答えていただいたのは本作でプロデューサーを務めるアラガー氏。Whirlpoolの代表に広報などの業務も行っているのだ
ターニングポイントは『pieces/渡り鳥のソムニウム』
──15年やられてきた中で、大きなターニングポイントになったと思うような出来事や作品はありますか?
アラガー:それこそ作品でいうと、一昨年にリリースした『pieces/渡り鳥のソムニウム』ですね。
──流れとしては今回の『アンレス・テルミナリア』に繋がる作品ですね。
アラガー:今までのWhirlpool作品って、初心者向けというか、明るくわかりやすい作風で、ちょっとファンタジー要素を入れて…という感じがコンセプトとして多かったんですよね。でも一昨年くらいから、業界の行く末もそうなんですけど、自分やスタッフの中でこのままこれを続けてていいのかっていう悩みのようなものがありまして。それで自分たちがこの業界を目指したきっかけが何だったかっていう原点を振り返ると、Keyさんに代表されるような、所謂「泣きゲー」に影響を受けていたんですよね。
──あの頃はクリエイターの方に美少女ゲームが大きく影響を与えていますよね。
アラガー:そうなんですよね。それで世界観とか、キャラの作り方とかの土台は我々の作風から大きく外さないにしても、一度あの頃の「泣きゲー」みたいな、シナリオで感情に訴えるようなものを作ってみようということで始まったのが『pieces/渡り鳥のソムニウム』だったんです。それでありがたいことにシナリオも評価して頂けまして、やったことが間違っていなかったというか、それをもって今に繋がるターニングポイントだったのかなと思っています。
──今までの作品も最後にグランドルートがあったりとか、ちゃんとしたシナリオがあったと思いますが、それとは別な考え方ですか?
アラガー:もちろん今までもシナリオを蔑ろにしていた訳ではないですが、上手くバランスを取ろうとしていたんですね。それをバランスよくではなく、シナリオ寄りに偏らせたというような考え方です。
▲BugBug2月号ではの『アンレス・テルミナリア』をカラー6ページで巻中大特集。その後半3ページがアラガー氏へのロングインタビューだ
海外向けだとやっぱり猫耳は強い!!
──一方で低価格系で明るいラブコメ作品を出されていて、そういった意味ではバランスが取れているようにも思えます。
アラガー:そうですね。『猫忍えくすはーと』から低価格系のラインで制作をしているんですが、こちらはどちらかというと海外市場を意識したつくりになっているんです。それで結果として明るいキャラ萌え重視の作風になっているんですが、低価格系でそういうものを作って、フルプライスをシナリオ重視にすることで、棲み分けみたいにしようと今考えてます。
──海外向けというと他メーカーさんでもヒロインに猫耳がついているイメージがありますが、やはり猫耳は強いですか?
アラガー:強いですね(笑)。それで猫耳にプラスで何をやろうかとなった時に、やっぱりニンジャじゃないかということでできたのが『猫忍えくすはーと』です。
▲昨年10月に発売されたばかりの『けもの道☆ガーリッシュスクエア』は、アイドルものらしくキャラソン等も積極的に展開されている
15年前と現在の美少女ゲーム業界の変化は?
──最近は海外向けのはウンロード販売だったり、低価格タイトルをリリースしたりと、美少女ゲームメーカーさんの活動も変化していると思います。それはユーザー側にも言えることだと思うのですが、アラガーさんが美少女ゲームを作りはじめた頃と今とで一番大きく変わったと思うところはどこですか?
アラガー:そうですね…僕が業界に入ったのが2005年くらいの頃なんですけど、その頃って今よりオタク趣味みたいなものが一般的じゃなかったですよね。コアなマニアが密かに盛り上げていて。中でもアキバでは大作エロゲーの深夜販売で盛り上がっていたりと異様な熱を放っていて、今思うと美少女系文化をある意味牽引していたのがエロゲー業界だったなと感じますね。一方で今は手軽に楽しめるものが多すぎて、アニメの見方とかも変わってきて、多くの人がオタク文化を共有するようになったというところが一番大きく変わったと思う部分です。
──スマホの普及などで加速度的に変わっていきましたよね。
アラガー:そんな中で美少女ゲームってほとんど変わっていないんですよね。もちろんグラフィックやシナリオの見せ方など進歩しているんですが、根本的な部分が変わっていない。それもあって、だったら古き良きじゃないですけど、シナリオ重視に寄せたというのも、美少女ゲームでしかできないことをやろうっていう考えがありました。これだけ長くシナリオに触れるメディアってないんですよね。うちのフルプライスの場合、テキストの量だけでもラノベにしたら7〜8冊分くらいありますから。それだけシナリオに付き合ってもらえるというのが美少女ゲームというメディアの強みというか、特徴だと思っていて、だったらそれを突き詰めようと。
──なるほど。美少女ゲームならではの強みを突き詰めつつ、時代に合わせたカジュアルな路線も押さえつつ…という感じですね。
アラガー:そうですね。でもやっぱり我々としては、軸足はフルプライスの方に置いているつもりです。
▲『pieces/渡り鳥のソムニウム』は読ませるシナリオに重点を置いたWhirlpoolの転換点となった作品。「萌えゲーアワード 2019」で純愛系作品賞も受賞
自分がKey作品をプレイした時のように、ユーザーに感動して泣いてほしい
──では今回の『アンレス・テルミナリア』について伺ってきたいのですが、こちらの開発に至った経緯とかは如何ですか?
アラガー:やはり『pieces』の影響が大きくて、『渡り鳥のソムニウム』のシナリオに評価を頂いて、それを昇華させた『揺り籠のカナリア』もまた受け入れて頂けたので、改めて間違っていなかったんだという自信がつきました。次はこの路線をもっと進化させて、『pieces』を越えるものを作ろう、というのが始まりではありますね。
──そんな本作のテーマやコンセプトについてお聞かせください。
アラガー:まず舞台は『pieces』が土台になっていて、世界観としては繋がっています。テーマなんですが、いつもゲームを作る時に最初に考えるのが、プレイしたお客さんにどんな気持ちになって欲しいか、っていうことなんですね。そこで今回は、僕がKeyさんの作品をプレイした時のように、感動して泣いて欲しい、「泣き」を与えたい、というのをテーマにしています。そこを決めて、次はどうやって泣かそうかと考えるんですが、物語の「泣き」の要素って色々あるじゃないですか。例えば家族愛だったりとか、喪失だったりとか。そんな中で今作にもテーマを設定しているのですが、それを言ってしまうとネタバレになってしまうので(笑)。テーマとは違うんですが、大事な要素としては「主人公の選択」です。
──何を選んで何を捨てるのかという。
アラガー:そこを楽しんで頂ければと思います。
▲ぐーたらなドラゴンのお姫様とのスローなイチャラブを描いて人気だった『竜姫ぐーたらいふ』の続編。ちなみに「竜姫」で「どらぷり」と読むのだ
主人公は1日の初めに記憶がリセットされる!?
──主人公の設定も特徴的ですよね。
アラガー:主人公は1日の初めに記憶がリセットされるという能力を持っています。
──プレイヤーの分身たる美少女ゲームの主人公が、記憶リセットというのは驚きました。
アラガー:実は社内でも感情移入できないんじゃないかとか、賛否あったのですが、その能力が発現したのはここ1〜2年のことなので、人格形成はその前に行われているので大丈夫だろうと。
──なるほど。
アラガー:記憶リセットが発現したからこの学園に来た、というのが大まかなあらすじです。いつも枕元に日記を置いていて、一日の初めにそれを確認するという習慣を持っています。
──主人公のお話に続いて、ヒロインについても伺っていきたいのですが、まず御厨恋はどのようなヒロインでしょう?
アラガー:恋は自分のギフトによって、自分が近い将来に死んでしまうことを確信しているという子です。なので物語の最初の展開として、恋が主人公に「死ぬ前に恋愛してみたいから付き合って」って頼むところで話が動いていきます。物語全体としても重要なキャラクターですね。
──そんな運命を背負っているけど、明るい人なんですよね。
アラガー:そうですね。いつも明るく振舞っているんだけど、時々怖くなっちゃったりみたいな展開があります。
──デザイン面では如何ですか? 最初に上がってきたデザインを見た時の印象など。
アラガー:デザインに関してはいつも最初に設定を伝えてあとは原画家にお任せなんですよね。貧乳キャラにする時だけは言ってくれと頼んでます(笑)。
──そこのバランスは大事ですね(笑)。
アラガー:恋に関しては、髪がストレート系の別デザインも同時に上がってきたんですが、これが結構社内でも意見が割れまして、色々と協議した結果今の形になりました。実は僕個人としてはストレートの方を推してたんですけど(笑)。
▲舞台は外から隔離された杜ノ宮学園。そこには日常生活を送るのが困難なギフトを宿した少年少女が世界中から集っていた…。舞台設定を聞くだけでもワクテカが止まらない!!
誌面では『アンレス・テルミナリア』の魅力とWhirlpoolの今後についてアラガー氏にまだまだ直撃!!
2月号に掲載したアラガー氏へのインタビューでは、『アンレス・テルミナリア』ヒロイン一人一人の魅力について、デビュー15周年の感想や、ファンへのメッセージ…等々、今回紹介した以外にもボリューム満点で掲載。Whirlpoolファンは絶賛発売中のBugBug2月号を是非GETして、ぜひ隅々まで読み込んでほしい。そしてブランド15周年記念作品のプレイに、万全の状態で備えよう!!
▲早期予約特典で『水鏡まみず描き下ろし御厨恋色紙(複製サイン入り)』をその場でプレゼント。数量限定なので早目に予約しておこう
『アンレス・テルミナリア』オープニングムービー
▲OPテーマソング「Gift ~the reason you are~」もYouTube公式チャンネルで公開中。歌うのはCeuiさんだ
アンレス・テルミナリア
Whirlpool
2022年3月25日発売予定
Win8.1/10、AVG、DVD/DL、18禁
パッケージ版:10780円(税込)、DL版:9800円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:水鏡まみず、みるくぱんだ(SD原画)
シナリオ:近江谷宥
▲BugBug1月号は紙版も電子書籍版も絶賛発売中。これ以外にもスクープ特集やインタビュー企画が満載なので、こちらの記事で確認してね♪