記念すべき新連載・第1回!! まずは読者に自己紹介しつつ、最近参考にしている美少女ゲームも披露
はじめまして、シナリオライターのかずきふみと申します。
この度、コラムを連載させていただくことになりました。
ゲーム雑誌や情報系サイトで記事を書いてみたいと常々思っておりまして、とうとう夢が叶いました。BugBug.NEWSさんありがとうございます。そして3周年おめでとうございます!
雑談やエッセイっぽくゆるい感じでいいよとのことなのですが、せっかく美少女ゲーム情報サイトで記事を書かせていただくのですから、それっぽい内容にしたいですよね。
初回ということで軽く自己紹介を含めつつ、美少女ゲームを作る際に普段どんなことを考えているのかについて触れていきたいと思います。
僕のシナリオライターとしてのキャリアは十数年になり、シナリオだけでなく企画もよくやらせていただいております。
業界入りたてのころはフルプライス規模の作品に携わっていましたが、ここ何年かはロープライス規模の作品をメインに書いています。
フルプライスはスケジュールが大変だったり、短い作品の方が性に合っているなど理由はいくつかあるのですが、自分なりに今後のことを考えた結果、ロープライスのお仕事を優先的に引き受けるようになりました。
不景気と言われるこのご時世、フルプライス10,000円って気軽に手に取れる値段ではないですよね。とはいえ開発費を考えると、下げるのは難しい。
最近はsteamのおかげで海外展開が比較的容易になり、美少女ゲームの市場規模は広がっていると言えますが、海外のユーザーさんも値段に対して非常にシビアですから10,000円では売れません。だいたいの作品は、国内価格の約半額程度でsteamに並んでいるのではないでしょうか。
主に同人ゲームなどの低価格帯の美少女ゲームは非常に好調なようで、だいたい1,000円から高くても3,000円程度でしょうか。そのくらいの価格帯が、日本のユーザーさんにも海外のユーザーさんにも手に取りやすいようです。
▲かずきふみ氏が最近注目しているという海外の美少女ゲーム。台湾発のConnection『幸せのダブルルーム』はこちらの記事をチェックしよう
ロープライス作品はクオリティ面で不安があると感じているユーザーさんが多いという実感はいまだあるものの、海外展開を視野に入れつつコンパクトに仕上げるのがひとつのスタンダードになるのではないか、なんて個人的には思っています。
ロープライスの規模でいかに豪華に見せるか、いかに価格以上の価値を出すか。そんな風に企画を考えるようになりました。
最近は特に、海外の美少女ゲームを参考にしています。
1,000円から2,000円という安価でありながら、立ち絵やHシーンが当たり前のように動き、シンプルなノベルゲームではなく分岐が多かったりミニゲームがあったりと、隙の無いクオリティです。イラストも可愛く日本語テキストとボイスが標準搭載されていることがほとんどなので、日本の美少女ゲームを凌駕しているのではないかと感じることもあります。
BugBug.NEWSさんでも以前取り上げられている台湾発の『幸せのダブルルーム』がその最たる例ですね。かなり挑戦的なシナリオで、なおかつエッチでとても良きゲームでした。
同じく台湾発の『怠け怪獣姫は働きたくない』もおすすめです。ヒロインがとても可愛くてエッチです。こちらは公式発表によると、発売一ヶ月で販売本数12万本を達成したそうです。めちゃくちゃ売れてますね。
十数年携わってきた作り手として勝手にライバル視して勝手に悔しがったりしているのですが、同時に大きなうれしさも感じています。
日本の美少女ゲームに近い文法で作られた海外のゲームが、好評を得ている。美少女ゲームを求めているユーザーが、日本だけでなく海外にも大勢いるということです。
比較的容易になったと言いつつも、ローカライズであったりその国々の倫理観にあわせた表現の調整だったり、海外での販売はそれなりにコストがかかりますが、その手法が確立・効率化されたとき、美少女ゲーム業界は海外を巻き込んで大きく盛り上がるのではないでしょうか。
僕がシナリオライターとなったのはちょうど売り上げに陰りが見え始めたころで、実は元気のある美少女ゲーム業界を僕は知りません。またかつての活気を取り戻すまで現役であり続け、この記事を持ち出して「自分、こうなるってわかってました」ってドヤ顔したいですね!
かずきふみ
数々の美少女ゲームの名作・話題作のシナリオや企画を手掛ける、今業界で最注目のヒットメーカー。2010年『もっと姉、ちゃんとしようよっ!』(CandySoft、2010年)でシナリオデビュー。代表作は、『ガンナイトガール』(CandySoft)、『なないろリンカネーション』(シルキーズプラスWASABI)、『9-nine-』シリーズ(ぱれっと)、等多数。直近では、4月28日発売予定の『天使☆騒々 RE-BOOT!』(ゆずソフト)、5月26日発売予定の『クリミナルボーダー 2nd Offence』(Purple software)と、2ヶ月連続で話題作のシナリオを手掛けて注目を集めている。
▲『クリミナルボーダー 2nd Offence』は、昨年10月に発売された第一弾に続く待望の続編。裏社会を舞台にしたキレキレな世界観とシナリオが話題となった注目作だ
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