まうめん氏描き下ろし表紙イラスト連動・3回連続の大特集!! 第2回は【シナリオ編】!!
不登校の主人公と片翼の天使の二人をメインに、不思議な能力や人々が絡み合う、MELLOW最新作『スカイコード』。
BugBugでは5月31日の発売まで、全3回の独占特集で紹介していくぞ。
第2回目となる今回もメーカー全面協力のもと、シナリオ掲載の許可をいただいて、キャラクターたちの出会いを中心に、8ヶ所の印象的なシーンをピックアップ紹介!!
MELLOWはエモいシナリオでシナリオゲーファンから熱い支持を集めるブランドだけに、本作で一番注目すべきポイントと言ってもよいだろう。
まずはBugBug.NEWSトップで掲載中の、原画・まうめん氏による描き下ろし表紙イラスト情報のおさらいからスタート。
最後の感想投稿Xキャンペーン&特典情報まで見逃すな!!
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MELLOW最新作『スカイコード』を描き下ろし表紙イラスト連動で3回連続大特集!! 初回は登場キャラクターを独占公開の秘蔵ラフ&原画家コメントで大紹介
まうめん氏描き下ろし表紙イラスト連動・3回連続の大特集!! 初回は【キャラクター編】をお届け!! 不登校の主人公と片翼の天使の二人をメインに、不思議な能力や人々が絡み合う、MELLOW最新作『スカイコ ...
▲BOOTH・【BugBugショップ】では、今回まうめん氏に描き下ろしてもらった表紙イラストの「表紙ver」と、大胆エッチになった差分イラストを使用した「えっちver」、2種類のB2タペストリーを期間限定で予約受付中。受注締切は2024年7月1日(月)いっぱいまで(※延長しました)なので、なるだけ早めに予約しておこう!!
STORY
〝希死念慮〟都内に住む男子学生・宵宮梯子(よみやはしご)は、自身の消滅を願って以来、不登校になっていた。1年経ったある日、家出を思い立ち巨大な廃墟群に辿り着くと、『天使』を名乗る一人の少女がいた。やせ細り半分だけとなった翼を背負う彼女は、失くした羽根探しの協力を求め、梯子に1枚の羽と特別な力を与える。人を救うはずの天使を救うべく、手伝いをすることになった梯子。二人奇妙な共同生活は、宵の訪れと共に始まった。
▲本記事は体験版範囲からピックアップしている。興味を持ったらぜひプレイしてね
本名不明な片翼の天使
天使
(てんし)
CV:東シヅ
天使を名乗り、本名の有無も不明な少女。翼を羽ばたかせ少しだけ浮くことが出来る。バイトをしたり、カップ麺を大量に備蓄していたりと、意外にも地に足付いた生活をしている。時々思い出したように高所で空を見上げ、届かない手を伸ばす。
出会い
【???】「ねえ――」
【梯子】「え――」
その、少女の声は。
東雲の空のように透明で。
黄昏の空のように彩めいていた。
【梯子】「あ……ああー! いた!!」
【少女】「えっ」
【梯子】「あれ、でも……羽がない……」
どこか浮世離れを感じるツギハギのワンピースに、柔らかな灰色じみた白髪。
さっきの女の子で間違いはない……と思う。
けれど一瞬見えた翼のようなものはなくなっていて、代わりに謎の看板を掲げていた。
【梯子】「タッチ・ざ・パブ、≪弐號/にごう≫……?」
2号店ってことなのか、それとも俗にいう二号さんとかって人のことなのか……。
どっちにしても、怪しい看板だ……。
【少女】「もしかして行きたい?」
【梯子】「えっ! いっいいです!」
【少女】「なんだ……」
【梯子】「なんか……がっかりしてる……?」
【少女】「お給料、歩合で増えるの。新規のお客さん一人連れていったら二千円」
【梯子】「へ、へぇ……二千円……」
ということは、この子はこのパブで働いてるんだ……。
タッチ・ざ――多分、おさわり、パブで……。
【少女】「やっぱり興味あるんじゃないの?」
【梯子】「な、ないよ……!」
なくは、ないけど。
【梯子】「どちらかというと、僕が興味あるのは、君の方で……」
どうして羽が生えてて、消えていて、飛び降りても平気だったのか。
でも、あんな現実離れした光景、見間違いだったり、触れてはいけないことだったら……。
【少女】「何か言った?」
【梯子】「い、いや……」
そう思うと、何だか、言い淀んでしまった。
せっかく、ここまで追いかけて来たのに。
【梯子】「……あの、どっちにしろお金がないから行けないんだ。だから、僕と話してても時間の無駄になるよ」
【少女】「お金ないんだ」
【梯子】「うん……ごめん……」
謝ることでは、ないけど。
【少女】「もしかして、家出?」
【梯子】「え……なんで分かるの?」
【少女】「家出っぽい感じするから」
【梯子】「そ、そう……なんだ……」
【少女】「んー……あっ。ちょうどいいかも」
【梯子】「ちょうど……いい?」
【少女】「お仕事紹介してあげる」
【梯子】「……へ?」
【少女】「ん」
彼女は微笑んで、看板を指さした。
それって、つまり……。
【梯子】「ええ……!?」
天使の羽根 星<アストラ>
【天使】「あ――」
【天使】「見つ、けた――」
【酔っ払い?】「お前! どこの店の客引きか言ったら許してやるから言えよ!」
【梯子】「ぼ、僕は、ぼくっ――……」
【天使】「梯子、言っちゃダメ」
【梯子】「てん、し――え……」
廃墟の屋上で煌めいた白が、そこに見えた。
美しくて、冷たい色をした――片側だけの、翼。
【天使】「しー」
天使は、口元に指を当て、小さく微笑んだ。
【天使】「皆には、見えないから」
思わず、息を呑む。
【梯子】「天使、君は――……」
【天使】「使って」
僕の手を包み込むように、天使の手が重ねられる。
泣き出したいほど優しくて、温かな感覚。
【酔っ払い?】「は? 何してんの? バ〇ス?」
【梯子】「羽根……?」
【天使】「うん。これは、梯子を救う羽根」
【梯子】「僕を……救う……」
手のひらに収まるほど、小さな羽根。
手のひらに収まるほど、小さな希望。
【梯子】「どうして、僕にだけ羽が見えて……僕は……」
【天使】「それは梯子が――」
【天使】「この世界から消えたいと思ってるから」
【梯子】「ッ――――」
心臓が、締め付けられた。
全身が総毛立つ。
【天使】「私と一緒に、残りの羽根を探して――梯子」
【梯子】「ああ……本当、なんだ――」
≪滔々/とうとう≫と、涙が頬を伝う。
間違いなく、彼女は。
本物の――天使だった。
天使とカップラーメン
【天使】「ひゃくはちじゅう……できたー。いただきます」
【梯子】「やっとか……こんなに3分が長く感じたの初めてだよ。えっと、液体ダレと香味油を入れて……」
【天使】「ちゅるちゅる……もぐもぐ……ぷはー」
【梯子】「あ、もう食べてるし……! 人が食べてるとこ見ると余計お腹減る……早く準備して……」
【梯子】「よし、いただきます。ずるるっ……ん、ぐ、もぐ……」
【梯子】「うんまっ……!」
【天使】「ネギ美味しくないよ」
【梯子】「いや、本当に美味しいって! お腹空いてるからかもしれないけど、うまっ!」
【天使】「…………」
【梯子】「天使が好きじゃないっていうから不安だったけど、一日食べてないってすごいな……僕、このラーメン好きになりそうだよ」
【梯子】「はぐっ、ずずっ……んー、スープもうまいなぁ……そっかこれ、ネギの香味油が効いてるんだ」
【天使】「ん~~~~、ちょっと食べたいかも」
【梯子】「んえ?」
【天使】「それ、ちょっと食べたいかも」
【梯子】「ネギ苦手なんじゃないの?」
【天使】「苦手じゃないよ。ちょっと、んにゃ、ってなるだけ」
【梯子】「んにゃ……ってなんだ?」
【天使】「ちょっと食べたいかも」
【梯子】「わ、分かったからそんなじっと見つめないでよ……ほら」
【天使】「わーい。梯子もこっち食べていいよ」
【梯子】「えっ……」
女の子が食べてたものを食べてるって……何かしら間接なアレなんじゃないだろうか。
いや、それを言うなら今天使に渡したものも、返されたら同じだよな……。
【梯子】「……それじゃ気にするの、意味ないか」
あんまり遠慮して、嫌がってるように見えたら恥ずかしいし。
天使の、博多豚骨。
【梯子】「い……いただきま――」
【天使】「んにゃっ」
【天使】「ネギ美味しくない……返すから返して」
【梯子】「えっ……あ、ああ……」
【天使】「んむ。やっぱり豚骨の方がおいしいー」
【梯子】「ははは……」
豚骨、少しだけでも食べてみたかったなぁ……。
【天使】「ぷはー。食べたー、ごちそうさまでした」
【梯子】「わ、もう食べたの? ちょっと待って、今食べるから」
【天使】「梯子は食べてて。私お外行って来るね」
【梯子】「あ、ちょっ……行っちゃったよ……」
【梯子】「まぁいいや……食べよ……」
主人公とは別の学校に通う少女
漆月 雫
(うるしづき しずく)
CV:蒼乃むすび
内気というよりは極度な人見知りで、陽キャを見るとひどく怯える。ユキが開いたオフ会に参加した際は、「シンジュ」と名乗った。絵を描くのが好きで、幼い頃はコンクールで賞を取るほどの才覚を見せていたが、進学を機に辞めてしまったようだ。
オフ会に参加する雫(シンジュ)
【???】「ど、どうしよう……もう、皆来てるのかな……やっぱり、帰ろうかな……
【店員】「いらっしゃいませ。何名様ですか?」
【???】「えっ、あっ! あのうっ……! 予約! じゅじゅっ……」
【店員】「ジュジュ様……ですか?」
【???】「あ、うっ……! か、帰ります!!!」
【店員】「ええっ!?」
【???】「――すんません。それ、多分一緒。15名で予約してると思うんですけど
【???】「えっ……!?」
【店員】「ああ。15名でご予約の――≪ソーダフロート≫様?」
【???】「ははっ。そうそう、それ俺っす」
【店員】「あ、ああ……えっと、あちらのお席になります。どうぞ」
【???】「どーも」
【???】「ああああ、ありがと……ございますっ……! ソーダフロート、さん……」
【ソーダ】「ソーダでいいよ。えと……」
【シンジュ】「あっ、ししし、シンジュ、ですっ……!」
【ソーダ】「ああ、アンタがシンジュね。可愛いじゃん。よろしくな」
【シンジュ】「よよ、よろしくお願いしますっ……!」
【シンジュ】「綺麗な、人……でもなんか、チャラチャラしてる感じ……ちょっと苦手かも……」
【ソーダ】「ん? なに?」
【シンジュ】「なっ、なんでもないですっ!」
【ソーダ】「そっか。んじゃ行こうぜ」
【シンジュ】「あっ、はい……」
【ソーダ】「1、2、3、4、5……お、全員揃ってるじゃん。時間勿体無いし、早速自己紹介といこうか」
【ソーダ】「俺はソーダフロート。ソーダでいいよ。学生。成績はぼちぼち。部活には入ってないけど、得意なのはバスケかな」
【ソーダ】「そんでこれが――」
【ソーダ】「俺の羽根」
廃ビルにて
【シンジュ】「おっ、おかえりっ」
【梯子】「ただいま。追加の椅子とテーブル買ってきた」
【シンジュ】「えへへ……」
【ソーダ】「シンジュー。ミーとイチャイチャしてないで手伝ってくれよー」
【シンジュ】「いいいっ、イチャイチャなんてしてないよっっっ!?」
【ソーダ】「はいはい。下に置いたもう1脚取って来るから、これ配置しといて」
【シンジュ】「わっ、分かったっ……」
【梯子】「っと……シンジュ、ここでいい?」
【シンジュ】「うんっ、大丈夫っ」
【梯子】「シンジュは待ってる間何してたの?」
【シンジュ】「あっ、んとね、絵を進めてたよ」
【梯子】「あ、ほんとだ」
絵を見ると、何か所か白い線が引かれていた。
未だ抽象画にしか見えないが、僅かに輪郭らしきものが見えてきたように感じた。
【シンジュ】「あ……あんまりじっと見られると恥ずかしい、かも……」
【梯子】「ごめん。何描いてるか考えてた。秘密にしてるから何かなって」
【シンジュ】「じ、実は、まだちゃんと決まってなくて……いつもはエスキースを作ってるんだけど、今回は構想練らないで描いてるから」
【梯子】「エスキース?」
【シンジュ】「下描きのこと。スケッチブックとかに細かく描いておいて、構図とか見せ方を固めておくの」
【梯子】「へぇー、そうやって作ってるなんて知らなかった。イメージだと一心不乱に描いてる感じで」
【シンジュ】「そういう人もいるけど……私はちゃんと決めないと不安だから、いつもはやってるんだ」
【梯子】「じゃあ、どうして今回はエスキースなしでやろうと思ったの?」
【シンジュ】「んー……皆が羨ましくて……かな」
【梯子】「羨ましい?」
【シンジュ】「私……学校でも家でも、自分の意見ってあんまり言ったことないんだ。思うままに行動するって出来ない」
【シンジュ】「前は好きだった絵も、言われるまま書くようになって苦手になっちゃった」
【シンジュ】「だからここでは、自分らしく在りたくて……なんて。あはは……わがままかな、やっぱり」
【梯子】「……ううん。いいと思う。僕はシンジュが時々してくれてた個展とかの話、好きだよ」
【シンジュ】「ふへぁっ!? あっ、あああっ……ありがとっ……ございます……」
【シンジュ】「そっ、ソーダ、遅いねっ!」
【梯子】「あれ、確かに。椅子取りに行っただけなんだけど、何かあったかな」
明るく人当たりのよい学校のアイドル的少女
碧星 明日香
(みほし あすか)
CV:柚原みう
主人公と同じ学校に通う同級生で、かつての想い人。明るく人当りが良いので、学校内ではアイドル視されており人気がある。女子弓道部の部長と委員長を担っていて、毎日忙しそうに駆け回っている。
明日香との出会い
【???】「――あのっ、そこの人っ! おーいっ!」
【梯子】「え……僕?」
【???】「そうっ、キミっ! たしかー、宵宮くん……だよねっ? B組のっ」
【梯子】「そうだけど……誰?」
【明日香】「えー、覚えてない? ほら、昨日弓道部の部活見学で一緒だった『≪碧星/みほし≫≪明日香/あすか≫』。A組だよ」
【梯子】「……あー」
【明日香】「うん! 絶対覚えてない反応だねっ!」
【梯子】「ごめん、人がいっぱいで先輩と見学者の区別も付かなくて」
【明日香】「あははっ! そうだよね、仕方ないっ!」
【梯子】「それで……僕に何の用?」
【明日香】「あっ! そうそう! 宵宮くん、弓道部入るなら友達になっておきたいなってっ!」
【梯子】「入ると思うけど……まさか、昨日の人全員に声掛けてる?」
【明日香】「ううんっ! 今のところ宵宮くんだけかな」
【梯子】「な、何で?」
【明日香】「それはー……一目惚れ?」
【梯子】「えっ……!」
【明日香】「なんてね、冗談っ。弓道って珍しいから見学してた人は多いけど、実際に入部しそうな人は少なくてね」
【明日香】「一緒に行った友達もあんまり乗り気じゃなかったから、誰か入ってくれそうな人誘おうかなって」
【梯子】「そ、そっか……パッと見20人くらい居たように感じたけど……以外と少ないんだ」
【明日香】「武道って厳しいイメージあるもんね。でもキミは昨日見た時に入りそうって思ったよっ」
【梯子】「そうなんだ……。じゃあ、よろしく。碧星さん」
【明日香】「よろしくねっ、宵宮梯子くんっ――」
主人公と同じ弓道部に所属していた元親友
九条 希望
(くじょう のぞみ)
CV:水樹空
主人公と同じ学校に通う同級生で、かつての親友。同じ弓道部だったこともあり以前は主人公と毎日のように話す仲だったが、とある出来事をきっかけにその関係は破綻してしまう。今では、主人公が最も会いたくない人物である。
九条希望との出会い
【明日香】「宵宮くん! また部員候補捕まえたよっ!」
【梯子】「え?」
【明日香】「この人、≪九条希望/くじょう のぞみ≫くん!」
【九条】「……ども」
【梯子】「あ、どうも……」
【明日香】「あはっ、2人とも人見知りしてるっ。これから一緒の部活なんだから仲良くねっ!」
【九条】「いや、俺そもそも入るって言ってねーし」
【明日香】「でも興味あるよねっ? 見学会にも来てたしっ」
【九条】「まぁ……」
【九条】「……宵宮は入るって決めてるの?」
【梯子】「ああ、うん。決めてる」
【九条】「へー……」
【明日香】「ダメかな?」
【九条】「宵宮がいるなら男子部員0ってわけじゃないか……なら、入ってもいい」
【明日香】「ほんとっ! ありがとうっ!」
【梯子】「あ……ありがとう」
【九条】「別に。進学して学区変わったから、友達一人もいなくて困ってたんだ」
【梯子】「そうなんだ……! じゃあ……」
【九条】「よろしくな、宵宮」
【明日香】「うんうんっ! 青春だねっ――!」
主人公とは別の学校に通うイケメンの先輩
藍陽 ユキ
(はれのひ ゆき)
CV:結城旭
明るさと落ち着いた一面の両方を持ち、男女問わず人気者。自身で開いた『羽根を持った人間を集めたオフ会』では「ソーダ」と名乗る。親元を離れ自立し一人暮らしをしているので、主人公にとっては憧れの存在。時折、女性の影に悩まされているようで…。
天使へのプレゼント?
【梯子】「はぁっ……はぁっ……!」
【シンジュ】「お、重い~~~っ!」
【ソーダ】「ちょいちょい、そっち落ちてるぞー」
【梯子】「そんなこと言ったって……腕死ぬっ……!」
あの後、僕たちは10万円もする巨大なソファを抱えて土手を歩いていた。
言い出しっぺのソーダの7万――僕の2万3千(口座から抜いて)――シンジュの7千を合わせて買った。
どうやら、これが天使へのプレゼントらしい。
【梯子】「なんで、こんなの買ったんだよ……!」
【ソーダ】「3人掛けくらいのソファは、絶対必要だろー。皆で座れるし、天使も寝れるし一石二鳥じゃん」
【梯子】「ソーダの提案、飲むんじゃなかった……!」
【シンジュ】「無理無理むりっ! い、いっかいおろそっ……!」
【梯子】「そ、そうだね……いったん……!」
【シンジュ】「は~~~っ……もう無理ぃ……疲れたぁっ……」
【梯子】「はぁ……はぁ……」
【ソーダ】「ほら、さっき買っといたカポリ」
【シンジュ】「あーやったぁ~~~……!」
【梯子】「あ、ありがとう……」
【シンジュ】「んぐ、んぐっ……ん……はぁっ……」
【シンジュ】「はーっ……生き返るーっ……!」
【梯子】「ん……あぁ……はぁ……」
【ソーダ】「はははっ、シンジュより辛そうじゃんか。完全に運動不足だな、ミー」
【梯子】「電車で二駅分ソファ運ぶのは運動不足とか関係ないって……」
【ソーダ】「あははっ、そりゃそうか。しかも、今日はまたやけに暑いもんなー」
ソーダは空を仰ぎながら汗を拭った。
同じように空を見上げると、遠くに真っ白な入道雲が見えた。
【シンジュ】「んぐ……。やっぱり、廃墟の近くで買った方よかったんじゃ……」
【ソーダ】「近くで買って顏覚えられたらどうするんだよ。学生連中がソファ買うなんて怪しいぜ」
【梯子】「3人でソファを抱えて土手を歩く方が目立ってるよ絶対……」
【ソーダ】「あー文句は聞こえねー。徹頭徹尾首尾貫徹竜頭蛇尾聞こえねー」
【シンジュ】「現実逃避してるし微妙に違うこと言ってる――し、またスマホで撮ってるし」
【ソーダ】「くくっ、良いこと思い付いたんだ」
【シンジュ】「その笑い方、嫌な予感……」
【ソーダ】「本当は廃墟に持って行ってから開けようと思ったけど、ここでビニール取っちゃおうぜ」
【梯子】「え?」
【ソーダ】「それで≪寛/くつろ≫ぐんだ―――バカみたいに、土手のど真ん中でさ」
【シンジュ】「みたい、じゃなくて。本当にバカだと思うけど……」
【梯子】「確かにバカっぽいけど……なんか、いいね。それ」
【ソーダ】「だろーっ? じゃ、一気に剥がそうぜっ」
【梯子】「皆、持った?」
【シンジュ】「うん、持ったよ」
【ソーダ】「よし、それじゃ行くぞ」
【ソーダ&シンジュ&梯子】「せーのっ――――!!」
【ソーダ】「ぷっは~~っ、最高だな~~~」
【シンジュ】「ふあああぅ……ホントだ、気持ちいいぃ……」
三人掛けのソファは少し狭く感じるけど、疲れた身体を休めるにはこれ以上ない座り心地だ。
【ソーダ】「あははははっ!」
ソーダが笑った。
【シンジュ】「え、何急に?」
シンジュが驚いた。
【ソーダ】「いやさ、なんか面白くないか?」
【ソーダ】「俺たち、ついこの前まで顏も見たことなかったんだぜ。なのにこうやって汗だくで、一緒にソファ運んでる」
飛行機雲が、入道雲を横切っていた。
【シンジュ】「い、言われてみれば……不思議な感じするね」
【梯子】「うん……不思議」
僕らは生まれも育ちも、通ってる学校さえ違って。
【ソーダ】「俺さ、学校じゃ大人っぽい感じで通ってんだよね」
【シンジュ】「また自分で言ってる……」
【ソーダ】「いや本当なんだって。一人暮らししてんのもあって、責任感とか、そういうの求められて……」
【ソーダ】「だから、こういうバカげたことを一緒に出来る知り合いって居なかった」
【シンジュ】「その気持ちは……ちょっと分かるかも……」
【ソーダ】「羽根を持ってる連中集めたのも同じ理由だったんだけど、年齢がバラけてるせいかあんま上手くいかなくてさ」
【ソーダ】「だから今、初めて思ってる……。こういうくだらなさが、青春なのかなってさ」
ソーダが笑う。
【梯子】「青春、か……。通り過ぎる人に笑われててだいぶ恥ずかしいけどね……」
【シンジュ】「うう……さっきからお母さんと一緒に遊歩道歩いてる子供がずっとこっち見てるぅ……」
【ソーダ】「はははっ! いいじゃん。笑われたり恥ずかしいくらいの方が思い出に残って!」
【梯子】「そんなものかな……」
【シンジュ】「……風、気持ちいね」
シンジュも僕も、心地よさそうに目を細めた。
【ソーダ】「あー……本当に気持ちいいなー」
【梯子】「うん、そうだね」
【シンジュ】「…………」
青い陽射しが全身を焼く。
土手の緑が白く波打って舞い上がった風が汗を攫ってくれる。
これが、本当に青春って言うなら。
いいものかもしれない……なんて、思いながら目を閉じた。
初回生産分には「スカイコードデジタルコンテンツダウンロードカード」がパッケージ内に封入
『スカイコード』の初回生産分には、封入特典として「スカイコードデジタルコンテンツダウンロードカード」がパッケージ内に封入される。
またデジタルコンテンツとは別に、封入特典を入手した人向けに数量限定の企画も準備しているそうなので、初回生産分をぜひとも逃さずゲットしよう。
▲デジタルコンテンツの内容などの詳細は決定次第告知される。お楽しみに♪
X(旧Twitter)にて「スカイコード」体験版感想投稿キャンペーンを実施中!
MELLOWの公式X(旧Twitter)アカウントにて体験版感想キャンペーンが実施中だ。ゲームまたはプレイムービーの感想をポストした人の中から、抽選で5名にメインビジュアルを使用したB2タペストリーがプレゼントされる。
応募方法は、公式アカウント「@mellowsoft_info」をフォローし、ハッシュタグ「#スカイコード」をつけて感想を投稿するだけ。応募締切は5月30日(木)まで。
体験版では今回の記事で紹介したシナリオやエッチイベントのサンプルも楽しめる。まだプレイしていない人はこの下にある「体験版をDLする」のボタンから体験版をゲットし、プレイ後に感想を応募しよう!!
スカイコード OPムービー「Blue Skies」
スカイコード
MELLOW
2024年5月31日発売予定
AVG、DVD、18禁、Win10/11
パッケージ版:8,250円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:まうめん、さかむけ
シナリオ:垂花、由比燈汰
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