【ちょい昔イチ押しレビュー】世界観と終盤の怒濤の展開はシナリオゲー好きなら絶対プレイしておきたい逸品!!　きゃべつそふと『アメイジング・グレイス』

ヒロインの魅力と練られた物語が見事に融合した紛うことなき傑作!!
ちょっと昔に発売されたイチ押し作品をピックアップして紹介していく【ちょい昔イチ押しレビュー】。発売当時にBugBug本誌で掲載されたレビュー記事を、ネットで再掲載していくのだ。毎月毎月、沢山の美少女ゲームがリリースされるのは嬉しいけど、ちょっと時間が経っただけで良い作品が話題にならなくなっちゃうのはもったいないよね。今回紹介するのは「萌えゲーアワード2018 シナリオ賞」も受賞した、評価が非常に高い逸品!!

アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-（きゃべつそふと）

▲発売後にシナリオの秀逸さが話題になった本作。シナリオゲー好きなら是非プレイして欲しい逸品だ

▲見た目も性格もお子様なトラブルメーカーの同級生・キリエ。映像制作専攻で映画監督をしているが、爆破シーンばかり撮りたがる!?

町を崩壊から救うため時間跳躍で同じ日々を繰り返す主人公たち
本作は“オーロラ”という壁に囲まれた町を舞台に、記憶喪失の主人公・シュウが同じ時間を繰り返し過ごすタイムリープAVG。クリスマスの夜に起きる大火災“アポカリプス”で町が崩壊するのを防ぐため、シュウは奮闘することになる。プレイ序盤にまず驚かされたのが、綿密に作り込まれた世界観だ。

▲倒れていた主人公を寮に連れてきてくれた少女・ユネ。大好きな町を見下ろせる時計台がお気に入りの場所なのだ

日本語が使われているけど町で流通しているお金はコインのみだったり、高さの単位が「ダビデ像1個分」が基準だったりと、洋風な街並みと合わせて町は中世ヨーロッパ的な雰囲気を醸し出している。かと思えば、スマホや携帯がどういうものかは知らないのに部屋のロックに音声認証や指紋認証が使われていたり、“ドラッグ”という不穏な言葉が出てきたりと、極めて現代的な設定も当たり前のように登場。さらに、絵画や彫刻など美術系の科目しか教えない聖アレイア学院の存在や、サンタと一緒に来て悪い子をさらう“黒サンタ”といった作品オリジナルの設定も組み込まれることで、現代人からするととてもチグハグなのに、この先どんな物語が待っているのかワクワク感が沸き上がってくる、展開と世界観になっているのだ。

▲学院で一番の絵画の実力を持つ先輩のコトハ。性格も清楚かつ淑やかで、女子寮長も務めている人気者だ

12月2日の待降節（アドベント）の夜に不思議なリンゴの実をかじったことで、記憶を持ったまま過去に戻る能力を得たシュウと、シュウを過去に飛ばす力を得たヒロインのユネはアポカリプスを阻止しようとするが、最初は失敗の連続。そこに彼の行動を邪魔する“敵”の存在を感じ取った2人は重要キャラ7人を一人ずつ密着調査するのだが、このターンで描かれるヒロインルートは、それ単体でも萌え要素いっぱいの見応えある展開になっている。最初は小学生レベルの悪ガキとしか思えなかったのに、映画撮影を通じて異性であることを意識するようになるキリエ。シュウのことを「すけべ」と言いながら他の誰よりもベタベタしてきたサクヤの真っすぐな気持ちには心を気持ちよくくすぐられた。

▲一歩下がった性格な後輩のサクヤ。だけど服飾を専攻しているせいか制服も改造するなど、着ている服が派手で露出度高め!?

そして、個人的に一番ツボだったのがコトハ。頼りになるお姉さんかと思いきや、ヌードデッサンでシュウのち●こばかり描いていたのが発覚したり、それがバレたらなぜか自分からヌードモデルになったり、シュウと恋人関係になったら周囲も引くレベルのバカップルになったりと、付き合う前と後とのギャップに萌え要素がギッシリな印象だ。なのでエッチシーンにも大興奮!!　初エッチでは「襲っていい?」と聞いてきたり（選択肢「いいえ」を選んでも襲われる）、ほかの学生から没収したいけないビデオで勉強したパイズリをしてくれたりと、出会った頃からは想像できないほど萌えさせてくれてたぞ。

▲ヌードモデルのお礼がヌードモデル…って、その発想はおかしいけど眼福なのでOK♪

見事すぎる伏線回収に脱帽!!　その先の怒涛の展開にも興奮必至!!
ヒロインルート終盤では幸せな未来を選んで終わり…としたくなるところだが、本作は「アポカリプス阻止」という本来の目的がどこもしっかり描かれていく。例えば、あるルートでは町の地下で整備された地下道を発見したり、またあるルートでは一年前に消えたリンカという少女が町の謎に迫る存在としてクローズアップされたりと、次から次に新事実や新情報が投入されるからだ。

▲小柄でスレンダーなキリエとのエッチは、彼女ならではのプレイが満載。普段うるさい女の子が身悶えする姿に興奮間違いなし!!

個別ルートが終わっても“敵”は誰なのか、町の秘密は何なのか、そして主人公の記憶は戻るのかが正直何ひとつ分からなかった。“ぽい”設定や何か匂わせるセリフは書き留めながらプレイしていたけど、それでも分からない。しかし、それらが第12章冒頭で次々と繋がって“敵”の正体がわかった時の気持ちは、自分で答えを導き出せなかった悔しさが1割で、あと9割は「お見事！」という感嘆。ぜひ皆さんもプレイして“敵”の正体探しに挑んでほしい。推理の材料は全部１〜11章までに出ているぞ。

▲名画の存在や「アトリビュート」という美術用語が、物語を読み解くカギに…？

でも本作が真に凄いのは、この物語にはさらに先があるところだ。“敵”が分かっても、町の秘密が明かになったワケでも、アポカリプスが阻止されたわけでも、シュウの記憶が戻ったわけでもないのだから。なので“敵”が分かってからは、途中でゲームを止めることなくクライマックスまで一気呵成でプレイしていただきたい。大ボリュームだがあっというまにプレイしてしまうし、最後には超大作映画を見ているような興奮とスリルが味わえること請け合いだ!!

▲待ち続けていたユネと結ばれた瞬間♪　いつも支えてくれた彼女だけに愛おしさ大爆発!!

ゲームをクリアするとヒロイン4人のアフターシナリオが解放されるぞ。シリアスな本編終盤の展開から一転、イチャラブ＆萌エロで「これでもか!!」とデコレートされたお話ばかり。とくにエッチシーンは4人とも見応えたっぷりで実用度もハイレベルだ。本編で抜けなかった分、ここで欲望を爆発させよう!!

▲アフターシナリオにはスリリングさは無しなので、心ゆくまでヒロインたちとのＨが味わえるのだ

アメイジング・グレイス　OPデモムービー

▲『アメイジング・グレイス -What color is your attribute?-』のOPムービーはこちら。ハマった人は昨年9月発売の『さくらの雲＊スカアレットの恋』も是非!!