Lose代表・tO(と)氏、シナリオ・進行豹氏、原画・cura氏の3名に直撃インタビュー!!
毎年ユーザー投票と審査員の審査をもとに贈られている「萌えゲーアワード」。去る5月27日に2020年に発売された美少女ゲームの中から「萌えゲーアワード2020」受賞作品が発表された。絶賛発売中のBugBug7月号では、「萌えゲーアワード2020」結果発表の特集記事を掲載。大賞受賞を記念して『まいてつ Last Run!!』のLoseスタッフに直撃インタビューを敢行。今回はその内容をダイジェストで紹介していくぞ!!
▲インタビューに答えてくれたのは、ブランド代表・tO(と)氏、原画・cura氏、シナリオライター・進行豹氏の3名。まさにLoseを代表するメンバーだ
萌えゲーアワード2020・大賞受賞の率直な感想は?
──まずは萌えゲーアワード2020での大賞受賞、おめでとうございます。
一同:ありがとうございます。
──審査委員会でも、満場一致での選出とのことです。
進行豹:満場一致ですか(笑)。
──ユーザー投票で抜きんでた数字を獲得したこともありました。
進行豹:ありがたいことです。
──『まいてつ』は萌えゲーアワード2016で準大賞を受賞していますが、今回の大賞受賞をどのように受け止めていますか?
tO:実はそれなりに予想はしていました。『まいてつ Last Run!!』のセールス本数から、ユーザー投票がかなり集まるというのは考えていたんですね。なので、それ以外に格別の要素がなければ、大賞をとる可能性はあるのかな、と。
──結構冷静に受け止められているんですね。
tO:そうですね。嬉しいというよりは、ホッとしたというか…「取れてよかったな」という感じでしょうか。
──curaさんはいかがでしたか?
cura:どうでしょうねえ…元々、そういうことはあまり考えていないんですよ。でも受賞できたことで、応援していただいたみなさんには、ありがとうございましたとお伝えしたいですね。
tO:我々も最初からそこを狙ってゲームを作ったわけではないですから。
──なるほど。進行豹さんはいかがですか?
進行豹:僕は全く逆です。『まいてつ』の時は準大賞とシナリオ賞も頂いたんですけど、この作品はシナリオだけの作品ではないとずーっと思ってて。だから準大賞は正直、むちゃくちゃ悔しかったです。それだけに今回大賞を受賞できたというのは、本当に嬉しかったです。
──そういう思いだったんですね。
進行豹:『まいてつ』の準大賞が悔しかったというのは、ファンの皆さんも同じだったと思うんですよ。それもあって、『まいてつ Last Run!!』ではたくさんのご投票をいただけたかとも思いますし、大賞受賞の喜びも、きっとご一緒できているものと思います。
▲BugBug8月号では「萌えゲーアワード2020」を巻中でカラー6ページで大特集。Loseへのインタビューは後半の3ページを費やして掲載しているのだ
「まいてつ全部入りプロジェクト」について
──そんな中で、現在「まいてつ全部入りプロジェクト」を公開されていますよね。これはどのようなものなのでしょう。
tO:『まいてつ Last Run!!』が前作と比較してエッチシーンが少なかったこと、そしてアフタールートをつけられなかったヒロインがいたこと──。これについては我々としても「できなかった」という反省点がありました。実は『まいてつ Last Run!!』を最後に美少女ゲームからは撤退しようと考えていたのですが、その前に、ここをやり切らないといけないと考えて、今回の「まいてつ全部入りプロジェクト」となりました。
──この企画を展開することにした経緯などをお聞かせ頂けますか?
進行豹:まあ、「エッチシーンが足りない」とか「3Pの組み合わせがおかしい」というクレームは僕の耳にも結構届いていて、これについてどうするのかな?と思っていたところ、tOさんが対処すると決めたので、それならばやります、と。どういうシーンを追加すれば喜んでもらえるかということを打ち合わせの中でご提案して、現在作業しています。
tO:『まいてつ Last Run!!』は完成したパッケージとして発売しましたが、その後にファンからの要望があったので、それに対応する企画ということです。
cura:至らない部分があったのは確かだと思いますので、それを含めて、『まいてつ Last Run!!』をより満足していただけるゲームにしようと思っています。
tO:制作期間とボリュームのバランスでもあったんです。『ものべの happy end』に比べて、『まいてつ Last Run!!』はボリュームも製作期間も倍以上になっています。そうなると、制作中に「ここはシーンを増やした方がよりよくなる」とわかっていても、簡単にその判断を下せなくなってしまうんですよね。それこそこんなご時世ですから、数か月後にどのような状況になってるか全くわからないわけじゃないですか。その中で発売延期という判断は、なかなかできませんから。
進行豹:実際、『まいてつ Last Run!!』を作っている間でも、実店舗さんがずいぶん減りましたからね。これは僕もすごくショックを受けました。
▲インタビューはカラー3ページに渡る大ボリュームで掲載。3人の熱い想いがミッチリ詰まっている
ゲームを代表する1枚になるようなCGが欲しかった
──curaさんは『まいてつ Last Run!!』の企画を聞いた時には、どんな気持ちでしたか?
cura:うーん…作るからには最善を尽くそうという感じでしたね。作っていく中で意識したのは、ルートごとの毛色が違うので、それに合わせた絵にしていくということですね。
進行豹:curaさんから、イベントCGのあるシーンのシナリオは長めにしてほしいってリクエストがあったんですよ。それはできてました?
cura:できていたかどうかは…ユーザーさんの判断にお任せします(笑)。そこは僕が判断するところではないので。ただ、立ち絵だけでなく、1枚絵の部分でも物語を進めてほしいというのはありました。見せ場のところでは、イベントCGでじっくり見せた方がいいんじゃないのかな、と。
進行豹:僕自身は、見せ場をたくさん作りたい方なんですよ。なのでひとつひとつは後味あっさりというか(笑)、それほど引っ張らないタイプなんですね。でもcuraさんからそういうお話をいただいて、なるほどそういう見せ方もあるんだな、と思いました。
tO:イベントCGでいえば、『まいてつ』では「印象に残る1枚」というのが少なかったんですね。なので『まいてつ Last Run!!』では、ゲームを代表する1枚になるようなCGが欲しかったんです。それで看板などになっているハチロクアフターのCGを作ってもらったんです。販促でバンバン使ったので、皆さんの印象に残っていると思います。
cura:この話が出たときは、気合が入りましたね。
tO:ただ、印象的なCGを描くためには、印象的なシナリオがなくてはダメなんです。そこは進行豹さんに伝えました。
進行豹:なにせ『まいてつ』のクライマックスは6秒か7秒で橋を通過するところなので、確かにそれじゃあ絵にしようがないなあと思いました。
tO:そういうところをきっちり話し合えたので、あれだけ印象的な絵ができあがったんでしょうね。
▲「萌えゲーアワード2020」の公式HPでは各賞の詳しい内容に加え、メーカーによる受賞コメントや審査委員による講評も掲載されているので要チェックだ
ぜひ「解散コンサート」を開催したい!?
──シナリオもですが、今回も各ルートの主題歌もとても人気でしたよね。審査委員会では「主題歌賞も」という話も出たようです。
tO:これはやはりライブありきなんです。『まいてつLast Run!!』の販促を考えていた時はコロナ前だったので、リアルイベント開催を考えていたんです。そこで「やっぱりライブだよね」と。それで毎月ソフマップ様で無料ライブを開催して、お客様の満足度を上げていこうと考えました。ならば同じメンバーではなく、毎回いろんな楽曲が効けた方が盛り上がりますよね。『まいてつ Last Run!!』が高額商品になるのは決まっていましたので、無料ライブで少しでも満足度を上げようと思ったんです。
──それがコロナの影響でネット配信に。
tO:1回目が終わった後にコロナの影響で延期が続いて、結局ネット配信にしたんですが、それだと無料ではできない、となって。とにかく残念な結果になってしまったんですけど、せっかく豪華なメンバーを集めたので、リアルライブの企画を進めています。まだいつ、どこで、とか未定なんですが。
──それは楽しみですね。
進行豹:このまま終わってしまうのは残念すぎますよ。僕は「ロオド・ラスト」と「GRAND_EXPRESS」が特に印象に残っているんです。「GRAND_EXPRESS」は発注の場に僕もいて、「未来行き列車」の対局にある歌を、とお話してできた曲なんです。それと、今回は全曲で歌詞監修をさせていただいたので、作品内容に即した歌詞になったと思います。
cura:実は僕も何曲か楽曲収録に立ち合いをさせてもらったんです。もう、ただただ「さすがだなあ」と思って聞いていましたけど(笑)。
tO:我々も思い入れがありますから。来年以降、コロナが治まったタイミングを見計らって、ぜひ解散コンサートをやりたいですね。
──解散コンサートですか。
tO:フェードアウトのような形になってしまうことも多い業界ですから、お別れ会みたいなことができるのも幸運なことだと思います。
▲DLsiteでは「萌えゲーアワード2020」大賞受賞を記念して『まいてつ Last Run!!』90%OFFや過去作が税込100円など超スケールの記念キャンペーンを開催中(紹介記事はコチラ)。6/28(月)までの期間限なのでまだGETしてない人はダッシュ!!
今後のLoseと『まいてつ』について
──それではいよいよ、今後のLoseと『まいてつ』に関してお伺いしたいです。
tO:一般展開の「レヱル・ロマネスク」に関しては、アニメの第2期が進んでいます。ただ、Lose自体は解散して、美少女ゲームからは撤退します。
──そうなんですね。残念です。
tO:会社としては音声作品をメインに経営していく予定です。「まいてつ」のキャラクターを使った音声作品「かさなるASMR」シリーズも既に初めています。
時代性を考えて、短期スパンで制作でき、無料か安価で手軽に楽しめるコンテンツ作りを考えています。
──Loseは終わりますが、「まいてつ」の展開は続くと考えていいのでしょうか。
tO:そうですね。「まいてつ」の世界観のコンテンツは今後も出し続ける予定です。
──進行豹さんは、どのような予定ですか。
進行豹:アニメの2期にはがっつり関わらせていただく予定です。それと、tOさんから「短編の練習をしろ」と言われていまして、Ci-enやFantiaのLoseさんのページに短編を掲載させていただいて。これまで長編しか書いたことがなかったので、いい経験になっています。最近では多少は書けるようになっているんじゃないかな。18禁に関しては、お話があれば…って感じですね。
──curaさんはいかがでしょう。
cura:とりあえず今は「全部入りプロジェクト」ですね。それ以降は…引き続きいろいろできたらなあ。僕自身、もうちょっとフットワークを軽くしていきたいとは思っています。ただ、美少女ゲームの大作はやりがいがあるんですよね。
進行豹:そうなんですよね。特にLoseさんは好きに書かせてくれましたから。「好きに書いていいよ」と言ってもらえるなら、小説も書きたいとは思います。
tO:でも小説は当てるのが大変だから(笑)。まあ、美少女ゲームなんかでも、今後はコンパクトなコンテンツが人気になっていくと思うんですよね。
進行豹:そうなんですけど、お話が短ければ短いほど際立った部分を出すのが難しいように感じてます。そこをどうやったら出せるのかは特に意識して模索してます。
cura:その分、キャラ性が独特だったりしますよね。ぶっとんだヒロインで、だけど読んでみたらいい話だった…みたいなのが人気な気がします。
進行豹:でも結局覇権をとるのはおっぱいの大きい女子校生っていう気も(笑)。まあ、ライバルが多そうだから、そこで争うのも大変なんでしょうけど。
──ファンとしてはやはりLoseのスタッフで新作を、となるのでしょうけどね。
tO:美少女ゲームファンとしては難しいかもしれませんけど、これからの僕たちの活動を応援してもらえると嬉しいですね。
cura:ここまでやらせてもらえたのは、やはり美少女ゲームファン方たちのおかげだと思っています。そんな人たちのためにも「全部入りプロジェクト」で全力を尽くしたいですね。
進行豹:僕としては鉄道ファンから『まいてつ』に入ってきてくれた1~2割の層の方々を裏切らないような仕事をしていきたいです。鉄道ネタも決しておろそかにしないようにと!
tO:ゲーム制作からの撤退は変えられないので、これまで支えてくれたファンの皆さんに感謝を伝える企画を進めています。解散コンサートを一区切りにするので、できるだけ多くの人が見られるような体制で、金額も低く抑えてやりたいと考えています。
▲プレミアも付いていたソフマップ限定のBugBug完全監修VFB『御一夜鉄道完乗ガイドブック』を筆頭に、豪華特典が満載のパッケージ・DLカード版『「まいてつ Last Run!!」萌えゲーアワード2020 大賞受賞記念セット』も9900円(税込)で7/30発売予定。ソフマップ限定販売で予約締切が6/30(水)までなので、以前に買い逃した人は急いで予約しよう!!
誌面ではLose&『まいてつ』ファン必読の内容がまだまだミッチリ満載!!
インタビューでは今回ダイジェストで紹介した以外にも、スタッフが特に印象に残ったエピソードについてや、E-moteの実作業について、追加コンテンツの内容について…等々、『まいてつ』ファン必読の内容が超充実!! 特にインタビュー最後の3人からのメッセージは、ファンへの熱い想いが伝わってきて必読。絶賛発売中のBugBug7月号を購入して、最後までジックリ読み込もう。
▲本作の主題歌的扱いな、ハチロクルートAfter OPテーマの「ロオド・ラスト」。歌うのは中恵光城さんだ
まいてつ Last Run!!
Lose
2020年10月30日発売
AVG、DVD/DL、18禁、Win8/10
パッケージ版:11880円(税込)、DL・コンプリートパック版:11880円(税込)、DL・通常版:9680円(税込)
ボイス:あり、アニメ:あり
原画:cura
シナリオ:進行豹
▲BugBug7月号は紙版も電子書籍版も絶賛発売中。これ以外にもスクープ特集やインタビュー企画が満載なので、こちらの記事で確認しよう♪