【赤月ゆむの「この選択肢、正解ですか？」】人気声優・赤月ゆむさんによる連載コラムがスタート!!　第1回のお題は「声優に、正解はありますか？」【第1回】

これまでの人生で選んできた選択肢が、正解だったのか不正解だったのか？　みんなに判断してもらいます

　リテイク。それは声優が最も恐れる言葉。何回も同じ個所をミスしていると、次第にスタジオの空気も重くなり、演技もぎこちくなっていくという魔の時間。
　通常リテイクは多くても数回ですが、この日の私はひとつのセリフに対して数えきれないほどのリテイクを出してしまいました。
　それは「缶を投げる時の”えいっ”という掛け声」。このたった三文字にOKがでず、何度も何度も繰り返すことになったのです。
　単純な言葉を何度も繰り返すと、ゲシュタルト崩壊が起こり、何が合っていて、何が違うのか、ここがどこなのか、私は誰かなのか、と追い詰められるほど混乱してくるのです。その時に私は思いました。声優になったのは間違いだったのだろうか……それとも……。

あかつきゆむのコラム、この続きを読む？
▶はい
　いいえ

　ここで「はい」を選んでくださった方、あなたの選択肢は間違っていません！
というわけで今回から始まりました 赤月ゆむの「この選択肢、正解ですか？」
　このコラムは、私がこれまでの人生で選んできた選択肢が、正解だったのか不正解だったのか、みんなに判断してもらおうというものです。
　人生のターニングポイントから、本当にどうでもいいことまで、色々書いていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。

　というわけで冒頭のピンチは後で説明するとして、まずは自己紹介をさせていただきます。赤月ゆむ、身長140センチ、Ｇカップの美少女ゲーム声優です。2016年にデビューし、今年で9周年目を迎えました。

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　三重県の片隅で生まれた私は、スクスクと成長し義務教育、高校、専門学校を卒業し、地元で就職をしました。そんな私が、なぜ声優を目指したかというと──普通の生活がつまらなかったからです！
　いえ、今考えれば、普通の生活は素晴らしく、かけがえないものだということがわかります。しかし初々しかった私は「たった一度の人生、何者かにならなくては！」という、若さゆえの衝動を抑えることができなかったのです。当時、アニソンのコピーバンドをしていた私は、アニメやゲームの世界に憧れ「この世界で輝きたい！」「主人公になりたい！」そう強く思うようになっていたのです。

あかつきゆむはどうする？
▶東京で声優を目指す！
　地元で働き続ける！

　よし、声優を目指そう！　私は就職していた会社を辞め、貰ったボーナスを東京の「声優養成所」に全額ブッ込み、そのまま一人で上京したのです。
　バイトを3つ（コンビニ、カラオケ、メイド喫茶）を掛け持ちしながら、家賃3万5000円のアパートで暮らし、声優を目指します。
　しかし現実は甘くありません。すぐには声優になれず、数年の下積み生活を送り、2016年にようやくデビューとなりました（この辺りの話は、また今度……）
　声優生活を始め、手探りながらも一生懸命チャレンジする日々。
　しかし、そんな私に大ピンチが訪れました。それが冒頭のリテイク無限ループです。

　缶を投げる際の掛け声に “体の動きの表現ができていない” や “目線がどこを向いているのか、伝わってこない” など、それまで感覚で演技してきた私に “セリフの根拠” をどこまでも求められる収録となりました。今になって思えばプロとして演技する上で当たり前のことですが、当時はそこまで考える余裕がなかったです。
　数時間ひとつのセリフを録り続け、ようやくＯＫをいただきましたが、帰りの電車の中で「本当にＯＫだったのだろうか、妥協してのＯＫだったのではないか」と涙を流してしまうほどでした。
　そんな不安でいっぱいの収録でしたが、ゲームが発売されると、ユーザーのみなさんから「お芝居が良かった」「一番好きなヒロインになった」など嬉しいお言葉をいただくことができました。その時に、あの辛い収録が報われた気がして、声優の道に進んだことは間違いではなかったと実感できたのでした！

　というわけで、第1回目のコラムいかがでしたでしょうか。感想や、赤月に聞きたいことなどありましたら、Ｘをフォローしてリプをください！
　そして次回、「初めてのエッチシーン」！
　それではまたお会いしましょう。あなたの選択肢は間違っていない！

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