美少女ゲームを牽引するネクストンを支える“まついさん”氏が最新作や業界の最新情報をお届け!!
皆さん、はじめまして。(株)ネクストンの「まついさん」です。会社では色々な業務を行う「万屋(よろずや)」として活動しております。
今回、コラム掲載のお話を頂きましたので、少しでも皆さんが楽しんで頂けるものをお届けしたいと思います。
弊社ゲームの宣伝も少しはしようかなと思いますが、広報のまくらさんではなく、私の方にお鉢が回ってきたということは、ディープな話を期待されているのかな?
ではでは、スタートです!!
・ネクストン設立30周年を迎える!!
1993年2月24日に設立された株式会社ネクストンは2023年となりましたので、設立30周年となりました。設立記念日として毎年2月24日は休日にしましょうぜ! と社長に進言しておりますが、ちっとも聞き入れてくれませんね(笑)。
現在、30周年記念作品として『ONE.』を鋭意制作中です。このコラムが公開される頃には公式HPがオープンしていると思います。
▲ついに詳細が発表された『ONE.』。もはや伝説級の名作が、令和の現代に復活するぞ。あの感動を再びプレイ出来るのが待ちきれない!!
1998年、設立してから5年後の作品なのですね、今のネクストンとは会社の場所も異なりますし、当時の社員も樋上いたる先生しかいないと思います。ちなみに私は当時のことを「紀元前」と呼んでいます(笑)、ネクストンではこの30年で時代の移り変わりとなる転換期がいくつかありましたので…、また別の機会でお話できればとは思います。
・ゲーム制作のお話~店舗特典のお話~
BugBugは業界関連の方がよく見る雑誌…という認識を勝手にしておりますが、純粋な読者の皆様向けに店舗特典のお話をしたいなと思います。
店舗にてパッケージを購入するときによく見ると思いますが、ゲームに封入される特典にも色々な種類があります。
①描き下ろし店舗特典、②オリジナル店舗特典、③予約特典、④有償店舗特典
といった感じでしょうか。
最近はDL販売にもちょいとお値段上乗せで特典がつくことがありますね。
➀描き下ろし店舗特典は、メーカーがイラストを提供して店舗主体で特典を作ります。メーカーもイラストを無料で提供することになりますが、なによりゲーム制作中に特典物の描き下ろしスケジュールを組み込まないといけないので、原画・CGともにかなりの負担となります。そのため、制作できる枚数は限られるので、多くの発注を見込める店舗に対して提供するイラストになります。
②オリジナル店舗特典はその他の店舗、又はそもそも描き下ろしがない作品にて、イベントCGを提供してその店舗が作る特典物になります。テレカとかQUOカードでよく見かけますね。人気なのはHシーンのCGなのですが予約開始前にメーカーは絵柄を提供して選んでもらうので、この時に出来上がっているCGはまだまだ少量ですのであまり種類が多くないときもあります。立ち絵イラストのテレカを見ると、「あ…察し」と思っていただければなと。
③予約特典は、予約時にお渡しするor予約者に発売時にお渡しする特典です。色紙などが多いですね。元々は、発売4カ月くらい前にある予約解禁日のスタートダッシュを得るための特典なのですが、このご時世と市場の移り変わりで店舗も減ってきましたので、通販予約者にも付けるようになってきました。
④有償店舗特典は、お店側がメーカーの提供したイラストでグッズを作り、ゲームとセットで販売するものになります。店舗特典は購入特典として基本無料となりますので、定価を超えることはほぼありませんが、有償特典はいわゆるセット販売なのでゲームの定価+αとなるものです。
どの特典物も製造数を決めて業者に発注して制作をしてもらわないといけません。数量を決めて発注してから3~4週間ほど制作に時間がかかりますので、特典付きを購入希望の方は、できるだけ、前月のゲーム発売日に予約して帰っていただくのがベストだと思います。
・オマケの四方屋話
オマケということで肩の力は抜いて語らせてもらいますね。
・美少女ゲーム業界の市場話
「市場は厳しくなってきました」というのは間違いありません。皆さんがエンタメ(エロ方向)に使うお金もエロゲ以外に使うようになったのかなと思います。
FANZAか? そんなにFANZAソシャゲがええのんか?
はい、すみません。ウチもFANZAソシャゲに色々提供しております、というか『魔王カリンちゃんRPG』も絶賛制作中ですし、『戦国†恋姫オンライン』も、『DeepOne虚無と夢幻のフラグメント』もありますね(笑) え? あのDeepOneソシャゲはネクストン関係あるのか? 原型ないぞ? と思う方もいると思いますが、私、ちゃんと毎月DeepOneソシャゲ会議に出席していますからね。運営会社・製作会社と一緒に。色々なメーカーとのコラボ、お声がけは私からしていることが多いです(笑)。
すみません、本題に戻りましょう。
絶対的な分母数としては昔よりはるかに減少しています、20年くらい前と比べると4分の1くらいかもしれませんね。
昔は、「大ヒットは狙えなくても、利益が出るくらいならさほど難しくない稼げる業界だった」と思いますが、今はしっかりと作らないと難しい業界となりました。
一方で、稼げる業界に現れる「業界ゴロ」みたいな人やメーカーは大分減りましたので、今も残っているメーカーはある意味でゲーム制作に真摯なメーカーかもしれませんね(笑)。
具体的な数量を言うと色々なところから怒られてしまいそうなので、現在の目安でいうと…、昔ならこの本数であれば絶対に社長に怒鳴られるだろう本数が、今なら話題の大型タイトルがでない月ならば1位になる…くらいのパッケージ本数です。
勿論、DL販売が充実してシェアを増しているというのもあります。10年くらい前ですが、黒系タイトルであれば売上の3割ほどの本数でしたが、現在だと黒系タイトルなら発売開始3日間(金曜・土曜・日曜)でパッケージの本数を超えることもよくあります。
萌え系タイトルではまだそこまでのDLでのシェアはありませんが、そのうち追いついていくのではと思います。
読者の皆さんはこのエロゲ業界で働きたいと思いますか? もちろん、楽しいこともたくさんある業界だと思います! …会社によるかもしれませんけど…。
もし業界に将来入りたいと思う方へアドバイス!!
グラフィッカーやスクリプターなら入るのに有利な業界かもしれませんね。原画・ライターは割と実績がないと厳しいと思います。ディレクター志望の方はもっと厳しいと思います。
オマケ話が長くなってしまいましたね、では今月はこんなもので。
この下にありますチャンネル登録、高評価をよろしくお願いします!!
(って言っておけば、編集部の方で下に何か用意するでしょw)
まついさん
BaseSon、あざらしそふと、Liquid、エムズトイボックス…等々、数多くの人気ブランドを抱える美少女ゲームメーカー・ネクストンの統括プロデューサー。精力的にリリースを続けるネクストンの中で事業のほとんどに関わっており、さらに広報やイベントの売り子など萬屋的な仕事もこなすなど、多忙を極めている。直近では、4月28日に『アマカノ2+』(あざらしそふと)が発売されたばかり。さらに今後も、7月28日には『戦国†恋姫EX参 ~毛利家の絆編~』(BaseSon)と『僕色に染まる叔母』(だーくワン!)の2本が、8月25日には『ガルドマ -女子寮の管理人-』(あざらしそふと+1)と『TO・RA・WA・SE ~囚われの偽妃が夢みる初夜~』(だーくワン!)の2本がリリース予定。
▲7月28日リリース予定の『僕色に染まる叔母』(だーくワン!)は原画・吉野恵子氏×シナリオ・NATORI烏賊氏の強力タッグで贈る「叔母と甥の背徳AVG」。濃厚な寝取りエロスに期待大だ!!
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