クリエイター同士の青春恋愛模様を描く話題作の魅力をクリエイター本人に聞いてみた!?
9月号でスクープ特集を掲載した、新ブランドAino+Linksのデビュー作・『創作彼女の恋愛公式』。クリエイターたちの日常の中で「人の繋がり」をテーマに描かれた青春恋愛劇で、初報から感動名作オーラに溢れた期待作だ。そこで特集記事では、企画・シナリオの工藤啓介氏と原画の有葉氏に直撃インタビューを敢行。クリエイター達の恋愛物語である本作を、一流クリエイターである両氏にたっぷり語ってもらったぞ。今回はそのインタビュー内容をダイジェストで紹介!!
▲BugBug9月号では『創作彼女の恋愛公式』をカラー6ページで巻中特集。前半はヒロイン等をビジュアルメインで紹介。インタビューはラスト2ページで掲載しているぞ
新ブランド・Aino+Linksを設立した経緯とは?
──始めに、本作の開発およびAino+Linksを設立された経緯についてお聞かせください。
工藤:企画・ディレクション・シナリオライターとして参加したCampusの『ウソ』シリーズを書いている際に、面倒くさいけどそこがかわいいみたいなヒロインを書きたいと思ったのが原点です。また、当初は所属している既存ブランドで出そうかという話でしたが、作品の方向性的にブランドイメージを固めたほうがよいとアートディレクターの志水さんからのアドバイスがあり、今回の新ブランド設立した経緯があります。
──どのようなブランドイメージを意識されているのでしょうか?
工藤:「人間味があって、共感できるようなヒロイン」と呼ばれるような「立体的なキャラクター造形」と「ふとした瞬間に、思い出す」ような「心に残るシナリオ」の二つを幹とした「芯のある作品」を製作しているブランドを目指しております。「キャラクター萌えを求めるユーザー」にも「ドラマチックなシナリオを求めるユーザー」にも興味を持てるような、幅広い層へと受け入れられるものを製作していく予定です。
▲今回インタビューに答えていただいたのは、企画&シナリオの工藤啓介氏と原画の有葉氏のお二人
原画・有葉氏が本作に参加したきっかけ
──デビュー作である本作はどういった作品になっていくのでしょうか?
工藤:主人公とヒロイン達を中心とした「人の繋がり」をテーマに物語が進行していきます。主人公とヒロインに関係する家族や友人、仲間でありライバルでもある同級生、優しく、時には厳しく支えてくれる大人達など、様々な立場のキャラクター達から連鎖的に巻き起こる青春模様を描きだします。入学から卒業までの長い期間を描くことから、登場人物達の変化していく人間関係や様々な困難に立ち向かって成長していく姿などを個性的なクリエーター達の日常という形で丁寧に表現していきます。
──有葉さんが本作に参加した経緯についてもお聞かせ頂けますか?
有葉:AKABEiSOFT2とは関係の無いお世話になっている知り合いの方から、今回の企画を紹介して頂きました。その時点でプロットやヒロインたちの大まかなデザイン、メインビジュアルなどの構成イメージなどができており完成までのイメージが見える企画に大変興味が湧き、参加させて頂きました。初めての事も沢山あり、苦労もありますがゲーム制作はとても楽しいです!
▲工藤氏がCampusブランドで手がけてきた『ウソ』シリーズ。画像はシリーズ4作品がセットになって新規アフターストーリーも追加されたお得な『フルウソ -Complete Four Seasons-』
「創作活動」がテーマな作品の見所
──本作の簡単なあらすじをお聞かせください。
工藤:元々、物書きだった主人公・鏡寿季がとある理由からスランプに陥ってしまう。そのスランプ脱出のために様々な分野のクリエイターが集まる私立才華学園へ入学する。そこで幼い頃に音信不通になってしまった幼馴染の彩瀬逢桜と再会。それ以外にも個性豊かな各分野のクリエイター達と出会い、学園生活を過ごしていく。寿季は果たしてスランプを脱出できるのか…というのが物語の最初の流れです。
──ありがとうございます。創作活動をテーマにしたきっかけなどはありますか?
工藤:開発の経緯からも繋がるのですが、面倒くさいけど可愛いヒロインを描くにあたって、どういうヒロインがその対象になりえるかを考えました。そこで思いついたのが「クリエイター」でした。クリエイターは常人からは理解されない作品への拘りだったり、感性や考え方などを持ち得ている生き物なので、まさに「面倒くさ可愛い」ヒロインにぴったりだなと思いました。これなら自然な面倒くささを発揮しながら、可愛いヒロインを描けるなと考え、創作活動をテーマにしましたね。
──こうしたテーマにしたことによる本作ならではのキャラクターの描き方、シナリオの描き方としての見どころをお聞かせください。
工藤:作中のキャラクターは我々と同じ「創作」というものを知っている状態であることが他作品との大きな違いかなと思います。例えば、美少女ゲームの主人公はヒロインの呟きなどに対して聞き逃すことが多いですが、現実では近くで呟いていたら聞こえるのが当たり前です。そのため今作の主人公である寿季君はヒロインの呟きを聞き逃すことはなく、当たり前のように呟きについて聞き返します。また「美少女ゲームの世界だから」という理由で許されていた部分も意外な形でカウンターをもらうシーンなどがありますので、期待して頂けたら幸いです。
▲有葉氏が直近に手掛けた『ああっママになるっ! ~アナタを想って溢れるおっぱい~』(あかべぇそふとつぅ)。本作に比べると等身高めだったのだ
印象的なメインビジュアルに隠された意図
──雲の上に原稿が敷き詰められているようなメインビジュアルも印象的です。
工藤:前提として、クリエイターは作品を生み出す創作者であることから、ある種、神様という存在です。そのため雲の上にいるキャラクター達=神様、という図式をイメージしました。雲が原稿用紙なのは、物語で世界を作るという表現ですね。
有葉:こちらは完成イメージをアートディレクターの志水マサトシさんが作って下さっており、私がイメージに合わせてキャラクターを描き起こすという順序で制作した最初の作品なので、とても印象に残っています。キャラクターが全員同じパースに存在しているので難しかった面もありますが、自分には思いつかなかった構図や背景の表現、光の入り方など完成まで本当にワクワクしながら作業していました。
──志水さんがキャラクターデザインなどのイメージも作られているのでしょうか?
有葉:主人公とサブキャラ以外のヒロインは、志水さんがベースになるようなデザインを描き起こしてくださっていて、そこから私が細かい部分を含め自分の絵柄で各ヒロインのデザインを完成させるという形で進行しています。開発に入る前の私の絵柄が7~8頭身で、この創作彼女用に5~5.5頭身ほどに下げてキャラクターデザインする必要があり、慣れない顔のバランスと頭身バランスで開発初期はかなり苦労しましたが、今はこの苦労は絶対必要な工程だったと思っています。
──なるほど。ビジュアル面の他、BGMなど音楽面での見どころや意識した部分についてもお聞かせください。
工藤:作品の方向性的に爽やかさや青春感を感じられるものに出来ればと思い、本作BGMは全てピアノをメインにした構成でご制作頂きました。シーンに合わせた音楽の他、キャラクターをテーマにした音楽などもありますので是非、お楽しみ頂けたらと思います。
▲メインヒロイン以外にも魅力的なサブキャラクターが多数登場。クリエイターがテーマだけに癖のあるキャラが多そうで期待大だ
同じクリエイターとして登場人物たちに共感する!?
──本作の登場人物は皆クリエイターとのことで、クリエイターとして共感する部分などがありましたらお聞かせください。
工藤:自分が執筆していることもあって共感ではないですが、自分の考え方を反映させている部分がところどころあるかな、と思います。作中で「物語を書くためなら命を燃やせるか?」と問いかけるシーンがあります。その問いに対してとあるキャラが「物語を書く以上に大切なことはない」という答えるんですが、これは自分も同意見ですね。今作を執筆している間に持病の悪化で入院したこともあったのですが、自分の体調よりも仕事のほうが心配で、入院中でも執筆を続けていたということがあります。また、友人や知り合いのクリエイター達の考え方を取り入れている部分もあるので、その部分は共感できないなと思いつつ書いてました(笑)。
有葉:全員にそれぞれ共感する部分があります。特に、上手くいった事より上手くいかなかった事の方が心に残っているので共感しやすくなっているかもしれません(笑)。
──今は動画投稿SNSや小説投稿サイト等で国民総クリエイター的な時代でもあると思います。クリエイターの先輩として、いま創作を始めようとしている人へアドバイスするならどのような心がけでしょうか?
工藤:本作の主人公・寿季君は立ち止まりませんでしたが、創作をして辛い時はいったん筆を置くのがオススメです。そして創作以外のことをやってみて、やっぱり創作をしたいなと思えた時、もう一度筆を取ってよいんじゃないかなと思います。
有葉:好きな事を嫌いにならないように、楽しさを原動力にしてずっと続けていけるようにしていく事が肝要かなと思います。。
▲公式HPでは何と、本作発売後に本編後日譚+ifストーリーが楽しめるアペンドパッチを配信する発表が。今から内容が気になる!!
誌面ではメインヒロインのデザインについてなど本作の気になる部分をまだまだ直撃!!
今回紹介したダイジェスト以外でも、ヒロイン一人一人の魅力やデザインについて、グリーンウッドが解散してからの経緯、読者へのメッセージ…等々、インタビューは美少女ゲームファンなら気になる内容が盛り沢山♪ 絶賛発売中のBugBug9月号を購入してジックリ読み込み、本作をプレイするまでの期待感を高めよう!!
▲本作は早くも体験版が公開されているぞ。YouTubeの「AinoLinks official」チャンネルには体験版プレイムービーが大量にあるので是非チェックを♪
創作彼女の恋愛公式
Aino+Links
2021年11月26日発売予定
AVG、DVD/DL、18禁、Win/8.1/10
パッケージ・通常版:9800円(税込)、パッケージ・豪華限定版:14800円(税込)、DL版:9900円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:有葉、九条だんぼ(SD原画)
シナリオ:工藤啓介
▲BugBug9月号は紙版も電子書籍版も絶賛発売中。これ以外にもスクープ特集やインタビュー企画が満載なので、こちらの記事で確認してね♪