『ONE.』に関連することを話そう?
みなさん、ごきげんよう! ネクストンの「まついさん」です。
いよいよ『ONE.』の予約も解禁されましたね。DLで買う方も相当数いらっしゃると思いますが、パッケージをご所望の方は、どちらの店舗で予約されるのでしょうか。
書き下ろし特典イラストのキャラで楽しく選ばれているものと思います。
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さて、コラムの2回目ということで何を書こうかなと考えました。
読者の皆が知りたいこと…、聞いてみたい裏話は、どういうネタがあるかもそもそも知らないから、「ニーズのある話」ではなく「wantsのある話」なんですよね。
弊社や私個人が絡んでいることでいうとソフトハウスキャラさんのこととか、名古屋の子会社のこととか、lightや、ういんどみる、他に協力?している複数のメーカーのこととか…そういった話なのかもしれませんが。
ということをアレコレ考えていたのですが、タイミング的に『ONE.』が予約解禁されたばかりということで、『ONE.』に関連する話として「樋上いたる」先生のネクストン復帰話をしようと思います(関連しているのかなぁ?)。
2021年の9月1日にツイートにて樋上いたる先生から報告があったようにネクストンに復帰されました。…が、それまでには色々ありました(笑)。
『ONE.』とも関係性はあると思います。勘違いされている方もおられると思いますが、いたる先生が戻ったから『ONE.』を作るのではなく、もっと前から『ONE.』の話はあったのです。
この度、ネクストン様に入社する運びとなりました。これからも頑張ってゲームやイラストの仕事していきます。もちろん個人への仕事も変わらず募集しております。hinoueitaru@gmail.comへお待ちしております。 pic.twitter.com/mnFehFFkWn
— ⚡️樋上いたる⚡️FANBOXやってますー! (@hinoueitaru) September 1, 2021
▲ネクストンへの復帰が決まった報告をする樋上いたる先生のTwitter
最初はかなり前の話です。これは私自身も聞いた話ですが、なんだかんだといって『ONE ~輝く季節へ~』に思い入れのあったBOSSは某社にリメイクを持ち掛けたそうです。弊社がやるよりも、そちらの方がリメイクするならいいではないか? と。
で、それは実現しなかったので、ネクストン内で作ろうということになりました。
おそらく、この時点での話を、(当時は勿論ネクストンにはいない)いたる先生は聞いていたのではないかと思います。
次にネクストンにて『ONE』が話題に出たのはその数年後です。
その頃のネクストンは、当時の幹部だけがディレクターをできるといった慣習を壊し、やる気があって考えられた企画書(中身というより実現可能な予算や販売計画)を出して仲間を集めてきたら、承認会議を経て誰でもディレクターになれるよ! という制度がスタートしたばかりでした。
その時に、手を挙げるやる気に満ちたディレクター候補者は、「自分の考える最強のエロゲ」というものをイメージしてしまいますので(そしてほぼ確実に失敗していく…w)、中々に『ONE』には触れようとしません。
BOSSが誰かいないのかよ! と話して、ようやく「やります!」というスタッフが現れましたが、初ディレクターの方ですし、器用にこなすタイプでもないので…やはり、大方の予想通り、いつの間にか自然消滅した企画となってしまいました。
社内の企画会議も文化祭の実行委員会みたいなノリだったので、当時、十数人がOKを貰っても実際にゲームとして出るのは1~2本あったかなぐらいでした。
※今はちゃんと「予算承認会議」としてきちんと社内審査していますよ!!
それから更に数年の月日が流れました。
恋姫シリーズやLiquidブランドは続いていますし、『アマカノ』とか『ガールズ・ブック・メイカー』とか『巣作りカリンちゃん』とか大小色々なタイトルが出て、社内は常に忙しい状況でした。
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ある日の夜、BOSSに呼ばれました。
樋上いたる先生から、もう一度『ONE』をやるなら原画をしたいという申し出があったそうです。いたる先生は、VAを離れて5年間フリーとなっていたので、その時です。
今回、本当にやるのであれば、途中で頓挫などできませんし、「なんとなく作った」ではいけません。ということで、私の方で管理して制作していくことになりました。
樋上いたる先生には外注原画として参加してもらうこととなり、「進行していきますので、よろしく!」的な連絡を入れました。
ちなみに制作が決まり、ある程度スタッフやスケジュールの見通しがたった後、こっそりと私は某社にメールを出しました。
20年前の作品かもしれませんが、『ONE』に関わったスタッフがいるのでもう一度作りなおすこと、樋上いたる先生が外注原画の立場でスタッフに加わること、その時あった伝えるべき情報は全て連絡しました。
元々、『ONE』はネクストンが全ての権利を有する「会社の作品」ですから権利上連絡する必要はないかもしれませんが、きちんと連絡することが義理かなと思いました。
そのメールを送った翌日だったと思います。ある事件をネットニュースでみました。
いたる先生が「某社に戻りたいなぁ」というツイートしていたのを(笑)。
「オイオイオイ…、ねえちゃん、何やってんねん!」
はい、正直、そう思いました。
ええ、このネタはよく燃えましたね(笑)。
しかし、これには続きがあるのです。
翌日の夜、私のところに社員が相談にやってきました。いたる先生と少しつながりがあって連絡がきたとのこと。報連相は大事です。
送られてきた文面を見てみますと「外注原画ではなくネクストンの社員として一緒にやりたいです」といったもの。
昨日の今日で? とは思いましたが、「まぁいっか」(←O型なので)と、とりあえずBOSSに相談。
BOSS自身も退社後に会ったことはないそうで、とりあえず会ってみようということで「明日きてよ」と連絡することになりました。
今と昔では全然違う会社になっていると思いますが、元社員が戻りたいと言っているのならば別に問題ないのではないかな? というのが私とBOSSの見解です。
でも、ネクストンの社員になるのは色々プロセスもありますし、昔よりもキチっとした会社なので、合うor合わないもあります。原則、自宅勤務禁止なので(期限付きの家庭事情によっては可)、本人の希望を相談しないといけません。
そこのあたりをBOSSに説明し、決断自体は待ってねと。
とりあえず、昔話をしたいということでBOSSが2人で話し、復帰に関してはその後に私を呼んで相談しようということに。早速「明日、来られますか?」の連絡をしました。
ちなみに「金髪でもいいですか」という返事がきましたが、あ、一応面接だと思ってるのかな?と笑いました。
翌日、「なんか派手なねえちゃんが来たな」と思ったら、いたる先生でした(笑)。
しばらくしてBOSSから呼ばれました。
「おう、いたる会社に戻ることになったから。後は任せるからよくしてやってくれよ!」
…私は思いました。
「昨日、決断は待てっつっただろ?」
まぁ、復帰自体は私も賛成でしたので雇用形態・雇用条件が気がかりでしたが、いたる先生も自宅でやるより集団の中で一緒に仕事がしたい(5年間のフリー期間は自宅なので寂しかったのかな?)とのことなので、すんなりと話は進みました。
ある一つの問題を残して。
少し前の文章を読み返してください。
私が某社になんとメールをしたのか…。誠実であろう、義理を果たそうとしたメールに。
「樋上いたる先生には外注原画として参加していただきます」
このメールを送った3日後に弊社社員として参加することになりました! って、誰が信じてくれるのか(笑)。
でも、本当の話ですからね。
嘘みたいな話ですが、もうきちんと連絡しようと思い、連絡しましたとも。
こういう事情で弊社社員としなりましたが、御社の過去作品で描き下ろし依頼があれば承りますのでご心配なくご依頼ください、と添えて(笑)。
他社の作品でもファンは大事にして期待に応えないといけませんからね!
ファンにとっては、自分の好きな作品キャラの描き下ろしはどんどん欲しいと思いますので、弊社に所属したことがネックになってはいけないと私は思います。
これが2021年の8月の話です。
2021年の9月1日から各種手続きして入社ということに決まったのですが、世間的には入社の発表はしないつもりでした が、いたる先生からツイッターで報告したいと申し出がありました。
止めても止められなさそうだしなぁ…ということで、許可しました。
ただし、そのツイートをする時間は決めてもらいました。たしか夜の10時だったかな。
そして私は社内のスタッフにある厳命を下しました。
「今夜10時にいたる先生が、ネクストン復帰のツイートをする。誰もコメントやリツイートで触れるんじゃない!(笑)」
まぁ、確実にネットニュースになりますからね(笑)。
いい意味でも悪い意味でも話題にはなるので、少しでも情報が欲しい人に対して下手にコメントしたりすると変な憶測をする方が多いので巻き込まれますよ、ということで。
ということがあり、無事に樋上いたる先生はネクストンに復帰されました。
今は毎日楽しく仕事されているのではないかと僕は思います。
みなさん、『ONE.』を買ってね!
▲こちらは『ONE.』通常版のパッケージ画像。2023年最大の話題作の一つだ
まついさん
BaseSon、あざらしそふと、Liquid、エムズトイボックス…等々、数多くの人気ブランドを抱える美少女ゲームメーカー・ネクストンの統括プロデューサー。精力的にリリースを続けるネクストンの中で事業のほとんどに関わっており、さらに広報やイベントの売り子など萬屋的な仕事もこなすなど、多忙を極めている。7月28日には『戦国†恋姫EX参 ~毛利家の絆編~』(BaseSon)と『僕色に染まる叔母』(だーくワン!)の2本がリリース予定。さらに8月25日には『ガルドマ -女子寮の管理人-』(あざらしそふと+1)と『TO・RA・WA・SE ~囚われの偽妃が夢みる初夜~』(だーくワン!)の2本がリリース予定と、この夏はネクストン関連の注目作が目白押し!!
▲7月28日リリース予定の『戦国†恋姫EX参 ~毛利家の絆編~』(BaseSon)は、人気の『戦国†恋姫EX』シリーズ3作目。中国地方を舞台に毛利討伐編が展開され、物語もクライマックスを迎えるぞ