伝説の美少女ゲームが令和に復活!! その舞台裏には原作への愛が溢れていた
1992年にエルフより発売された恋愛ゲーム不朽の金字塔『同級生』。そのリメイク版がFANZA GAMESより発売が決定し、業界を超えて話題沸騰中だ。そこで現在発売中のBugBug1月号では、本企画の仕掛け人であるプロデューサー・ヤス氏に、その経緯やこだわりポイントについて直撃。復活記念として6ページで大特集しているぞ。ヤス氏による原作への思い入れたっぷりなトークはファンなら感動間違いナシ。今回はその内容をダイジェストで大紹介だ!!
▲インタビューに答えてくれたヤスさんは『同級生リメイク』プロデューサー。PC-98の頃からエルフ作品をヤリ込んでいたファンボーイなのだ
今の若いユーザーに「美少女ゲームの古典」も遊んでほしい!!
──それにしてもFANZA GAMESに移って、大ファンだった『同級生』のリメイクを手掛けるなんて、ファン冥利に尽きるお話ですよね。実際に決まったときは、どんなお気持ちでしたか?
ヤス:エルフ作品では2016年に『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』がリメイクされていましたけど、あれがきっかけのひとつではありました。個人的に「自分ならこうするな」とか色々考えてみたんですね。『同級生』を自分の手でリメイクできるとなったときは、純粋に嬉しかった。そして「これを成功させて、『同級生2』のリメイクにも繋げたい!」と思いました。
──これまでFANZA GAMESではエルフ作品をWindows10対応版にしてリリースされたりもしていました。にもかかわらずリメイクにこだわったのは、なぜでしょう?
ヤス:一番大きいのはシステム面です。ポイント・トゥ・クリックの部分やマップ移動の部分などは、今のユーザー向けに、なるべくストレスを感じず遊べるようにしてあげたいな、と思いました。
──でも、その部分の変化を考えるなら、新作でもいいわけですよね。過去の名作にこだわった部分としてはどういうところでしょう。
ヤス:僕としては、今のユーザーさんに、「美少女ゲームの古典」も遊んでほしかったんです。あの頃の名作とはこういうゲームですよ、と。シナリオやキャラクターは当時のままで、現在の遊びやすさで楽しんでほしいという気持ちが強いですね。
▲BugBug1月号では『同級生リメイク』をカラー4ページでも特集。インタビューと合わせて10ページを使って大紹介しているのだ!!
原作が凄過ぎてシナリオに手を加えるなんて畏れ多い!?
──このノーマルモードとクラシックモードは公式サイトでも紹介されていますが、表示されているマップのテイストがあまり変わっていないところが、何とも興味深いところですね。
ヤス:そこに関しても議論はありました。令和風の街並みにした方がいいのではないか、と。でも僕としては「シナリオをいじりたくない」というのがスタート地点だったんです。シナリオに手を加えると、「なぜこの登場人物はスマートフォンを持っていないんだろう」というような疑問や矛盾が生じてしまう。シナリオをそのまま使うのであれば、街並みも1990年代のままで行くしかないんです。テレビはブラウン管だし、ファックスもあるし、ラジカセもある。そういう世界観で行こうとなったとき、背景もマップも当時のままという判断になりました。
──なるほど、『同級生』は28年前の世界観なので、現在に合わせるとゲームの世界そのものが成立しなくなってしまいますね。
ヤス:そうなんです。「シナリオに手を加えない」というのは絶対にブレないようにしたいところでしたから。
──それだけシナリオにこだわるというのは、やはりヤスさんの『同級生』のシナリオに対する思い入れの強さからなのでしょうか?
ヤス:僕個人の感想と思って聞いていただきたいんですが、蛭田昌人さんは本当の天才だと思っています。何を書いても面白いですから。実は『同級生リメイク』でも、倫理チェックの部分で手を加えなければいけないところがありまして、そこは外部のライターさんにお願いしました。その方も僕と同世代で、これまでも数々の作品を手掛けてきた大ベテランなんですが、「蛭田さんのシナリオに手を加えるなんて無理ですよ」と言われていました。「あまりにも畏れ多い」って。
▲ノーマルモードではマップにヒロインの顔アイコンが出たりフラグ管理も表示されるので、攻略が苦手な人でも気軽に楽しめるぞ。慣れたら原作そのままのクラシックモードでも是非楽しんでみよう
原画にすめらぎ琥珀氏を起用した経緯とは?
──色々と考えられて作られている『同級生リメイク』ですが、やはりファンとしてはキャラクター原画に目が行ってしまいます。今回はすめらぎ琥珀さんを起用されていますが、この人選の決め手もお聞かせいただけますか?
ヤス:まずリメイクを作るときに、絵の部分を新たに用意しなければいけない為、ハードルが一番高いなとは思っていました。では当時のキャラクターデザインの意図を理解した上で、今風の作画をしてもらえる方は誰なのか?と考えて候補者を検討していった結果、すめらぎ琥珀先生にお願いするのが一番なのではないかという結論に達しました。見ていただければわかる通り、まさに当時のキャラデザインの良さを落とし込んだ絵にしていただけたと感謝しています。
──確かに公式サイトが公開されたときに、ツイッターなどでも、絵について、とても好意的な感想が多かったように記憶しています。
ヤス:おっしゃる通りです。実は公開するとき、とてもドキドキしていたんです。やはり「『同級生』は竹井正樹先生じゃないとダメだ」と言われる方がいらっしゃると思っていましたし、僕もファンとしてその気持ちは理解できます。でも、「絵がきれいだ」「キャラがかわいい」という感想が多くて、ホッとしました。改めて、すめらぎ先生にお願いしてよかったと思いました。
──先程美沙のファンだと仰っていましたが、すめらぎさんの美沙を見た時、どう思われました?
ヤス:最初に舞と美沙をお願いしたんですが、最初に上がってきたデザイン画を見た段階で「これは絶対にいける」と思いました。竹井正樹先生の良さを上手に落とし込んでくれていて、とてもいいお仕事をしていただけたと思いました。
▲グラフィックの美麗さはサスガの一言。ひろみの事務服が新しくデザインされてる等、インタビュー中では原作とのグラフィックの変更点やその理由についても言及されているぞ
「Hシーンを追加してほしい」という声もあった!?
──その「変える・変えない」について、異論は出なかったのですか?
ヤス:開発からは無かったのですが、営業からは「エッチシーンを追加してほしい」という声がありました。例えばよしこ先生は、原作にもエッチシーンがないんです。「ストーリーに手を加えないのは理解するけど、エンディングの後にでもエッチシーンを追加してほしい」と言われました。僕もそこは考えないわけではなかったんですが、その部分って結局蛭田さんのシナリオではないわけですよね。それでユーザーさんは満足してもらえるのか? 追加したエッチシーンがとってつけたように見えないか? というのもありました。かなり迷いましたし悩みましたけど、ここは最初に思った通り、原作のままでいこう、と。
──初志貫徹したわけですね。
ヤス:エンディングの後にエッチシーンを入れるならば本編のシナリオに手をくわえないで済むとも言えるんですが、それでも読後感は変わってしまいますよね。それって元のシナリオに手を加えることと同じだと思うんです。そう考えるとやっぱりできない。ユーザーさんにとってもエッチシーンが増えることは嬉しいことだとは思いますが、ここは敢えて原作通りという判断を下しました。下手にゲームに手を入れて原作の良さをつぶしてしまえば、リメイクする意味をなくしてしまうんですよ。
──原作への強いリスペクトを感じます。
ヤス:それに新キャラを追加したりエッチシーンを追加したりしなくたって、遊んでもらえば面白さは伝わると思っているんですよ。『同級生』のリメイクは、そういう小手先の部分で勝負するものではないと思っています。
──なるほど!! 至言ですね。
ヤス:その意味では、コンシューマー版オリジナルのキャラを追加することもできたかもしれません。実際にPC再移植をするゲームでは、大体その手法を取ります。でも、『同級生リメイク』はあくまでPC版『同級生』のリメイクであって、コンシューマー再移植ではありませんから、コンシューマーオリジナルのキャラも登場させませんでした。
▲インタビュー中には原作の元祖『同級生』の紹介記事も。バンビちゃんにまた会えるなんて…ベテランゲーマーは感涙モノです
制作発表の時はTwitterでトレンドに入る盛り上がりぶり!!
──今後はどのようなプロモーション展開を計画されていますか?
ヤス:DiGinationとして生放送をやろうと考えています。また、昨今の情勢の影響でどうなるか分からないのですが、リアルイベントも仕掛けていこうと思っています。こちらは続報をお待ちください。
──待っているファンも多いですからね。制作発表のときの盛り上がりは本当にすごかった。
ヤス:ツイッター見ていたんですよ。まさかトレンドに入るとは思っていなかったので、驚きました。これは計画してのことなんですが、発表が唐突だったでしょ。本当だと思わなかった方もいたらしく(笑)。そうだよな、僕もユーザーの立場だったら信じないよなって(笑)。
──若いユーザーも反応していましたね。
ヤス:反応の仕方が違うのが面白かったですね。おじさんファンは「なんで今!?(俺たちの青春がリメイクだと!?)」なんですけど、若い人たちは「なんで今?(かなり昔の作品だよね)」みたいな(笑)。純粋な疑問形だったので、色々伝えていかなきゃなって思いました。実は来年2月が、結構激戦区になりそうなんですよね。人気ブランドの新作が結構並びそうで、その中で『同級生リメイク』をどう手に取ってもらうか、いろいろ考えていかないといけませんね。
マス:発表した時の、業界内の反応はいかがでしたか?
ヤス:なんというか…すごかったですよ。付き合いのあるデバッグ会社から「うちの部長が『同級生』のファンなので、デバッグやらせてください」って連絡が来たりしましたね(笑)。FANZA GAMESの営業のところにも、担当メーカーから「本当にやるんですか」って連絡がきたそうです(笑)。ありがたいことに、注目してもらえていますね。
──そういえばFANZA GAMESのセールスランキングでも、発売4カ月前の予約なのにトップ10に入っていましたよね。
ヤス:おかげさまで予約も結構いただいていますし、このまま順調に伸ばしていけるといいなって思っています。あ、FANZA GAMESということでDL限定かって思われている方もいるようなのですが、パッケージも出しますのでご安心ください。豪華版と通常版がありますが、DOS版同梱の豪華版は通常版より1000円高いだけ! ぜひ豪華版をお買い求めいただけると嬉しいです(笑)。
──さすがプロデューサーですね(笑)。
▲早期予約キャンペーンには竹井正樹氏による描き下ろし複製色紙も。これはダッシュで予約するしかない!!
6ページで掲載されたインタビューには『同級生リメイク』の秘密がまだまだタップリ!!
今後のリメイク作品の予定など、インタビュー記事は今回抜粋した以外にも気になる情報が超満載。インタビューの終盤には『同級生』の大ファンという編集長・マスも乱入し、「占いとかクイズがあったじゃないですか。あれもリメイクに入るのですか?」「DOS版なんですが、これってフロッピーディスク入れ替えの指示とかも表示されるんですか?」等、無茶振りな質問をしていたぞ。『同級生』ファンなら必読なので、絶賛発売中のBugBug1月号を購入してジックリ読み込んで欲しい!!
同級生リメイク オープニングムービー
同級生リメイク
FANZA GAMES
原作:エルフ
2021年2月26日発売予定
AVG、DVD、18禁、Win8.1/10
通常版:パッケージ版 9800円、DL版 8000円/豪華版:パッケージ版 10800円、DL版 9819円
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:すめらぎ琥珀
シナリオ:非公開
▲BugBug1月号は紙版も電子書籍版も絶賛発売中。これ以外にもスクープ特集やインタビュー企画が満載なので、こちらの記事で確認してね♪