アストロノーツ・シリウス『極限痴漢特異点NEO』連載特集・第二回は【獲物捜索編】!!　ヒロインとのファースト痴漢コンタクトを深掘りプレビュー紹介

STORY

蔵部の隣に位置する大都市『伊香川市』
そこは全国有数の観光地であるとともに、全国から痴漢の集まる『聖地』でもあった。

だが、痴漢の楽園に不穏な影が落ちる。
新たに就任した市長が、痴漢都市の汚名を返上するため大々的に痴漢の撲滅を宣言したのだ。

日々、厳しくなる痴漢の取締り。
次々と逮捕される罪なき痴漢たち。
淫獣たちの楽園は、瞬く間に地獄へと変わってゆく。

混迷極まる伊香川市に、ひとりの男がやってくる。
彼の名は『草壁喜壱』。
女の痴漢願望を見抜く『眼』と、一触絶頂の『草壁流・痴漢七十二指法』を操る腕を持つ、百戦錬磨の痴漢である。

「この街からは──欲望の匂いを感じる。飢えた獣と、発情した雌の匂いだ──」

異邦人である喜壱の前に立ち塞がる不審者集団『伊香川痴漢五人衆』！
『蛮痴漢』の復活は現実なのか!?
残虐非道、恐るべき痴漢処刑部隊『サイファー』の魔の手が喜壱に迫る！
満を持して開催される全国大会『痴漢チャンピオンシップ』！
秘密裏に進行する恐怖の『痴漢絶滅計画』とは!?
そして絶海の孤島『痴漢島』に眠る秘密とは？

痴態が痴態を呼ぶ官能ミステリーロマン、今ここに新章開幕！

地味で普通の子ほど…？

悟られないように少女の背後に並び、そのまま
満員電車の中に乗る。

彼女の背後で密着すると、改めて少女を観察した。

やはり痴漢願望が溢れているようには見えない。
なのにこの少女に対して俺は興味を持っている。

その意味を知る為にも、仕掛けてみるか。

電車が揺れるタイミングを見計らって背中に密着し、
同時に右手を少女の腰に当てる。

瞬間、わずかに身を固くするのを感じた。

【少女】「痴漢……ですか」

少女は平坦な声で、ため息交じりに呟いた。

【喜壱】「意外だな。驚かないのか？」

【少女】「まぁ……慣れてるわけではありませんが、
初めてではないので」

【少女】「気弱で内気な少女に見えるんでしょうね……。
割と触られます」

【喜壱】「なるほど、大変なんだな」

俺が腰に手を当てたままにしているのに、
少女は身震いひとつしない。

軽く撫でて見ると反応するところを見ると、
不感症というわけでもないらしい。

腰からプリーツスカートの線をなぞるように指を滑らせ、
お尻へと指先を這わせる。

だが、先程と比べると反応は少ない。

我慢しているのか敏感ではないのか、これだけでは
まだ判断がつかないな。

【少女】「それ以上触るようでしたら、私も拒否しますけど」

気付けば、いつの間にか少女の手には
カッターナイフが握られていた。

カチリと音を立てて刃が背後の俺の方に出される。

【喜壱】「おいおい、物騒だな」

チクリと指に刃先が当てられ、俺はそっと
尻から手を離した。

【少女】「判ればいいんです。騒ぎは私も嫌いですから」

安心したのか、カッターを握る手がわずかに緩む。

その瞬間、俺は素早くカッターを少女の手から
引き抜いた。

【少女】「あっ……!?」

奪われると思った時には、既に彼女の手の中に
カッターはない。

俺はカッターの刃を静かにしまうと、
彼女のカバンの中へと放り込んだ。

奔放なギャルのお楽しみ

【？？？】「んっ……ふっ……はぁ……」

ギャルの後ろに男が立ち、
尻を撫で繰り回している。

【喜壱】（ほう……。うらやましいな）

男がギャルを撫でまわすと
悩まし気に腰をくねらせ、色っぽい吐息を漏らす。

【？？？】「んん……だめ……マサシ……」

どうやら痴漢プレイのようだ。
相手は彼氏かなにかだろう。

【喜壱】（学生らしく性欲がみなぎっているな。
若いというのは良い事だ）

【喜壱】（だが……）

ギャルの痴漢願望に澱みを感じる。

【？？？】「んん……ふう……ンン……」

どうやらギャルは満足していないようだ。

【喜壱】（あの男……手つきが雑過ぎる……。
もっと、こう……桃の皮をむくように
繊細にだな……）

なんともじれったい。

車内アナウンスが次の駅へ到着することを告げる。
すると痴漢をしていた男が
ギャルからパッと手を離した。

【男】「あ、わり。次で降りるんだろ？」

【？？？】「え？　もう～？」

【喜壱】（む。同じ駅で降りるのか）

【？？？】「え～～？　ホテル行かんの？」

【男】「ああ。今日は予定があるから……」

【？？？】「なんなんそれ～～。ダル……」

【男】「この穴埋めは今度するから！」

去っていく男の背を見て
ギャルは肩を落とした。

【？？？】「次とかないっつーの……」

ギャルは彼氏とホームで別れたらしい。
その様子をぼんやりと眺めていると
彼女と目が合った。

【喜壱】「さっきの痴漢では満足してない……
って顔をしているな」

【？？？】「なに～？　見てたんだぁ？　えっちー」

【喜壱】「あそこにいた奴ら、全員が見てたぞ」

指摘するとギャルはぷっとふき出して笑った。
不満げだった表情が一気に華やかになる。

【？？？】「え～、マジでぇ？」

【喜壱】「せめてもっと隠れてやれ。
トラブルになっても知らんぞ」

【？？？】「はいはーい。お節介どーも」

【？？？】「てかー、お兄さん誰？」

【？？？】「あ、あたしはひなのね。
ひなのって呼んでくれていーよ」

【喜壱】「草壁喜壱。痴漢だ」

【ひなの】「へ？　チカン？　マジで言ってるー？」

慣れないドイツ料理店で四苦八苦

ドイツ、ドイツ、ドイツ──
雑貨やインテリアに加えて、天井のテレビで
流れているのもドイツのサッカーリーグのようだ。

ドイツ贔屓、ドイツマニア、
あるいは日本在住の本物のドイツ人。
──そういう相手の店なのだろう。

【喜壱】（まあいい。まずは肉と、それからビールだな）

ならば味は期待できるか。
まずは肉──と思い俺はメニューをめくる。

アイスバイン。シュバイネハクセ。
どんな料理かはよくわからないが、いかにも外国らしい
巨大な肉の塊という感じの写真で食欲をそそる。

しかしどちらも三名様からとなっている。
──ならばソーセージか。

テューリンガー。ニュルンベルガー。
ヴァイスヴルスト。アウフシュニット。

【喜壱】（──なるほど、わからん）

こちらはメニューにあるのは名前だけで
写真がついていない。

まあソーセージならば不味くて食えないということは
ないと思うのだが、見事に名前から味のイメージが
浮かんでこない。

ならばビールを──と思うのだが、
こちらはカタカナのルビさえ振られていない
ドイツ語の羅列だ。

【？？？】「ふふふっ。苦戦してるみたいね、お兄さん」

【喜壱】「──誰だ？」

気がつけば隣の席に若い女が座って、
ビールを片手に微笑みかけていた。

【レヴィ】「レヴィよ。ここじゃ初めての顔ね？
伊香川市の小さなドイツ領、
『Ｒａｈｍｅｎ』にようこそ」

【レヴィ】「貴方もドイツとその文化に興味があって？
それとも──」

意味ありげに、女はドアのほうに顎をしゃくる。

【喜壱】「残念ながら後者のほうだ。
──俺は美味いラーメンが食いたかった
だけなんだがな」

もうわかっていた。
入るとき、隣に小奇麗な和風の建物もあった。

そっちがラーメン屋だった──
蕎麦屋かなにかだと思ったのだが。

そしてこの女の様子をみるに、
俺のような客は珍しくはないのだろう。

【レヴィ】「この店のほうが先にあったのよ。
でもいいじゃない、今夜の出会いのきっかけに
なったのだもの」

だいぶできあがっているな、この女──と思うが、
まあ同意ではある。

美しい女だ。それに胸もデカい。
衣装のセンスについては──

妖艶な占い師の素顔は残念美人

駅前に日参し、俺はアルビレオ星莉佳の姿を探した。

何しろ相手は動画配信者だ。
勤め人と違い、
毎日同じ時間に電車に乗るわけではない。

そんなわけで、いつ彼女に再会できるかは
予想がつかなかったが──。

間違いない、星莉佳だ。

ようやく見つけた痴漢相手へ、俺はさりげなさを装い、
歩み寄った。

【星莉佳】「………………ッッ!?」

彼女がこちらに気づき、怯えた顔になる。

【星莉佳】「………………ッッ!!」

そのままこの場から駆け出そうとする星莉佳を、
俺は追った。

【喜壱】「待ってくれ！」

【星莉佳】「や……やだ、追ってこないでよ痴漢!!」

【喜壱】「待てと言っているんだ。確かに俺は痴漢だが、
今日はお前に痴漢しに来たんじゃない」

【星莉佳】「な……何よそれ!?」

【喜壱】「占い師の、アルビレオ星莉佳だな？」

【星莉佳】「え……ッッ！？」

星莉佳はさっきよりも目を大きく丸くする。

【星莉佳】「ち……違います、人違いです!!」

首をブンブンと横に振りながら、逃げていく。

一体どういうことだ？
身分を隠したい理由でもあるのか……？

【喜壱】「わかった、違うのならすまん」

ここで追及しても、話が進まない。
話題を変えなければ。

【喜壱】「それよりも少し話でもしないか？
お前に興味があるんだ」

【星莉佳】「え……？」

その瞬間、彼女は立ち止まり、こちらに向き直る。
俺はその大きな胸に、飛び込みそうになってしまった。

【星莉佳】「あ……あ……あ……あの、それってつまり……
いわゆる一つのその、『なんぱ』というやつですね？」

何やらやたらと身をくせらせ、彼女は声を弾ませる。

【喜壱】「う～む……」

目を爛々と輝かせ食いついてくるのに若干退きつつ、
俺は返した。

【喜壱】「まあ、そういうことになるか」

と、また彼女はテンション高く叫ぶ。

【星莉佳】「そ……そうですか……！
ナンパ……ぐふ、ぐふふ……」

何だかちょっと恐い。

痴漢冤罪をしかける少女にお仕置きを

列車に揺られる中でふと脳裏に思い浮かんだのは、
先日の痴漢当たり屋集団にいたツインテールの娘の姿。

あどけなさの残る顏に不釣り合いなスタイルと、
洗練されたコスチュームが印象的な少女だった。

【喜壱】「そう……ちょうどあんな、って……おいおい」

天の采配か、件のツインテール女は
偶然にも俺と同じ列車に乗車していた。

気取られぬよう距離を置いて様子を窺うと、
周囲をキョロキョロと見回している。

挙動から察するにその目的は先日に
仲間の女が電車内で起こしたのと同じ……痴漢冤罪だ。

車両内を見回すと案の定、
離れた場所に先日みかけたガタイのいい男２人もいる。

【喜壱】やれやれ……また適当な男からぼったくるつもりか）

【？？？】「……！　～～♪♪」

俺の予想通り、ツインテール女は先日の事件と同じ、
カモとなる気の弱そうな中年男性の傍へと近づく。

俺に直接の害はない……が、
このまま痴漢をくだらない
金稼ぎのために利用させるつもりはない。

俺はツインテール女の狙う中年男の背後に迫る。

【？？？】「あ、痴漢でーす（棒読み）」

そして犯行が始まるや否や
素早く男と位置を入れ替え、
女の目の前に立ち塞がった。

【？？？】「やだー、この人痴漢でーす……って、ええっ!?」

【喜壱】「痴漢とは……俺の事か？」

【？？？】「えっ？　あっ……うん、そ、そうかなー……」

【？？？】「こ、この人が痴漢ですっ……多分」

狙ったカモにかわって突如姿を現した男に
戸惑うツインテール女。

俺が真正面から問い掛けるも、
返答せずに目を逸らすばかり。

俺たちの間に気まずい空気が流れる中、
車内は俄かに騒然とし始める。

一応、こいつの狙い通りに、
乗客たちの視線は俺たちに集まっていたのだ。

すると今度は予想通り人混みを掻き分け、
例のガタイのいい男コンビが姿を現す。

【ガタイのいい男Ａ】「おい、聞いたぞ……あんたが痴漢か？」

【喜壱】「そうだ、俺が痴漢だ。　で、何か用か？」

只者ではないお客

【しずく】「お、お客さんだっ……いらっしゃいませ！」

なんと、客だ。
それもとんでもない美人だ。

【恵那】「コーヒーひとつ」

【大堂】「少々お待ちください」

女は店内を見回しながら、
カウンターに座る俺の隣に腰かけた。

【喜壱】……いい『痴漢願望』だ。
露出度に反して、控え目なのがまたいい）

【喜壱】そしてしなやかな太もも、引き締まった腹筋……。
実にエレガントだ）

【恵那】「……なにか？」

【喜壱】「いや、実にい……むぐぐっ」

──いい太ももだ、と誉めようとしたところで
背後からしずくが口を抑えにかかってきた。

【しずく】「せっかくのお客さんに失礼なこと言わないでね、
お兄ちゃん？　ほら、あっち行ってて！」

【喜壱】「失礼なものか、俺は素直にだな」

【しずく】「はいはい、分かったから！」

【田澤】「俺も一緒に行きますよ」

【喜壱】「むうっ……！」

そして、そのまましずくに押されて壁際のテーブル席に
押し込まれてしまう。

いったい、俺をなんだと思っているんだ。

そして俺と入れ替わるように大堂がコーヒーを
持ってくる。

【大堂】「どうぞ」

【恵那】「ありがとう」

しかし、こんな場所に開いた小さな喫茶店に
まともな客がやってくるとは。

この調子で少しずつでも店に客が来てくれれば、
しずくも喜ぶのだが……。

女はコーヒーを飲み干すと、再び店内を見渡し……
最後に俺を鋭い視線で一瞥した。

【喜壱】「……？」

だがそれも一瞬のことで、一杯飲んで満足したのか
席を立つ。

【恵那】「美味しかったわ。いい店ね、ここ」

【しずく】「ありがとうございます。またいらしてくださいね」

そして、しずくの言葉に笑みを返して
颯爽と店を出ていく。

【喜壱】「あの女……」

重心にブレのない足取り。
そして、一瞬だけ見せた鋭い目つき……只者ではない。

新しい組織よりの使者

痴漢から返ってくると、
初めて見る女がカウンターに座っていた。

【しずく】「あ、お帰り、お兄ちゃん」

【喜壱】「ああ。その女は？」

【しずく】「さあ……。なんか、お兄ちゃんに用があるって。
知り合いじゃないの？」

【喜壱】「いや」

伊香川にやってきて、数えきれないほど痴漢してきたが
こんな女を痴漢した記憶はない。

一目見ていい女だと分かったが、
それなら覚えていてもおかしくないはずだが……。

【？？？】「ふふ、私は知ってるわよあなたの事。
草壁喜壱……『蛮痴漢』の元触り手、その頂点に立った
最高峰の痴漢」

【しずく】「どうしてそれを……」

【喜壱】「まずは名乗ったらどうだ？」

【イシス】「私はイシス。
あなたの痴漢を見たくて、ここまで来たのよ」

【喜壱】「ほう？」

俺の痴漢を見たい……？

物好きな女もいるものだ。
『痴漢願望』もないわけではない。

【喜壱】「痴漢してくれ、ということか？」

【イシス】「あっ、先に言っておくけど私じゃないわよ？」

【喜壱】「そうか。なら他を当たってくれ。
俺は他人からの痴漢依頼は受けていない」

【イシス】「そう……慣れない街、それも蔵部から逃げるように
引っ越してきた場所で痴漢なんてできないのかしら」

【喜壱】「安い挑発だな」

【イシス】「いいの？
この店の経営状況を考えると断る理由はないと
思うんだけど……」

【しずく】「むっ……。
イシスさん、詳しい話を聞かせてもらえませんか」

しずくがそう言うと、長話になることを察したのか
静かに店員に徹していた大堂が俺のしずくのカップに
コーヒーを淹れ始める。

【イシス】「……って、妹さんは言ってるけれど」

【喜壱】「……仕方ない。話を聞くだけだからな」

目の色を変えるしずく。
こうなると、言って聞くやつじゃないので仕方ない。

【イシス】「ふふ、妹さんには甘いのねぇ」

笑いつつ、イシスはスマホを取り出して
とある動画サイトを俺たちに見せた。

【イシス】「あなたの痴漢を見たい人が大勢いるの。
まずは、これを見てくれない？」

【しずく】「これって……痴漢配信サイト？」

実力は自分の身体で確かめる

にっこりと少女が俺のほうを見て微笑む。

【喜壱】「誰だお前は」

【ネフティス】「さーて、誰だと思う？　当てられる？」

【喜壱】「何の情報もないのに当てられるわけがないだろう」

【ネフティス】「ふふっ、それもそうね。じゃあ、教えてあげる。
あたしはイシスの妹、ネフティス」

【ネフティス】「呼びにくかったら『ネフ』って呼んでもいいわよ。
あたしも自分でそう呼んでるし」

【喜壱】「イシスはどうした？　どうして妹のお前がここに
いるんだ？」

【ネフティス】「イシスは今他の仕事で忙しいから、私が喜壱の
サポートにきたの」

【喜壱】「なるほどな」

イシスもしっかり仕事をしているようだ。

【ネフティス】「挨拶ついでに、貴方の力を見たいんだけど」

【喜壱】「俺の力？　何故だ」

【ネフティス】「イシスは貴方の事、結構買ってるみたいだけど
あたしはまだ貴方の力、半信半疑なのよね」

【ネフティス】「だから、あたしを痴漢してみない？」

ネフティスはそう言いながら、華奢な腰を振って挑発を
してくる。

【喜壱】「お前を、痴漢……？」

【ネフティス】「御託を並べて説明されるよりも、実力を知るなら
それが手っ取り早いでしょう？」

【ネフティス】「だから、あたしのことを痴漢してほしいのよ。
百聞は一見に如かずっていうじゃない」

【喜壱】「なるほどな」

ネフティスの言うことは一理ある。
いくら言葉を並べ立てたところで、実力を測ることなど
到底不可能だろう。

【ネフティス】「それでえ？　どうするのよ、喜壱。あたしに
痴漢してくれるの？　してくれないの？」

【ネフティス】「それともする前にビビっちゃったかなぁ？
意外と繊細だったりするの？」

大きな瞳を細めて、ネフティスはニヤニヤと笑いながら
顔を覗き込んでくる。

彼女の挑発を無視をしてもいいが、痴漢の実力を
疑われているのはいただけない。

それは払拭しなければいければ。

【喜壱】「いいだろう。お前の望み通り、痴漢してやる」

痴漢を震え上がらせる定例会見

大堂はリモコンを操作して、店内のテレビをつけた。
画面に映ったのなにかの会見……だろうか？

それをみて、田澤が神妙な顔をする。

【田澤】「真境名市長の定例会見ですね……」

【喜壱】「伊香川の市長か？」

【田澤】「はい。真境名紫莉……半年前に就任した
新しい市長さんで、痴漢犯罪の撲滅を推し進めています」

【田澤】「それもあって女性層を中心に支持を集めて、
市長選を当選したそうで……」

なるほど……いい女だ。

凛々しい顔つきによく似合う、
肩口で切り揃えられた金のショートカット。

そしてスレンダーな肢体を引き締める黒いスーツが、
豊満な胸を強調している。

【真境名市長】「私が市長に選ばれてから半年。
伊香川市の痴漢の検挙率は増加しつつあります」

【真境名市長】「にも関わらず、痴漢犯罪は増加傾向にあります。
どれだけ逮捕しても、痴漢に堕ちてしまう者、
市外からやってくる痴漢が絶えないのです」

【真境名市長】「皆様は知っているでしょうか。
この街が『全国痴漢名都市１０選』に
選ばれていることを」

【真境名市長】「だからなのです。痴漢が絶えないのは。
私はそんな伊香川を変えてみせます」

【真境名市長】「必ずや伊香川の痴漢を一掃すると、
市民の皆様にお約束いたします」

会見の最後に、そんな決意を口にした市長。

彼女が踵を返すと、後ろに控えていた黒服の男たちも
静かについていく。

その足取りも去ることながら、
画面越しでも隙のなさが見てとれる。

ただのＳＰではない。
恐らく、痴漢警備員だろう。

【田澤】「見ての通りでして。
最近、痴漢の取り締まりが厳しくなっているのは
あの市長のせいです」

【しずく】「……痴漢の天敵ってことね」

極限痴漢特異点NEO

アストロノーツ・シリウス
2025年6月27日発売予定
AVG、DVD/DL、18禁、Win10/11
パッケージ版：9,680円（税込）、DL版：8,800円（税込）
ボイス：あり、アニメ：なし
原画：M&M
シナリオ：ヤマガミユウ、assault、霧島へるん、くれべよういちろう、月影彰太、尼子士、DANKE