ブランド創立20周年記念に合わせて直撃インタビュー!! 亜佐美晶氏に20周年の軌跡を語っていただいたぞ!!
HOOKSOFTの20周年記念作品となる『放課後シンデレラ』がマスターアップ。もう間もなく発売となるが発売目前となる今回、ブランド20周年の軌跡を辿るインタビューを慣行。エグゼクティブプロデューサーの亜佐美晶氏にお話しを伺ったぞ。さらに後半には発売目前の製品版レビューも掲載。読み応え満載のこの特集、たっぷり楽しんでくれ。
キミは全部遊びきれるか!? 収録ゲームは衝撃の21本!! さらにサントラCDやファンディスク、デビュー作『雨あがりの猫たちへ』は新規ドラマ音声データになって収録!? 20周年を迎えたブランド・HOOK ... 久しぶりに生まれ故郷に戻ってきた主人公が見たのは、様変わりした街とギャル化して誰お前状態の幼なじみで!? 学生時代に女の子と一緒に帰宅。それだけで胸がドキドキするイベントだった学生時代。そんな胸がキュ ...
スタッフが選ぶ歴代ヒロインベスト5&ピックアップ1作品は!? HOOKSOFT20周年の軌跡が全て詰まった究極の記念パックが登場
“下校のドキドキ”をたっぷり味わえるHOOKSOFT記念すべき第20作目をディレクター直撃インタビュー付きで大特集!!
▲過去の特集はこちらからチェック!!
▲「純愛探求」をテーマに開発された『LOVELY QUEST』。主人公の趣味が盆栽とちょっとおじいちゃんっぽいのだ
▲実はHOOKSOFT初の実妹が攻略可能だった『SuGirlyWish』。20年の間にいろいろと変わってきているのです
この20年で7回引っ越しを行っています
──まずは20周年を迎えた今の感想などお聞かせください。
エグゼクティブプロデューサー・亜佐美晶(以下、亜佐美晶):20年という年月をゲーム制作だけで過ごせたことに本当に驚いています。この間本当に山あり谷ありでしたが、スタート時は普通の学生だったので、正直ここまでやれるとは思っていなかったと思います。
──この業界で20周年というのはかなり快挙かと思いますが、20年間走り続けてこれた原動力というのは?
亜佐美晶:新たな純愛への探求心でしょうかね(笑)。でもやはり一番は優秀なスタッフがいてくれていることだと思います。
──HOOKSOFTさんが美少女ゲーム業界へと参入したきっかけはどういったものなのでしょうか? たしか元々は同人サークルから始まったのでしたよね?
亜佐美晶:最初は全くHOOKSOFTとは無関係の同人サークルでゲームを作っていて、当時の販社の方にスカウトして頂いたことが始まりでした。でもぼくらはゲームを作ることは出来てもCGやシナリオ面がとても貧弱でした。そこでたまたま同じようにスカウトされたサークルさんがあって、そこは原画やCG、シナリオは優秀で逆にプログラム面や企画面が弱かったので、合併して一緒に作りましょうということになりました。それが20年前のHOOKSOFTの始まりです。
──開発場所…いわゆる仕事場も、何度か引っ越されたりして変わってますよね。何度くらい引っ越しをされましたか? また、作業環境として一番良かったなと思った場所は?
亜佐美晶:この20年で7回引っ越しを行っています。一番良かった場所は神奈川県川崎市の向ヶ丘遊園にあった事務所でしょうか。かなり古い建物だったのですがとても広く、何より押入れで寝られたことが最高でした。押入れに布団を敷いて寝ていたのですが、いつ寝ても涼しく静かでとても快適でした。
いつも押入れを取り合ってましたね(笑)。たまたま昨年末にその事務所の前を通ったのですが、残念ながらもう取り壊されていました。
▲HOOKSOFT20周年を記念した『HOOKSOFT 20th Anniversary Royal Box 2002-2017』。その圧倒的物量は圧巻の一言!!
──押入れに布団(笑)。それにしても、20年もあれば、酸いも甘いも色々とあったかと思いますが、思い出に残る出来事、事件などもいろいろとあったのではないですか? …今だから話せることもあるかなと思いますがいかがでしょう?
亜佐美晶:もっとも辛かったのは2002年7月~2003年6月までの一年だと思います。タイトルが売れず、大きな借金を背負って事務所を転々としていたのですが、最終的には当時の販社さんの事務所の一部をお借りして制作を続けていました。収入は0で食べるものもなかった時、販社のスタッフさんや先輩メーカーの皆さんがいつも食料を援助してくれました。ユーザーさんからもたくさん食べものや飲み物を頂いたりしていて、今思えば完全に皆さんに生かされていたんだなぁと思います(笑)。あの時は本当にお世話になりました。
──それは壮絶な…。しかし20年もあると開発するスタッフさんの入れ替わりもあったかと思いますし、個人個人が技量を高めたり、役割が変わっていったり、また…いわゆるお年を召されて身体に無理が効かなくなったりと、それはそれは大変なこともあったかと思いますが、そのあたりはいかがでしょう。
亜佐美晶:スタート時は20代で、今は40代ですから、さすがに体力は相当落ちてます。まず徹夜が出来ませんし、マスターアップのあとも数日は休んでいます。20代の若いスタッフはとても元気で常に新しいことに挑戦しようとしているので、そこは見習わなければといけないなと常に思っています。
──なるほど。でも原画家さんは途中で変わっていったとはいえ、みな長くやっていますよね。最初の武田弘光氏こそ2作品でしたが、その後は松下まかこ&らっこの両氏のコンビで非常に長く作品を手掛けていて…。2016年からはRINKS氏が担当しもう4年経っていますし…。
亜佐美晶:そうですね。松下まかこ先生&らっこ先生とは10年以上一緒に作ってきたので、HOOKSOFTを語る上では絶対に外せない存在だと思います。もちろん黎明期を支えてくれた武田先生も忘れられません。特に上記にあった販社さんの事務所で作っていたのが武田先生の『OrangePocket』なので尚更です。RINKSもどんどん成長しています。このあと発売される『放課後シンデレラ』はRINKSの代表作になると思います。
──シナリオライターさんもかなりの人が各作品に携わっていますが、何と言っても川波無人氏が最初期の作品から最新作まで手掛けていて、これはかなりすごいことなのでは?
亜佐美晶:そうですね。かなりすごいことだと思います。そもそも彼がいなかったらHOOKSOFTはスタートすらできなかったと思うので、HOOKSOFT20周年の立役者の一人です。川波さんは10周年作品の『さくらビットマップ』で一度離れて、20周年の『放課後シンデレラ』で再合流してくれました。『放課後シンデレラ』ではきっと懐かしいと感じてくれる方もいらっしゃるのではと思ってます。
▲ゲーム発売のすぐ後にOVA化も果たしている『_summer』。全2巻発売しているのだ
『_summer』でHOOKSOFTの目指す純愛路線が確定しました
──作品の話がでたところで、これまでの歴代作品についてお伺いできればと思いますが、まずはデビュー『雨あがりの猫たちへ』から5作目の『_summer』までについて、それぞれ今振り返ってみての感想や、開発時の心境、状況などお話しいただけますか?
亜佐美晶:『雨あがりの猫たちへ』は正直完成させることが精一杯でした。マラソンで言うところのゴールだけを目指した感じです。『天紡ぐ祝詞』もゴールだけは出来たんですが、勝つための戦略が足りませんでした。『OrangePocket』で初めて売るための戦略と一致団結しての開発が出来たので、競技としてのマラソンのゴールにようやく辿り着けた感じでした。そして『LikeLife』で純愛についての拘りとゲーム性についてを考慮して制作し、『_summer』でHOOKSOFTの目指す純愛路線が確定しました。
──デビュー作の『雨あがりの猫たちへ』は、一周目の『Maker』とストーリーを作り、二周目以降の『Keeper』とでそれをなぞりつつ分岐させるという作り…この頃からシステムには凝っていたんですね。
亜佐美晶:最初はそこだけに拘っていました(笑)。実はこのシステムはアクションゲーム用に考えていたシステムだったので、アドベンチャーとしてはやりすぎだったなと思っています。でも今見返しても面白そうなシステムだなと思いますね(笑)。
▲HOOKSOFTのデビュー作『雨上がりの猫たちへ』。すでにこの作品からシステムに拘っていたのだ!!
──3作目の『Orange Pocket』は、ある意味ブランドの方向性を『恋愛』に決定づけた重要な作品な気もしますが、どうでしょうか? あと確かこの作品から選択肢の回答タイミングでヒロインの対応が変わる「RTC」が導入されましたよね。かなりシステム製作も大変になったかと思いますが?
亜佐美晶:そうなんです。ここで初めて真の恋愛の意味を理解しました(笑)。それまでは恋愛よりもゲーム性が重要だと思っていたんだと思います。RTCは恋愛ゲームに舵取りを変えている最中に意地で入れたシステムでした。結果論ですが恋愛との相性も良かったと思っています。
──そして擬人化で話題になった『LikeLife』。以前紹介したの20周年記念パックでもコメントを貰いましたが、物の擬人化でヒロインに…ってよく思いつきましたよね?
亜佐美晶:らっこ先生の発案でした。最初はみんな熱弁しているらっこ先生に何を言われているのかわからないという感じだったんですが、だからこそ斬新な企画だったんだと思います。
▲擬人化恋愛作品『LikeLife』。らっこ氏の発案で開発に至ったとのこと
──では6作目『HoneyComing』から10作目の『StrawberryNauts』まで、振り返ってみての感想や、当時の心境や状況など、お聞かせいただけますか?
亜佐美晶:そうですね。『HoneyComing』の時は本当にイケイケでした。純愛の完成を目指す中、パズルで言うところの何をやっても美しくピースがはまっていて、ちょっと勘違いしかかっていた時期でした。『FairlyLife』で『LikeLife』を作った時のように一度原点に戻ることにして、10周年記念の『さくらビットマップ』でゲームシステムを一切省いた恋愛だけのゲームを作りました。『SuGirlyWish』では女の子視点に重点を置くことをテーマにし、『StrawberryNauts』ではシナリオへの拘りをテーマにしました。「PIT」(コミュニケーションツール)も最初はみんなどういうものかを理解していなかったんですが、その点もやはり斬新で奇抜なアイデアだったのだと思います。
──『HoneyComing』はゲーム開始時に三つのモードを選びましたよね。これは、システムも大変だったかと思いますが、シナリオにも相当な負担がかかったのでは?
亜佐美晶:実はそうでもないんです。このシステムはシナリオに負担をかけないように考案したものだったので、ほぼスクリプト(編集)スタッフのみで対応できています。シナリオへの負担はオンリーワンモードを選んでも貰ったあとのプレッシャーだったのではないでしょうか。
──シナリオの負担は逆に少なかったんですね。さて7作目の『FairlyLife』は『LikeLife』の流れを組む作品で、確かこの作品からファンディスク(以下、FD)を作るようになったんですよね? 人気投票の1回目1位の未来、2回目圧倒的人気だった頼子、二人別々でFDになって…。
亜佐美晶:作品をリリースしたあとは、基本的にすぐに次の新作に着手していたので、発売後のお客様のお声にはお応えできなかったのですが、『FairlyLife』で初めて投票形式でのミニFDをやってみることになりました。未来、頼子ともにすごい人気だったので喜んでもらえた部分もありましたが、新作に影響しない範囲でしか作れなかったので短めになってしまったのが申し訳なかったです。
▲人工の学園島を舞台にした恋愛AVG『StrawberryNauts』。それまでらっこ氏とタッグだった松下まかこ氏が個別に手掛けた作品だ
──『SuGirlyWish』と『StrawberryNauts』は同年に発売され、しかもそれまでタッグで作っていた原画のらっこ氏と松下まかこ氏がそれぞれ個別で手掛けた最初の作品だったかと思いますが、これは手を別けて作品の発売数を増やそうとか何か理由が?
亜佐美晶:それまでは1年半や2年をかけて作品を作っていたのですが、当時ラノベがとても流行っていたこともあり、流行に遅れたくないという思いからリリース数を増やすことになりました。2本作ることでスタッフ間でも切磋琢磨できたことも大きかったですね。
──年二本はノベルの影響でしたか。それでは次の11作目『LOVELY QUEST』から『MeltyMoment』まで、振り返ってみての感想や、当時の心境や状況など、お聞かせいただけますか?
亜佐美晶:『LOVELY QUEST』は純愛の探求という正にブランドのテーマを主軸にした作品でした。『HoneyComing』の恋愛授業よりももっとエロ寄りにしたいという思いもありました。『PriministAr』はPITの2作目であったので、より情報量を増やすことを目指し、更にシナリオへの拘りもHOOKSOFT史上最大レベルだったと思います。『MeltyMoment』はらっこ先生の引退作品だったので、お互いのやりたかったことを詰め込みました。システム面も充実させて、出会いは一瞬で一期一会であるということを伝えたかった作品です。
▲人気原画家だったらっこ氏の引退作品となった『MeltyMoment』。インタビューにもあるようにシステム面も充実していたぞ
──『LOVELY QUEST』はもう、そのタイトルどおりの「ラブリースマイル委員会」…すごい名前の委員会だなって当時プレイしていて思ったのですが、こういう文言ががサッと出てくいるHOOKSOFTさんの恋愛作品に掛ける情熱の強さ、恋愛作品を長く作り続けてる経験はものすごいですよね。
亜佐美晶:ありがとうございます。こういうのは話し合いで良い名前が出てきたら即採用って感じでいつも進めてます。
──『MeltyMoment』は、それまで培ったシステムの数々を集めたイメージなのですがどうでしょう? RTCやMAP移動、時間経過で演出が変わったりなどなど。なにより「メルティボタン」でのエンディングの演出の変化とかもあり、システム部分の集大成的な…どうすかね?
亜佐美晶:そうですね。確かに集大成だと思います。特にMAP移動には本当に拘りました。上記の通り一瞬の出会いと一期一会に拘っていたので、本来はMAP移動は過ぎた時間軸には二度と戻れないというようなシステムでした。でもデバック時に難しすぎるとの意見が多くあったので、現在のものに変更になりました。メルティボタンはシステムというよりは純愛への拘りでした。あとで見返す時に思い出がよみがえるようにと。
▲HOOKSOFT初のファンタジー作品という『トラベリングスターズ』は人間以外のヒロインが!!
──では14作目の『トラベリングスターズ』、15作目の『Amenity's Life』を振り返ってみての感想や、当時の心境や状況など、お聞かせいただけますか?
亜佐美晶:『トラベリングスターズ』は初めて挑戦した西洋ファンタジー作品で、これもまたいつかやりたいとずっと思っていた作品です。背景の美しさも最高峰だと思います。『Amenity's Life』はRINKSのデビュー作で、3本目の擬人化作品です。携帯電話は最初の姫子から未来に変わった時よりも更に進化していたので、スマホになったらいったいどうなるんだろうというところから試行錯誤しながら作りました。スマホの麻帆も大好きなヒロインの一人です。
──随所に拘りが見えますね。擬人化モノでは現在最新作である『Amenity's Life』は登場人物の多さに圧倒されますが…RINKS氏のHOOKSOFTでの最初のメイン原画作品で、しかも一人で担当という…相当な修羅場だったんじゃないかなって思うのですが?
亜佐美晶:そうですね。RINKSは『Amenity's Life』以降もずっと単独で続けているので、毎回修羅場になってます。中でもデビュー作だった『Amenity's Life』は本当にキャラ数が多かったので本当に大変そうでした。
▲『Eスクールライフ』は好きな時間に学園に登校できるシステムが搭載されていた。またHシーンの全裸と半裸を選べたのもこの作品から
『放課後シンデレラ』はタイトルの決定もかなり時間をかけました
──(笑)。では次の16作目『IxSHE Tell』と17作目『Eスクールライフ』の感想や当時の心境や状況など、お聞かせいただけますか?
亜佐美晶:『IxSHE Tell』はいわゆる好感度を初めて受け身ではなく、プレイヤー自身が決められるというシステム(キュンシステム)を導入しました。モテモテな学園生活がテーマだったのでたまにはこちらから選ぶのも面白いのかなと。体験版が出来上がった時にこれは面白い!って叫んだのを思い出します。『Eスクールライフ』は学園部分を強化することをテーマにしていたので、学園強化版という言い方もしていました。登校から下校に至るまで学園ものならではの見せ方は意外にやれていなかったので、本作では学園内の描写を多めに用意しました。Hシーンの半裸と全裸が選べるシステムを初めて導入した作品で、本作よりHシーンも強化されていくことになりました。
──『IxSHE Tell』はヒロインにポイントを付けて、それに合わせて展開がという、これまた一風変わったシステムでしたよね。当時変わってて面白いなと思ったのですが、その後は搭載されてなかったと思いますが、今後進化して使われる可能性は?
亜佐美晶:そうですね。もちろん可能性はあります。その時はきっともっと面白くアレンジされているんじゃないかと思います(笑)。
▲主人公からヒロインにポイントを付けていくという変わったシステムだった『IxSHE Tell』
──では残り2作『どっちのiが好きですか?』と最新作の『放課後シンデレラ』については?
亜佐美晶:『どっちのiが好きですか?』は、リードするルートとされるルートの二種類のシナリオを用意しますとディレクターの桜城さんに最初に言われたとき、ぼくは単純にヒロインの属性が変わるものだと思っていました。つまりヒロインがSになるかMになるかみたいな。でも実際は驚くべきことにヒロインの属性が変わないまま、リードするされるの2ルートが存在していたわけで、その斬新さにとても驚いたことをよく覚えております。『放課後シンデレラ』は『Eスクールライフ』の学園強化版を継承しつつ、今度は下校に焦点を絞った作品です。登校は時間制限があるけど下校は自由という説明を受けたのがわかりやすかったです。タイトルの決定もかなり時間をかけました。20周年作品なので豪華にしないなと。そこで下校の代名詞としての放課後と、純愛に合うようなシンデレラをかけあわせたタイトルが出来上がりました。
──『どっちのiが好きですか?』は先ほどもおっしゃってましたが、リードされる恋愛とリードする恋愛で、同じヒロインでも2度楽しめる作品で…シナリオもHシーンも両ルートの2つ分用意されてますよね。ある意味2本分作っちゃった感じかなって思いますが、どういった経緯でこういう作りに? 開発スタッフさんは相当大変だったのでは?
亜佐美晶:桜城さんが考案してくれたシステムですが、ぼくも最初は道中が変わるだけだと思っていて、まさか完全に2つのシナリオがあるとは思っていなかったので驚愕しました。でもリードするルートとされるルートでシナリオを完全に分けた方が倍楽しめるということがあったので、無理を言って2ルート分をお願いしました。実際倍近くあったので桜城さんは本当に大変だったと思います。スクリプト(編集)陣営も2つあって驚いていましたね。桜城さんもスクリプトの皆さんもお疲れさまでした。
▲ヒロイン一人で2つのルートを楽しめる驚きのシナリオだった『どっちのiが好きですか?』
──そして20周年記念タイトルとなる『放課後シンデレラ』。下校にこだわった作品で、下校時のヒロインの後ろ向きの姿のCGとか、普段なら絶対なさそうなCGがあって可愛いですよね。
亜佐美晶:そうですね。やはり放課後のわくわくの表現としては後姿が見えた方が良いのかなと思い、初めて後姿の立ち絵や汎用背景へのキャラクターの配置を行いました。体験版でもこの部分が遊べますので是非見てほしい部分です。
──20周年記念作品ということで、かなり気合を入れて作られたと思いますが、いわゆる20周年だから、どういう作品にするかで相当皆さんで揉まれたのではないですか? また20周年記念作品として出た案でボツになったものもあるのでしょうか? もしあればどういったものだったのか教えていただけますか?
亜佐美晶:そうですね。かなり長い話し合いになりました。20周年として培ってきた純愛の集大成をみせたかったので。ボツになった企画はいろいろありますが、個人的にやりたかったのは『HoneyComing』の恋愛授業を再び使った擬人化企画第4弾です。ボツになったあとはどうにかして過去のヒロインも20周年に絡ませたいなと思い、最終的に残ったのが初回特典の『春と乙女の神隠し』です。短いお話ではあるのですが、総勢22名の過去作のヒロインが登場しています。
──22名は凄い。特典とはいえ侮れないですね。さてここまでお話をお伺いしてきて、HOOKSOFTさんの恋愛作品の多さは随一かと思います。その恋愛の重要な要素になるシステムも、毎回しっかりと何かしら搭載していますが、いわゆる普通のAVGだけにしないのはブランドとしての拘りなのでしょうか?
亜佐美晶:作っているのがゲームだからというのが大きいでしょうか。やはり見ているだけではなく自分で選んで遊んでいるという部分で楽しんでほしいなという思いが大きいですね。
▲最新作となる『放課後シンデレラ』。この後製品版の最速レビューをしているのでぜひチェックしてみよう
──なるほど。ではこれからの目標や展開予定など、教えていただけますか?
亜佐美晶:8月28日(金)に『放課後シンデレラ』を発売し、来年には新作を2本を発売する予定でおります。秋ごろには発表になりますのでそちらもお楽しみに。目標としては来年も再来年も元気に制作を続けて、まずは25周年の達成でしょうか。
──25周年、そして30周年とますます楽しみですね。それでは最後にファンの方々に一言お願いします。
亜佐美晶:HOOKSOFTの亜佐美晶です。ただのゲーム好きの学生だったぼくが『雨あがりの猫たちへ』への制作に携わり、そこから早20年が経ちました。皆様にこれまでHOOKSOFTのゲームを買って頂けたこと、そしてたくさんのご意見やご感想を頂けたことでぼくらはここまでやってこられました。この先も純愛といえばHOOKSOFTを貫き通して行きたいと思いますので、これからも応援の程をよろしくお願いいたします。まだまだ新しい純愛を探し続けます。
▲ここから始まって20年。まだまだHOOKSOFTの躍進は続いていくのだ!!
少しずつ仲良くなって女の子の反応が変わっていく過程が萌える!! HOOKSOFT20周年記念作品『放課後シンデレラ』製品版レビュー!!
ここからはHOOKSOFTの20周年記念作品となる『放課後シンデレラ』を最速レビュー!! 久々に生まれ故郷に戻ってきた主人公・公住清史郎。だけど街は彼の思い出の中とはガラッと変わっており、再会した幼なじみも記憶にある子とはまるで別人。そんな変わってしまった故郷で、下校が好きという変わった女の子に出会い、感化され、新しい出会いやきっかけを探していく…といった感じで始まります。
▲下校が好きという変わった少女・田寄多乃実。同じ転校生ということで何かと頼りにされる?
▲すっかり見た目が変わってしまった幼なじみの長南陽佳。おしゃれに敏感な今どき少女
▲小動物的な可愛らしさがある築島つくし。いろいろと尽くしてくれようとするのだが…
▲ウザ可愛い先輩の宇佐川雪子。大抵いつも同じ部活仲間と一緒だったり…
▲エンカウントが大変だった王城茉莉愛。仲良くなるとかなりはっちゃけます
▲今作もHシーンの「全裸」「半裸」を設定可能。HOOKSOFTさんの恋愛ゲーは至れり尽くせりですわ
ハイテンションな会話にコロコロ変わるキャラの表情に捧腹絶倒間違いなし!! ドタバタ感溢れるコメディです♪
序盤はヒロインたちの顔見せ的になりますが、その出会い方も様々。多乃実は出会いから学園での再会まで含めて王道的な感じで、つくしなんか変質者に間違われて絶叫されるなんてお約束も。まさにドタバタコメディといった感じで、ヒロインは無論、サブキャラやモブ問わず会話が軽快でノリが良く、どれも笑える内容が多いので読んでいてひたすら笑えます。しかもその軽快なノリが最後まで続きますので、飽きずにずっと遊んでいられる!! 気が付いたら数時間経っていた…なんてことも!?
▲ヒロインが最初に登場するときに入るカットイン。一目でどんな子なのかわかるのはいいね
▲とにかく食べるシーンが多いつくしちゃん。美味しそうな表情を見てるとこっちも食べたくなっちゃう♪
▲コロコロと変わるヒロインたちの表情を見ているだけでも楽しい。また後ろ向きや横向きなど、立ち絵パターンも多いのも特徴なのだ
▲主人公と友人になるゴロー&ヒデ。彼ら含め、クラスメイトたちとの会話も多彩で笑えるものばかり
▲お友達になった記念に撮った雪子とのツーショット!!
下校はヒロインたちとの貴重な会話タイム!! 楽しく話を進めて好感度アップだ♥
序盤のヒロインたちとの出会いなどが一通り終わると本作の醍醐味である下校ルート設定が行えるように。このルートにより出会えるヒロインが変わったり、誰にも出会えない…なんてことも!? またヒロインたちと何度も一緒に下校し会話をして仲良くなれば、会話での選択肢が増えたり、会話が終わった後の別れを惜しんでくれたりと、彼女たちの心情の変化が見て取れて嬉しくなりますね。もっと会話したいなって思わせてくれます。また帰宅後にヒロイン視点で心情を吐露するシーンもあり、こういった丁寧な描写はさすがHOOKSOFTと思いました。
▲ルート設定前にゴローの占いを聞くと、今の好感度とどこに誰がいるのかのヒントが表示されるので一安心♪
▲下校ルート選択画面。ここで色々なルートを設定して下校する。ゴローの占いを聞くと右下にヒントが、一度クリアすると右上に各キャラのルート自動設定がでるぞ
▲ヒロインは様々な場所にいるが…何かを探していたり、こっちを見ていたりと、ただ出会うだけじゃなく個性あふれる行動をとっているのだ
▲出会って一緒に帰宅をすることになると、当然会話をすることになる。話題の選択がでるので、彼女の好みに合わせて好感度を上げよう
▲帰宅途中、多乃実と一緒にガチャガチャ。狙いモノもがでるのだろうか?
▲茉莉愛は学園が違うだけに、出会うにはちょっと手順が必要かも?
好感度が高まれば個別ルートでもっとイチャラブを!! 当然仲良くなればHもしちゃうぞ♥
下校での会話を続け、特定のヒロインとの仲が進展すると個別のルートに入ります。一度ルートに入るとあとは一直線。Hシーン含む怒涛のイベント押しが続きます。特に茉莉愛は清史郎のいる学園へ転入してきたり、ヘリで夜景を見たりとそのスケールの大きさに驚きますが(笑)。また懐かしい場所も出てきたりとHOOKSOFTの過去作をプレイするとニヤリとできる場面も。また個人的には雪子の変化というか、気が付いたら本気で清史郎を好きになっていた…でも今まで彼をからかっていたから今更…みたいな葛藤に超キュンキュン来ました。彼女たち含め、ヒロインと恋人同士になるとプライベートな情報ややきもち焼きな部分などもしっかりと描かれ、より感情移入できること間違いなし!! さすが恋愛ゲームの大家・HOOKSOFTの作品だと思わされました。名作間違いなしなのでぜひ遊んでみてください。
▲ホラー映画にガチで怖がる多乃実。この後彼女は清史郎にベッタリでそのままお泊りまで♪
▲スカートをたくし上げて秘処が丸見え。そのまま指で愛撫されあっという間にイっちゃいます
▲貴重な眼鏡姿の陽佳。普段の彼女は大人っぽく見えるが、眼鏡があると少し幼く見える?
▲一戦終えた後のピロートーク。HOOKSOFT作品ではおなじみだけどこういうのっていいよね
▲普段はつくしてくれるつくしちゃんだけど、病気の時はいろいろとつくされちゃいます♪
▲つくしとの初H。ショーツを残したままというのがまた男心をくすぐるのだ
▲初デートで靴擦れした雪子をおんぶ。こういうお約束もバッチリ
▲おもらしを見られて恥ずかしそうな雪子に激萌え!! このシチュエーションはエロすぎです
▲いきなり決めた温泉で浴衣H。ヒロイン中でもおそらく一番積極的な子かもしれない?
放課後シンデレラ
HOOKSOFT
2020年8月28日発売予定
AVG、DVD、18禁
Win7/8.1/10、9800円
ボイス:あり、アニメ:なし
原画:RINKS、のいと(SD原画)
シナリオ:此ノ花しな、水越ナゴ、川波無人