SMEEの15周年時&累計総出荷15万本突破記念作『ラブピカルポッピー!』の魅力に迫る!!
楽しそうなタイトルから既に興味を惹かれるSMEEの最新作『ラブピカルポッピー!』。本作はこれまでのSMEEらしさから離れて「萌えゲーとは何か」という原点回帰を目指した作品だという。そうなった経緯や、本作に込められた想いと魅力を、BugBug5月号ではカラー6ページを使ってディレクターの宅本うと氏に直撃インタビュー!! ここでその一部をお見せしよう。
▲ディレクターの他、企画やシナリオもこなすマルチクリエイター。本作ではシナリオのメインを担当する
厳密には15じゃない周年と累計売上
数字を積み重ねてくれたファンのために
──4月26日発売の『ラブピカルポッピー!』は「15周年記念時企画作」ということですが、これは?
宅本:厳密に言うとSMEEの15周年は2022年で、とっくに過ぎているんですよね(笑)。
──ちょうど『1/1彼氏彼女』が発売になった年ですね。
宅本:そうです。実はその時に盛大に盛り上げたいという気持ちがあったんですが、とにかく会社が忙しい時期で、それどころじゃなかったんですね。それで15周年がおざなりになってしまったことは自分の中でも引っ掛かっていて、それで2022年に動かし始めた企画ということで、「15周年記念時企画作」ということにしたんです。
──それでも「記念」とついていればファンは色々期待しますよね。
宅本:期待に沿うのはそうなんですけど、自分としてはずっと突っ走ってきたら15年経っていたって感じでして。そういう意味ではファンの皆さんとのテンション感が違いそうなのが怖いです(笑)。本当はもっとちゃんと考えなければいけないかもしれないんですけどね。
──それに加えて「SMEE累計15万本突破記念作品」というマークも付いていますよね。
宅本:これについても「言っといたほうがいいのかな?」くらいの感じで。実際に数えたら17万本以上になっていたので、過少申告というか「キリがいいから15万本突破にしておこう」ってくらいなもので(笑)。とはいえこの数字というのは勝手に積み上がったものではなく、ユーザーさんが買ってくれたからこその数字ですよね。その意味では15年続けられたというのも同じなので、ユーザーの皆さんに感謝を伝える意味で「記念」として表に出した方がいいと考えました。
▲元々は宅本氏の考える萌えゲーを作りたいところからスタートしたSMEE。HOOKSOFT、ASa Projectと一緒に、15年の歴史を積み上げてきた
SMEEというブランドとしてでなく
萌えゲー制作の原点回帰を目指して
──そんなSMEEの最新作『ラブピカルポッピー!』はキャッチコピーに「原点回帰! 至高の萌えゲー!」とありますよね。
宅本:ああ、ホントだ(笑)。まあ、この「原点回帰」というのは「SMEEの原点に回帰する」というのではなく、純粋に「萌えゲーってなんだろう」ってことなんです。そう考えた時、一番大事なのはユーザーさんが二次元フェチズムを持ってプレイする時にそれを満足させられるか、ということだと思うんです。ただ、我々も15年も制作を続けていると、「SMEEらしさ」という言葉が呪いのように積み重なってくる。でもSMEEでゲームを作り始めた頃はそんなものはなかった。僕は純粋に自分の考える萌えゲーを作りたかったんです。だから今回は「SMEEらしさ」なんて気にせずに、ユーザーさんが今求めている萌えゲーを作ろうと考えました。その結果、「SMEEっぽくないね」って言われても関係ないです。純粋に「萌えゲー、キャラゲーっていいよね」って想いだけを込めているんです。
──それが原点回帰である、と。
宅本:美少女ゲームの楽しみ方って、シナリオだったりエロだったりと色々あると思います。そんな中で『ラブピカルポッピー!』はプレイした後に「キャラが可愛かったかったな」というところに集約するゲームにしていきたいんです。
──「至高の萌えゲー!」というキャッチはかなり高みを目指しているように思えて、ライトユーザーにとってはハードルが高いのではないか?という意見もあります。
宅本:「至高の萌えゲー!」というのは目指すべきところという意味です。そのための道筋はいくつかあるんですが、自分が考えるアプローチは、いかに二次元キャラを立てられるか。そのためには、自分が二次元キャラの黒子になり切ることが大事だと思っています。「自分を滅して、キャラを持ち上げ、至高の萌えゲーを目指す」というのが自分のやり方だということを忘れないためにも、今回目指すべきところを明確にしたというこです。
▲元々は宅本氏の考える萌えゲーを作るところからスタートしたSMEE。今回はその原点を目指す
フルプライスじゃないとできない
ヒロイン同士の絡みを盛り込みました
──作品テーマに「恋する女の子の可愛さを堪能する」と挙げられていますよね。
宅本:今回はあえて焦点を絞らないようにしました。色々と詰め込んでいくと逆にユーザーとのズレにも繋がるかなと。自分が作った作品で言えば『放課後シンデレラ』(HOOKSOFT)。これは学園ものに「下校にスポットを当てる」という柱を作ることで、内容を分かりやすくしました。が、結果として学園もの好きには刺さりにくいとも感じてます。なので今回は大きな柱だけ用意して、あれこれ装飾はしないようにしたんです。
──その意味では、今回は物語の舞台も一つに決めてはいませんよね。
宅本:『ラブピカルポッピー!』は「大人のお子様ランチ的萌えゲー」で、萌え要素をできるだけ盛り込みたいと思っていました。舞台は寮とカフェがあるけど、寮ものでもカフェものでもない。じゃあなぜそれが舞台かと言うと、「女の子と一緒に暮らしたい」から寮で、「可愛い制服姿が見たい」からカフェなんです。その上で「女の子たちとのわちゃわちゃした毎日」とか「そんな女の子が好きになってくれてのリアクション」とか、萌えゲーとしてとにかく詰め込めるものを詰め込もうと考えました。
──まさに願望を詰め込んだ作品ですね。
宅本:それと本作では、最近のSMEE作品では手を付けていなかったヒロイン同士の絡みも盛り込みました。そう思ったきっかけは『1/1彼氏彼女』。主人公が恋愛する時期とヒロインが異なるというアイデア自体は面白いと今でも思っています。でも、視点を変えれば、ヒロイン一人ずつをロープライスで出せる企画でもある。フルプライスじゃなくてもいいじゃないかと言われたら、確かにそうなんです。なので今作ではフルプライスじゃないとできないことをやろう、と考えて、ヒロイン同士の絡みを盛り込みました。共同生活の場としての寮と、一緒に働くカフェは、まさにうってつけの舞台でもあるんです。
▲本作は主人公が女の子にアプローチして好感度を上げるスタイルではなく、寮母としてみんなに好かれる主人公が女の子たちの気持ちをどう受け取るか、というスタイルになっている
CVチョイスは若手スタッフの意見を重視
エッチシーンはクリックで重層的な構成に
──CVのキャストについてもお聞かせください。今回はどのように決められたのでしょうか。
宅本:今回は社内の若いスタッフの意見を聞きました。というのも、自分もこれまでいろんな声優さんの声や演技を聞いてきて、凝り固まってしまっているところがあると思うんですよ。そこをリセットする意味でも、若いスタッフの意見を聞いたり、新しい事務所さんとお話ししたりして、意識的に新しいキャスティングをしました。
──たしかに過去のSMEE作品ではあまり見ないお名前が並んでいますね。収録の方はいかがですか?
宅本:今回はワード数がかなり多いのですがスムーズに進みました。というのも、一つ一つのセリフが短いんです。複数感情が入るようなセリフや少しでも長めのセリフは分割しています。それでスムーズに収録が進んでいるようですね。
──エッチシーンについてですが、今回はクリックシステムなどが導入されていますよね。
宅本:美少女ゲームの本質はやはりエロシーンですから、ここにゲーム性を持たせたかったんです。クリックシステムについては以前からあったシステムですが、現在は画面タッチやフリックが通常アクションになっていることもあって、実際に二次元の女の子に触ってもらうエッチシーンは時代に即していると考えました。ただ、現実にクリックするエロシーンは廃れたわけで、その理由はめんどくさいから。なので『ラブピカルポッピー!』では読むだけのエロシーンとクリックシステムのエロシーンの両方を入れてありますので、好きな方を選んでプレイしてもらえます。そのためテキストを二重に用意する必要がありました。まず通常のエッチシーンを用意して、次にクリックシステム用に音声を切り出し、足りないボイスを追加収録しました。
▲「能動的に楽しめること」も美少女ゲームの強みであると考える宅本氏。とはいえそれを強制すると嫌がる人もいるので、シンプルにも楽しめるよう倍の手間をかけている
注目してほしいラップのティザームービー
18禁ならではの美少女ゲームのキャラ萌え追及
──プロモーション展開でもお聞きします。すでに主題歌ムービーも公開されていますが、音楽などはいかがでしょう?
宅本:今回はTikTokで流行っている曲を意識して主題歌を作ったんですが、結果的にいかにもな美少女ゲームソングになったんです。でも考えてみると、数年前にTikTokで「ガチャガチャきゅ~と・ふぃぎゅ@メイト」が流行ったので、TikTokで流行るのは実は美少女ゲームソングなのかなとも思いました(笑)。相性が良すぎて「TikTokで人気の曲っぽさ」という特色は消えてしまったかな、と(笑)。
──ティザームービーも話題になりましたよね。
宅本:ラップですよね。実は以前からラップでムービーを作りたいと思っていたんですけど、声優さんにどんな風にお願いしたらいいのか分からなかったんです。そんな時、綾子役のボイスをお願いした蒼乃むすびさんがラップの動画を上げていたんですよ。それを見て、「分かっている人のラップだ!!」と(笑)。
──ちなみに蒼乃さんのキャスティングはラップありきでしたか?
宅本:ぶっちゃけそうです(笑)。やっぱりいろんな芸を見せてくれると、起用する理由にもなりますよね。
ラブピカルポッピー! ティザームービー
▲普通の紹介ムービーかと思ったらいきなり「『ラブピカルポッピー!』の紹介を ラップでしていきたいと思います!」ときたもんだ…これは話題になるね
二次元フェチズムを突き詰めようとした時、
美少女ゲームが一番強いと考えています
──改めて『ラブピカルポッピー!』のセールスポイントをお聞かせください。
宅本:何も考えずに頭を空っぽにして娯楽として「二次元ヒロイン可愛いね」って楽しめるようにロジックを構築して作っています。なので単純に萌えゲーが好きな人、二次元ヒロインを可愛いと思いたい人にぜひ遊んでほしいゲームです。
──さて、これで2年遅れの15周年記念作品が発売になるわけですが(笑)、今後はどのようにゲーム作りを進められていきますか?
宅本:自分はフルプライスのゲームが好きなので、だからこそフルプライスゲームの意義をしっかり考えながらゲームを作っていきたいという気持ちは強くあります。萌えコンテンツが色々出てきている中で、その中で二次元フェチズムを突き詰めようとした時、僕は美少女ゲームが一番強いと考えています。やはり18禁という年齢制限があることが、より表現の幅を広げている。その部分を沢山のユーザーさんにアピールしていきたいですし、アピールしがいのある作品を構築して提供できればいいと思っています。
──さらにフルプライスであれば尚更、ということでしょうか。
宅本:複数の二次元ヒロインの可愛いところを楽しむことができるし、何よりヒロインが複数いることで新たなフェチズムと出会うことが出来る。これはフルプライスのメリットですよね。最初は興味のない属性のヒロインでも、ついでにプレイしたら新たな扉が開かれてしまうことってあるじゃないですか。そういうユーザーさんの性癖を新たに開けるような作品を作っていきたいですね。
▲豪華特典付きの『Super Memorial Edition』にはオリジナルグッズのほかに『リリミエスタ』、『晴れハレはーれむ』、『らぶでれーしょん!』のDLコードが!!
▲サントラ&ボイスドラマCDも見逃せない🎵
プレイヤーが好きになるキャラクターの立たせ方など、宅本氏のロジックもたっぷり掲載!!
今回は『ラブピカルポッピー!』がどのような経緯で作られ、どのような作品になるのか…という部分を主に抜粋したが、「至高の萌えげー」を標榜する本作、インタビュー全文の中では当然ヒロインを可愛く、記憶に残るようにするためのしっかりとした考えも語られている。彼女たちの魅力も深堀りするカラー6ページのロングインタビュー、ぜひBugBug5月号で確認してね★
▲各ヒロインの詳しい紹介や見どころもしっかり語ってもらっているぞ★
ラブピカルポッピー! OPムービー
ラブピカルポッピー!
SMEE
2024年4月26日発売予定
AVG、DVD/DL、18禁、Win8.1/10/11
Super Memorial Edition:19,998円(税込)、Normal Edition:10,780円(税込)
DL版:9,900円(税込)
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:はなまる、飴乃あめ(SD原画)
シナリオ:SMEE(宅本うと、七央結日、水瀬拓未、中島大河)
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