最初から美少女ゲーム声優を目指し今や幅広いジャンルで大活躍の水野七海さんに直撃インタビュー♪
美少女ゲームのキャラクターに命を吹き込む声優さんたちにインタビューを行うBugBug本誌の人気コーナー「BugBug声優STATION」。8月号では、現在の名義でのキャリアは10年、それ以前も含めるとさらに長いキャリアを持つベテラン声優・水野七海さんが登場!! ここではその一部を特別に公開していくぞ。
▲幼い頃から美少女ゲームが好きで、まっすぐ美少女ゲーム声優を目指したという水野さん。インタビューではその経緯も語られるぞ
小学生時代から美少女系アニメが大好き
──水野七海さんは美少女系コンテンツ好きという情報があるんです。これっていつくらいからだったんですか?
水野:1999年から2000年代前半くらいですね。『デ・ジ・キャラット』とか『シスター・プリンセス』とかから、『Kanon』、『AIR』、『D.C. ~ダ・カーポ~』などがアニメ化された時期。親が寝静まった深夜にリビングに下りていってテレビを観ていました。当時は小学生くらいで、小中学生時代を美少女まみれで育ちました(笑)。
──なるほど。そこから美少女ゲームに出会うわけですか。
水野:そうなんです。父がパソコンが大好きで、パソコンショップに行く時について行っていたんです。で、18禁コーナーの手前に『Canvas ~セピア色のモチーフ~』のトレーディングカードが売っていたんですね。その絵が可愛くて買って帰ったら、あられもないシーンのカードが出てきて(笑)。「これが美少女ゲームなんだ」って理解したのが最初ですね。
──具体的に仕事にしようと思われたのはいつくらいだったんですか?
水野:小学生の時に放送委員だったんですが、その時に「水野さんは声が良いから、そっちのお仕事についたら」というようなことを言われたんです。それでアニメも好きだったので、声優を仕事として考えるようになりました。
──そこからレッスンを受けたりなどは?
水野:実は家が厳しくて、勉強して大学に進学して…という感じだったので、早くからレッスンを受けるようなことは出来ませんでした。それで一度気持ちが切れてしまったんです。「このまま大学に進学して、普通に就職するんだろうなあ」って。ところが大学時代の2011年に東日本大震災があって、「普通の毎日が当たり前のように続くわけじゃないんだ」と。それで声優事務所のオーディションをいくつか受けて、特待生として合格した事務所の養成所に入ることになるんです。
▲メインヒロインを務めた主な作品だけでもかなりの数。サブヒロインを務めた作品も多く、そちらでも印象に残る演技を見せている
同人で活躍後に事務所に特待生で合格
──その事務所は美少女ゲームの仕事が多い事務所だったんですか?
水野:そうです。実は最初はイベントコンパニオンのオーディションに参加したんです。そうしたら「声優を希望しているなら、うちは18禁メインだけど声優事務所もやっているから」ということで特待生オーディションに招かれて、それで合格、という流れでした。私自身、美少女キャラの声をやりたかったので、美少女ゲーム声優はピッタリだと思いました。
──その養成所には何年くらい通ったんですか?
水野:最初の1年間、養成所に通いながらモブのお仕事などをしていました。そして1年目が終わるタイミングで事務所所属の全声優が受けるオーディションがあって、その結果デビューが決まったんです。
──そのデビュー作が『あなたをオトコにしてあげる!』(チュアブルソフト)だったんですか?
水野:いえ。実はその前、2012年の話です。その事務所には4年くらいいて、その後に辞めて転生して今に至っているんです。
──ああ、そういうことがあったんですね。ちなみに転生前のデビュー作はメインヒロインで?
水野:はい。ロープライスですがメインヒロインで、1500ワードくらいのお仕事でした。
──初めての美少女ゲームの収録は大変でしたか?
水野:実はその前に同人のゲームや音声作品で声優をやっていたので、特に困るようなことはなかったんですよ。普通に1時間200ワードくらいのペースでするする収録も出来ちゃったんです(笑)。
──そうだったんですね。色々な経験をされてのデビューだったんだ(笑)。ちなみに転生前は結構出演作はあったのですか?
水野:抜き系がメインでしたが出演作は多かったですよ。美少女ゲーム自体、まだまだ本数が多かったですしね。
▲同人作品なども含めて色々な経験を積んでからのデビューということで、最初からスムーズに収録は進んだという
自分の仕事のやり方を求めてフリーで再デビュー
1本目は双子の男の娘という個性的すぎるキャラ
──それだけお仕事があったのに一度辞められてしまったわけですか。理由をお伺いしてもいいですか?
水野:いくつかあるのですが、まとめると「自分のやりたい仕事のやり方が出来なかった」ということです。それで事務所を辞めて、名義を水野七海に変えました。
──それで先ほどお話しした2016年の『あなたをオトコにしてあげる!』だったんですね。
水野:とある音声制作会社さんが私のことを知っていらして、「フリーになるなら使ってみよう」ということでお声がけいただきました。2016年に出演した作品は、その音声制作会社さんに沢山お世話になりました。
──『あなたをオトコにしてあげる!』の白戸つばめは、なかなか個性的なキャラでしたね。
水野:テストでは男の娘ということで、ちょっと低めの声で演じてみたんです。でもディレクターさんから「ロリキャラっぽくお願いします」と指示があって、最終的には高めの声で演じました。
──サブキャラとはいえ、なかなかインパクトのある役で再デビューですね(笑)。
水野:そうですね。再デビューを知っていたファンから、イベントで再デビュー記念ケーキをいただきました(笑)。
──そして『発情インフレーション ~気になるあの娘の淫れスイッチ~』(seal-tutu)で水野七海としての初メインヒロイン出演です(笑)。
水野:この作品のディレクターが、後に『ChronoBox -クロノボックス-』(NO BRAND)をディレクションするりょーちんさんなんですけど、『発情インフレーション』の収録後に「絶頂シーンのバリエーションがもっと欲しい」という反省点をいただきまして、そこからイくシーンのバリエーションを意識するようになりました。
▲女の子たちが酷い目に遭う『ChronoBox』収録の際には、悲鳴や絶叫のバリエーションを意識して下準備を入念に行なったとのこと
収録の下準備に時間をかけた『ChronoBox』
──ここからは水野さんのこれまでのお仕事を振り返っていただいて、転機になった作品などを聞かせいただければと思います。
水野:まずは『ChronoBox』。お世話になっていた音響制作会社さん経由でいただいたお仕事でした。キャラの多い作品だったんですが、新人から御苑生メイさんや手塚りょうこさんといった実績のある方まで、バランスよく集められたなあって印象でした。
──これだけキャラがいると収録も大変だったのではないかと思います。
水野:いろんな方のエピソードは耳にしているんですが、私は順調に収録出来ました。でもその分、下準備は頑張りました。ご存知の通り、『ChronoBox』は女の子が大変な目にあうゲームなんですが、私が演じた筮ちゃんも大やけどを負うとか、痛みを伴うシーンが多いんですよ。そこでりょーちんさんから、『発情インフレーション』で「絶頂のバリエーションが欲しい」と言われたのを思い出して、絶叫のバリエーションをいくつか準備して収録に臨みました。アニメの絶叫シーンを色々聴き比べてみて練習したり、実際に火を肌に近づけてみたり(笑)。
──そこまで没入しないと難しい役柄でしたか。
水野:プレッシャーを凄く感じていました。でも下準備のおかげで収録はスムーズに進みましたし、ファンの方からは今でも「水野七海の代表作」と言ってもらえます。
──そこまでの作品だと、発売した時の感慨もひとしおでしょうし、ユーザーの反響も大きかったのではないですか。
水野:そうですね。ゲームの初出し情報としてティザームービーが公開されたんですが、高田馬場駅前のロータリーでムービーを観て、色々思い出して泣き崩れてしまいました。
──それでは続いての作品をお願いします。
水野:やっぱり2018年に発売された『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』(Quruppo)。翌年発売された『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?2』を含めてですが、この作品は外せません。
▲下品でぶっ飛んだノリと熱いストーリーでTVアニメ化までも果たした『ぬきたし』は、水野さんの代表作のひとつだ
メーカーの要望に応えるのに苦心した『ぬきたし』
──これはどういう経緯でお仕事が決まったんですか?
水野:以前Qruppoさんにボイスサンプルを渡していたんです。その中に我ながら糺川礼ちゃんだなって思う声が入っていまして、その辺りも影響したのかな、と。
──この作品は、発売前のイメージがプレイすることで大きく裏切られる作品として話題になりましたよね。
水野:最初にタイトルと資料を見た時は「抜きゲーのバカゲーなんだ」って思っていたんです。でも台本を読んでいくと様子がおかしい(笑)。「私のキャラ、もしかしてみんなを泣かせちゃうんじゃない?」って思ってからは、「ちゃんとやらないと制作者さんの想いが伝わらない!!」とプレッシャーを感じました。
──Qruppoは収録の際にセリフ一つ一つの演技にも深くこだわるというお話を伺ったことがあります。
水野:まず、キャラ調整からもの凄く時間をかけていました。『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』では会話のテンポ感の良さにこだわられていたと思います。糺川礼ちゃんは風紀委員長で鬼教官キャラなので、圧が強かったり説明的だったりするセリフも多くて、読みづらいセリフが3行くらい続いているんですけど、それもテンポ良くしゃべらなければならない。大感動シーンもあって本当に難しい現場でした。『ChronoBox』は準備で頑張ったとお話ししましたが、この作品ではスタジオに入ってからQruppoさんのオーダーにどれだけ応えられるかでめちゃくちゃ頑張ったという印象が強いです。
──『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』は現在もDL販売でコンスタントにセールスが続いている人気作ですが、この作品に出演して関係者やユーザーの反応は変わりましたか?
水野:糺川礼というキャラのインパクトが強かったのと、担当シナリオが本当に素晴らしかったので、ユーザーさんの印象に残ったみたいです。「どの水野さんボイスも糺川先輩に聞こえちゃう」とか「糺川先輩が他のキャラの声真似をしているようにしか聞こえません」ってご意見は結構いただきました(笑)。
▲Whirlpoolの『pieces/渡り鳥のソムニウム』ではテンション高めのツンデレお嬢様・伊集院貴美香を担当。サブキャラだったが人気を博し、続編ではメインヒロインに昇格!!
シーンの空気感やキャラの感じていることを意識
キャラが何を考えて何をしたいのかの理解が大事
──ここからは水野さんご自身についても色々伺っていきたいと思います。まずは水野さんが収録現場で一番大切にされていることをお聞かせください。
水野:臨場感です。そのシーンの空気感や、キャラが五感で感じていることを声に乗せたいと思っています。Hシーンであれば、その場に漂う湿度だったり匂いだったり肌触りだったり。さらにはその時の感情を声だけで表現したい。それを強く意識するようになってから、ユーザーさんからも「水野さんのセリフからは表情が感じられる」と言ってもらえるようになりました。
──収録前の準備としての台本読みやキャラ作りはどうされていますか?
水野:まずはいただいた資料や公開されていれば公式HPなどをチェックして、作品全体の雰囲気を掴みます。そして台本チェックに入るのですが、キャラの表情や言葉の癖を拾ってプロフィールに書き込んでいきます。
──セリフチェックとは違うのですか?
水野:もちろんセリフも読みますが、大事なのはその時そのキャラが何を考え、何をしたいのかを理解することです。これは養成所時代に教わったことなのですが、大事なことだと思うので今も実践しています。Hシーンに関しては五感で感じていることを表現するために、動きや表情をイメージするようにしています。それと大事なのが音。私、エロ漫画も読むんですが、漫画には手書きのオノマトペがあるじゃないですか。あれが凄くエロく感じるんですよね。なのでHシーンは台本にその時になっているだろう音を書きこんで、収録時にイメージしやすく出来るようにしています。
──色々準備されるんですね。では収録当日のルーティンなどはありますか?
水野:早起きして発声練習をして、というくらいです。あとはスタジオの最寄り駅までの道のりを乗り継ぎアプリで確認してスクショを保存して、最寄駅からスタジオまでのGoogleマップを印刷するのは絶対です。それで間違わずにスタジオに着いたら、その日の収録は70点です(笑)。
▲『同級生リメイク』ではキャバクラで働く成瀬かおり役を担当。シナリオのところどころに昭和・平成のワードが出てくるのもまた楽しかったようだ
美少女ゲームの歴史にこれからも名前を刻み続ける
──そんな水野さんですが、オフの日はどのように過ごされていますか?
水野:とにかく爆睡しているんですけど、体が動かせる時には猫カフェや犬カフェに行ったり、友達とお茶しに行ったりしています。家で過ごす時はアニメの一気観とか、声優さんのライブ映像や配信アーカイヴをだらだら見ています。
──交流のある声優さんもいらっしゃるんですね。
水野:デビュー前から仲良くしていた花澤さくらちゃんとか昔から飲み仲間だった赤月ゆむちゃん、事務所所属が被ったことのある風鈴みすずちゃん、個人的に声が好きでナンパした乙倉ゆいちゃんあたりは特に仲良くしていただいています。
──さて、これまで水野七海として10年、前世を加えると14年となる水野さんの声優キャリア。改めてここまで続けてきて楽しかったこと、そして大変だったことをお聞かせください。
水野:まずは人生を賭けて大好きな美少女ゲームの末席に自分の名前を加わらせていただいていることが嬉しいと、日々感じています。あとは長年続けていくと、良い意味で自分の限界が見えてきますよね。その分、気負わずにやれるというのはあります。例えば清楚系のドセンターヒロインは私にやれないけど、その分ヌキゲーや凌辱ゲーなども含めて幅広いジャンルで自分が頑張れる役柄があるというのは、やはり嬉しい事ですよね。
──なるほど。それぞれに適した場所や役柄があるわけですもんね。
水野:そして大変なことは、これは新人時代から変わらず仕事量の波が激しい事ですね。仕事がなければ声優を続けていけないし、多すぎたら体力もメンタルも削られる。今はフリーなので自分でそのあたりを調整するようにしています。
──今日は長い時間、ありがとうございました。最後にBugBug読者へメッセージをお願いします。
水野:BugBug読者さんと言えば生粋のエロゲーマーだと思います。そういった皆様に私のインタビューを読んでいたいてありがとうございました。声優は収録の時、こんなことを感じているんだなあとか、この作品ではこんなことがあったんだなぁって裏話を楽しんでいただければと思います。美少女ゲーム業界はメーカーさんも声優も、全てファンの皆様に支えられております。これからも素敵なゲームが世に送り出されるよう、応援をよろしくお願いいたします。そしてこのインタビューを読んだ感想を私のX「@mzn773」にポストしてください。読みに行きます。
▲発売直前の注目作『もっと!孕ませ!炎のおっぱい異世界 おっぱいスパイ学園』にも出演!!
カラー4ページにぎっしりつまった濃密インタビューの全文はBugBug本誌でチェック!!
幼い頃から美少女ゲーム好き、そして一度転生して再デビューと、ユニークな経歴を持つ水野七海さんへのインタビューは、BugBug8月号でカラー4ページにわたって掲載。そちらでは代表作でもある他の数々の作品の思い出やなどディープな話題にも触れられているぞ。ぜひそちらで全文を読んで、そして水野さんのXに感想を送ってみよう!!
▲自身のサインに添えて「エロゲフォーエバー」と書くほど美少女ゲーム好きな水野さんの直筆サイン色紙をプレゼント!! 複製色紙ではないので当選1名様のみのお宝だ!!
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