長期休載のお詫びと連載再開のご報告
異世界転生失敗!
【オーバーフロー・メイザーズぬまきちのエロゲーDays】をご愛読いただき誠にありがとうございます。
長らくお休みを頂いておりましたが、実は車に跳ねられたりなどして寝込んでおりました。
救急車で運ばれるあたりまでは無職転生とか人気ラノベっぽい展開だぞ!と思ったのですが、目が覚めたら綺麗なおねいさんヒーラーやらツンデレお姫様やらカワイイエルフに囲まれて素敵な異世界ライフが!? とはなりませんでした。残念!
まだ万全という訳でもないのですが、ゆるゆると社会復帰していきたいです!
これからも応援のほど、よろしくお願いします。
連載再開記念でオーバーフローのミニゲーム『誠ゲーム』を期間限定で無料プレゼント!!
詳細は記事の最後をチェック!!
前回【第1回】の記事はこちら
https://www.bugbug.news/b_game/117601/
エロいアクションってなんだろう?
ゲームを作ってみようと思ったとき、必ず目にするのが、”プラットフォームゲーム”というジャンルです。
わかりやすく言えば、スーパーマリオブラザーズやソニック・ザ・ヘッジホッグなど、家庭用ゲーム機でよく見かけるおなじみのゲームジャンルのことをそう呼ぶのだそうです。どんなゲームエンジン、ゲーム言語でも必ずこれの作り方が書かれています。
さて、そんな全ての基本みたいなプラットフォームゲームですが、”エロゲ”という呼称でくくられる商業R18のゲームにはプラットフォームゲーム含めアクションゲームがほとんど存在しません。
昔のパソコンにアクションゲームがなかったということではなく、一般レーティングでは「イース」シリーズや「ブランディッシュ」などずっと人気作を出してきたメーカーがありましたし、エロゲで見ても原初に「177」という国会で取り上げられるほど話題になったアクションゲームが存在していました。
PCエロゲにおいてすっかり絶えたと思われたこのジャンルは、インディーズや同人と言われる商圏では、現在も人気がありR18においても例外なく人気ジャンルとして確立しています。みんなエロマリやエロソニで遊びたいのです。AVGばかりの商業ジャンルに集中していると見逃しがちですが、エロいアクションは思ったより市場が大きく、特に「言語に依存しない」という点で海外でも受け入れられやすく将来的な発展が期待できるジャンルです。AVGは海外展開を考えたときに「シナリオテキストが膨大であるために、翻訳料がためらうほど高い」というハイリスクなハードルがあります。それと比較すると翻訳費用の数百万円分かかってしまう重たいAVGより売上げが仮に低くてもどっこいどっこいになると考えられるので気を楽にしてニッチな表現に挑戦できるのではないでしょうか。
と、前置きで半分くらい使ってしまいましたが、早速手をつけていきましょう。最近のエロゲ事情やAIとエロについてなどなど語りたいことも多いですが、今回はゲーム作りに集中です。
▲同じPCゲームでも同人は商業と比べてRPGやACTなど遊べる作品が多く、エロもニッチでマニアックなものが主流。こちらはドット絵エロゲの火付け役的人気サークル・ディーゼルマインのダンジョン脱出アクションゲーム『魔導士カナデのふたなりダンジョンQuest』
昨今のプラットフォームゲームの表現手法は二系統。ピクセルゲームとしてドット感を重視した低解像度のゲームと、ボーンアニメーションによる高解像度ゲームの二系統です。ピクセルゲームは中高年から見ると昔ながらのドットらしさを活かしたゲームですが、若い人からするとレトロというよりは「そういう表現手法」として受容されており、完全に昔っぽさを出すよりは低解像度による想像と補間をプレイヤーにさせることを重視していて必ずしもパレット管理の厳密さや色数の正確さは求められない傾向があります。僕も最初のキャリアはドッターからなので、ピクセルゲームにすべきか悩みましたが、今回は後者の高解像度のほうでいきます。
このカテゴリーで有名なのは家庭用ゲーム機のアクションゲーム「帰ってきた魔界村」あたりだと思いますが、同人ゲームでも00年代あたりから脈々と作り続けられている人気ジャンルです。
このタイプのゲームのプレイヤーキャラクターは手足や体などをバラバラに作って、あやつり人形のようにボーンと呼ばれる骨をパーツに仕込み、それを曲げたり回転変形させたりする手法で、現在は2Dタイプのソーシャルゲームの戦闘シーンでもほぼ必ずと言って良いほど使われています。
ゲーム業界では一般的にSpineを使うので、ゲーム業界に就職したい人はSpine(あるいはOPTPIX SpriteStudio)を使いましょうねとオススメしておくのですが、今回は使いません。なぜなら、就職に有利な技能と一人でエロゲを作るための技能は違うからです。Spineは”専業のビジュアルスタッフ”がボーンとコンストレインを駆使して美麗なアニメーションを作り上げるもので、一人でやるには専門性が高すぎて重たいのです。ここで伝えたいのは「一人でだって、エロゲは作り始められるよ!楽しいよ」ということです。新しい人を増やしたいのです。ソシャゲのアレは技術と資本力の結晶なので、徒手空拳で挑んだら死んでしまいます。
キャラクターは、ClipStudioPaintでざっくりと立ち姿のデザインを描き、それをベースにして髪や顔、手足などのパーツに分けて、根元の部分を書き足したり、顔の目鼻を切り離した部分を塗りつぶしたりといった分割パーツ分割をしてボーン設定をしていきます。このボーンを設定する作業を”リギング”と呼びます。
可動部分を設定したら、髪や服など揺れて欲しい部分の設定をしてあげればプレイヤーキャラクターの完成です。かわいい!
▲今回のコラムで語られた新ゲーム用にデザインされたヒロイン。かわいすぎっ!!
今回リギングに使ったツールはCartoon Animatorというツールで個人開発にはオススメですが、ソシャゲで使うには受け渡せるデータフォーマットの問題があります。
Cartoon Animatorの良いところは、アクションゲーム向きのモーションが別売りで販売されているのでリギング以降の作業が大幅に短縮されることや、3Dのモーション(BVHやFBX)を変換して2Dのボーンへ適用させるツールが揃っていることにくわえ、3Dツールを経由しないダイレクトなモーションキャプチャ、フェイシャルキャプチャ(iPhoneなどを使ってツール上で直接表情変化をチェックしながらキャラを作っていける機能)が充実していることです。これがあるのとないのとでは、一人でエロいアクションを作る難易度が天と地ほど変わります。だって、限られたリソースの多くはえっちなシーンに使いたいけれど、プレイ時間のほとんどはこのアクションシーンで登場するキャラクターを見ることになるのです。どっちもクオリティで手を抜きたくないですからね。
次回は、家庭用ゲームにはない要素となる「プラットフォームゲームにおけるえっちシーン」を探っていきますよ。エロいプラットフォームゲームのえっちシーンは、全身を映すダイナミックな見せ方と、ほぼ全編レイプで占められる圧倒的な暴力描写が魅力です。お楽しみに。
連載再開記念でオーバーフローのミニゲーム『誠ゲーム』を期間限定で無料プレゼント!!
※Windows用になります。
DL期間:2024年4月16日(火)23時59分まで
▲プレゼントをDLするにはこちらのボタンから。zipファイルで圧縮されています「makoto-game-bugbugver.zip」(51MB)。DLできる期間は記事公開から1ヶ月後の4/16(火)23時59分まで。ゲームの詳細はオーバーフローのBOOTH・オフィシャルショップをチェック!!
<注意事項>
・個人でお楽しみいただく範囲でのご利用をお願いいたします。商業利用や加工を施しての利用等はご遠慮ください。
・配布データの再配布・無断転載は禁止いたします。
メイザーズぬまきち
美少女ゲームメーカー・オーバーフロー代表。2005年発売の『スクールデイズ』は全編がアニメで描かれ、TVアニメ化もされる大ヒットに。普通の学園青春純愛モノの見た目から、予想を遥かに超えるブッ飛んだ展開で、ジャンルを超えて話題を集めた。現在は様々な方向から美少女ゲーム関係で活躍中。
▲現在でも様々なところでコラボしたりグッズ展開されるなど、カルト的な人気を誇る『スクールデイズ』。新たに楽しむなら2012年リリースの完全版『スクールデイズHQ』がDL版で入手できるのでオススメだ
関連記事 オーバーフロー代表・メイザーズぬまきち氏によるコラムがスタート!! まずは自己紹介と近況から 初めまして! メイザーズぬまきちと申します。 オーバーフローというブランドの代表をやって ... 『デイズシリーズ』に関するコンテンツを出し惜しみなく揃えたお得なお宝パッケージ!! 学園を舞台に、主人公の伊藤誠と、桂言葉、西園寺世界による三角関係の愛憎の物語。オーバーフローを代表するヒット作『Sc ...
【オーバーフロー・メイザーズぬまきちのエロゲーDays】あの『スクールデイズ』の生みの親がBugBug.NEWS祝・3周年記念企画でコラムを新連載!!【第1回】
「nice boat.」や「誠死ね」の感想も!? メイザーズぬまきち氏へのインタビューと共に『SCHOOLDAYS SERIES COMPLETE BOX』の魅力を大特集!!