可愛らしいボイスだけど仕事に対する姿勢はまっすぐ!! そんな飴川紫乃さんにインタビュー!!
BugBug本誌にて不定期連載ながら掲載のたびに大きな反響を生んだ人気声優に直撃するインタビューコーナー「BugBug声優STATION」。3月号に掲載された第1回の小波すずさん、5月号に掲載された第2回の北大路ゆきさんに続いて6月号の第3回では飴川紫乃さんが登場!! BugBug.NEWSにて新しく始まった連載コラムでも大注目な飴川紫乃さんの、声優になるきっかけや担当したキャラクターへの思い入れなど、モノクロ6ページにびっしりと綴られたロングインタビューは必見だ!! ここではその内容を抜粋してダイジェストでお届けしよう。
▲第3回のインタビューは飴川紫乃さん。シナリオを読み込んで作品世界を理解した上でキャラの魅力をみせるスタイルで多くのブランドからオファーが殺到中!!
デビュー作からメインヒロイン担当!? 事務所も期待の大型新人声優!!
──今回飴川さんのインタビューをさせていただくにあたって改めてキャリアを振り返ってみたのですが、美少女ゲームデビュー作でいきなりメインヒロインを担当されていたんですよね。
飴川:はい。そうなんです。インレさんの『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』で藤堂平助役をいただきました。
──このデビューってなかなか異例なことだと思うのですが、どういった経緯で出演が決まったのでしょう?
飴川:えーっとですね……実は事務所に入るオーディションの段階で「最初からドーンと花火を打ち上げよう」と言われまして、その時にすでにこの役が用意されていたみたいなんです。
──ほほう(笑)。
マネージャー:補足しますと、当時事務所にいたマネージャーが「今度、こういうすごい女の子が来るかもしれない。もし来たら、この役をやらせてくれませんか」ってアピールしていたんです。ありがたいことに、それにメーカーさんも「新人がデビュー作からメインヒロインというのは面白い」と乗ってくれて。
──ものすごく期待されていたわけですね。
マネージャー:はい。期待の大型新人でした。
飴川:でも私はなにも知らないで事務所に入りましたから。周りから「それってすごいことだよ」と言われて「そうなんだ」って思ったくらいで。事務所に入ることが決まったらすぐに「これが台本だよ」って渡されて「すごく分厚いなあ」って(笑)。
──ああ、確かに美少女ゲームの台本は分厚いですよね(笑)。
飴川:今思えばありがたいお話だったんですが、当時は本当に何も知らずにお仕事をさせていただいていました。
▲声優志望も多い昨今、デビュー作『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』からメインヒロインを任せられるというのは異例なことだった模様
──そんななかなか珍しいデビューをされた飴川さんですが(笑)、そもそも声優を目指すようになったのはどうしてだったのですか?
飴川:高校生の頃に深夜アニメを観始めたんですね。その頃に友達から「そういう声なら声優に向いているんじゃないの」って言われたのがきっかけかもしれません。当時は「変な声をしてる」って言われていたんですよ。なんか子供の声のまま高校生になったみたいだねって。で、そう言われたことで声優という仕事を意識し始めて、あれこれ調べるようになった感じですね。
──それで声優の勉強を始めたのですか?
飴川:高校卒業後は大学に進学して専門学校に通い、そして事務所に所属して……という流れです。
──ちなみに高校以前にお芝居関連のなにかをされていたりはしたのですか?
飴川:そういうのは一切していませんでした。私が通っていた高校がオタクの多い学校だったので、周りに薦められたものを観ていましたね。
──それで深夜アニメなんですね。
飴川:そうですそうです。それで友達が「このキャラの声、やってみてよ」とか言うわけですよ。それでやってみると褒めてくれる。
──その頃から上手かったわけですね。
飴川:いえいえ、全然です。でも盛り上がってくれると私も嬉しいし、できる気がしてきちゃうじゃないですか。
▲とても可愛い声ゆえに「変な声をしてる」と言われたこともある飴川さんだが、その声でみんなを喜ばせる天職に巡り会うことができて『竜姫ぐーたらいふ』などの人気シリーズでも大人気に
デビューは新選組でテンションアップ!! ゲーム独自の収録方法に戸惑いも
──そうした中でデビューするわけですが、18禁ゲームのヒロインですよね。そのあたりは最初から説明されていたんですか?
飴川:はい。なのでオーディションを受けるときから「R-18の仕事もやるようになるかもしれない」というのは考えていましたから抵抗のようなものはありませんでした。それと専門学校の先生に「洋画にもすごいことやっている作品はあるから、R-18の仕事を経験していればいろいろできるようになる」って言われて、なるほどなって。だから今思い返しても、抵抗はまったくありませんでした。
──ちなみにデビュー前に18禁ゲームの存在はご存じでしたか?
飴川:まったく知りませんでした。そもそもPCゲームのことをほとんど知らなかったし、ノベルゲームも触れてこなかったんです。なので実際にプレイしたのは事務所に入ってからでしたね。体験版が中心なんですが、何本かプレイしてみました。
──じゃあ、お仕事をしながら知っていった感じですね。
飴川:そうですそうです。だからインレさんがどんなブランドなのかも、収録しながら知っていった感じでした(笑)。
──台本も分厚いし(笑)。デビュー作から『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』のシナリオ量は大変だったんじゃないですか?
飴川:私、本を読むのも好きだし、新選組に関する作品もいくつか読んでいたんですが、『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』ってかなり史実に忠実なところもあって面白くて、読むこと自体は大変じゃなかったんです。でも台本チェックの仕方なんかは当時全然知らなくって、面白いからって一気読みしちゃったから、そこからが大変でした(笑)。
──確かにインレさんはシナリオにも定評があるメーカーさんですからね。
飴川:しかもいただいた役が藤堂平助じゃないですか。もうブチ上がりましたよ(笑)。自分が知っているキャラの美少女化で、ゲームの中でもカッコよかったし。
──実際に最初の収録で覚えていらっしゃることってありますか?
飴川:専門学校の時って、収録のレッスンでは5人とか10人とかでスタジオを使うんです。でもゲームでは一人じゃないですか。なのでスタジオにイスとテーブルが置かれているんですよ。座って収録することも初めてで、しかも『幕末尽忠報国烈士伝 -MIBURO-』はバトルシーンで声を張るシーンも多いわけです。それで「座ってどうやって声を張っていいのかわからない!!」って感じになってしまって。
──どうやって乗り越えたんですか?
飴川:その時は当時のマネージャーが気を利かせて先方にかけあってくれて、立って収録させてもらいました。あの時、立って収録させていただけたので、今の私があるんです(笑)。
▲学生の頃から様々な本を読んでいた飴川さんは新撰組関連の作品も履修済み。そういうこともあってデビュー作から相性ばっちり!!
デビュー後も人気作への出演多数!! 代表作「ぬきたし」のヒットに感激
──そんなデビューが2017年12月。翌年以降、コンスタントに出演されていますね。
飴川:常に読む台本があるというのは、本当にありがたいことだと感謝しています。
──特に2019年は20本くらいのゲームに出演されていますね。
飴川:この時は読んでも読んでも台本があって、寝られるのかな?って感じでした(笑)。でも楽しかったです。シナリオが面白ければ面白いほど、読んでいてテンションが上がっていくんです。
──デビューから2019年までの中で、ご自身の中で転機になった作品はありますか?
飴川:いろいろありますが……やっぱり『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』(Qruppo)ですね。この作品はエロなんですけど、むちゃくちゃ熱い物語で、伝えたいことがしっかりある作品なんですよね。しかも「主人公とヒロイン」という枠に収まらない広い世界で物語が描かれていて、それが本当に面白かったんです。
──渡会ヒナミはかなりはっちゃけたキャラですが、キャラづくりはいかがでしたか?
飴川:私、はっちゃけたキャラの方が得意なんですよ。平助の時はキャラ的に硬めにしゃべらなくちゃって頑張ったんですが、ヒナミは「もっと日常会話な感じでしゃべっていいんだよ」って教えていただいたのもあって、気負わずにしゃべれました。楽しかったですねえ。
──『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』はパート2も含めて現在の売れている人気作になりましたね。
飴川:そうなんです。シナリオがものすごく面白くて、収録の時もものすごく盛り上がっていたので、この面白さが伝わるといいなって思っていたんです。なので沢山の人がプレイしてくれているのは本当に嬉しいですね。
▲そしてデビューの翌年には飴川さんにとっても印象深い大ヒット作品『抜きゲーみたいな島に住んでる貧乳はどうすりゃいいですか?』のメインヒロインに抜擢!!
──この時期のラインナップを見ると純愛系やキャラ萌え系が多いのですが、その中でLiLiM DARKNESSの『White Blue』が異彩を放っていますよね。
飴川:この時は「ひどいことをされるゲームも大丈夫?」って聞かれたので「なんでも大丈夫です」って答えたらお仕事が来たんです。実際にこんな事をされることはないしされたくないですけど、だからこそファンタジーの世界なんですよね。なので楽しんで演じることができました。お仕事の幅も広がったと思います。
──それにしても、本当に人気作への出演が多いですね。
飴川:ありがたいです。『ラズベリーキューブ』(まどそふと)は私の知る限り初めてオーディションで決まったお仕事だったんです。これも嬉しかったですね。
──作品が多いので、キャラのタイプも様々ですよね。実際に収録に臨まれるときは事前にキャラを作りこまれるタイプですか?
飴川:キャラクター自体は台本に書かれているので、まずはそこをしっかり読みます。ただ、キャラはあまり作りこんでいってもスタジオで違う方向になる事もあるので、ふわっと作っていくくらいですね。むしろ物語をしっかり読み込んで内容を把握して、疑問点を見つけておくようにしています。
▲『White Blue』のようなダーク系作品のかわいそうなキャラであれば、かわいそうな要素でキャラの魅力を引き出すというプロ意識
大切にしている作品の世界観──作品の歯車となれるような声優に
──そんなキャラ作りの中で、飴川さんが一番大事にしていることはなんでしょう。
飴川:作品世界の中でキャラをどう生き生きとさせてあげられるかをすごく考えています。だからまずは作品の世界観を読んで把握します。そこからキャラをどう動かすかを考える感じでしょうか。ただ、声は飴川にまかせられたとしてもキャラの本体はシナリオライターさんやディレクターさんの中にあると思っているので、そこを踏み外さないようにというのは意識しています。「想定していたのと違うけど、でもすごくよかったです」と言ってもらえると、やっぱり嬉しいんですけどね。
──そうなると、収録前に台本だけでなく世界観などの資料も一緒にいただける方がやりやすそうですね。
飴川:あ!! そうですね!! 特にキャラの資料だと表情集ですね。例えば笑うにしても、大口を開けて笑うのか、口元に手を当てて笑うのかでキャラは全然違ってくるじゃないですか。そういう資料が沢山あった方が把握しやすいですよね。
──やはり物語や世界観ありきなんですね。
飴川:そうですね。だからヒロインが5人いる作品だと、5人の関係性や立ち位置が気になります。その作品でどういう立ち位置なのかがわかっていれば、キャラの色も塗りやすいじゃないですか。
──ちなみに台本はどのように読まれているのでしょうか。
飴川:時間があれば3周は読むようにしています。作品資料と併せて、気になるところは書き込みをしたりして、ですね。基本は自宅で黙々と読むタイプなんです。というのも、日本語が聞こえてくると気が散っちゃうんですよね。なのでBGMは全然分からない言語の歌詞の曲をかけています。
──1回の読み込みでは集中して一気読みですか?
飴川:できればそうしたいですね。なので3時に読み始めて、気づいたら7時なんてこともありますよ。
▲飴川さんにとって「洋画の強い女」なイメージという『RE:D Cherish!』のサブヒロイン、桜子。ビシっと決めるカッコイイセリフを言うチャンスにテンションアップ!!
VTuber活動にコラム執筆も開始!! 「動画を見てきた」という方にはエロゲの世界に入ってきてほしい
──今後イベントが復活するといいですね。配信というお話も出ましたが、飴川さんもYouTubeで番組を持たれていたりVTuberとして活動されたりもしていますよね。
飴川:YouTubeの『せいきゃんch』は、最初は「名前を知ってもらえないとお仕事をもらえない」ということでナオト†サンクチュアリさんと始めたんですが、今はお互いの好きなことをやっている感じですね(笑)。ファンと直接対話できる場所として大事にしていきたいなと思っています。VTuberも実はクラウドファンディングで作ったので、見ていただいている皆様のおかげで始められたんです(笑)。やっぱり楽しいことをやっているのを楽しんで見てもらえているのって最高の世界じゃないですか。ゲームをやったりお話ししたりでファンと交流するって楽しいですよね。もちろんこれがきっかけでお仕事に繋がれば嬉しいです(笑)。
──確かにそうですね。でもいろいろな配信チャンネルを持たれている方はいますが、VTuberというのは美少女ゲーム声優の中ではまだまだ少数なので、印象に残りました。
飴川:例えばホラーゲームで何かが飛び出てきたとか、アクションゲームで熱くなっちゃったときとか、素のリアクションで楽しみたいと思いまして。それにかわいいキャラが画面にいれば、ファンも楽しんでもらえるかなあと。大好きな茉宮祈芹先生に描いてもらったかわいい絵を毎日見られるので、私もテンションが上がりますしね(笑)。
▲茉宮祈芹先生のキャラデザインによるとっても可愛いVtuberな飴川紫乃さんのチャンネルもチェック!!
──VTuberの配信を見に来られるのは、どういう方ですか?
飴川:もともと飴川のSNSをフォローしてくれていた方が多いです。後は他の声優さんの配信におじゃました時に飴川を知ってくれた方とか。でも中には「歌ってみた動画を見てきました」という方もいらっしゃいますよ。そういう方にはぜひエロゲの世界に入ってきてほしいですね(笑)。
──まだ入れない方もいそうですね。
飴川:そういう方には「何年後かにお願いします」とお伝えしています(笑)。
──ぜひたくさんの人をエロゲーに誘い込んでください。新しい取り組みとしては、今度BugBug.NEWSでコラム連載をお願いすることになったんですよね。これまでコラム執筆のご経験はあったのですか?
飴川:いえ、初めてです。
──でも、読書家ということで、書くのが得意そうですよね。
飴川:好きですけど、得意じゃないんですよ~。得意だったら小説家もやってみたかったですね(笑)。でも自分が書いたものがどこかに掲載されるというのは小さい頃からの夢だったので、叶って嬉しいです。テンションがすごく上がりました。
▲BugBug.NEWSにて飴川紫乃さんのコラム連載もスタート!! 仕事の脚本を読み込み、自身も様々な本を読み、Vtuber活動もしている上に執筆する飴川さんはとってもエネルギッシュ!!
▲BugBug6月号では飴川紫乃さんの直筆サイン色紙プレゼントも!! 本誌でチェックしよう
BugBug6月号付録DVDk「CV Heroine Collection 飴川紫乃」も必見!! あわせて見ればより楽しめるぞ♫
作品世界を何より大切にする飴川紫乃さんは、脚本を時間のある限り何度も見直し、わからないところはどんどん質問するという。そんな彼女のプロ意識や、プライベートなお話などはBugBug6月号に全文が掲載されているのでぜひチェックしてほしい。さらに紙版のBugBug6月号付録DVDには、今回のインタビューの連動企画として「CV Heroine Collection 飴川紫乃」を収録!! これは飴川紫乃さんが出演した作品のうち、編集部で厳選した14タイトルのオイシイところをダイジェストで見られる動画コンテンツだ。飴川さんがキャラクターを生き生きとしたものにするためにどのように演じているのか、インタビューと合わせて見ることでより味わい深く楽しめるというわけ。これはなんとしても付録DVDの付いているBugBug本誌を入手したいね!! 売り切れる前にぜひゲットしよう★ BugBug.NEWS連載コラムの第2回は前回からちょうど1ヶ月後の5月30日(火)お昼に公開予定!! こちらも見逃さないようにね♫
▲飴川紫乃さんが出演した作品はものすごく多いので14本は一部に過ぎない、でもインタビューで触れた作品はしっかり押さえているので文字と映像の両方で楽しんでね
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