ROOTブランド活動再開!! 再始動の狼煙となる『顔のない月 -待宵の双椿-』について直撃インタビュー!!
CARNELLANさんのイラストの美しさに男性ユーザーのみならず女性ユーザーも魅了したROOTブランドの大ヒット作『顔のない月』。ROOTは2011年に一度活動休止したが、2023年に『顔のない月 -待宵の双椿-』の発表と共に復活。
BugBug7月号ではROOTの主要スタッフ3人のへインタビューを敢行し、ゲーム制作や今後の展望などを熱く語ってもらったぞ!!

▲ファンの期待、そしてかつてROOTで活動していたスタッフの再会が、再始動のきっかけとなった
再始動発表へのファンの熱量が大きな後押しに
──昨年3月に『顔のない月 -待宵の双椿-』の制作が発表されましたよね。
CARNELIAN:正直なところ私たちがゲーム制作をしていた頃のユーザー・開発者の方々が今も美少女ゲームのジャンルにどのくらい残っていらっしゃるかまったく予想出来なかったので、まずは開発再開をお知らせしてROOTを思い出していただけるようにと、1作目を『顔のない月』のリメイクに決めました。
──ユーザー・関係者共に大きな驚きと喜びを持って受け止めたニュースだったと思います。その反響はいかがでしたか?
CARNELIAN:発表後はいろんなコメントをいただきました。久しぶりに箱から取り出した思い出のアイテムを愛でるような、そんな愛情を感じるコメントが多かったですね。ブランド休止から十数年、忘れないでいただけて嬉しかったです。余りに久しぶりなので、業界の方にも何も持たずに挨拶もないだろうと、まずは作品をとゲーム本体の制作に徹しておりました。またこの業界に受け入れてもらえたら嬉しいです。
宙形:CARNELIAN復活なので、まったく反響はないなんてことは考えていませんでした。ただ、クラウドファンディングで用意したストレッチゴールを全て達成出来た時は、その反響の大きさにプレッシャーは感じました。
KIM:発表したタイミングが他社さんのリメイク作品も多数発表されていたので驚きましたけど、これは完全に偶然でした。
▲原作『顔のない月』から数えると25年目のリメイクとなる『顔のない月 -待宵の双椿-』。BugBug本誌の記事では発売日が6月20日と表記されているが現在は8月29日発売予定に変更となっている
2年前のスタッフとの再会が再始動のきっかけ
──もちろんリメイクということも反響があったと思いますが、それ以上に「ROOT再始動」ということが大きかったとも感じました。
CARNELIAN:「ゲーム開発を再開したい」というのは5年ほど前から考えておりました。ただ、その時点で休止から10年以上経っていましたし、ゲーム開発を再開するにも新しいスタッフを集めて…という状況でした。それでまずは私個人で出来る範囲としてSteamでのゲーム開発を考えていたのですが、2年ほど前に宙形や他のスタッフと再会する機会に恵まれたんです。共にキャラクターと物語を紡いだ仲間でしたから、すぐに作りたい作品の話になりまして、気が付けば皆ROOTとしてゲーム開発がしたいねと。その時は過去作につらなる新作の話をしていましたね。
宙形:自分は「『顔のない月』をもう一度書けるなら追加したいところもあるな」くらいの軽い気持ちだったんです。ところがファンの熱量が本当に凄かった。それを感じた時に、これは腰を据えてROOTをやっていかなければと思いました。それと同時に、今の美少女ゲームという枠の中に自分たちの居場所がまだあったんだと嬉しくもなりましたね。
──正直言いますとここ数年、美少女ゲーム業界はネガティブな話題も多かったと思います。その中でROOT再始動は本当に嬉しい話題だったんです。
KIM:ブランド再開についてはファンの方からずっと期待されてきました。それを後押ししてくれたのが、メンバーたちの再会だったということですね。
▲ほつれる髪のひとつひとつに色気が漂うCARNELIAN氏のイラストの美しさはい多くのファンの心に今も残っている
主要スタッフ3人からのゲーム制作スタート
──さて、そんなROOTですが、2011年の活動休止以降にBugBugを読み始めた読者も少なくないと思います。改めてどういったブランドなのか、お話していただけますか。
CARNELIAN:私は10代の頃から創作にまつわるお仕事で生計をたてたいと考えていて、そのためにどんなお仕事が自分の天職になるか探っていました。アニメ、漫画、スーファミ時代最後の頃から次世代機だったプレステの初期ラインナップへの開発参加などを経験して、Win95発売の頃に友人の会社のお手伝いを頼まれました。それが最初のPC98の美少女ゲーム開発への参加で、「キャラクターがセクシーな絵を描いてもお仕事になる」というのは、当時描く絵が「なんとなくエロいから修正しなさい」と言われていた自分としては「天職!!」と感じまして、「この業界でなにがしかの存在になってやる!!」と息巻いていました。ですがお金を出した人や会社の創立メンバーでもなければ企画や作品内容についてどうこう言える立場ではないと、それまでのお仕事でも痛感していたことを再確認しまして。失敗しても自分の責任として通せる、自分が勝負できる土俵をつくらねばと自社ブランドを設立しました。
──それがROOTだったわけですね。
CARNELIAN:ブランド設立時は、私がフリー時代から仕事を共にしてきた今のケナミタマと宙形安久里の三人でしたね。
宙形:僕は当初C's wareというブランドにいまして、『Re-Leaf』のシナリオを担当しました。その作品の原画がフリーだったCARNELIAN。僕はまだ入社2年目のぺーぺーだったんですが、CARNELIANが僕の書く世界観を気に入ってくれたようで、「いっしょにやろう」と声をかけてもらったのがきっかけですね。
KIM:私は『顔のない月』の開発途中から参加しました。
宙形:僕の中でKIMさんはゲーム音楽業界で燦然と輝く実績を持たれている方という印象でしたね。
▲『顔のない月』はROOTブランドのデビュー作。その後も、様々な人気作がリリースされた。今回のブランド復活に伴い、これらの作品もリメイクされるかも?
クラファンの反響で感じたファンとのキャッチボール
──『顔のない月 -待宵の双椿-』ではクラウドファンディングを利用しています。これはどういった狙いだったのでしょう?
CARNELIAN:かつてROOTを愛してくださったユーザーさんに、再始動の狼煙をあげてお知らせするのが一番の目的です。
宙形:正直、開発資金という意味ではそこまでではなかったです。
KIM:今はどこで告知をすれば一番知ってもらえるのかが難しい。XなどSNSで十分かというと、そういうわけではないですよね。クラウドファンディングは話題性という意味でも販促力は高いかなと思いました。
──そのクラウドファンディングでは第2弾を含めて、目標金額の5倍となるストレッチゴールまで達成しました。
CARNELIAN:やまびこが帰ってきたというか、作品を通しての繋がりを強く感じました。「届ける人がいる、待っている人がいる、そのために作る!!」という基本的なキャッチボールを、発売前に実感することが出来たのはとても有難いです。
──そんな『顔のない月 -待宵の双椿-』ですが、作品のテーマはどういったものになるのでしょう。
CARNELIAN:テーマは「純愛因習村」です。リメイク作品ですがこのジャンルとしてはかなり面白いと思います。
宙形:純愛因習村は上手いこと言ったなあと思いました(笑)。美少女ゲームで「因習村」というと黒系作品のイメージがありますが、そんな中でも浩一と鈴菜は純愛しているなあと。物語的には「シキタリ」というワードが良く出てきます。外の世界では常識を外れるような行為も倉木家という世界では常識である──みたいな話ですね。
──今回はサブシナリオに望月湊人さんと硯すいさんが参加されています。これはどういった役割になるのでしょう。
宙形:望月湊人さんにはシナリオ全体の取りまとめをお願いしています。硯すいさんはエッチシーンの強化をお願いしました。
▲因習の続く山奥の村が舞台の伝奇物語…といっても過剰にドロドロしたものではなく、その芯にあるものは純愛なのだ
キャラクターの魅力はそのままにルートを加筆
──そんなメンバーで描かれた本作ですが、主要キャラクターの紹介もお願いします。
宙形:主人公の羽山浩一は本山教授の民俗学の研究室に出入りしている大学生で、養父母に育てられ本家である倉木家には子供の頃に滞在したことがあると聞いていますが、当時の事をほとんど覚えていません。特徴的なのが女性の顔を認識できない奇病を患っていることと、養父母が亡くなった1年前から不思議な悪夢に悩まされて不眠症に近い状況になっています。女性の顔が認識できないくせに見栄えがいいのでモテるため、元カノの沢口千賀子と出会うまではいつ刺されてもおかしくない女の敵のような男でした。今は当時と比べればかなりマシになっているようです。女性の顔が認識できなかった浩一ですが、その奇病が倉木に来ることでなぜか治り、初めて見た女が鈴菜ちゃんで、本人は意識していませんがその瞬間にインプリンティングされて、一目惚れしています。
──そしてその倉木鈴菜です。
宙形:倉木家の一人娘で、「月待ちの巫女」を継承した少女です。大事に育てられてきた、世間知らずで勝気なお嬢様ですね。「シキタリ」によって勝手に決められている許嫁の浩一を最初はかなり嫌っていますが、倉木家で育てられたので「シキタリ」自体については最初からそういうものと受け入れています。月待ちの儀式に向けて発情状態にさせられているので一見チョロインに見えますが、実は重いものを背負っているので付き合うためにはかなり覚悟のいる女の子です。
▲ヒロインの鈴菜は多くの人にとって魂の“メインヒロイン”であり今も人気が高い。そして主人公となる浩一も魅力的なキャラクターだ
実力と新鮮さを兼ね備えたキャストでCV一新
CGは線画も彩色もリニューアル&大ボリューム
──キャスティングはどのように決定されたのでしょう。
KIM:旧作が25年前の作品なので、そのままのキャスティングは無理。ならば全キャラ一新しようということになりました。ただ前作のCVに思い入れの強いファンの方も多いと思いますので、キャスティングにはかなり時間を掛けました。特に鈴菜は候補を30~40人挙げて、それでも決まらず3~4ケ月の時間をかけて決めることになりました。
──鈴菜役の夏野ぱいんさんは美少女ゲームでは初のメインヒロインになりますね。
KIM:色々な資料に当たる中で、「この人だ!!」という方に出会うことができました。正直、偶然見つかった感じです。
──宙形さんは収録に立ち合われたのですか?
宙形:全部ではないのですが、時間の許す限り立ち合いました。皆さん実力を発揮してくれて、すごいキャスティングだなって思いました。特に鈴菜ちゃんは「この子とイチャイチャしたい」って思わせてくれるお芝居をしてくれたんですよ。CVは一新されましたが、ユーザーさんには安心してプレイしていただけるかと。
──『顔のない月』ではエッチシーンへの評価も高かったですよね。今回のリメイクではどのように手が加えられたのでしょうか。
CARNELIAN:エッチシーンはシチュエーション自体は変えていませんが、テキストを大幅に見直してより濃いものにいたしました。また、クラウドファンディングのストレッチゴールによる追加エピソードも盛り込まれています。
▲Hシーンの強化や追加エピソードも。新規収録ボイスもスタッフのお墨付き♥
クラファンリターンのリメイク制作を進めながら
期待される完全新作へのアプローチも
──今後についてですが、クラウドファンディングの結果として、『顔のない月 -待宵の双椿-』ファンディスク、さらに『桃華月憚』リメイクはいつぐらいになりそうでしょうか。
KIM:これについては『顔のない月 -待宵の双椿-』を完成させるのに手いっぱいでして、具体的なスケジュールはこれからになります。
宙形:正直『桃華月憚』リメイクはあるかなと思っていましたが、クラウドファンディング第2弾の『Re-Leaf』リメイクまで行くとは思いませんでした。とはいえ『Re-Leaf』、『顔のない月』『桃華月憚』は世界観を同一にする作品ですし、CARNELIANが『Re-Leaf』の権利を買っていたこともあって、達成出来たらやりたいね、くらいだったんですけどね。本当にありがたいです。
CARNELIAN:まずは『顔のない月 -待宵の双椿-』の成功を、その先にはまだ言えない展開も多くご用意しております。必ず皆さんに喜んでいただける展開の数々、その一つ一つに繋げていければと思います。
──本日は長い時間、ありがとうございました。最後にBugBug読者へメッセージをお願いします。
CARNELIAN:ある意味新作より大変な作業となっておりますが、初めての方にも再会の方にも新鮮にプレイしていただける仕上がりを目指しております。ご期待くださいませ!!
KIM:完成に向けて進んでおります。旧作のファンの方にも、旧作を知らない方にも楽しんでいただける作品になっておりますので、発売になりましたらぜひ遊んでみてください。
宙形:クラウドファンディングなどでご支援いただきありがとうございました。おかげさまで身が引き締まる気持ちで制作に取り組めました。魂を燃やして最後まで駆け抜けていきたいと思いますので、完成を楽しみにお待ちいただければと思います。
▲CARNELIANさんが所属していたブランド・C's wareには、多くの著名クリエイターが在籍していた。その遺伝子は今も様々なかたちで残り、広がっている
令和に蘇った幻想的なグラフィックと耽美な世界──未プレイの人も過去にプレイした人も引き込む名作を体験しよう
『顔のない月 -待宵の双椿-』について改めて詳しく語っていただいたインタビュー。未プレイの人もどんな作品なのか知り、興味を持ったことだろう。さらにお話を聞く限り、今後も別作品の展開が期待できそうだ。BugBug7月号本誌ではさらに登場するキャラクターたちや販促展開についても語っていただいているので、本作が気になる人にはぜひ全文を読んで欲しい。
▲もともと美しく艶やかだった作品がさらにグラフィックもHもパワーアップ!! 今年の夏の目玉と言える超期待作だけに発売が楽しみ♪
顔のない月 -待宵の双椿-
ROOT
2025年8月29日発売予定
AVG、DVD、18禁、Win10/11
パッケージ・初回生産限定版:12,980円(税込)
パッケージ版:10,780円(税込)
DL版:10,780円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:CARNELIAN、ケナミタマ
シナリオ:宙形安久里、舟町紺、硯すい
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